※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。

 

☆・・・#801  浮気の報酬 (矢崎班最終話)【最終回】

 

【第4回再放送】として

2019年3月14日~2020年8月20日

#651~801(欠番無し、151回分を再放送)

となる。

 

 

(本放送)・・・1977年3月30日

(再放送)・・・2020年8月20日

(脚本)・・・松井稔、柳節也

(監督)・・・伊賀山正光

協力プロダクション)・・・註、五十音順

東企画、エヌ・エー・シー、エムスリー、おぎいくこ事務所、川崎事務所、

川上事務所、熊沢プロダクション、クレオ、現代制作舎、さとう事務所、

プロモーション360CC、サンプロモーション、ジャックプロダクション、

劇団昴、太陽プロモーション、竹内事務所、劇団手織座、

東京テレビプロダクション、動物園、中里事務所、楡プロダクション、

日秀プロダクション、プロモーション・プラス・ワン、マールイプロダクション、

松村事務所、三船プロダクション、山口事務所、ローマン企画

(協賛)・・・無し

(捜査担当・オープニング表記)・・・矢崎班

田中係長(山田禅二)、鑑識員(田川勝雄)、鑑識員(西郷隆)、

谷山部長刑事(和崎俊哉)、桂刑事(佐竹一男)、神谷刑事(山口あきら)、

三宅刑事(三宅良彦)、田坂刑事(倉石功)、矢崎主任(亀石征一郎)

 

(出演者)

・・・註、青木美香以降の配列は、五十音順。

島崎喜美男、青木美香、会津あんく、新井つねひろ、石井宏明、鵜川貴範、

宇南山宏、小笠原まりこ、小野松江、加藤土代子、金子弘美、喜多操、木村修、

児玉純子、宍倉るみ、杉義一、高木二朗、中庸介、花原照子、日尾孝司、福田信義、

本多洋子、松風はる美、舞砂里、三鈴友梨、三島一夫、美弥たか子、宗方奈美、

守屋俊志、山本緑

 

 

(あらすじ・予告篇から)

・・・ ※当時のナレーションをそのまま聞き写しています。

 

陣出正人(ジンデマサト)・・・。

妻の浮気に逆上!

発砲!

一瞬の悪夢!

気がついたとき陣出は、汗と努力の課長の椅子を失い、

殺人犯となって、追われる身になっていた!

当局は、全管区に警備体制を敷き、

マスコミは昼夜をわかたず、この殺人を報道。

いちサラリーマンにとって、あまりに急激な変化・・・。

もはや、この気の弱い男の生きる場所は、

どこにもなかった・・・。

居場所を突き止めた矢崎班は、猟犬となって陣出に襲いかかる!

次回、特捜隊、最終回!

「浮気の報酬」、御期待ください。

 

 

(備考)・・・

・予告篇で「最終回」との告知有り。

・【第4回再放送】で演出を担当してきた島崎喜美男監督が、男優として陣出正人を演じる。

・エンディング表記は、特別機動捜査隊・#801最終回 のゲスト出演者 を参照。

・脚本配列から、かつての松井稔脚本作品を、柳節也がリメイクしたものと推測されるが、現状では裏付ける資料が無く保留とする。

・序盤の宴会で、田中係長の右隣りに座り「おい、中井」と声をかけられる男性こそ、特別機動捜査隊を15年6カ月にわたり制作してきた、中井義プロデューサーである(「掲示板特捜隊」で本人画像添付された「週刊テレビガイド」より)。

・以下本文は、矢崎班基点で作成。

#800  あゝ夫婦に引き続き、田中係長、鑑識員2人が揃って出演している。

・エンディング表記で、特別出演、舞踊=森田利作(劇中の宴会場面で、踊る男性か?)、振付=花柳禄寿とある。

 

 

(視聴録)・・・開始約17分後半まで

 

ある日曜日、田中係長は練馬区の料亭・きんえいかくまで三宅に送ってもらい、暁光中学校時代の同窓会で、古川(杉義一)をはじめとした旧友、芸者と楽しいひとときを過ごしていた。そして宴もたけなわのころ、いきなり銃声が2発聞こえると、田中係長は皆を押しとどめ、料亭関係者と銃声の聞こえた離れ座敷へと向かう。そこでは、後日姓名が明らかになるが、田宮いっせい(高木二朗)、陣出玲子(美弥たか子)が射殺され、時に午後8時10分であった。

