特別機動捜査隊を視聴後、気になったところを分析した項目です。テレビ番組、映画、脚本、監督、出演者など、さまざまなジャンルを含みます。

今回は

 

****特別機動捜査隊【第4回再放送】三船班

 

について、考えてみました。

三船主任を演じた青木義朗にとっても

>8年間にわたり出演、青木の代表作となった。

と評されるほどで、特捜隊の個性でもある「事件を描く」姿勢に、「ドラマとして描く」姿勢を加えた分水嶺ともいえる存在でもありました。

 

 

その三船班は、【第4回再放送】では最古参捜査主任。【第2回再放送】では当方未見ながら特別機動捜査隊(第413回)麻薬 で初登場、それも、立石主任(波島進)率いる立石班、藤島主任(中山昭二)率いる藤島班との共演でありました。そして【第3回再放送】では、両捜査班終焉のあとは、高倉主任(里見浩太朗)率いる高倉班の誕生と終焉を見送り、【第4回再放送】では矢崎主任(亀石征一郎)率いる矢崎班、日高主任(葉山良二)率いる日高班とも共演、立石主任や藤島主任に続く特捜隊での功労者のひとりでありました。

以後は、本放送での年月日での記載となります。

 

1974年3月20日、高倉班#646 嘆きの天使 (高倉班最終話) の終焉のあと単独捜査班となります(註・劇中では#735 あるニッポンの悲劇 で高倉班は存続中の設定)。その後、

・1974年5月15日#654 矢崎班 緊急出動せよ で矢崎班登場

・1976年5月19日#757 霊柩車を撃て! で日高班登場

となるわけですが、様々な出来事(矢崎班の空白期間など)を経て、1977年3月23日#800 あゝ夫婦 (三船班最終話) で三船班は終焉を迎えます。功労者として、#801で特捜隊最終回を担当してほしい気持ちはありましたが、最終回は矢崎班に譲っています(註・この点、#801 浮気の報酬 (矢崎班最終話)【最終回】 のコメント欄でシャザーンさんから貴重な指摘あり)。

前述した特別機動捜査隊(第413回)麻薬 (1969年10月1日本放送)から、正確には7年5カ月強の出演期間で、立石主任の9年7カ月強、藤島主任の6年10カ月強(註・検証本からの逆算で、wikiだと8年近くになる、途中降板時期有り)と比べてもひけをとりません。

 

その三船班の、【第4回再放送】での流れを見ていきますと

・1974年・・・22作(註・1974年は他に、【第3回再放送】の12作を含め全34作)

・1975年・・・31作

・1976年・・・26作

・1977年・・・5作

の84作が三船班単独ストーリーです。これに1975年の三船班+矢崎班共同捜査篇2作、1977年の三船班+日高班共同捜査篇1作がを加え、全87作となります。

→(註)かつて*特別機動捜査隊【第4回再放送】矢崎班part1 で計算した数値と異なっていましたので、併せて訂正いたしました。

 

この期間、矢崎班と同様に三船班も(「空白前最後の作品~空白後最初の作品」)

・8作分・・・#764 駄目な奴 ~#773 ゆり子と言う女 

の空白期間が存在します。これは#764 駄目な奴 でのネタバレともなりますが、三船主任が全治2か月での入院場面のラストがあり、7月7日~9月15日の2カ月強の空白期間としているのは偶然ではないでしょう。

 

年度別にみると、三船班は【第3回再放送】のなかで、1971年から年間30作以上を担当してきましたが、1976年は3班体制、上記空白期間があったとはいえ減少傾向にありました。その翌年に番組終了なのですから、もしかして日高班登場時点で番組終了の雰囲気があったのかも? とか考えてしまいます。。。

 

さて、三船班メンバーの流れは以下の通りです。

 

・三船主任(青木義朗)は、未見ながら【第3回再放送】の特別機動捜査隊(第413回)麻薬 では立石班・藤島班と共同捜査ということでした。とすれば、その後三船主任は、高倉班・矢崎班だけでなく、#789 新春 危機一髪 で日高主任と共演したことから、関根部長刑事・笠原・石原に続く全捜査班とかかわった人物といえます。しかし未見の件もあり、畑野と併せ(後述)後日観賞したときの課題とします。#800 あゝ夫婦 (三船班最終話) が最終出演となります。

 

・関根部長刑事(関根)は三船班の重鎮といえる存在で、全捜査班と関わりを持ったひとりです。本放送順番の問題もあるのですが(千葉県外房ロケ作品#758 愛情の海が三船班での最終作)、 三船班所属を離れ#757 霊柩車を撃て! で日高班初回を飾ります。ただ三船班メンバーとは、日高班#771 新宿海峡 、三船班+日高班#789 新春 危機一髪 で、それぞれか関わりを持ちました。

「掲示板特捜隊」では、かつて所属した三船班を揶揄する場面が有ったとのことですが、【第4回再放送】でそういった場面は見当たりませんでした。

 

