2024年の国際交流基金の日本映画祭の最後二週間は、初めての試みとしてテレビドラマ作品が放映されました。

『下町ロケット』(2015)と『陸王』(2017)で、ドラマシリーズを両方みる時間の余裕はなく悩んだけれど、阿部寛さんが好きなので「下町ロケット」に決定。

最終週は仕事が忙しすぎたので、1週間で視聴しました。

『陸王』は来年またきてくれたらいいなぁ。

 

 

「下町ロケット」(2015)

 

 

池井戸潤の直木賞受賞作を阿部寛主演でドラマ化!超豪華キャストで贈る感動のエンターテインメント巨編『下町ロケット』を放送!ロケットエンジンの開発という夢を決してあきらめなかった男と下町工場の社員たちが紡ぎだす感動のヒューマンドラマ。捨てきれない宇宙への夢と会社経営という現実の間で葛藤する主人公・佃航平を阿部寛が演じる。共演は、土屋太鳳、立川談春、安田顕、真矢ミキ、恵俊彰、吉川晃司、杉良太郎ほか。また、「ガウディ計画編」(第6話以降)では、小泉孝太郎、高島彩、世良公則、今田耕司らが重要な役どころで登場する。2015年度民放テレビドラマ視聴率No.1(平均18.5%、最高22.3%)を記録。(TBSチャンネルより引用)

 

レビュー

 

日本の中小企業で働く人々の、仕事に対するこだわりと情熱を描いたテレビドラマ。

9年も前の作品なのに、本作を海外の人にみせたいドラマ作品として、外務省の所轄機関である国際交流基金が選んだというのも、なるほどとうなずけます。

 

冒頭、ロケット打ち上げからはじまるから、規模が大きく華やかな成功物語なのかと思ったら、なんとこだわっているのはロケットエンジン(前編)と人工心臓(後編)の小さなバルブ。

どちらのバルブも最重要で、なくてはならないものだけど、全体からみたらとても小さな一部品です。

その製造過程だの、特許だの、部品供給だの、コンペだの、大企業と下請けや、ライバルとの関係だのと、私の毎日とはまるで関わらない、言ってみれば知らなくても生きていける世界の話を、これだけハラハラと面白く、一緒に熱くなりながらみせて もらえるドラマってはじめてです。

 

こういうマニアック(?)な知識が得られる分野って、例えばミステリー小説などもそうだと思うのですが、本作は企業の陰謀や妨害はあるけれど、ミステリーのような意図的な殺人事件はないし、ただまっすぐなものづくりの姿勢と人々の情熱に、地味だけど燃えました!

 

世界に誇る日本製品やその技術をささえる人々の努力を研究・開発・製作・経理・営業・経営などあらゆる分野でみせてくれるから、これは日本と取引を考える海外企業や、日本に働きにくる外国人労働者にもみてもらうことも想定したチョイスでもあるかな。

 

キャストについて。

  • 熱い主人公、阿部寛さんはもちろん適役で、彼がひっぱるからこそ成立するドラマ。でも脇を固めるキャストも味方、悪役ともにとても魅力的なキャスティングだと思いました。
  • 帝国重工宇宙航空部部長の吉川晃司さん、あらぁ、かっこいいわぁ。身長182センチの吉川さんも阿部寛さん(189センチ)の隣に立つと低くみえるの発見。
  • 帝国重工社長の杉良太郎さんは、背広着てても時代劇で裁きをくだしているようにみえる〜。
  • 悪徳心臓外科教授は、世良公則さん。えええ〜、気が付かなかった〜。ロックな世良さんしか私は知らない、、、。
  • 東国原さんは、春風亭昇太さんとともに嫌な銀行員の役。この時、俳優さんしてたんだ。
  • 心臓外科医の今田耕司さんは、はじめにM-1の司会で知ったので、この役にびっくり。
  • ライバル社長の小泉孝太郎さんは、小泉純一郎さんの息子さんですよね(今回、はじめて演技をみた。)イケメンなので、悪役じゃない役が欲しかったのでは〜?なんだか時々郷ひろみさんにみえました。
  • 最高素敵な弁護士役の恵俊彰さんは、もとお笑いの人だったのですね。知らなかった〜。彼、良いです。もっと演技をみたいな。

 

というわけで、海外生活が長く、最後に見た時若かった人がいきなり年をとってる姿に驚くことの多い私ですが、豪華キャストで本当に楽しめました。

配信用にいくつかはしょったのかもしれませんが、時々、出来事が数分の過去映像にまとめられて説明されることがあったので、その部分、減点ですが、面白い作品がみられて満足です。

星よっつ半。

続きもみたいな〜。