 

捜査担当の矢崎班は、状況から痴情によるものと考えていたが、果樹園経営の藤本(日尾孝司)の妻(加藤土代子)からの通報で確信を強める。話によると、事件の翌朝早く共同経営者の陣出正人(島崎喜美男)が車で訪れ、投資金を今すぐ引き揚げたいと藤本に談判。しかし投資金は2000万であり、いきなりそんな大金は用意できないと藤本は断るのだが、陣出は藤本が農協に200万預金してあることを知ると、それで手を打ち200万の小切手を振り出してもらい果樹園の権利一切を譲渡した出来事があった。通報のきっかけは、陣出が帰ったあと、ラジオ放送で陣出の妻・玲子が射殺された報道が流れたからという。

 

そこで、矢崎主任・桂・田坂は農協を張り込み、谷山・神谷は陣出家をあたることになる。陣出はレインコートを着ている情報から、農協内では矢崎主任が、外では桂・田坂が注意を払っていた。と、そこにレインコート男(守屋俊志)が入店するが、単に妻・さちこ(未詳)に黙ってギャンブルの金を引出に来ただけで、2人が農協の内外で喧嘩しているのを桂が引き離すことで事なきを得る。が、この様子を陣出がみていたことで、農協での張り込みが明らかになってしまい、知らず知らずのうちに逮捕の機会を逃したことに矢崎主任は気づく由も無かった。

 

陣出家の周りでは、主婦3人(山本緑、あと2人は未詳)が噂話で持ち切りだが、中では長男・信行(新井つねひろ)、その妹・英子(児玉純子)が幼いながらも谷山・神谷に応対していた。と、そこに陣出の妹・きざわ百合子(宗方奈美)が訪れ、玲子の遺体の確認など、さらに細かい対応にあたることになる。

特捜隊本部では、鑑識員も含めた全員が集まり、今回の事件の概要・方針をまとめていたが、そこに電話がかかり神谷が受話器をとる。所轄署からの連絡で、練馬区さかえ町の袋小路に、陣出名義の車が乗り捨てられていたというものだった・・・。

 

 

上記本文のストーリーには、合間合間に陣出の描写場面が挿入され、矢崎班の捜査と並行して展開していきます。その内容については敢えて触れず、未見の方は8月27日9:00-10:00の放送で観ていただきたいと思います。

というのは、当作は「特捜隊卒業式」の印象が強く、特別機動捜査隊・#801最終回 のゲスト出演者 でいえば、序盤の宴会での芸者には青木美香・金子弘美・喜多操・宍倉るみ・花原照子・三鈴友梨、陣出が襲う派手服女に舞砂里、陣出が入りこむ団地の未亡人・美奈子に松風はる美、その子供に福田信義、その再婚予定者に石井宏明、報道アナウンサーに木村修、ラーメン屋店員に本多洋子、はっきりとは確認できませんでしたが警官に中庸介・宇南山宏など、その他ノンクレジットながらこの男優さんは? この女優さんは? と考えてしまう人々が登場。さらには(備考)でも触れましたが、常連監督の島崎喜美男が主役の陣出正人を演じ、番組プロデューサーの中井義まで宴会場面で出演と、豪華絢爛であります。ですので、ストーリー云々というよりキャスティングを楽しむ作品なのでしょう。

 

ただ、こうしたキャスティング優先の作品だと視点が分散せざるを得ず、かつての東映映画・純子引退記念映画・関東緋桜一家(1972年)がオールスターキャストで、脚本・笠原和夫、監督・マキノ雅弘、という豪華作品がありました。興行収益も優秀だったということでしたが、個人的にはオールスターゆえ視点が分散、あくまで個人的な見方ですが、鶴田浩二と高倉健の存在感を再確認する点では木戸銭を払ってもおつりのくる内容に対し、引退する藤純子が霞み気味になった気持ちは残りました。また、藤純子の最終作なら悪役は遠藤辰雄だけでなく安部徹も出した方が良いとか、老いた片岡千恵蔵御大の姿まで観る残念さもあったり、どうも自分には「これで終わり?」という感が強い作品でした。

 

