高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

 

 

 

40. 弁護士を通じた連絡手段の活用例

 

「親に会いたいのに、きょうだいが連絡を遮断してしまっている」

「施設に入っている親の様子を知りたいのに、担当者が“ご家族の意向”を理由に教えてくれない」

 

──こうした状況は、近年増えてきています。
 

高齢の親が一人のきょうだいに囲い込まれてしまうと、他のきょうだいが連絡を取ろうとしても、電話番号や住所さえ不明になることがあります。手紙を送っても無視される、施設に問い合わせても「ご本人の同意がないとお伝えできません」と断られる。そうした行き止まりに直面したとき、弁護士を通じた連絡が有効な手段の一つになります。

 

本記事では、弁護士を介して連絡をとる方法と、その具体的な活用例について解説します。

 

 

 

1. 弁護士を通じた連絡が必要になる背景

 

親の囲い込みの現場では、当事者間での直接的な連絡が難しくなるケースが多々あります。

  • きょうだいが電話やメールをブロックする
  • 面会や情報開示を一方的に拒否する
  • 話し合おうとしても感情的な対立になり、話が進まない

こうした状況では、冷静かつ法的な立場から調整を行える第三者の存在が欠かせません。弁護士は依頼者の代理人として、「法的に有効な形での連絡」を行ってくれます。

 

 

2. 弁護士を通じた連絡の具体的な活用場面

 

では、どのようなケースで弁護士を介した連絡が有効なのでしょうか。代表的な例を挙げます。

 

(1) 面会の要望を伝えるとき

親の意思を確認したい、顔を見に行きたい。しかし、きょうだいが拒否して取り次いでくれない場合、弁護士が「依頼者として〇〇さんが面会を求めています」と正式に通知することができます。

 

(2) 財産や介護に関する情報を求めるとき

親の預金や不動産の管理状況、介護方針などについて透明性を求めるときも、弁護士を通じた文書での照会が効果的です。感情的な言い争いではなく、書面として記録が残る点に意味があります。

 

(3) 家庭裁判所の手続きに先立つ交渉

調停や審判に進む前に、話し合いの余地があるかどうかを確かめるために、弁護士が連絡窓口となることもあります。裁判所に持ち込む前に解決できれば、時間や費用の節約につながります。

 
 

 

3. 弁護士を通じて連絡するメリット

 

弁護士を介することには、いくつかの明確な利点があります。

  1. 相手が無視しづらい
    専門家からの正式な書面は、単なる個人の要望よりも重みがあります。無視すると「法的手続きに進む可能性がある」と相手も理解するため、返答が得られやすくなります。
  2. 感情的対立を避けられる
    家族同士だとつい感情的な言葉の応酬になりがちですが、弁護士を介することで「冷静な文章のやり取り」に変わります。
  3. 記録が残る
    文書でのやり取りは後の調停・裁判でも証拠になります。「こちらは誠実に連絡を試みた」という事実を示せます。
 

 

4. 弁護士を通じて連絡するデメリット・注意点

 

一方で、デメリットも理解しておく必要があります。

  • 費用がかかる
    弁護士に依頼すれば相談料・着手金が発生します。短期で済めば数万円、長期化すると数十万円単位になることもあります。
  • 相手が構えてしまう
    「弁護士を立てたのか」と相手が防御的になり、関係がさらに硬直化する場合があります。特に親自身が「揉め事に巻き込まれたくない」と萎縮してしまうケースには注意が必要です。
  • 即効性はない
    弁護士が送った書面にすぐ返答があるとは限りません。場合によっては返答がなく、結局家庭裁判所へ進むことになることもあります。
 
 

 

5. 実際の流れ

 

弁護士を通じた連絡の流れは、次のようになります。

  1. 弁護士に相談
    現在の状況を整理し、「どんな連絡をしたいのか」を明確に伝えます。
  2. 方針決定
    弁護士が「書面で通知するのがよいのか」「まずは電話で確認するのか」を判断し、依頼者と合意します。
  3. 内容証明郵便などで通知
    弁護士名で、相手方に書面が送られます。面会要望や情報開示の依頼など、具体的な要求内容を記載します。
  4. 相手の反応を確認
    返答があれば交渉に進みます。返答がない場合は、家庭裁判所の調停・審判に進むことを検討します。
 

 

6. 注意すべきポイント

 

弁護士を活用するときに心に留めておきたいのは、「親の気持ちを第一に考える」という点です。
 

親が会いたいと思っているのか、静かに過ごしたいと思っているのか。その意思を尊重する姿勢が欠けると、「自分の権利主張のために弁護士を使った」と見なされ、逆効果になりかねません。

