3月1日の議会はこども家庭費の質疑でした。

来年度から面前DVの担当係を作るということなんですが、区の説明でも、都の資料を見ても、「面前DVの比較的軽微なケース」という文言が出てくるため、その状況を聞きました。

継続した支援を必要としない場合が多くあるとのこと。でも、家族の諍いの中で警察に通報する状態になるということは、DVや虐待という状態にないとしても何かしらの子育てに関する支援、家庭に関する支援を要しているということは大いにあると思います。丁寧な対応が必要だと感じました。

その他、都との連携体制や、職員へのサポート体制についても質問しました。詳細は以下の質疑をご覧ください。

 

それにしても所長が短時間に早口でたくさんの情報を盛り込んだ答弁をしていて、すごいな優秀だなと思いました。

 

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(かとうぎ桜子)

子ども家庭支援センター維持運営費に関連して伺います。

児童相談所と市区町村との連携体制などの課題については、東京都の児童相談所体制等検討会や、児童福祉審議会での検討が進められていると思います。練馬区の子ども家庭支援センターにおける虐待相談件数が増加傾向ですが、要因に面前DVのケースが児童相談所から送致されることがあるということです。

都の児童福祉協議会の資料には、面前DV通告の多くが助言で終了するという記載があります。これはどのような要因で、助言で終了するというケースが多いのでしょうか。区における面前DVケースへの対応について、支援の方法に特徴などがあればお聞かせください。

 

(練馬子ども家庭支援センター所長)

面前DVは、DVが起きた現場に警察が臨場し、その場に子どもがいた場合、子どもにも悪影響があるということで、心理的虐待として、警察が児童相談所に通告するものです。実際には、夫婦げんかがたまたまエスカレートして、興奮して警察を呼んでしまったというケースがほとんどで、継続的にDVが行われているようなものは少ないという現状です。このため、多くの面前DVへの子ども家庭支援センターの対応は、注意喚起をした上で、保護者や子どもの困り事の聞き取りなどを行うというもので、継続的な支援を要するものは、数としては少ないということがあります。

 

(かとうぎ桜子)

新たに練馬区で面前DVを担当する係を新設するということですが、今ご説明いただいた面前DVへの対応の特徴も踏まえて、新しい係ではどのような対応がなされるのかをお聞きします。

 

(練馬子ども家庭支援センター所長)

面前DVは短期間で支援が終了するケースが多い一方で、件数が多いために、都からの事案送致が入るたびに、その他の継続的な関わりを要するケースへの支援が度々中断されるということが生じています。

そこで、面前DVの専管組織を設けることによりまして、面前DVへの対応を効率的、また的確に行うとともに、その他の継続的な関わりを要するケースに対してもきめ細かい支援ができるようになると考えています。

 

(かとうぎ桜子)

継続的な関わりは必要がないケースも多いという話でしたけれども、継続支援が必要なケースもDV被害関係であると思います。

DVが起きているご家庭で、被害に遭っている親御さんは、被害者である一方で、こどもとの関係というところでは虐待する側となってしまう場合もあって、どちらの支援も漏れなく実施するためには、親の支援とこどもの支援の多機関連携がより一層重要なところだと思います。

DVと虐待が重複する場合、子ども家庭支援センターでの体制、またほかの機関との連携体制はどのように実施しているかを伺います。

 

(練馬子ども家庭支援センター所長) 

先ほど申し上げたように、多くは軽微な事案、短期間で終わるものですが、そういった中で継続的な支援を要するもの、重篤なものを見つけていくことが非常に重要だと考えています。

子ども家庭支援センターでは、DVケースも含めまして、全ての虐待対応について、必ず相談員が2名で対応しています。この2名が、必要に応じて、親と子を別々に対応したり、子どもについては学校での聞き取りを行うなど、それぞれが話しやすいよう配慮しながら対応しています。

また、DV対応では、特に保護者への対応においては、シェルターへの入所は、離婚後の生活など、子ども家庭支援センターだけでは解決できない課題も多く、総合福祉事務所などと連携しながら対応を行っております。

加えて、DV対応には法的な相談を受けることも多いことから、スーパーバイザーの弁護士からも適宜助言指導を得ながら支援を行っているところです。

 

(かとうぎ桜子)

東京都の検討会や、審議会の中での問題意識として、児童相談所においての保護者援助プログラムについて改善や、市区町村との協働も一つの課題ということで、繰り返し提示されています。

保護者援助プログラムは、現状、児童相談所でどのように実施されているのか。またその中での区の役割、現状がどうなのか、また今後の見通しはどのようなものであるかを伺います。

 

(練馬子ども家庭支援センター所長)

児童相談所では、一時保護や施設入所から子どもが家庭に復帰するときなどに、円滑に親子の再統合ができるよう、児童心理士が保護者に対して相談支援や専門のプログラムを行っています。これらのケースのうち、地域支援が効果的なケースについては、現在、都から区に指導委託が行われて、区の心理職が支援を実施しています。

区では、都児童相談所の中でも中核機能を持つ、児童相談センターにしかない親子の再統合プログラムなど、専門的なケアを実施している部署に、都内の子ども家庭支援センターが唯一心理職を通年で派遣しています。そういった中でノウハウを学んでいるほか、来年度から児童心理士OBをスーパーバイザーに加えることになりました。こういった取り組みを通じ保護者支援の取り組みも強化していく考えです。

 

(かとうぎ桜子)

虐待の対応の中で、虐待がまた起きてしまわないように、親への支援は重要な点であると思いますけれども、支援する職員にとっては、子どもの権利を守ろうとするほどに、親との向き合い方に悩むことも多いと思います。職員へのバックアップ体制がどのようにとられているのかをお聞きします。

 

(練馬子ども家庭支援センター所長)

子ども家庭支援センターでは、介入的な支援は行なわないものの、日々保護者や子どもたちに寄り添い支援を行う中で、拒否されたり、怒鳴られたり、時には脅迫されるなど、様々な心理的な負担を感じる場面があります。様々なケースに対してしっかりと見極めていくためには、職員のスキルや経験はもちろんのこと、職員の心理的なケアをしっかりと行っていくことが重要だと考えています。

職員は、必ずペアで対応して、チームで行うということをしているほかに、スーパーバイザーからも支援を行いながらサポートを行っているところです。