その体でいくと当作も、刑事ドラマとしてはすぐに犯人がわかり、あとはいつ矢崎班が捕まえるのかという点に終始。人間ドラマとしても、陣出に対する同情のみに目が行ってしまうことで、作品全体としては広がりがあるようだけれども、それは往生際が悪いだけに過ぎないというそしりは免れないでしょう。

そして、いつもの通り(?)、河原の場面で「青年たちが車両を奪う描写」が削られている気配、立てこもった部屋での場面で「人質たちと話を交わす描写」が削られている気配、さまざまな場面の順番を取り違えている気配があり、陣出自身の心境を描き切っているように見えません。ここいらへんは、立てこもりのクライマックスが思う通りに盛り上がらず、正直「犬死」となってしまい、ラストの陣出の息子・信行の言葉も同様でした。

 

まとめると、特捜隊最終回、矢崎班最終話としても、どうにもフラストレーションの溜る作品で、これは#800  あゝ夫婦 (三船班最終話)でも同じ経験でした。個人的には、#799  娘の思春期 (日高班最終話) のほうに軍配が上がる感があります。

ただ、最終回というのは難しいもので、後継番組の特捜最前線・ラスト十字架三部作でも

特捜最前線(第506回)橘警部・父と子の十字架

特捜最前線(第507回)桜井警部補・哀愁の十字架

で盛り上がりを見せながらも(註・上記2作は、自身が本放送当時に実見して、大泣きした経験もあったのですが)

特捜最前線(最終回(第508回))神代警視正・愛と希望の十字架

でガクッとしたこともありました。

 

さて、特捜隊はこれにて終焉を迎えましたが、後継番組・特捜最前線では

>『特捜』は当初前番組『特別機動捜査隊』の監督は使わないという方針でスター

>トしていた

ということです。

しかし、男優・女優は関係無く出演を継続。初期には、特捜隊レギュラー(もちろん別役ですが)の主だったところでは(以下、前原三郎さんのコメント欄指摘により追加修正)

・佐田刑事こと立花直樹は特捜最前線(第10回)母・その愛の標的特捜最前線(第27回)跳弾 その愛のゆくえ

・木塚由里刑事こと藤山律子は特捜最前線(第15回)目撃 ある人妻の証言特捜最前線(第35回)乳児誘拐・消えた女の顔特捜最前線(第42回)Gメン・波止場に消ゆ!

・田中係長こと山田禅二は特捜最前線(第16回)悲曲・断崖の女特捜最前線(第25回)北陸路 七年後の女特捜最前線(第40回)初指令・北北東へ急行せよ!特捜最前線(第50回)兇弾・神代夏子死す!

・松木部長刑事こと早川雄三、関根部長刑事こと伊沢一郎が特捜最前線(第21回)胡蝶の舞の女 、

・谷山部長刑事こと和崎俊哉は特捜最前線(第22回)標的 ある女の情炎

・矢崎主任こと亀石征一郎が特捜最前線(第37回)犯罪都市・25時の慕情 、

・神谷刑事こと山口あきら、桂刑事こと佐竹一男は特捜最前線(第41回)シクラメンは見ていた!

にそれぞれ出演していることがテレビドラマデータベースで確認できます。

ただすべてがDVDとなっていませんので、確認はDVD-BOXの予告篇総覧でしか観ることができないのが残念なところではあります。自身も、その作品群は記憶から抜けていますので、機会をみて拙稿で書いてみたいと思います。

 

さて、当ブログの今後ですが、前回の中断期間と同じく、【第4回再放送】作品群の分析を書く予定ですが、更新は飛び飛びになると思います。【第4回再放送】にあわせ、週2回書いてきましたが、けっこう骨が折れるものでした(苦笑)。

余談ですが、【第3回再放送】から作品をDVDに焼いてきたのですが、保管状況や劣化もあるのでしょうか、いくつかはモザイクやノイズで観れなくなっています。これを考えるとHDにしておいた方が良かったかなどと、今にして思う始末です。特に、自分が三船主任を追いかけるきっかけとなった#469  絶望の詩が断片的にしか観れなくなっているのが痛い。。。

話を元に戻して、東映chさんが、【第1回再放送】からリフレイン放送をしてくれるのを祈りつつ、このブログも継続していく予定です。転機があるなら、8月27日から【第4回再放送】のリフレイン放送がされるのですが、それが終わるのが2022年1月くらいです。ですので、2021年、つまり来年暮れにはハッキリするでしょう。期待しながらブログ更新していきます。