3月11日の予算特別委員会最終日に意見を述べた内容の報告です。

 

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市民ふくしフォーラムとして、2021年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計の予算に反対し、意見を表明します。

 

コロナ禍において、社会情勢の見通しの立ちづらい中で、区の財政状況も厳しいですが、そんな中でも、今こそ区民の生活を支えるという観点からの施策を積極的に進める必要があります。しかし財政難を理由に、区民の地域生活を支えるセーフティネットがゆるがされようとしているのではないかと懸念します。

 

たとえば来年度から高齢者向けの配食サービスが、委託から登録へ変更されますが、配食サービスは見守り支援を委託することによって実質的に利用料金が下がり、それが食を通じた高齢者の地域生活のセーフティネットのひとつとなっていたはずです。ひとり暮らしの高齢者の食生活や経済状況の実態を踏まえていないこの変更は容認できません。

地域包括ケアの中で、配食サービスの果たす役割や当事者にとってのニーズを検証し、当事者のケアにつながるためのより良い事業にしていくことを強く求めます。

 

国民健康保険は、コロナ禍において被保険者の負担増は抑えられたものの、特に介護分の増加で65歳未満の保険料負担の重さは深刻であり、持続可能な制度とするための抜本的な見直しが必要です。

 

介護保険は国の制度として、必要とする当事者や介護従事者のためではなく、給付の抑制のためと考えざるを得ない改定がされています。区としてそれをそのまま受け入れるのではなく、独自性をもった対応策を取るべきです。

区民に寄り添う施策のさらなる充実を求め、以下、各款について意見を述べます。

 

今後の財政運営は、他区の状況も分析しながら練馬区の特性をふまえた対応を進めること。

・児童相談体制についても、各区の取り組みの工夫が財政にも反映されるよう都への働きかけを行うこと。

配偶者暴力相談支援センターの相談件数が減っている。コロナ禍において必要な人が相談できない状況にならないよう、実態の分析、また、国、都、民間団体の相談機関との連携など工夫を進めること。

犯罪被害者支援は、区としての支援内容をホームページに例示するなど、当事者が相談しやすい情報発信をすること。また、新たに条例策定をした都との連携を進めること。

性的マイノリティ相談も当事者からの相談が減っている。支援メニューについて、都との役割分担を明確にするなど、当事者に役立つ支援方法を検討すること。

・コロナ禍において、オンラインによるイベントや啓発事業の動画配信が増えている。動画配信における情報のユニバーサルデザイン化を早急に進めること。

・コロナ禍において、財政的にも厳しい状況にあるが、これをきっかけに文化芸術施策そのものが停滞することのないよう進めること。

空き家活用については、不動産事業者との連携を進めるなど、不動産流通の中にあって、地域貢献に関心を持つ所有者とのマッチングの工夫など新たな連携体制の充実をすること。

・不良居住建築物への対応は、多機関の連携のもと、個々の当事者の状況に応じた丁寧な対応を進めること。

・配食サービスは、委託から登録にすることで、実質利用者の負担が増加する。高齢者の孤立防止、セーフティネットとしての機能が損なわれる恐れがあり、容認できない。今後もあり方を検証すること。

外国人介護職員が安心して働き、自信をもってキャリアアップすることができるよう、研修、相談体制の充実を図ること。

法人後見の取り組みは実践を積み重ね、法人後見を選択するメリットについてわかりやすい周知を図ること。

コロナ感染対策の研修は、入所施設に限らず、幅広い業種が参加し、学ぶ機会を充実させること。

居住支援制度について、より多くの区民や区内の関係する事業者が知ることができるよう啓発を進めること。

・区としての居住支援協議会の役割を明確にしながら発展させること。

・福祉事務所、保健相談所、地域包括支援センターなど、福祉の相談の中に潜在化した住まいの課題もあると考えられる。区の居住支援の取り組みとして、これら相談機関との連携と実態分析を進めること。

・国では「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を示し、こどもへの性暴力の防止についても、対応の強化を進めている。区としても国の動きを捉え、性教育、安全教育、相談先の周知などの取り組みを今まで以上に積極的に実施すること。

面前DVは軽微なケースも多いとのことだが、通告に至った経緯を丁寧に検証し、子育て支援、家庭支援につなげていくこと。

・DVや虐待のケースに直面する職員が、悩みを解決し、安心して働き続けられるようなケアとバックアップを十分に行うこと。