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BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

  Benito Lertxundiが昨年11月に全てのConcert活動の終了を発表した時は、やはりショックであった。Spain北部Basque自治州にあるGipuzkoa州Orio出身のSinger-Songwriter Benito Lertxundiは60年代後半に活動を開始して半世紀以上に渡ってBasque音楽界を支えてきた重鎮である。外見は若く見えるけれど、Lertxundiも83歳になった。傘寿(80歳)を越えて活動を続けているMusicianは多いけれど、さすがに身体に負担のかかるConcert活動は厳しいものがあるし近年、認知症に悩まされてきたLertxundiにとっては、仕方がない決断なのだろう。これまでにも80年代末から90年代前半まで一時的に沈黙を守る時期があったり近年は活動のペースが遅くなってきたにせよ、ここまでBasqueを代表する音楽家として第一線で素晴らしい音楽を世に届けてきただけでなくBasque文化全般に対する貢献度はいくら賞賛してもしすぎることはない。Lertxundiという人は元々は美術学校で学んだ木彫の職人であったらしい。その朴訥とした温かみのある歌声は、Basque特有哀感を湛えながらも、美しい自然に囲まれた大らかで、澄み切った青空から陽光が差し込んでくるような心地良さを感じさせてくれるものだ。Celtic Musicと共鳴する部分も感じられるが研究熱心なLertxundiは、その辺も意識していた。Benito Lertxundiに出会ったのは地中海周辺の音楽の魅力に夢中になっていた頃に、CatalunyaやAndaluciaの音楽に出会い、東西南北、中部それぞれの地域独自で多彩な顔を持ったSpainの音楽に興味を持つようになった頃。そして、とりわけBasqueの音楽に魅せられるようになっていた時であった。Acoustic楽器を中心に奏でられるPureで清冽でありながらも、どこか生命感を強く感じさせる音楽。本日ご紹介するアルバムは初期の作品で、70年代後半からのBasqueというFranceとSpainにまたがる場所で生まれた伝統的な文化の継承人としてBertsolaritzaとしてのLertxundiの圧倒的な魅力と個性が確立される前の作品である。それゆえに、瑞々しくも大好きなBretagneAlan Stivellの影響がまだ強く感じられるところが興味深い。

 

 『Oro Laño Mee Batek…』はBenito Lertxundi74年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲は“Oi Lur, Oi Lur”。Acoustic Guitarの響きで始まりLertxundiの歌声が響き渡ると、もうそれだけで惹きこまれていく魅力がある。Stringsも目立ちすぎず、伸びやかで生命感に満ちたLertxundiのVocalを効果的に盛り立てていくのが良い。

優美で幻想的なArpeggio哀感漂うLertxundiのVocalと独自の世界へと導く“Asarre Egon Nahi Nuke”。

Zure Askatasunagatik”はArpeggioとStringsの絶品のEnsembleにのってGentleに歌い上げていくLertxundiが良い。

Herri-Behera Jota”は、いきなり力強いVocalで始まり、Chorusが寄り添う。SimpleなAcoustic GuitarとVocalだけでじっくり聴かせてくれる。

8分越えの“Txori Ttikia”もAcoustic GuitarとVocalのみ神妙だけど生命感溢れる音楽が奏でられていく。大地にしっかり足がついているところが良い。後半の語りが入るところが良い。

Euskal Pizkundea”も魅力的なAcoustic GuitarのArpeggioStringsが寄り添い、Lertxundiの語りが始まり、哀感に満ちたVocalが沁みますなあ

Haur Bati”もLertxundiの情感豊かな歌声Acoustic Guitarの優美なArpeggioの演奏のみだが、これが素晴らしい。心に訴えかけてくる音楽。

Entzun Zazu”は落ち着いたLertxundiの歌声清らかな女性Chorusが寄り添う。控えめに響き渡るStringsも絶品

3拍子の“Oria Ibaia”はBasqueらしい哀愁素晴らしいAcoustic GuitarのArpeggioとLertxundiの温もりのあるVocal典雅なStringsが描き出す。

アルバム最後をシメるのは“Oi Gure Lurra”。Acoustic Gitarの優美なArppegioとLertxundiのScat極上の響き雰囲気タップリの語りも良き。

Euskal Pizkundea/Benito Lertxundi

(Hit-C Fiore)