 

また、依頼する弁護士は「相続や家族問題に強い」分野の人を選ぶことが大切です。一般的な企業法務が専門の弁護士よりも、家庭裁判所の手続きや親族間トラブルに慣れている人の方が、適切な対応をしてくれます。

 
 

 

まとめ

 

弁護士を通じた連絡は、親の囲い込み問題に直面したときの有効な手段の一つです。

  • 面会要望や情報開示の要求を、公式な形で伝えられる
  • 感情的な対立を避け、記録を残すことができる
  • ただし費用や関係悪化のリスクもある

大切なのは、「自分のため」ではなく「親の幸せのために」この手段を使うという姿勢です。弁護士はあくまでサポート役。目的を見失わず、冷静に進めていきましょう。

 

 

 

自己紹介など

1. 自己紹介

4.無料オンライン相談(30分)を受付しております(2025/7時点)。詳しくは以下のホームページをご覧ください。

 

ブログのご紹介

ブログ主宰 しらいわ は以下のブログも作成しています。併せてご覧ください。

1. 自己愛性ハラスメント対策室  ~ 感情的な人に振り回されている方向け~

2. 高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

3. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信

 

4. あなたのメンタルを守りたい (休止中)~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~

5. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ (休止中)幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ

6. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”(休止中)~感情と向き合う「心の航海術」を発信中

7. 女性起業家×アドラー心理学(準備中)

 

高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

 

 

 

39.「親の意向確認」のための施設訪問交渉ステップ

 

親が高齢となり、施設に入居している状況で、きょうだいの一人が“囲い込み”をしてしまうと、他の家族は親と自由に会えなくなることがあります。
 

特に「親自身が会いたいと思っているのかどうか」を確認できないまま、第三者によって面会が制限されているケースは、子どもにとっても、そして親にとっても大きなストレスとなります。

 

今回は、「親の意向確認」を目的とした施設訪問交渉のステップを整理してお伝えします。
感情的な衝突を避けながら、施設側の理解と協力を得るために、どのようにアプローチすればよいかを順を追って解説します。

 
 

 

 

1.なぜ「親の意向確認」が重要なのか

 

親の面会問題で最も大切なのは、「親本人の意思」です。
 

親が「会いたい」と思っているのか、「体力的に控えたい」と思っているのかによって、取るべき対応は大きく異なります。

 

しかし現実には、

  • きょうだいの一人が「親は会いたくないと言っている」と主張する
  • 施設職員が「ご家族の意見が割れているので面会対応を控えたい」と判断する
    といった状況が多く見られます。

このとき、親が本当にそう思っているのか? を第三者的に確認することが、公平性と信頼性の鍵となります。

 

 

 

2.訪問交渉の基本姿勢

 

施設訪問をする際には、以下の3つを心がけることが大切です。

  1. 感情を抑え、冷静に臨む
    「なぜ会わせないのか」と責めるような態度では、施設は防御的になってしまいます。
  2. 目的を明確に伝える
    「親の意向を確認したい。そのための短時間の面会をお願いしたい」と具体的に説明することが重要です。
  3. 協力的な関係を築く
    施設職員は「家族の対立に巻き込まれたくない」という思いを持っています。敵ではなく、味方になってもらう姿勢が必要です。
 

 

3.交渉前の準備

 

訪問前に、以下の準備を整えておくと交渉がスムーズになります。

  • 事実関係の整理
    ・これまでの面会状況(最後に会った日、回数、拒否理由)
    ・きょうだいとのやり取りの記録(LINE、メール、手紙など)
    ・施設との連絡履歴
  • 要望を明文化する
    「私は母が本当に会いたくないと思っているのかを確認したい。そのために数分だけでも直接母に意思を聞きたい」という主旨を、紙にまとめて持参すると効果的です。
  • 冷静さを保つための心構え
    当日は緊張や不安から感情的になりがちです。あらかじめセリフを決めておくと安心です。
 

 

4.訪問交渉のステップ

 

ステップ1.受付・職員への挨拶

最初の印象が大切です。
「お忙しいところ恐れ入ります。入居している母についてご相談させていただきたいのですが」と丁寧に切り出しましょう。

 

ステップ2.目的の明確化

ここで感情論ではなく、「親の意向確認が目的である」と端的に伝えます。
例:「母が本当に会いたくないと思っているのかを確認したいのです。その意思を直接聞かせていただけませんか?」

 

ステップ3.短時間・限定的な面会の提案

「長時間ではなく、数分で結構です」「体調に支障がない範囲で」など、負担の少なさをアピールします。

 

