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一見様向けあらすじ
ガチ恋編: 桃 視点 ①
お付合編: 桃 視点 ①
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僕と桃が一緒に暮らし始めたのは、
超巨大台風が接近し、大雨吹き荒ぶ秋の夜でした。
そこから遡ること2週間、
前章の通り、僕と桃はお試しキャンペーンで付き合うことになりました。ユーキャンやセサミンEXよりもシビアなお試しセットです。
しかし、
チャラ男の皮をカブった性根オタ陰キャと
バツイチ婚活ガケっぷちmid30女とが、お付き合いを始めたところで、
世の中の何が変わるでもなくて、同様に僕たちの関係性も何ら変わりなかったように思います。
僕たちはソコソコ年齢を重ねたイイ大人、
いや、むしろダメ大人なので、やることもやっちゃっていましたし、
そこに、付き合ったという事実が備わった程度では、相手を思う気持ちに特段の変化は生じませんでした。
やっぱり嘘です。
自分の気持ちや習慣、取り巻く環境はちょっとだけ変わっていたのかもしれません。
バチクソ遊んでいた僕は、まず初めにチャラ男デトックスに着手しました。
桃さんお立会いのもと、tinderアンインストールの儀を執り行いました。
(マッチングアプリ出会いあるある)
そして、
スマホからも色々なガールズの色々なアレコレを私的整理にかけ、
チャラ男から真人間へのスクラップアンドビルドを推し進めました。
付き合う前は、
自分自身、真人間に戻れるか不安でしかありませんでしたが、
チャラ男生活の終盤には、怠惰な日々に飽きて不毛さすら感じていたこと、
そして、桃さんという珍種に好奇心を駆られたことで、
悪い遊びを必要とすることもなく、禁断症状に苦しむことなく、意外とすんなり脱チャラできたと思います。
付き合ってしばらくすると、
桃ブログ上に、顔面を桃色モザイクに覆われた僕が登場するようになり、
インターネットの一部の暗部がにわかに沸き立っていたようで、
「あいのり桃の新彼氏は一体!?」みたいなゲス記事や論争を桃から見せられましたが、
自分を取り巻く半径数メートルの世界は何ら変わりなく、
インターネットというのは広いようで、実は狭い世界なのかも、と感じたのを覚えています。
そんな調子で、
常にノホホンと決め込んでいる僕でしたが、
一方の桃さんは不安でしかなかったことでしょう。
チャラ男的バックグラウンドの後押しもあり、当時の僕への信用はどんなゼロよりも確たるゼロだったことでしょう。
さらに、
もはや開き直ってすらいますが、僕は元来LINE不精です。
友達がいないので、LINEを確認する習慣がほとんどなく、ロクに連絡も寄越しませんでした。
と言うか、
別に1人の時に、誰かと繋がりたい感覚が大してないです。(今でも)
急ぎ案件以外は、会って話せば良いのだから、ピュアテイストで既読スルーや未読スルーだってやっちゃってました。
後々の話ですが、
この辺の話が火種となり、何度かケンカ、というかキツめのダメ出しを桃さんから受けること多々でした。
そんなこんなで、
付き合ってからは週に何度か会って、楽しくすったもんだしていましたが、
ある日のこと、超巨大台風の接近がニュースで取り上げられていました。
それは、のちに大きな被害をもたらした、あの台風でした。
(つづく)
(おまけ)
その頃の写真です。
そして、
一般ピープルの僕がピザ男を襲名した、記念すべき記事もあわせてどうぞ。