 Howard Johnsonのこのアルバムは一時期、朝から晩まで本当に飽きることなく聴きまくっていたものだ。子供の頃からRockをガンガン浴びるほど聴いていた自分が一時完全にRockよりもSoul/R&BFunkBluesに興味を持ってドップリ浸かっていた時期。確かに中学生の頃はRockに夢中で、他には何も考えられない状態であったけれど、さまざまなジャンルの音楽に触れ、聴きだすようになって世界が拡がっていった。と、同時に自分の置かれていた環境というのも大きかったのかもしれない。高校生になって、チョッと大人びた世界に足を踏み入れようとしている頃、今まで知らなかった人々や音楽との出会いは、自分が少し変わったような気がしてゾクゾクしたものだ。そしてKashifというProducerに出会ってしまったのだ。Todd RundgrenにしてもPrinceにしてもPaul McCartneyにしても、曲を書き歌うMulti-InstrumentalistProduceもできるMusicianに憧れるようになっていた。楽器を始めて、曲を書いて歌うようになると、そういう才能に恵まれた音楽家が自分の目標となった。Kashifは地元のFunk Band B. T. Expressに鍵盤奏者/Vocalistとして74年に加入していたが、その存在を知ったのは80年代前半Evelyn “Champagne” KingMelba Mooreのご機嫌なアルバムでのProducerとしてだった。そして本作と出会ったのだ。82年にリリースされた本作でのKashifの楽曲エレピMoog BassSynthesizerChorusRythm Arrange、とにかく楽曲も演奏も神がかっていた。83年にリリースされたKashifのソロ・アルバムよりも気に入っていたのだった。つまり82年までのKashifは、自分に大きな影響を与えたのであった。Howard JohnsonはFlorida州はMiami出身のR&B/Soul SingerでFunk Group Niteflyteを結成して79年にDebut Albumをリリースしているが山下達郎やSMAPもクリビツ天仰、いたおどろなIf You Want ItYou AreなんてSparkleで頑張っちゃう曲が収録されていて(Niteflyteの方が先です)業界筋で大いに話題になり、お笑いネタとなっていたのだった。

 

 『Keepin' Love New』はHoward Johnson82年A&M Recordsからリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“So Fine”。いきなり爽やかなA Cappellaで始まりKashifらしいFunkyなMoog BassやウネるSynthesizerHandclapsが最高。そしてKashifといえば、この人、Ira Siegelご機嫌なカッティング・ギターには相当影響を受けまくったのであった。

心地良くSyncopateされたRhythmにのってSoulfulに歌うJohnsonに絡むB.J. NelsonBrenda Joy Nelson)らのCuteな女性Chorusがたまらない“Take Me Through The Night”。切れ込むHorn隊Percussionの入れ方も完璧。Kashifの良き相棒 Paul Lawrence Jonesの作品。

これまたKashifお馴染みMorrie Brown作の“This Is Heaven”はTinker BarfieldのぶっといSlap Bassがご機嫌。

高揚感に満ち溢れたShuffleJam Song”は、 Paul Lawrence JonesHush Productionsのお仲間Freddie Jacksonの作品。

タイトル曲“Keepin' Love New”は勿論Kashifの手による大好きな曲。サビのChorus、JohnsonのFalsettoを絡めたSoulfulな歌いっぷり助平に絡むSynthesizer心地良く刻まれるカッティング・ギター鳴り響くPercussion、最高である。

Discothequeな香りも感じられるFunky BoogieSo Glad You're My Lady”。

Moog BassとSynthesizer煌くエレピの絡みが最高に気持ち良すぎる“Say You Wanna”。Chorusもイイ感じ。

アルバム最後をシメるのは必殺のBalladForever Falling In Love”。エレピをバックにJohnsonが情感タップリに歌い上げる

So Fine/Howard Johnson

(Hit-C Fiore)

 Michael Chapman英国出身のお気に入りのSinger-Songwriter、そしてGuitaristである。それにしても多作でもあったChapmanは、60年代から2021年にこの世を去るまでに残したアルバムの数が膨大な上に、未発表のLive音源などが近年、次から次に世に出回っている。従って常に財政難の自分は悲鳴を上げ続けてきたのだった。Thurston MooreSonic Youthの結成に影響を与えた人物として名を挙げられた、このCultな人気を誇ってきたMusicianはWest YorkshireLeeds南部のHunsletに生まれた。今やMeg BairdWilliamTylerRyley Walkerといった新世代の錚々たる面々からも“The Godfather of New Cosmic Americana”とも賞賛されているChapmanではあるが、Cockburn Grammar School時代はSkiffle Groupで演奏し、Leeds College of Artに入学しBolton Collegeでは写真学科で教鞭を執っていたことで知られている。Jazz GuitarStandardを演奏して米国の音楽家の影響を受けRalph McTellなど英国のSinger-Songwriter/Guitaristからも同様に歌や演奏へのInspirationを得たChapmanは、JazzFolkRagtimeのStyleを取り入れた独自の音楽性を確立していく。教職を辞めJohn CageのTourでRoadieを務めたりしながら、67年CornwallFolk Music Circuitに登場したChapmanは、LondonのSoho地区のGreek StreetにあるLes Cousinsで演奏するようになりJohn MartynRoy Harperと出会うとPenzancePiper's Folk Clubで共に演奏するようになる。69年にはGus DudgeonのProduceでDebut AlbumRainmaker』をEMI傘下のHarvestからリリース、Kingston upon Hullを拠点としたChapmanは同Labelに3枚のアルバムを残した。次作『Fully Qualified Survivor』 にはギタリストMick Ronsonが参加、71年リリースのDavid Bowieの『Hunky Dory』との類似点は興味深い。 そして、その後Deramと契約して73年にアルバム『Millstone Grit』をリリースする。Keef Hartleyが参加しChapmanがGibson ES-175Feedbackさせた、そのアルバムはMooreがSonic Youthを結成するきっかけとなったのだった。Django ReinhardtBig Bill BroonzyJohn Faheyを繋ぐ男、Michael Chapmanはその後、80年代前半失われた時代を経て92年の『Still Making Rain』で復活するのだった。

