6月26日に発表された持続化給付金の対象拡大についてまとめてみました。
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【2020年開業の特例】
上の表で着色してある部分、C-1という分類になるところです。
開業届は必要で、2020年3月末までに開業しそれを5月1日までに税務署に届け出たことが条件となります。
開業以来の売上の金額について確定申告が終わっていませんので確定申告書で証明することはできません。
そこで税理士の証明を受けることになっています。
この部分の税理士の役割は重要です。
開業と同時に顧問契約をし、試算表を作り始めていればまったく問題ありません。顧問税理士は自らまとめた試算表の売上金額を転記するだけです。
問題は、顧問税理士がついておらず、この証明書を書いてもらうために税理士を探す場合です。税理士にとってはあなたは未知の事業者です。正直な人なのかそうでないのかもわかりません。その人の月売上を証明する、というのはそれなりに勇気のいる事です。
記載に誤りがあり結果として不正受給となった場合にも税理士に対する罰則はなさそうですが資格商売である税理士にとって気軽にサインを入れられるかというとそうではないと思います。
2020年開業は中小法人も適用があり、開業日は法人全部事項証明書の設立の日で判定します。
【雑所得、給与所得で申告している場合】
事業所得ではなく、雑所得や給与所得として所得を申告していた場合の救済措置です。
添付書類として、
1.実質的に業務委託であることがわかる業務委託契約書の写
2.または、契約書はないが、勤務の実態は業務委託であることを委託元から証明してもらう(書式はサイト上にあります)
3.国民健康保険の保険証
4.委託元からの支払証明(源泉徴収票、支払調書)
が必要になります。
このうち、国民健康保険の保険証というのがミソです。実際には雇用契約により働いているのに「業務委託を受けています」と申請する人を念頭に置いていると思われます。雇用契約があれば、会社側はその人を社保加入させないといけないので健康保険は社保、となります。
国民健康保険に加入している、ということで、「雇用契約により働いてもらっているのではなく、業務委託先である」という証明ができる、という流れです。
開業届はそもそも給与や雑所得の申告者は提出していないと思われますので添付書類にはなっていません。
「実際は業務委託なのだがいろいろ面倒なので給与扱いで払っていた」というようなところを委託元に証明してもらわなければなりません。そこをクリアできれば受給の可能性が開けます。
【雑感ですが】
この対象拡大は6月12日の第二次補正予算に盛り込まれました。
持続化給付金分として1兆9,400億円が計上されました。
第一次補正予算は、総予算2兆3,176億円。このうち受け皿団体をスルーしたとして大問題になっている事業費が796億円。
一次補正予算分の申込件数が199万件。そのうち149万件は給付済(6月11日段階)ということですからこの予算規模だと最大300万件の給付ができそうです。日本の企業数は360万社とも400万社ともいわれています。手掛かりになりそうなのは消費税の申告数ですが平成29年の統計で299万件。これに加えて相当数の消費税非課税の事業者がいると考えても対象となる中小企業のほぼすべてがこの給付金を受けられる予算規模となります。金額的な備えは十分、と言えそうです。
実際には、前年同月比△50%という条件をクリアしている事業者はほとんど申請済みでこのあと2020年創業や雑所得/給与所得申告などニッチな分類の事業者が申請してくるわけで申請のピッチはさすがに落ちてくるのでは、と思います。
もう一つ感じるのが予算規模のわかりにくさ。どの事業にいくら、という内訳が調べてもなかなかはっきりしないのです。
財務書、経産省、どちらの資料をみても、複数の事業をまとめて総額を示したり、一般会計でいくら、財政投融資でいくら、というおカネの出どころでまとめたり、でわざとわかりにくくしているのか?という印象です。
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