(前回の続き)

 事業再生に登場する関係者はそれぞれが感情を持った人間だ。

 したがって事業再生は理屈だけでは進まない。ひとりひとりの感情をくみ取ることが大事になる。

 その感情が噴き出してくる部分、それが「脳」。

 脳とビジネスの関係について今たくさんの本が出るようになった。私が読んできた範囲でそのハシリとなったのが「EQ-こころの知能指数」。ビジネスで重要なのは知能だけではなく、相手の感情に共感する力でそれは脳の中の感情記憶をストックする扁桃体と関連する、という内容である。この本が1998年。

 その次は「まずルールを破れ!」で人間の脳は10歳位には性格が決まってしまうので仕事に合わせて従業員を変えるのではなく、従業員に合った仕事をさせろ、という内容でした。これが2000年。

 その後いろいろなことがわかってきました。

 「脳はストレスに弱く、ストレスにさらされると消耗する」
 (=ビジネス的には「いやな仕事はするな」)

 「自分の興味のあるもの、好きなことをするとき脳は活性化する」
 (=ビ 「好きな仕事をしろ」)

 「脳は手持ちの情報で帳尻をあわせる=思い込む」
 (=ビ 「できると思えばできる。まずできると思うこと」)

 「脳は単純な反復を好む=手を抜きたがる」
 (=ビ 「人はなかなか変われない」)

 最近わかったこととしては、

 「脳細胞は増える」

 「年齢を重ねると単純な記憶力は落ちるが集中力、判断力など結晶性記憶は増強される」

 などがある。

 この「脳」の特性がおおもとになって効果のあるトークやコーチングにつながっていく、という構図だ。

 事務所の書棚をみると、本の比率も「感情本:理屈本=80:20」くらいになっている。

 これからも感情重視のコンサルで行こう!