 

 『The Man Who Hated Mornings』はMichael Chapman77年Deccaからリリースしたアルバム。Deccaでの最終作で、ベースにLindisfarne~Jack the LadのRod Clements、ドラムスにKeef Hartley。ChapmanがJohn Faheyと知り合ってTourしたのもこの頃だったようだ。

アルバム1曲目は“Northern Lights”(Renaissanceの名曲とは同名異曲)。Chorus隊を従え、印象的なTradlの影響を受けたギターと独特のダミ声が渋い。SynthesizerはPete Wingfield、ViolinはJohnny Van Derek

Danny O'Keefeの“I'm Sober Now”。ギターはMick Ronson。これまたAcoustic Guitarが絶品の激渋な仕上がり。Ronsonのソロも良き

CamelAndrew Latimerがイントロのギターを弾く“The Man Who Hated Mornings”。

Bob Dylanの“Ballad In Plain D”。これまた激渋で味わい深いギターの弾き語り

Steel Bonnets”は大好きなBJ ColeSteel Guitarが最高のインスト曲

Chorus隊を従えてノリの良いRockDogs Got More Sense”もBJ ColeSteel Guitarが素晴らしい。

12弦ギターのArpeggioが絶品の“Falling Apart”。抒情的なこういう曲でBJ ColeSteel Guitarがイイ味出している。

Country調の“While Dancing The Pride Of Erin”。ここでもBJ ColeSteel Guitarが本領発揮。

再びAndrew Latimerギターが唸りを上げるノリの良いRock NumberDreams Are Dangerous Things”。

アルバム最後をシメるのはRagtime調の“Why Do You Bob Your Hair Girls?”。BJ ColeSteel Guitarが気持ち良すぎ。

(Hit-C Fiore)

 Little Arthur Duncan90年代末Delmarkからアルバムを出していて、それまでは全く存在を知らなかったChicago BluesHarp奏者/Singer/Songwriterで、活動はずっとChicagoのみで何年もやってきた筋金入りのVeteranだった。なんでも生まれはMississippi州Indianolaで、年は一回り近く離れているが、なんとBerclairにあるB. B. Kingと同じCotton Plantationで育ったという。Chicagoに移ったのは50年、Ducanが16歳の頃で、Blues Harp演奏の基礎を学ぶ手助けしてくれたというLittle WalterJimmy Reedと知り合うことになり、Earl HookerJohn BrimFloyd Jonesの伴奏でBlues Harpを吹く仕事にありつくことができた。主にChicagoその近郊で地道に長年演奏を続けることによってLittle Arthur Duncanとして、その名は少しずつではあるが、徐々に知られるようになっていったというから叩き上げのBlues Manである。90年代のBlues Boomは、新しい才能、新たな感性を持ったBlues Musicianの発掘だけでなく、こういった日々Bluesの伝統を守り演奏を続けてきた地道に頑張っている日の当たらないMusicianたちが表舞台に出る機会を与えてくれたという意味でも大きかった。Duncanは自身で所有するBackscratcher's Social Clubでバンドを率いて演奏を続けていくようになっていたが、60年代から70年代にかけては、昼間は建設業で働きながらの生活が続いていたので、彼らの歌と演奏は夜間に限られていたという。89年にBlues KingというLabelからアルバム『Bad Reputation』をリリースし、97年にCannonball RecordsからリリースされたCompilation Alabum『Blues Across America: The Chicago Scene』に参加している。左ではなく右手でHarpを持ち左手を沿えるので中低音を多用するために上下逆にしてAmpを使わずPAのマイクで吹き切る男気Blues Harpに痺れまくり。

 

 『Singin' With The Sun』はLittle Arthur Duncan99年Delmarkからリリースしたアルバム。ギターはEddie Taylor Jr.Billy Flynn

アルバム1発目は大好きなJimmy Reedの “Pretty Thing”。ヤクザな歌いっぷりとイイ意味で力の抜けたバックの演奏がご機嫌である。

続いてもReedの“Knockin' On Your Door”は歯切れ良く気合の入った演奏が良い。還暦越えて、このパワー、恐れ入りやす。

これまた大好きなHowlin' Wolfの“Howlin' Wolf No Place To Go”。これまたドスを効かせたド渋なVocalMinimalなRiffがにのせたBlues Harpが最高。

