日記「今日見た映画 2015」74『映画 深夜食堂』 | やりすぎ限界映画入門

やりすぎ限界映画入門

ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『映画 深夜食堂』
☆☆☆☆★[85]

2014年/日本映画/119分
監督:松岡錠司
出演:小林薫/高岡早紀/柄本時生/多部未華子/渋川清彦/谷村美月/余貴美子/筒井道隆/菊池亜希子/不破万作/綾田俊樹/松重豊/光石研/安藤玉恵/須藤理彩/小林麻子/吉本菜穂子/平田薫/山中崇/篠原ゆき子/宇野祥平/中山祐一朗/金子清文/田中裕子/オダギリジョー

■2015年 劇場公開作品 74本目

[「菊池亜希子」の「映画」11作目]



「菊池亜希子」の「映画」11作目『映画 深夜食堂』。TVシリーズは僕も断片的に見たことがある。人気TV番組で映画化が決まったのは知ってたが、その『映画 深夜食堂』に、恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「菊池亜希子」が出演してたことは知らなかった。僕の人生は「反省」が尽きない。『映画 深夜食堂』は、「ナポリタン」「とろろご飯」「カレーライス」の3本のオムニバス映画。急に『映画 深夜食堂』への興味が、僕の中で “棲息速度域” に到達した。

[「ナポリタン」]



映画学校入学の学費をバイトで貯めてた時、働いてた店の常連の客が、恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「高岡早紀」に「くりそつ」だった。僕は思春期のトラウマからまだ抜け出せない時代で、デートに誘いたくても「楽しい会話」ができず、自己嫌悪に堕ちてた頃を、「ナポリタン」を見て思い出す。




「相手を思いやること」を考えたら、僕はなかなか恋愛する覚悟が出ない。「今の自分では相手を不幸にしてしまう」と思うと、自分勝手に「好きです」「つき合って下さい」と言えなくなってしまう。



だがもともと人間は「マズローの欲求5段階説」の3段階「社会的欲求(帰属欲求)」が説明するように、「孤独に耐えられない」本能がある。「寂しい」心を満たすためには、『そんな彼なら捨てちゃえば?』のアンナや、「ナポリタン」のたまこ(高岡早紀)のように、「カッコつけてらんない」のが人間の正直な姿かもしれない。




本当は僕も「寂しくてしょうがない」のに、「今の自分では相手を不幸にしてしまう」など、「カッコつけてる」方がバカなのかもしれないとも思う。僕自身本当はそんな心の余裕などない。「寂しくてしょうがない」から、適当に誰かと、結婚など考えず、「自分の都合」でつき合うべきなのかもしれない。



だが答えは人それぞれだろう。不幸なたまこが単純に悪いとも思えない。はじめ(柄本時生)の恋愛は「かわいそう」なのか「当たり前」なのか? 僕自身どれほどはじめと同じような体験を味わったか知れない。心の痛みが他人事に見えなかった。僕はバカだ。自分の昔を思い出すしかなくなって哀しくなった。

[「とろろご飯」]




初めて恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「多部未華子」を見たのは、2005年公開『HINOKIO ヒノキオ』だった。「1回」しか見てないので「殆ど何も覚えてない」が、「面白かった」記憶が「うっすら」残ってる。だが「うっすら」残ってる記憶に、「多部未華子」が「苦手」だったことを覚えてる。だから今日まで「多部未華子」の映画を見なかったことを、「とろろご飯」を見て思い出す。




ところがいつものごとく人間の「好み」は「変化」する。最近TVで『これは経費で落ちません!』をたまたま見て、瞬間「誰?」と思い「ガン見」になった。「多部未華子」に「似てる」と思ったが、僕が最期に「多部未華子」を見たのは2005年。「10年以上」ぶりで見て「時間が止まった」。恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” と化した「多部未華子」の、あまりの「極限の美」の「変化」に見惚れてしまった。




酷い男に、「お前の料理なら東京で店出せる」と騙されたみちる(多部未華子)が、どうして東京にきたのかは観客の想像に委ねられる。僕は「親不知」で「リューマチ」が悪くなった「婆ちゃん」が心配になってしまったのだが、みちるがマスター(小林薫)の「やさしさ」で再起し、最後は千恵子(余貴美子)に拾われて安心した。

[「カレーライス」]



10作目『好きっていいなよ。』に「3回」しか映らなかった「菊池亜希子」。だが『映画 深夜食堂』を見て「安心」した。「カレーライス」の主人公は、僕が「崇拝」する恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「菊池亜希子」。「高岡早紀」「多部未華子」と「同格」に肩を並べる「主役」が、「初めて」映画に出演した『東京の嘘』では「ロン毛」の「オーバードース」の役だったことを、「カレーライス」を見て思い出す。



「ナポリタン」「とろろご飯」「カレーライス」の3本を通して描かれる「骨壺」の謎が、「カレーライス」で明らかになる。「311」「東日本大震災」の哀しみを、日本人は絶対忘れることができない。福島の被災地でボランティア活動をしてたあけみ(菊池亜希子)。震災で妻を亡くした謙三(筒井道隆)に、ボランティアでやさしくしてたら「プロポーズ」されてしまう。



「カレーライス」はまさに「菊池亜希子」の「真骨頂」、「恋愛」「仕事」に破れ、男性社会に挫折した「就職女子」の苦悩なら、「菊池亜希子にまかせろ!」だった。ボランティア活動を始めた理由こそが、「女優」「菊池亜希子」の「極限の美」を引き出したと言って大袈裟ではない。



だが「自分が他人にしたことは、いずれ全部自分に返ってくる」。「愛する」謙三が、あけみの心を撃ち砕く。「愛する」ことが「愛される」ことになってしまう真実を「カレーライス」にも見た。だが謙三はかわいそうだと思ったが、あけみを見てて、もっとやさしくなってほしいと願ってしまった。

[「日本の魅力」独特の「世界観」]




マスターの「やさしさ」、「日本の魅力」には僕も癒された。外国で「リメイク」されるほど、「日本でしか見れないもの」の独特の「世界観」を生み出した創作を、素直に心から尊敬した。


[Previous]
日記「今日見た映画 2015」71『さいはてにて やさしい香…』
日記「今日見た映画 2015」72『グッド・ストライプス』
日記「今日見た映画 2015」73『ピッチ・パーフェクト2』
日記「今日見た映画 2015」74『映画 深夜食堂』
[Next]

画像 2019年 9月