2月26日の教育費では、学校における性教育と性暴力防止の取り組みについて質問しました。

 

2017年、性暴力に関する刑法改正がされました。長きにわたって改正されたことのなかった法律の改正は画期的なことでしたが、課題もあったため3年後に見直しを検討するということになっており、現在その議論が行なわれています。

 

前回の刑法改正の課題をまとめた動画をご紹介します。

 

私は2013年から性暴力被害者支援のボランティアをしているのですが、今ほど性暴力被害者の置かれた社会的環境の課題が注目され、多くの人が自分の問題として考え、取り組むようになったことはないと思います。

(で、そのボランティア活動の一環として、上に紹介した動画を私が作ったんで、数ある情報の中からこれを紹介したというわけです(笑)ちなみに日本語字幕がついてるから音を消してても見られるんだぞー!便利じゃないかー)

 

ボランティア活動を始めた頃、裁判の場で被害者が「もともと彼女はセックスが好きだと思われてもおかしくない発言をしていたから、被害に遭ったということ自体に信憑性がない」など、中傷されるという状況を目の当たりにし、こんなとんでもない人権侵害が裁判という公式の場で起きていることがだれにも注目されていない現実に絶望したものですが、今では、不当な判決が出ている状況があることを多くの人が知り、それに「おかしい」と声を上げるようになってきましたものね。

こうした議論を進めるスタートとして、3年前の改正はとても大事だったのだと思うし、それも、声を上げてきた当事者や支援者の行動が実を結んだ結果だと思います。

 

それで今、法改正3年後の見直し検討として、検討会が開かれて課題の整理がされていますが、あわせて今年度、「性暴力・性犯罪対策の強化の方針」というものが出て、今年度から3年間を重点期間と定め、取り組みを進めていくということです。

その中には

「本来、子供を性被害から守り、被害に遭った時に支えになるのは保護者や周囲の大人だが、家庭内に加害者がいる場合や、虐待などが生じている家庭もあり、親が子供に何をどのように教えればよいかが分からない場合など、家庭がこの機能を十分に発揮できない場合もある。子供が性被害に遭い、その被害が継続することが、その後の 学業や就労を含め、人生に多大な負の影響を与えていることを考えれば、性暴力の加 害者や被害者、傍観者のいずれにもならないよう、学校教育がより大きな役割を果た していくことが求められる。」

との記述があり、学校における取り組みも記載されています。今後、性に対する正しい知識の教育、性暴力防止の取り組みの充実が求められます。

 

ただ一方で、中学校の学習指導要領には「受精・妊娠までを 取り扱うものとし、妊娠の経過は取り扱わないものとする」とあり、性行為に関することを教えることを難しくしています。

こちらの資料は、性感染症について学校でどう教えるかに関しての国の資料ですが、性行為そのものに触れない中でどうやって分かりやすく性感染症のリスクを教えるか苦心していることが分かります。

でも、性感染症にしろ、性暴力にしろ、そもそもの人間関係の中で生じる性行為というものについて触れることなく、その外周だけ触れるようなことで十分なのだろうかと思います。行為そのものが何なのかは分からないまま、ただ「気を付けるように」と言われても何を気を付けたら良いのか分からないでしょう。他人に対する不信感だけ持つようになるのでは良くないですしね。

 

タブー視されてきた性の問題に社会的課題として取り組んでいく気運が高まったことには期待しつつ、まだまだ課題もあるものです。

 

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(かとうぎ桜子)

教職員研修経費、児童生徒生活指導経費に関連して伺います。

今年度、国は性犯罪・性暴力対策強化の方針を示し、今年度からの3年間を性犯罪・性暴力対策の集中強化期間として取り組むということです。

そして、この方針の中には、子どもを性暴力の当事者にしないための生命の安全教育の推進や学校等における教育や啓発の充実という、文部科学省が所管する内容の記載もあり、来年度、再来年度に取り組むと書かれています。安全教育に関しては、保育所における命を大切にする教育なども含め、検討するということです。

練馬区教育委員会としても、こうした動きを踏まえ、子どもが性犯罪・性暴力の当事者にならないように、また、当事者になってしまったときにはすぐに相談できるように、正しい知識を学ぶ機会の充実が必要ですが、まず、今まで安全教育、また、困り事があったときの相談先の周知に関してはどのような取組みをしているか、伺います。

 

(教育指導課長)

まず、学校での指導についてご案内します。学校では、全教育活動を通じまして、犯罪や災害、事故などから身を守るための安全教育を実施しています。また、月に一回、必ず、どの学校でも安全指導をとるようになっています。性暴力を含め、犯罪被害から身を守るための行動などについても指導しています。

また、その他、総務部の人権・男女共同参画課からは、学校を通じて全家庭の保護者宛に啓発リーフレットを、今後配布するということも聞いています。こういったものも活用してまいりたいと思っています。

それから相談先の現状ですが、信用できるあらゆる大人に相談できるように、子どもたちには、常日頃、指導が行われています。

学校では、担任の先生、そのほか、養護教諭、スクールカウンセラー、その他、相談のしやすい大人が、教職員の窓口として、複数、設置されています。

 

(かとうぎ桜子)

先ほど申しました国の方針にも、命の大切さと安全教育ということが書かれているのですが、性暴力は近しい立場の人からも起こることも多いので、ハラスメントの防止や、近しい人との人間関係の点から支援や教育も必要だと思いますし、性にまつわることを、リスクの面だけ捉えて安全教育をするということだけでなくて、まず、人とのコミュニケーションや命を肯定的に捉えた性教育の充実も必要だと思います。

2019年3月に東京都教育委員会が示している性教育の手引きでは、学習指導要領に示されていない内容の指導についても必要性を感じている中学校も多いという調査結果や、外部講師の活用を希望する学校が多いということについても記載されています。

こうした点も含め、性教育についてどのように取り組んでいるか伺います。

 

(教育指導課長)

各学校では、主に保健の学習において、学習指導要領に基づいて、性に関する指導を行っています。

学習指導要領の内容を超えて指導を行う性教育については、、まず、保護者への丁寧な説明が必要になります。承諾を得た家庭の生徒に対してのみ実施するなど、慎重に行うように、今、進めています。こういったものも東京都からの資料に書かれています。

現在、区内では、モデル校2校が、外部講師の活用を含めた実践を研究しています。

今後は、成果を共有していきたいと考えています。

 

(かとうぎ桜子)

さまざまな制約がある中でやっていらっしゃるのかと思いますけれども、更に進めていただきたいと思います。

それで、国の取り組みでは、来年度、安全教育について、実証を通じた指導モデルの作成や、男女共同参画に関する指導教材の作成などが進められるようです。

児童・生徒がネットで得る情報などの現状も捉えて、、また、国の取り組みも捉えて、こどもの安全と人権を守る観点からの取り組みを積極的に進めていただきたいと思います。

それをまた更に進めていくためには、教職員への支援も必要だと思いますけれども、この強化の方針の中にも研修の充実ということが書かれています。

現状では、教職員に対する研修はどのように実施されているか、伺います。

 

(教育指導課長)

生活指導担当の教員を対象にした連絡会において研修を行っています。安全指導や安全教育の充実について、これを繰り返し促しているところです。

また、具体的な事例があり、情報共有が必要な場合には情報提供をし、事故の実態に応じた指導を行うように伝えていくところです。

 

(かとうぎ桜子)

今年度からの国の動きは、まだまだ現場に反映されていくのは今後になる部分も多いかと思いますけれども、ぜひ、こどもを取り巻く安全について、国の最新の動きも捉えながら、積極的な取り組みを進めていただけたらと思います。