Canned Heatの演奏で知られる、これまた大好きな“Sugar Bee”。こちらはTempoをグッと落として、ヤサグレ感が増しているのが良い。

Baby Boy Warrenの“Mattie Mae”はギター・ソロもイイ感じ。

Itchin' Back”はイントロのDuncanのBlues Harpに痺れますなあ。

タイトル曲“Singin' With The Sun”もユッタリしたRhythmで、Duncanの音数少ないバックの演奏が心地良くDuncanの重厚な歌声が響き渡る。

まんまな“Tribute To Jimmy Reed”は力が抜けたDuncanのVocalとHarpがイイ味出しまくりギター・ソロもご機嫌

Funky Bluesな“Bad Reputation”荒削りなDuncanの歌いっぷりが雰囲気を出していて良き気合の入ったギター・ソロが聴ける。

Trackmarks”はご機嫌なBlues Harpから始まるDuncanの吹っ切れた歌いっぷりが良い。

Leaving Mississippi”もFunkyなカッティング・ギターとベースが気持ち良い。これまたイナタいFunky Blues

Pee Wee Craytonの“Blues After Hours”は、力が抜けて実に味わい深いギター・ソロが聴けるインスト曲

Blues Harpで始まり、イイ感じで突き進むMy Baby Left Me Out On The Road”。このJimmy Reed譲りの絶妙な力の抜き加減が最高。

Scratch My Back/Little Arthur Duncan

(Hit-C Fiore)

 Godley & Creme10ccを脱退して70年代にリリースした3作のアルバム創造性実験性、そして革新性において、もはや彼らがRockの世界を遥かに超える領域に達し、唯一無比の存在となっていたことを証明していた。加えて79年リリースのアルバム『Freeze Frame』収録の2曲で自らMusic Videoを手掛けた彼らは、80年代に突入するや否や、その才能を開花させていき、黎明期に合ったMTVの世界においても斬新な発想独特の感性を映像に活かした画期的な作品一躍その名を知らぬものはいない存在となるのであった。10cc時代から元々、映像感覚に満ち英国人らしいCynicalなHumor凝りまくった独創的な楽曲とSoundで、まるで映画を観ているような気分にさせてれた作品を生みだしてきたこの2人組は、80年代初頭同時期の本家10ccを凌ぐ存在感と影響力を持つようになったのだった。Hip-Hopに先駆けてSamplingCut&PasteMixといった手法を取り入れていた彼らが81年リリースの『Ismism』では今度はRapHip-Hop Musicからいち早く取り入れ(Blondeの“Rapture”もこの年)、House、Funk、Jazz、Techono、そして60年代MotownなどのSoul/R&B感覚を取り入れたPopsも織り交ぜた。SingleではUK Chart Top 10圏内に2曲をぶち込むなど、実験性と人気を両立した彼らが次に向かう先は歌への回帰であった。しかし、Music Videoの監督が多忙を極め、Promotionもまともに行われない状況下でリリースされた本作は商業的な成功を収めることはなかった。Drum MachineなどElectronicな作風は80年代的であるが、前作辺りから強く感じられるようになった40~60年代Doo-Wop/Soul/R&B的なBlue-Eyed Soul への向性で、この辺は後の“Cry”のヒットに繋がってくる。そしてジャケットからも伝わってくる相変わらずの強烈な毒Cynicalな感覚は健在である。さりげなくGizmoも使っているのも良い。

 

 『Birds Of Prey』はGodley & Creme83年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“My Body The Car”は楽器を一切使わず全てを人間の声で構築したナンバー。Zappaにも通じるDoo-Wop/R&B好きな彼らの一面が伝わってきて嬉しい。KevinはDrummerだけありVoice Percussionリズムの切れ味抜群。Endingも最高。

Worm And The Rattlesnake”はDrum MachineSlap Bassも飛び出しAfroな香りも漂うDanceableなナンバー。とはいえRhythmの組み方も8分音符の最後の2つにアクセントを付けるなどStrangeな味付けが良い。Chorusも変だし。VocalとHarmonyを前面に出しているのも面白い。

Cats Eyes”もそこはかとなくAfroな香りが漂う。原点回帰な風変わりなMelodyも最高で、思わず10cc時代を思い起こしてしまう。

Samsons”は彼ら流のReggaeでSoundも相まって80'sな香りが個性を引きたてるReggaeとして80年代の名曲となった。ClubでPlayする時はこの曲と必ずMarleneの“Zanzibar Nightと組み合わせる。

今を時めくGuy BarkerがTrumpetで参加している“Save A Mountain For Me”は囚人の視点で書かれたChain Gang Working Songで80年代の彼らを代表するようなDoo-Wop/Soul/R&B的なBlue-Eyed Soul 路線。

Rhythm BoxがCoolに響くMadame Guillotine”は楽曲自体はTemptationsを思わせ、Blue-Eyed Soul なVocalに彼ららしいChorusを組み合わせるあたりが最高。

Funkyなギターのカッティングが最高な“Woodwork”はElectricなRhythmにのってOrchestralなバックでKevinがSoulfulに歌う。

Twisted Nerve”は妖し気なVocal80'sSequencerJapanもビックリなEnoあたりにも通じる英国伝統の内省的でStrangeな味わいを醸し出している。

