パワスポの３２１回　神様なのに菩薩様？権現様？明神様？

　前回まで、東霧島神社（つまきりしまじんじゃ）さんのご紹介をして参りましたが、神様と仏様が密接な神社さんでしたので、改めて、色々と調べてみました。

　本地垂迹（ほんじすいじゃく）とは、仏教が興隆した時代に発生した神仏習合思想の一つで、日本の八百万の神々は、実は様々な仏（菩薩や天部なども含む）が化身として日本の地に現れた権現（ごんげん）であるとする考え方です。

　結論から言ってしまえば、神様に菩薩様、権現様、明神様などの号がついているのは、本地垂迹（ほんじすいじゃく）の考え方が影響しているようです。

ウィキペディアによると、

＜垂迹神と本地仏の一例＞

天照大神＝大日如来、十一面観世音菩薩

八幡神（応神天皇）＝阿弥陀如来

熊野権現＝阿弥陀如来、善財王とその妃・王子（熊野曼荼羅）

日吉＝天照大神＝大日如来

市杵島姫＝弁財天

愛宕権現＝智明権現＝勝軍地蔵菩薩

秋葉権現＝観音菩薩

素盞鳴＝牛頭天王＝薬師如来

大国主＝大黒天

東照大権現（徳川家康）＝薬師如来

松尾＝薬師如来

国常立命＝薬師如来

豊受大神＝金剛界大日如来

須佐能尊＝熊野権現、阿弥陀如来

月読命＝阿弥陀如来

菊理姫＝十一面観音

大己貴神＝阿弥陀如来

伊弉諾尊＝釈迦如来、阿弥陀如来

伊弉美尊＝千手観音

火之迦具土神＝千手観音

瓊瓊杵尊＝釈迦如来

木花之佐久夜姫＝浅間大菩薩、阿弥陀如来

山幸彦＝文殊菩薩

天之忍穂耳命＝弥勒菩薩

天手力男命＝不動明王、聖観音

天思兼命＝釈迦如来、虚空蔵菩薩

少彦名命＝金剛蔵王権現

神変大菩薩＝聖観音

御姥尊＝大日如来

七面天女＝吉祥天、弁財天

三宝荒神＝大聖歓喜天

稲荷神＝荼枳尼天

火牟須比命＝伊豆山権現、千手観音

青龍＝清瀧権現＝准胝観音、如意輪観音

北斗（北辰）信仰、太一＝妙見菩薩

えびす＝毘沙門天、不動明王
岐の神、塞の神、道祖神、庚申信仰、猿田彦＝青面金剛、地蔵菩薩、馬頭観音

山の神、金精神＝馬頭観音

天満大自在天神（菅原道真）＝大自在天、

大威徳明王＝十一面観音菩薩、不動明王、釈迦金輪、薬師如来、愛染明王、慈恵大師、阿弥陀如来、毘沙門天、大聖歓喜天、弁財天、千手観音、大日如来、地蔵菩薩、文殊菩薩、観音菩薩

ということで、多くの神様が、仏様と結びついておられます。

　何故、こんなことになったかというと、神道の神様や信者の皆さんに、仏様と同じ修行を勧めることが目的だったようです。

　仏教的にみると、

　「神道の神様は、苦悩する神身から離脱することを欲している」

と、解釈されているようです。

　確かに、日本の神様は、捨てられたり、殺されたり、戦ったりと、結構、ご苦労されているので、それなりの苦悩があったのかもしれません。。

　因みに、「神道」という言葉は、漢語（中国の言葉）のようです。

　古事記には、神道という言葉は存在しません。

　日本書紀を編集する際に、今まで名前のなかった神様の信仰に、「神道」という名前をつけて、他国にアピールする目的があったようです。

　当時の中国とは、文化レベルに大きな差があったので、宗教的にも、体裁を整える必要があったのだと思います。

　本地垂迹（ほんじすいじゃく）の思想も、神道より仏教が上みたいなところがあったのかもしれません。。

　また、神道の本来の意味は、「霊妙なる道」とのことです。

　現在では、一般的に、神の道と思われていますので、かなりイメージが違います。

　日本で一番早く菩薩様になられた神様は、三重県桑名市の多度大社におられる多度の神様との記述があるようで、多度大菩薩と呼ばれています。

　このように、合体するぐらい、とっても仲良しだった神様と仏様ですが、明治政府の神仏分離令により、状況は一変します！

＜神仏分離令＞

　神仏分離（しんぶつぶんり）は、神仏習合の慣習を禁止し、神道と仏教、神と仏、神社と寺院とをはっきり区別させること。

　明治新政府により出された神仏判然令（神仏分離令）。

　太政官布告、神祇官事務局達、太政官達など一連の通達[2]の総称）に基づき全国的に公的に行われたものを指す。

　神道国教化のため神仏習合を禁止する必要があるとしたのは、平田派国学者の影響であった。

　政府は、神仏分離令により、神社と寺院を分離してそれぞれ独立させ、神社に奉仕していた僧侶には還俗を命じたほか、神道の神に仏具を供えることや、「御神体」を仏像とすることも禁じた。

　神仏分離令は「仏教排斥」を意図したものではなかったが、これをきっかけに全国各地で廃仏毀釈運動がおこり、各地の寺院や仏具の破壊が行なわれた。

　地方の神官や国学者が扇動し、寺請制度のもとで寺院に反感を持った民衆がこれに加わった。これにより、歴史的・文化的に価値のある多くの文物が失われた。

（ウィキペディアより）