The Temptationsは、これまで米国から登場してきた数あるSoul Vocal Groupの中でも自分にとって思い入れの強い存在である(The ImpressionsはVocal GroupにとどまらないGospelからR&Bに及ぶSoul Music Groupとして別格的存在である)。60年代から70年代にかけてMotownでの大活躍は語るに及ばず、個人的には、Motown誕生の地Detroit出身でSongwritingや楽器の演奏もこなすAli-Ollie Woodsonが参加してご機嫌なTenor Vocalを聴かせてくれた80年代半ば以降のTemptationsも大好きなのである。勿論、Eddie KendricksとDavid Ruffinを擁していた時代こそ最高という方も多いだろうし、いやいやGlenn Leonardののびやかで柔らかなFalsettoが冴えわたる70年台半ばからの時代が好きだという方もいらっしゃるだろう。いずれにしても個性豊かな素晴らしいVocalistの面々が在籍し、その時代によってさまざまなStyleで楽しませてくれた偉大なVocal Groupであることは事実である。さて、68年にGroupを離れたDavid Ruffinの後任としてThe ContoursのDennis Edwardsが加入、Producer Norman WhitfieldによるSly & the Family StoneやFunkadelicの影響下にあるPsychedelic Soul時代に突入する。New Soulにも感化され、より新しいStyleを求めた彼らにとってDennis EdwardsのWildで生命感に満ちたVocalはもってこいだった。“Cloud Nine”や“I Can't Get Next to You”、“Ball of Confusion (That's What the World Is Today”、“Superstar (Remember How You Got Where You Are)”、“Papa Was a Rollin' Stone”、そして73年2月リリースのアルバムのタイトル曲“Masterpiece”といった、この時代を代表する名曲が生まれた。この73年にTemptationは来日する。その公演の模様を収録したLive Albumが本作である。Eddie KendricksとPaul Williamsは脱退しており、丁度Norman WhitfieldのPsychedelic Soul時代が終わろうとしていた時期、とはいえ圧倒的な歌とChorusと演奏は最高である。
『The Temptations in Japan』はThe Temptationsが73年に渋谷公会堂で行った来日公演の模様を収録したLive Album。Otis Williams、Melvin Franklin、Dennis Edwards、Damon Harris、Richard Streetの5人によるTemptationsである。
アルバム1発目は“Plastic Man”。盛大な拍手で迎えられる中、いきなりNorman Whitfieldの手による、当時バリバリの新曲である。
“I Can't Get Next To You”もTempoを上げて勢いのある演奏にバッチリキマッたChorus。歌も演奏も熱いっす。
雰囲気タップリのBallad“Love Woke Me Up This Morning”はDamon HarrisののびやかでハリのあるFalesstoに聴き惚れてしまう。
Medleyの“"Get Ready"/"My Girl"/"The Way You Do the Things You Do”も最高。完璧にキマリまくったChorusは流石。
この夜の観客に捧げられたBallad“The First Time Ever (I Saw Your Face)”。
出たばかりの新曲のBallad“Hey Girl (I Like Your Style)”。MelvinのBass Vocalがバッチリ聴こえるのが良い。Chorus上手すぎ。
必殺の“Cloud Nine”もノリノリの歌と演奏。Dennis EdwardsのVocalもキレキレ。
Melvinのド渋いVoiceによるメンバーとバンド紹介の“Introduction Of Band & Group”もカッケーっす。
“Masterpiece”も前奏が始まっただけで拍手、わかってらっしゃる。しかし、Horn隊も含めて演奏上手すぎる。
“Just My Imagination (Running Away With Me)”。もうウットリ聴き惚れてしまう。最後に盛り込まれたA Cappellaが素晴らしい。鳴りやまない拍手。
最後をシメるのは“Papa Was A Rollin' Stone”。Horn隊にWah Guitarが鳴り響く中、これはもうカッコ良すぎ。観客を煽るDennis Edwardsが最高にカッコイイ。最後まで圧倒的な盛り上がりまくり。
◎Cloud Nine:/The Temptations
(Hit-C Fiore)