アルバム最後をシメるのは“Out In The Cold”。Vocoder使いで彼ららしい捻じれたMelodyが美味なアルバムで一番好きな曲。

Save a Mountain for Me/Godley & Creme

(Hit-C Fiore)

  Bl'ast!(Blast)はCaliforniaSanta Cruz80年代前半に結成されたHardcore Punk BandBlack FlagLos Angeles、次いでDead KennedysSan Franciscから登場したことの意味は大きい。Hardcore Punkの偉大な先達として彼らが果たした役割と影響力の大きさは計り知れない。70年代後半Southern California従来のPunkからHordcore Punkへと大きくSceneが変貌していった。最初は伝統的なPunkだったDead Kennedysも81年のアルバム『In God We Trust, Inc.』はHardcore Punkな音楽性が露になり、Black Flag同様に自身のLabelを設立して作品をリリースしていく。Bl'ast!は、そういった影響をモロに受けたバンドであった。聴けばすぐわかるように彼らは特にBlack Flagから強い影響を受け、特に初期のBlack Flagの音楽性を継承するような破壊的なSoundは圧巻である。Black FlagのLeaderでギタリストのGreg Ginnが設立したSST RecordsからBl'ast!は認められ、彼らの2nd Album『It's In My Blood!』は87年にリリースされた。彼らは元々Santa CruzのSkate Rock Sceneと深くかかわっていた。バンドのギタリストでVocal担当のMike Neiderは長年Skateboardの会社で働いていた。M.A.D.という名前の4人組のPunk Bandは、Neiderがメンバーに加わるとBl'ast!とバンド名を変えたのだった。本日ご紹介する『The Power Of Expression』は彼らのDebut Albumとなる作品でGreenworld Recordsからリリースされた。VocalのClifford DinsmoreにギターのMike NeiderSteve Borek、ドラムスのBill Torgerson、ベースのDave Cooperというメンツ。メンバーが本当にBlack Flagが好きなんだなというのが伝わってくるアルバムで、実は次作の方が完成度も高く半端なくカッコイイのだが、個人的な思い入れもあるのは本作である。

 

 『The Power Of Expression』はBl'ast!(Blast)がリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“Time To Think”。極道Riff激しくShoutするVocalと、まんまBlack Flagであるが、ここまで徹底しているのはお見事。

疾走感に満ち溢れたSurf And Destroy”。DriveするギターのRiffが激カッコイイっす。

Fuckin' With My Head”も激しく揺さぶるギターのRiff緩急自在のリズム隊がカッコ良すぎ。

E.I.B.”は不穏なギターのFeed Backから始まり演奏は無軌道に突っ走って、あっという間に終わってしまう。

Our Explanation”は怖いもの知らずに疾走するリズム隊複雑なギターのRiffが絡み合い、一筋縄ではいかないバンドの個性が際立っている。

The Future”も荒々しいギターのRiffと緩急自在のリズム隊にのって男気溢れる熱すぎるShoutがイイ感じ。

歪みまくったギターの不協和音から始まる“Break It Down”。これでもかと叩きこまれていくRiffとVocalの波状攻撃が熱い。

激カッコイイAbstrctなギターのフレーズで始まり疾走したかと思えばTempo Changeを繰り返すTime Waits (For No One)”。

I Don't Need II”は極悪なギターのRiff激しいShout暴れまくるリズム隊がやりたい放題で実に清々しい。

It's Alive”も激しくGlindするギターのRiffリズム隊が激カッコイイ。緩急を繰り返すHardcoreらしいリズム隊も迫力モノ

Look Into Myself”は緩急繰り返すリズム隊にのったWildなギターのRiffもギター・ソロも最高

アルバム最後をシメるのは“Nightmare”。Minimalな重量級のベースで始まり、EvilなギターのRiffが被さってくるところが鳥肌モノ。

Time To Think/Surf And Destroy / Bl'ast!

(Hit-C Fiore)

 Lard FreeはFranceのDrummerMulti-Instrumentalist、そして ComposerでもあるGilbert ArtmanのProjectといってもいいAvant-GardeなElectronic Rock and Jazz Group。北西部の大西洋に望む港湾に位置する都市Le HavreJazz OrchestraでプロとしてDebutしたGilbert ArtmanはParis伝説のJazz Club Le Chat qui Pêcheに通い、Don CherrySteve Lacyと演奏する機会を得た。そして70年12月にギターのFrançois Mativet、ベースのJean-Jacques Miette、ピアノのDominique Triloff 、Sax奏者のPhilippe Bolliet 、Equipment(Sound)のJacky Chantrierとフランス語の"L'Art Free自由な芸術)"を捩ったLard Freeを結成する。英国のVibraphone奏者Robert Woodが加わって71年と72年にStudio Sessionで録音されつつ未発表に終わった音源は90年代に発掘され『Unnamed』というタイトルでリリースされたが、脱退したピアノのTriloff、ベースのMietteに代わりにベースとSynthesizerを演奏するHervé Eyhaniが加入した彼らの正式なDebut AlbumGilbert Artman's Lard Free』は73年Vamp Recordsからリリースされた。Experimentalで荒々しくFree Jazzにも影響を受けたそのSoundはベースのEyhaniが操るArp Synthesizerも大胆にFeatureされたBerlin School/Krautrockの影響も感じさせるものであった。2年後にリリースされた2nd Albumとなる本作ではArtman以外のメンバーは一新され、Artmanも参加していたCyrille VerdeauxDelired Cameleon Family唯一のアルバム『Musique Du Film "Visa De Censure N°X" De Pierre Clementi』でAlto Saxを吹いていたAntoine Duvernet、そしてなんとHeldonRichard Pinhasが加わって、よりMinimalTerry RileyFripp & Eno、Heldon、Tangerine Dream、Faustあたりの影響も感じさせるAvant- GardeでElectronicでMeditationalな唯一無二の音世界を描き出している。

