3月4日の質疑は、今まで質疑しきれなかったところを取り上げる全款補充質疑。

まず、高齢者向けの配食サービスについて。

配食サービスのことは以前にも取り上げましたが、ひとり暮らしなどの高齢者にお弁当を届けて見守る支援です。その意義と課題など詳細は以前のブログをご覧ください。

今まで週3食まで区が委託をして実施をしていたので、その分実質的に安くなっていたのです。毎回の受け渡しで、何気ない動作から、「認知症の心配が出てきたのでは」など気づくことができると現場の方からは聞いていました。

食を通じてセーフティネットの役割を果たしているけれど、3食では不十分ではないか、と以前指摘しました。

 

その時から消極的な答弁でしたが、今回はコロナ禍の財政難を理由に委託制度をやめるとのこと。前からやめたかったんだけど、財政難を言い訳にして、ちょうど良いやとでも思ったんでしょう。

 

そもそも高齢者の食、というものの重要性が軽視されているのではないか。また、低所得の人にとって、食費の占める大きさにどう対処するかは深刻な課題であるということが認識されているのだろうか。

この件は議会最終日の討論でも改めて詳しく述べたのですが、私は日々、少ない収入の中からなんとか食費を切り詰めようとしている高齢者や、配偶者を失って慣れない食事の準備に苦労されている高齢者の姿を見ていますので、「委託じゃないほうが選択肢が増える」だの、「価格をきっかけに利用するものではない」だのいう答弁に腹が立ってしかたない。

 

------

(かとうぎ桜子)

高齢者福祉費に関連して、配食サービスについて伺います。

 

今まで、区の配食サービスは、お弁当を配食する事業者に委託して実施していましたが、今度から登録制に変更するということです。

 

具体的にはどのような変更があるのかをまず伺います。

 

(高齢社会対策課長)

配食サービスは、ひとり暮らし高齢者や、日中独居の高齢者などで、身体や生活の状況により、定期的な食事の確保が困難な方に対しまして、見守りも兼ねて食事を提供する事業です。所得制限はございません。

 

食事は実費をご負担いただき、区が見守りに係る経費を負担しています。

 

現在、6事業者による手渡しによる食事の配達と、異常発見時の通報を、週3回までを上限に委託しています。

 

こちらの見直しは、区の委託によらず、定期的な食事の配達や、見守りのサービスを提供する事業者が増えてきたことを受けまして、次年度からこの委託を廃止いたしまして、これまでと同等なサービスを提供する事業者を登録し、区が紹介する方式に切り替えるものです。

 

(かとうぎ桜子)

食事の部分は実費で、見守りの部分を委託していたというご説明でしたけれども、このサービスを利用すれば、利用しないで全額自費で注文するのと比べて、実質数百円程度安く注文できていたと思います。

 

登録制として、区として委託費を払わないということになると、配食サービスを利用する人から見れば、金額が上がるのではないか。自費で注文することと変わらなくなるという理解でよろしいのかどうかお聞きします。

 

(高齢社会対策課長)

委託の廃止に伴いまして、次年度より事業者が新たに設定する価格を利用者の方にはご負担していただくこととなりますが、区の委託ではなくなることによりまして、利用回数や曜日等の制限がなくなります。利用者のニーズによりまして、これまでよりも多くの事業者から、価格、サービス、メニュー、頻度などから、自由に選択することができるようになると考えています。

 

(かとうぎ桜子)

委託があっても足りない部分はほかを使えたわけですし、事業者側からすると、お弁当に加えて見守りもあれば、一定の費用がかかるので、そこまで抑えられないというところはあると思います。(←なんだか腹立ちながら話してたんで、何言ってるのか分かりづらいですが、「いろんな選択肢から選ぶなんて、金額を考えなければ今までだってできてたことだし、来年度からのお弁当がいくらになるかはまだ分からない、もしかしたら安い業者もあるかもしれないけど、手渡しするまでの経費を考えたら安くするにも限界があるでしょう。もし安くするならそれは業者が食材と人件費を切り下げてるってことだぞ。」と言いたかった。)

 

ひとり暮らしのご高齢の方の中には、生活困窮していたりだとか、食生活を管理する習慣が今までなくて、切り詰めて安いお惣菜を買う人もいます。そうすると、できるだけ安いものを選ぶということで、栄養バランスなどが考慮できないという場合も出てきてしまいます。

 

配食サービスでバランスの取れたお弁当を、少し料金を抑えた形で今まで利用できていたということは、食生活のセーフティネットとしての機能、また、これを機に福祉サービスにつながるハードルを下げる役割があったと思います。

 

今年度の補正予算でも、配食サービスは増額の補正がされていて、それは感染対策で、デイサービスの利用等を自粛する代わりにこれを活用していたということもあったのだろうと思います。

 

こうした食のセーフティネットとしての機能を損なうリスクがあるのではないかと懸念するのですけれども、その点について、どう検証されたかを伺います。

 

(高齢社会対策課長)

本事業は、地域包括支援センターやケアマネジャーがそれぞれの高齢者の方の生活の状況を見て進めているものです。価格をきっかけに利用するものではないと考えています。

 

この制度は、登録制に移行することによって参入事業者が増えまして、お話のありました、価格も含めまして、内容の選択肢が増えるほか、在宅生活あんしん事業でのサービスとの組み合わせ利用は、配食利用回数の上限がなくなりますので、より大きな見守りについての安心につながるものと考えています。

 

(かとうぎ桜子)

配食を勧めるきっかけとしては、「こういう支援があって、少し安く頼めるよ」というお勧めから入っている場合もあると思うのです。なので、私はこういう変更はするべきではないということは申し上げておきたいと思います。

 

少なくとも今までと来年度の状況を比較して、現場の声を聞いてしっかり検証して、今後また見直すという選択肢も持って対応するべきであると申し上げて、次の質問に移ります。