互いの活動エリアから近い、オープンダイニングで待ち合わせ。
まだ暑さ残る季節のことです。
黒のトップスと黒めのロングスカートを着た全身黒の桃さんがそこに突っ立っていました。
僕の第一声は、
「あれ、今日、葬式帰り?」。
(こういう時こそボケイジりしたくなる)
幸い、桃と名乗る女は笑ってくれ、ホッとしたことを覚えています。
実物の見た目の第一印象は、
(画像は盛ってるけど、かわいいのはかわいい・・)
でも、性格的な意味での、第一印象は、
(ああ、全然違う育ち方をしてきた人だ・・)
僕は営業マンをしていたので、場当たり的に明るく振る舞うことは得意ですが、
元来、根暗な性分なので、パアァァっと明るい彼女に、内心で人間的な?距離を感じてしまったのが事実です。
そこからお店に入るまでの間に、
質問攻めされ、窒息しそうになったことは何となく覚えています。(もはや尋問される捕虜)
でも、そのズケズケ来る感じが、彼女の凄いところで、不思議と心地良かったです。
で、身の上話になり、
「あいのりって見てた?」と唐突に言われ、(え・・・何この人・・・)と思ったことも覚えています。
もちろん『あいのり』は知っていて、観たこともあったものの、偶然TVでやっていれば観る程度で、桃が出てたシーズンは見ていなかったようです。
(未だに桃が出てた あいのり 見切ってないなあ)
自然な流れで、
どうやら彼女は、あの あいのり に出てたらしく、今はブロガーという珍しい生き方をしていて、それなりに有名で、
最近離婚して、ファンがたくさんいて、アンチもまあまあいて、なんやかんや婚活している、ということがわかりました。
話していると、
30半ばの割に子供のようにかわいらしくて、パーっと明るく元気で、無邪気という第一印象だったその子の中に、
実は、珍しい経験とか人知れぬ苦労やらを内包していて、そのアンビバレンスさに、この人、面白いなあ、と思ったことは覚えています。
人間誰しも違うのは当然ですが、
とりわけ彼女は、自分とは全く異質な存在で、
そして他に出会った誰よりも変わった存在で、
例えるなら、発見した新種の昆虫の、驚くべき生態を発見した、昆虫博士みたいな気分でした。
(つづく)
読んでくれた皆さんへのおまけ。
にゃんこ大戦争みたいな まろ。