 

 『I'm Around About Midnight』はLard Freeが75年にVamp Recordsからリリースしたアルバム。ArtmanはDrums、Percussionに加えVibraphone、Hammond、Piano、Tenor Saxを演奏。Synthesizer、Tenor Sax、Bass Clarinetを演奏するAlain Audat、そしてRichard Pinhasはギターとベース、EMSとArp Synthesizerを演奏している。 

アルバム1曲目は“Violez L'Espace De Son Réfrigérant”。吹きすさぶ風の音で始まり、バックで微かに流れる音の粒子宇宙の嵐の中で散らばっていくような感覚を覚える。

In A Desert-Alambic”は摩訶不思議な管楽器のRiffが鳴り響く中、Richard Pinhasのギターが唸りを上げるMinimalな管楽器のSoundHypnoticに空間を捻じ曲げていく

Minimalな“Does East Bakestan Belong To Itself”はMinimalなVibraphoneのRiffが実に心地良い。このHypnoticな音空間をRichard Pinhasのギターが自由に泳ぎまくるFluteもイイ味を出している。

Tatkooz À Roulette”もまた微かに鳴り響くMinimalなSoundウネるSynrhesizerが後半に絡みだしSurrealで幽玄な音世界が拡がっていく。この辺はTangerine Dreamを思わせる。

ドッシリ腰を落としたGilbert Artman重厚で機械のようにCoolなドラムスで始まる“Pâle Violence Under A Réverbère”はRichard Pinhasのギターが不協和音をかき鳴らしていく。DarkでEvilな雰囲気荒涼とした世界が描かれていく。

アルバム最後をシメる“Even Silence Stops When Trains Come”。イントロから夢見心地のピアノで始まり、風の音が吹きすさぶ中、少々Orientalな香りを感じさせる典雅なMelodyがピアノで奏でられていく。

(Hit-C Fiore)

 Waystedはバンド名から想像がつく方もいらっしゃると思うが80年代初頭UFOを脱退したベーシストのPete Wayが結成したバンド。当初UFOを脱退したPeteはMotörheadのギタリストだった"Fast" Eddie Clarkeと2人の名前を組み合わせたFastwayというバンドを結成し、DrummerにはClashTopper Headonを迎えてVocalには有望な新人David KingというLineupで順調に進むかに思えた。そしてDrummerがHumble PieJerry Shirleyに交代してCBS契約寸前、さあこれからという時にPeteは脱退してしまうのであった(ベースはStreetwalkersMickey Featが弾いてなんとかアルバムは完成、これが傑作となった)。そして、PeteはOzzy Osbourneの『Diary of a Madman』のTourに参加した後、Waystedを結成する。VocalにはScotland出身のFin More、ドラムスにはDef LeppardDebut E.Pで叩き、Bernie TorméElectric GypsiesのメンバーだったFrank Noon、ギターにはPennsylvania州出身でOzzyがTour中にPeteと一緒にバンドにギタリストとして迎えようとしていた新進気鋭のRonnie KayfieldRon E. Kayfield)が迎えられた。さらに元UFOの鍵盤奏者/ギタリストのPaul Raymondも加わり83年ChrysalisからDebut Albumとなる本作をリリースする。犬神家のスケキヨか?みたいなセンスを疑うジャケットに思わずドン引きしてしまうが、この手のお馬鹿ジャケには中々掘り出し物があるもので、本作もそういった一枚。一時、この手のお馬鹿ジャケを中古レコ屋さんで集めたものである。ここにはPeteがUFOのために書いた楽曲が収録されている。残念ながらドラムスをはじめサウンド80年代のProductionで辛いものがあるが、楽曲自体は70年代の香りを漂わせるものもありヒステリックな高音Shoutに逃げずにガッツリ腹の底から声を出して歌うFinのVocalも悪くない。また高速Tappingを駆使したソロ楽曲作りにも参加したギタリストKayfieldの才能は、これ1枚でしか聴けないのは残念である。次作以降は、メンバー・チェンジもあり、Peteの盟友で元UFOLone StarのギタリストPaul Chapmanが絡んで楽曲の完成度は段違いに上がっていく