ステップ4.代替案を受け入れる姿勢

もし職員から「直接会うのは難しい」と言われた場合、

  • ガラス越し面会
  • オンライン通話
  • 職員同席での短時間面会
    など柔軟な代替案を提示・受け入れる姿勢が交渉成功の鍵です。

 

ステップ5.結果の記録

面会できたか否かにかかわらず、当日のやり取りは必ずメモに残しておきます。後日、話が食い違ったときに証拠となります。

 
 

 

 

5.想定される施設側の反応と対応法

  1. 「ご本人の体調が良くないので難しい」
    →「では体調の良い日に数分だけでも意思確認の場をいただけませんか」と、次の機会を探る。
  2. 「ごきょうだいの了承を得てからにしてください」
    →「私が確認したいのは、母のご本人の意思です。職員さんの立ち会いで結構ですので、その点だけご協力いただけないでしょうか」と丁寧に返す。
  3. 「施設としては家族トラブルに関与できません」
    →「トラブルを持ち込みたいのではなく、母の意向を尊重するために最小限の確認をお願いしているのです」と、冷静に説明する。
 

 

6.よくある失敗パターン

  • 「なぜ会わせないんだ」と感情をぶつけてしまう
  • きょうだいの悪口を施設に言ってしまう
  • 施設の対応を「法律違反だ」と断定してしまう

これらはすべて交渉をこじらせる要因です。施設職員は「安全・平穏」を第一に考えており、争いに巻き込まれることを最も嫌います。

 
 

 

7.長期的な視点

 

一度の訪問で状況が劇的に変わるとは限りません。
 

しかし、冷静で一貫した姿勢を見せ続けることで、施設側の信頼を得られ、少しずつ門戸が開かれるケースがあります。

 

また、最終的に家庭裁判所などの公的手続きを視野に入れる場合でも、**「親の意思確認を求めてきた努力」**が記録として残っていることは非常に重要です。

 

 

まとめ

 

親の囲い込み問題に直面すると、強い怒りや悲しみから感情的になりやすいものです。
 

しかし、施設訪問交渉においては、あくまで 「親本人の意思を尊重する」という軸をぶらさず、冷静かつ丁寧に進めることが最も大切です。

 

  • 目的は「親の意向確認」であると明確にする
  • 短時間・限定的な面会を提案する
  • 施設の立場を理解し、協力的な姿勢を持つ
  • 記録を残し、長期的な視点で取り組む

 

これらのステップを踏むことで、親の声を取り戻し、家族関係の不透明さを少しずつ解消していくことが可能になります。

 

 

 

 

 

自己紹介など

1. 自己紹介

4.無料オンライン相談(30分)を受付しております(2025/7時点)。詳しくは以下のホームページをご覧ください。

 

ブログのご紹介

ブログ主宰 しらいわ は以下のブログも作成しています。併せてご覧ください。

1. 自己愛性ハラスメント対策室  ~ 感情的な人に振り回されている方向け~

2. 高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

3. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信

 

4. あなたのメンタルを守りたい (休止中)~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~

5. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ (休止中)幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ

6. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”(休止中)~感情と向き合う「心の航海術」を発信中

7. 女性起業家×アドラー心理学(準備中)

 

高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

 

 

 

38.面会交渉時の“言ってはいけない言葉”──親の囲い込みに直面したとき

 

高齢の親と面会したいのに、きょうだいの一人や施設の担当者から拒まれてしまう。
 

「親に会いたいだけなのに、なぜこんなに難しいのか」と、多くの方が心を痛めています。

 

面会交渉の場は、ただでさえ緊張が高まりやすいものです。そこで不用意な一言を口にしてしまうと、相手の態度が硬化し、ますます面会が遠のいてしまうことがあります。

 

本記事では、面会交渉で絶対に避けるべき“言ってはいけない言葉”について、事例と心理学的な観点を交えて解説します。

 
 
 

 

1.面会交渉が難航する背景

 

なぜ、親との面会という自然な願いが、こんなにも大きな壁にぶつかるのでしょうか。背景には次のような事情があります。

  • きょうだい間の対立(財産、介護の負担感、過去の感情的なしこり)
  • 親の判断力低下(認知症や病気で意思があいまいになる)
  • 施設やケアマネの「トラブルを避けたい」という防衛姿勢

つまり、面会交渉の場は「単なるお願い」ではなく、利害や感情が複雑に絡み合う場です。
 

そこでの言葉選びは、将棋の一手に近い重みを持っています。

 

 

2.“言ってはいけない言葉”の典型例

 

ここでは、私が相談を受ける中で特によく見られる「NGワード」を紹介します。

 

(1)「親は私のものだ」

 

