「経済の脱炭素 25年停滞 英は排出3分の1 日本、技術革新が急務」という記事が掲載されました。(2020.11.22、日本経済新聞)
この25年、日本の温暖化ガス排出削減は足踏み状態で主因は火力発電を多く使っている発電セクター、としています。
同じ記事で使われていたグラフです。
アメリカや英国、ドイツなどが順調に減らしている中、日本は足踏み状態に見えます。
日本の電力はCO2排出が多く、東日本大震災以降の原子力発電所の運転停止の影響が大きい、としています。
経営でも環境問題は大きなインパクトを持つようになりました。
アメリカでGAFAが批判されている理由は大きく二つ。
労働問題と環境問題です。
Amazonでは宅配のスピードアップは環境によくない、という社員の告発を抑え込もうとしているのではないかという問題が持ち上がっています。(日経ビジネス、2020.6.29「実録・アマゾン解雇の現場 テック⼤⼿に広がる「内なる反乱」)
国レベルでも環境問題に取り組む姿勢が顕著になってきています。
各国中銀は、
「経済物価の長期予測に気候変動リスクを織り込むこと」
「保有する民間証券の温暖化ガス排出状況の把握」
をスタートに、
「新規資産買い入れに環境基準を導入」
「銀行融資の担保にグリーン関連資産を容認」
「銀行長期支援に環境基準を融資条件に組み入れ」
など順次踏み込んでいく予定となっています。(日経新聞、2020.11.18「環境重視へ動く中銀、新潮流 気候変動と金融」
また菅首相も所信表明演説の中で国内の温暖化ガス排出を2050年までに実質ゼロとする方針を表明しています。
ITをはじめ各分野で競争力を失いつつある日本ですが実際のところはどうなのでしょうか。
日本と北海道の温暖化ガス排出量を名目GDPで割り、GDP1兆円当りの排出量をグラフ化してみました。
北海道は冬季の暖房がありますから全国平均よりは多めの数値になります。
北海道の温暖化ガス排出統計が2016年度のものが最新になりますのでその年の分まで計算しました。
北海道のグラフ(上の赤いグラフ)では東日本大震災のあと、泊原発が停止した影響が出ています。しかし、その山も越え、震災前のレベルまで下がってきています。ここ4年、GDP当りの排出量が下がってきているのは経済が少しづつ拡大している中、排出量が抑制されています。高齢化によるガソリン消費減など少子高齢化で資源消費そのものが減ってきているのかもしれません。
東日本大震災のあと、温暖化ガス排出が増えて減った形の北海道と比べ、日本の傾向を見てみますと、
2012年の280.23万トンでしたがその後2018年には226.64万トンまで下がっています。7年で△19.1%ですから削減率としては悪くないと思いますが…
少なくとも、「原発停止で温暖化ガス排出が増えている」とは言えない状況です。
もっとも、この状況で原発を再稼働すればさらに温暖化ガス排出は減る、とも言えます。
パリ議定書に興味を示さず離脱を決めたトランプ大統領の方針は転換され、バイデン政権はパリ議定書に復帰し日本と同じ2050年実質排出ゼロ、を目指すとされています。
日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資制度の中にも「環境エネルギー対策資金」があります。今後は財務諸表そのものに加え、環境問題への取り組みが別に評価され中小企業の資金供給の選択肢が増えるかもしれません。
拙著「倒産のリアル」発売になりました。
コンサルタントを始めていままで見てきた再生の現場をなまなましく描きます。
「ビジネス書とも、経済小説の短編集とも取れる内容。普段あまり本を読むことのない自分でも一気に読めた」
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今まで、事業再生関連の本は、ガイドブック的な造りだったり、解説書風だったり、あまり読んでいて面白くない文体のものが多かったので、そうでないものを、ということで書き下ろしました。
札幌市内ではコーチャンフォーさん、ジュンク堂さん、札幌駅横の紀伊国屋書店さんなどに置いていただいています。
お手に取っていただければ幸いです。
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youtubeでも中小企業金融などを解説しています。
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