・松木部長刑事(早川雄三)は、【第3回再放送】で高倉班の#558 野獣の棲む街 が初登場、三船班には#561 ある警察官 からの登場。高倉班、三船班の両レギュラーを務め、三船班には関根との共演が多い印象。当初は、部長刑事が2人いるのはおかしいと考えたのか、「関根部長刑事・松木刑事」のオープニング表記でしたが、後に「関根部長刑事・松木部長刑事」となりました。「関根=長さん、松木=まっつぁん」と言うのが、三船主任の口癖です。関根が日高班異動後は、松木が三船班の最年長として活躍、#800 あゝ夫婦 (三船班最終話) が最終出演作となりました。

 

・谷山部長刑事(和崎俊哉)は、矢崎班空白期間の#784 ドキュメント・逃亡 、#791 女を泣かすな のみに出演。前者には、同じく矢崎班所属の三宅(三宅良彦)も初出演していました。

 

・田坂(倉石功)も矢崎班所属ながら、三船班に応援出演する頻度が多い。#682 何が彼女を そうさせたか で三船班初登場、#739 あの子が危ない が三船班への最終出演でした。

 

・畑野(宗方勝巳)も関根と同様に、三船班の重鎮といえる存在。【第2回再放送】で藤島班と関わりを持った情報があるのですが、当方未見のため確認できまぜん。もしそうであるなら、全捜査班と関わりを持った刑事になり、これは前述の三船主任と同様、後日観賞したときの課題とします。三船班ストーリーでは、【第3回再放送】で畑野刑事主演譚が多い印象も、【第4回再放送】では石原に取って代わられた感が強い。#800 あゝ夫婦 (三船班最終話) が最終出演となります。

 

・石原(吉田豊明)は、全捜査班と関わりを持った刑事のひとり。【第4回再放送】では石原刑事主演譚が多くつくられ、三船主任を上回る存在感のストーリーも見受けられます。また、【第4回再放送】での特徴として、長髪・ノーネクタイとラフな格好で登場することがほとんどで、当時シノギを削ったライバル刑事ドラマへの対抗もあったと思われます。#800 あゝ夫婦 (三船班最終話) が最終出演作となります。

 

・水木(水木襄)は、石原の後輩にあたり、長らく三船班で活躍してきましたが、#800 あゝ夫婦 (三船班最終話) を待つことなく、#780 ある女のみち で降板。【第4回再放送】では石原・水木両刑事活躍譚ともいえる#754 ドキュメント・暴行 が印象的。

 

・佐田(立花直樹)は、水木と入れ替わりのように#782 わたしの父さん で初登場。ワンポイントで矢崎班・日高班に応援出演しますが、他刑事と同じく#800 あゝ夫婦 (三船班最終話) が最終出演作となります。

 

・戸川(一の瀬玲奈)は#762 若き十七才哀歌 で初登場。女刑事のレギュラーは、木塚(藤山律子)に続き2人目。木塚は何回かの所轄署からの応援経緯のあとに日高班所属に比べ、戸川はいきなりの三船班抜擢配属になります。また、木塚は初登場のあとショートカットにしましたが、戸川はロングのまま変わらず。なお、#770 歪んだ女心 の劇中会話で、戸川の下の名前が「れな」と発声されています。他刑事と同じく#800 あゝ夫婦 (三船班最終話) が最終出演作となります。

 

三船班は、三船主任・関根・松木・畑野・石原・水木のイメージが強く、1人2人がスケジュールの都合で抜けても、残りの人数でしのぎ切ることが多々みられました。ただ畑野が抜けたときは、矢崎班から田坂が応援捜査の形もあります(全9作)。

それが変化をもたらしたのは、日高班が1976年5月19日#757 霊柩車を撃て! で登場してからか? 前述した、女刑事・戸川が登場、関根の日高班異動、水木の降板、入れ替わりのような佐田の登場となります。

 

しかし歴史は非情なもので、特捜隊の番組終了、さらには功労としての番組終焉である最終回担当の機会を与えられないまま、三船班は視聴者の記憶の中に埋没していきました。

それが再び脚光を浴びるのは、資料によると、東映chが特別機動捜査隊再放送の英断を下した2009年10月15日からでありますが、三船班が再放送で登場するのは2011年3月17日まで待たなくてはなりません。奇しくも、東日本大震災が発生して世情が落ち着かないときに、三船主任の勇姿が画面に登場したとは、偶然とはいえ不思議なものです。。。(削除)

三船班が再放送で登場するのは2011年3月10日になります。戦前でいえば、陸軍記念日となり誉あるスタートだったのですが、戦後の視点では東京大空襲の日であり、さらに現代的視点では翌日が東日本大震災の日でもありました。このような時期に、三船主任の勇姿が画面に再登場したことは、これから訪れようとする不安定な世情のなか、治安を守ろうとする象徴のようでもあり、偶然とはいえ不思議なものです。。。(↑R4.1.21 追加)。。。

 

 

作品については、次回にて触れたいと思います。