 

 『Vices』はWaysted83年にリリースしたDebut Album

アルバム1曲目は“Love Loaded”。PeteとFin、Ronnie Kayfieldの共作でドラムのサウンドや大味なRiffは如何にも80年代ではあるが、ガシガシRiffで攻めていくのはイイ感じ。ヒステリックに高音Shoutに逃げず腹で歌うVocalも悪くない。特筆すべきはKayfieldのギターで、高速Tappingを駆使したギター・ソロは中々のモノだ。お馬鹿炸裂のMVも最高だ。

Tempoを落としてジャケットのごとくEvilな雰囲気漂うWomen In Chains”。FinとKayfieldの共作。

Sleazy”は、この時期のありがちなMetalといった感じではあるが、相変わらずTappingを用いたソロや、Finの野卑なVocalが面白い。

Pete単独作の“Night Of The Wolf”。ギターのArpeggioから始まる英国的な哀感漂うナンバーで、静かに始まり途中からガンガン攻めたてるのはUFOのよう。

Toy With The Passion”はThe Whoを思わせるイントロから疾走感溢れる展開になり、FinのVocalも弾けまくり。ギター・ソロもカッコイイ。

ド派手なギターのRiffで始まるWayとFin共作の“Right From The Start”はアメリカンなノリの展開ながらギターのArpeggioをバックにしたFinのVocalなど結構聴かせる。

Hot Love”も大きなノリながら、Huskyな声を生かしたFinの歌いっぷりが良い。ここでようやくPaul Raymondピアノ・ソロが登場。サウンドはアレだけどご機嫌である。

All Belongs To You”はPaul Raymondの単独作。やっぱり良い曲を書きますなあ。ギター・ソロもご機嫌である。

アルバム最後をシメるのはまさかのJefferson AirplaneのCover、“Somebody To Love”。男くさいFinのVocalで、これも結構聴かせるのであった。

 

お馬鹿炸裂で笑えますなあ、最高。

Love Loaded/Waysted

(Hit-C Fiore)

 Bobby Troupといえば、なんといっても名曲“(Get Your Kicks on) Route 66”である。Bobby Troupが書いたこの曲は本当に大好きで、勿論46年、最初にThe King Cole TrioによってリリースされたVersionも、同年にBing CrosbyAndrews Sistersと出したVersionも、Chuck BerryThe Rolling Stones64年にリリースしたDebut Albumで冒頭を飾る勢いのあるCoverも最高である。でも一番好きなのはPerry Como59年RCA Victorからリリースした名盤『Como Swings』に収録されたVersionである。そしてMiles Davisの大好きな57年のアルバム『Miles Ahead』に収録されている“The Meaning of the Blues”。こちらは元々Troupが後に結婚するJulie Londonに書いた曲。さて、Bobby TroupことRobert William Troup Jr. Pennsylvania州Harrisburg生まれのJazz Pianist、Singer、Songwriterである。父親もPianistであったというTroupは、最初のプロとしての成功はSongwriterとして41年Sammy Kaye and His Orchestraが録音しBillboard Chart8週間1位に君臨した“Daddy”であった。作曲家としての印税で収入を得ていたTroupであるが、53年Capitolから『Bobby Troup!』、55年Libertyから『Bobby Troup and His Trio』、Bethlehem Recordsからの『The Songs of Bobby Troup』、『Bobby Troup Sings Johnny Mercer』とリリースしたご本人のアルバムは内容の素晴らしさに反して残念ながら商業的に成功したとは言い難い。とはいえ、Julie Londonを公私共に支えたTroupのPianist、Singer、Songwriterの才能は洗練された洒脱な味わいが最高であり、Los Angelesを拠点にHoward RobertsRed MitchellBuddy ColletteといったWest Coast Jazzの腕利きたちと録音した作品は小粋でTimelessな魅力に満ち溢れている。本作は55年にLos Angelesで、お馴染みギターのHoward RobertsやベースのBob Enevoldsen、ドラムのDon Heathと録音したアルバム。Matt Dennisと並ぶPiano弾き語りJazz Vocalでは洗練の極みといって良いだろう。

 

 『The Distinctive Style Of Bobby Troup』はBobby Troup55年Bethlehem Recordsに録音したアルバム。

アルバム1曲目はMel Tormeの名唱でも知られる“Mountain Greenery”。Troupの小粋な歌いっぷりとRobertsのギターが最高。

Musical『Show Boat』のために書かれた“I Still Suits Me”。これまた洒脱なピアノ弾き語りっすなあ。

イントロのピアノから惹きこまれるStandardLittle Girl Blue”。Robertsのギターも最高

Richard Rodgers作曲Lorenz Hart作詞のStandardManhattan”。チョイ鼻にかかったTroupのVocalが実にイイ感じ。

同じくRodgers and HartのStandard“You Are Too Beautiful”。フェロモン濃厚な男前Balladで、そら、Julie Londonも惚れますわ

