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Melba Mooreといえば80年代に一世を風靡したHush時代の作品が何年か前に再発されていたようだ。彼女が旦那さんと設立したのがHush Productionであり、今聞くと時代を感じさせる音ではあるが、確かにKashif、Paul Lawrence Jones III、Freddie Jackson、La Laといった当時のNY最先端の都会の夜を彩る煌びやかなSound Cratorと組んだ、それらの作品は、中々楽しませてくれるものである。個人的にはVan McCoyがProduceを手掛けたBuddah時代の作品も中々良いものがあって時々無性に聴きたくなってしまう。特別に歌唱力があるわけでもないのだが、彼女の声が自分好みというのもあるかもしれない。特に本盤はベースにGordon Edwards、ギターにEric Gale、鍵盤にRichard Tee、ドラムスにSteve GaddといったStuffのメンバーや、ギターのJohn Tropea、ドラムスのHerbie Lovelle、Jim Young、鍵盤のLeon Pendarvisといった腕利きのMusicianがバックをつとめており、演奏も楽曲も全体のバランスも良い作品である。思えばWhitney Houstonという歌唱力も美貌も人並み外れた存在が80年代前半には現れてKashifやLa Laらのサウンドにのって大活躍。そして、この世を去ってもう2年半が過ぎた。MelbaはWhitneyのような決してド派手な成功を収めることはなかったけれど現在まで地道に活動を続けている。心なしか年を重ねてからも、その美貌は年齢を感じさせないほど。人生はわからないものだ。
『This Is It』はMelba Mooreが76年にBuddahからリリースしたアルバム。
アルバム1発目はVan McCoy節全開のDiscoチューン“This Is It”。
華麗なStringsをバックに抑え目のVocalで歌い上げる“Free”はアルバムで一番のお気に入り。爽やかな色香が漂うFalsettoも最高。この声、歌い方が最高っす。
ノリノリの“One Less Morning”はチョイDeepな歌い回し。
Curtis Mayfield作の“Make Me Believe You”はMelbaも中々頑張ってFunkyなサウンドに溶け込んでいる。
しっとりしたBallad“Lean On Me”。
Van McCoy作の“Stay Awhile”も、この時代らしい愛らしいメロディーを持ったDiscoなナンバー。
フランスで大人気を誇ったBlue-Eyed Soulの横分けハンサムNino Ferrer作の“Play Boy Scout”。原曲のいかがわしい味わいこそないけれど、これはこれでClavinet炸裂のイイ感じのDiscoに仕上がっている。
Ballad“Blood Red Roses”は切ないメロディー・ラインを愛らしく歌い上げるMelbaが素晴らしい。
最後を飾るのは高揚感に満ちた“Brand New”。
◎This Is It/Melba Moore
(Hit-C Fiore)