『森崎書店の日々』 | やりすぎ限界映画入門

やりすぎ限界映画入門

ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『森崎書店の日々』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2010年/日本映画/109分
監督:日向朝子
出演:菊池亜希子/松尾敏伸/田中麗奈/内藤剛志/奥村知史/吉沢悠/きたろう/岩松了

2010年 第26回 やりすぎ限界映画祭
2010年 ベスト10 第10位:『森崎書店の日々』
やりすぎ限界男優賞/やりすぎ限界女優賞/やりすぎ限界監督賞/やりすぎ限界脚本賞:『森崎書店の日々』


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界女優賞:菊池亜希子


やりすぎ限界男優賞:内藤剛志


■第3稿 2019年 10月6日 版

[「菊池亜希子」の「映画」4作目]



「菊池亜希子」の「映画」4作目『森崎書店の日々』に、『海のふた』『グッド・ストライプス』と並ぶ「同格」の衝撃を感じた。「女優菊池亜希子初主演映画」。『東京の嘘』『探偵物語』から大きく変化した「菊池亜希子」に震撼。大スターが何かを思い知らせる。恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” の「極限の美」を見極めた僕の目に間違いはなかった。

[「それ以上堕ちること」はもうできない]



人生誰にでも「良いこと」「悪いこと」がある。貴子(菊池亜希子)と「1年半」つき合ってた彼氏(松尾敏伸)が他の女と結婚。社内恋愛が破局した貴子は会社も辞めざる負えなくなる。人生でこれ以上「最悪」なことはない。生きて何をすべきか「全てを見失う」。貴子の母親から相談を受けた叔父のサトル(内藤剛志)が、貴子に「森崎書店」の仕事をさせる。



「絶望」を経験しない人間は一人もいない。だが「絶望」のままマイナス思考に陥り絶対「自殺」などしてはいけない。人生は絶対「悪いこと」があれば「良いこと」がある。堕ちるとこまで堕ちた人間は、「それ以上堕ちること」はもうできない。あとは「上がるしかない」と、19歳の時Y先生から「教え」を受けた。

[「自分以外の他人の言葉」「他人の思考」]



「絶望」を「希望」に変える「葛藤」に、「自分一人の力」では限外がある時もある。「本」や「映画」はそのために存在する。「本」「映画」などの「創作物」は「自分以外の他人の言葉」。自分では思いつけなかった「他人の思考」を、「本」や「映画」は教えてくれる。




僕は「不真面目」で「読書」する習慣はないのだが、迷った時に映画を観るのは、「自分以外の他人の言葉」を聞きたいから。「他人の思考」を聞くことで、「全てを見失う」「絶望」から冷静な判断を取り戻す。「他人の思考」に「希望」を見つけるヒントはとても多い。「慰め」の言葉となる時もある。「他人の思考」から生きる希望を見つけたくて僕は映画を観る。貴子とサトルが本を読むのも同じだった。

[「わだかまり」「苦しみ」]



■「貴子ちゃんさぁ 悔しくないの?」
 「…悔しいよ そりゃ悔しいよ
  けど…」


「わだかまり」から逃れられない貴子の「苦しみ」。「そいつを謝罪させに行こう」。サトルは正しい。その通りだろう。



なぜ貴子は「わだかまり」が晴れないのか? 酷いことをされて一方的な「泣き寝入り」をしたからだ。「間違ってる」。人間は酷いことされたら絶対謝ってもらわなければならない。「酷いことをした」ことを認めてもらい「反省」してもらわねばならない。「初めて」貴子が「自分の気持ちをちゃんと言った」告白に魂を撃たれた。

[「ちょっと軽くなった」]




「わだかまり」が「ちょっと軽くなった」のは、「正しいこと」をしたから。貴子はされるがままの「泣き寝入り」から、彼氏との関係性を「対峙」するまでの「対等」な関係に変化させた。人間は「泣き寝入り」してはいけない。貴子の「教え」から、僕自身が学ぶものも大きかった。「絶望」から「希望」を見出す方向へ、生き方を変えた貴子の「変化」に「安心」した。

[「菊池亜希子」女優生命限界点「極限の美」]



「日向朝子監督」「猪本雅三撮影監督」が「見つめた」、「菊池亜希子」の「極限の美」が圧倒的だった。「チャン・ツィイー」の『ジャスミンの花開く』に負けてない「極限の美」に震撼せよ。「時間が止まった」。『やりすぎ限界映画』とは?[定義⑤]『恋愛映画における女優の私見』において、僕は「菊池亜希子」と “本気” で結婚したいと思った。



『森崎書店の日々』は「もうこれ以上美しく菊池亜希子を撮れない限界点に到達してる映画」の1本。まだ「5本」しか見てないが「5本」の中で “棲息速度域” に到達してる。日本人でありながら「神田神保町」の魅力を今日まで知らなかった。知らなかった人間にどれほど「魅力的」かを見せた。『森崎書店の日々』が見せた美しい「神田神保町」の「美術」が、「菊池亜希子」の「極限の美」をさらに際立たせた。




『東京の嘘』
『探偵物語』
『ぐるりのこと。』
『森崎書店の日々』
『ファの豆腐』
『わが母の記』
『よだかのほし』
『豆大福ものがたり』
『ROUTE 42』
『好きっていいなよ。』
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画像 2018年 10月