Gershwinの“They Can't Take That Away From Me”も朝風呂帰りの若旦那風軽妙洒脱な歌いっぷりがご機嫌。

Billie HolidayElla Fitzgeraldの名唱でも知られる “I've Got My Love To Keep Me Warm”は疾走感に満ちたBeatでTroupのVocalとRobertsのギターがご機嫌にSwingする。

Louis ArmstrongJune Christyも歌ったStandard“Gypsy In My Soul”はTroupの鯔背なScatが最高

Sarah Vaughanも歌った“The Boy Next Door”はピアノ弾き語りでじっくり聴かせる

Gershwinの“Love Is Here To Stay”も激渋Vocalでしっとり歌い上げるフェロモン出まくりのナンバー。

MusicalI'd Rather Be Right』のためにRodgers and Hartが書いた“Have You Met Miss Jones”。ここでのRobertのギター・ソロは素晴らしい。

最後をシメるのはRodgers and Hartの“The Lady Is A Tramp”。緩急自在TroupのVocalもピアノもご機嫌な指パッチンJazz

(Get Your Kicks on) Route 66/Bobby Troup          

(Hit-C Fiore)

 Som Okey 5は、たった1枚のアルバムを残して消滅してしまったBrasilのRio de Janeiroで結成された男性5人組Balanço Group。Organ奏者とPiano奏者という2人の鍵盤奏者を擁しているところが、彼らの特徴であるけれど、躍動する小気味よい演奏にのった脱力した甘美で気怠げなVocalDreamyな男性Chorusがなんとも魅力的なGroupである。Boss Nova60年代に世界的なBoomとなり、Tamba TrioBossa TrêsSambalanço TrioRio 65 TrioJongo TrioといったいわゆるJazz Sambaを演奏するPiano Trio60年代半ばに隆盛期を迎え、その後、本場米国のJazzPopsRockSoulと相互に影響を受け与えた音楽が生まれていった。そんな中でJazzのTension系のChordSyncopateしたBeatを融合させた米国のSophisticateされたPops、例えば所謂 A&M系のサウンドBrasilのその辺の音楽との共振ぶりは、60年代後半から世界的に人気を集めるようになり、時代背景的に革新的で、Aggressiveに政治的・社会的メッセージを内包した文化運動的側面を持った音楽対極に位置するようなSérgio Mendes & Brasil ’66のような輝く太陽の光を浴びてSkipを踏みたくなるような多幸感に満ちた音楽も数多く生まれるようになっていった。Som Okey 5は、丁度そんな時代にBrasilから登場したのだった。60年代初頭PewalからソロでアルバムをリリースしていたPianoとギター、VocalのCelso Murilo、OrganのWalter Arid、ドラムスにはMilton NascimentoWagner TisoとBerimbau Trioを組んでいたPaulinhoPaulinho Braga)、ベースのJ. Cruz、PercussionにはOs MutantesCaetano Velosoのアルバムでの参加でお馴染みDirceu Medeirosというメンツ。

 

 『Som Okey 5』はSom Okey 569年RGEからリリースしたアルバム。

アルバム1発目はPaulinho TapajósEdmundo Soutoの手による名曲でDom Salvadorの名演でも知られる“Cantiga Por Luciana”。Organとピアノをバックに哀感に満ちたMelodyを素晴らしいVocalとChorusで歌い上げている。

O Que É Que Eu Faço”はご機嫌なOrganのフレーズから始まり、ドラムスのPaulinhoが脱力したVocalで気怠く歌うのがイイ感じ。Organソロも良き。

Jorge Benの“Pais Tropical”。これまた陽気に弾けるご機嫌な出来

イントロのOrganが絶品のSansa TrioJosé Briamonte作“Beto Rockefeller”。VocalはドラムスのPaulinho洒落のめしたChorusとOrganが気持ち良すぎ。

Razão De Paz Prá Não Cantar”はOrganから始まる高揚感に満ちた大好きなナンバー。

Duro De Roer”は緊張感のあるイントロから小粋なJazz Bossaに展開しベースのフレーズを介してMysteriousな展開になるのが最高。

Trio Mocotóの名演でも知られるJorge Benの“Esperança”。こちらは洒落乙な仕上がり。

Celso Castro作の“Tava Na Cara”はLatinなノリでChorusも楽し気

Charles Aznavourの“Yesterday, When I Was Young”は哀感漂うOrganとピアノが雰囲気タップリ

Antonio AdolfoTibério Gaspar作の“Juliana”。『Antonio Adolfo & A Brazuca』の冒頭を飾る大好きな曲だけど、こちらも十分に洒落乙

Jorge BenToquinho69年にリリースした名曲“Que Maravilha”。これまた大好きな曲で、甘美で胸を突きさすようにどこか切ない感じが最高。

アルバム最後をシメるのは大好きなDurval Ferreiraの“Mar”。高揚感に満ち軽快なBossaに思わず心ウキウキ。Chorusも最高

(Hit-C Fiore)