意外と多いのが、この強い言い回しです。
気持ちは理解できます。「会わせてもらえない苦しさ」から、思わず独占的な表現になってしまうのです。

 

しかし、この言葉は相手にとって「支配の主張」に聞こえます。
結果的に、「だから会わせられない」と囲い込み側の正当化を助長してしまいます。

 

(2)「あなたが親を洗脳している」

 

相手の行動を断罪する言葉は、交渉を即座に決裂させます。
仮に事実として親への影響があったとしても、交渉の場で直接糾弾すれば、相手は防衛本能をむき出しにし、会話が成立しません。

心理学的に言えば、人は「責められる」と自己防衛に走り、冷静な判断ができなくなります。

 

(3)「弁護士に言うからな」「訴えてやる」

 

法的手段を持ち出すことは、最後の切り札であって、交渉の入り口で言うべきではありません。
この言葉が出た瞬間、相手は「敵」とみなし、以後の協力関係は築けなくなります。

 

もちろん、最終的に家庭裁判所などの法的解決に進むことはあります。
 

しかし、その前に「対話で歩み寄れる余地」を自ら閉ざしてしまうことは避けたいところです。

 

(4)「親はもう長くないんだから」

 

切迫感を伝えたくて言ってしまう言葉です。
 

しかし、これも逆効果です。「死」を交渉材料にすることで、相手には「感情的に揺さぶられたくない」との拒絶感が生まれます。

むしろ、冷静に「親の意思を確認したい」「親の安心を第一に考えている」と伝えるほうが、相手の耳に届きやすくなります。

 

 

 

 

3.なぜ“言ってはいけない言葉”が出てしまうのか

 

頭では分かっていても、実際の交渉場面では感情が先立ち、つい強い言葉を投げてしまうものです。
 

その背景には次のような心理があります。

  • 被害感情:「自分だけ排除されている」という強烈な孤独感
  • 正義感:「これはおかしい、正さなければ」という使命感
  • 焦燥感:「時間がない、早く会わないと」という切迫感

これらはすべて自然な心の反応です。
ただ、相手にぶつけた瞬間、交渉は硬直化しやすいのです。

 

 

4.“言っていい言葉”への置き換え

 

では、どう言えばいいのでしょうか。
具体的に「NGワード」を「OKワード」に変換してみましょう。

  • 「親は私のものだ」
     →「親と平等に会える関係を望んでいます」
  • 「あなたが親を洗脳している」
     →「最近、親と話す機会が減って寂しく感じています。状況を共有していただけませんか」
  • 「弁護士に言うからな」
     →「冷静に進めるために、専門家の意見も参考にしたいと考えています」
  • 「親はもう長くないんだから」
     →「親の心が安心できるように、面会を大切にしたいと思っています」

言葉を少し置き換えるだけで、相手に伝わる印象は大きく変わります。

 
 

 

5.施設や第三者との交渉でも同じ

 

実は、施設職員やケアマネとの面会交渉でも同じ注意が必要です。
 

「施設はグルだ」「職員が協力しているだろう」といった断定的な言葉は、相手の防御を強め、情報が閉ざされてしまいます。

 

施設側には「他の家族との板挟み」という事情もあるため、冷静に事実を伝え、「協力者」としての立場を尊重することが肝心です。

 
 

 

6.ケーススタディ

 

あるご相談者は、面会を拒む兄に対し「親を独占するな」と強く言い放ちました。
 

結果、兄は弁護士を立ててさらに壁を厚くし、面会が半年以上も実現しませんでした。

 

その後、言葉を「親の安心のために、兄弟みんなで関わりたい」と改めてから、少しずつ面会のチャンスが開けていきました。

このケースは、「言葉の力」が交渉を左右する典型例です。

 

 

 

まとめ

 

面会交渉の場では、感情をぶつけたくなるのが人間の自然な反応です。
 

しかし、その一言が面会を遠ざける原因になってしまうことがあります。

 

言ってはいけない言葉のポイント

  • 親を「所有物」のように語る言葉
  • 相手を断罪・非難する言葉
  • 法的手段をちらつかせる言葉
  • 親の死を材料にする言葉

代わりに選ぶべき表現

  • 「親の安心を第一に考えている」
  • 「平等に関われる関係を望んでいる」
  • 「冷静に専門家の意見も参考にしたい」

 

言葉を工夫することは、相手の心を閉じさせない最初の鍵です。
 

「親は家族みんなのもの」という原点を忘れず、冷静で誠実な言葉を選んでいくことが、面会への道をひらきます。

 

 

 

 

 

 

自己紹介など

1. 自己紹介

4.無料オンライン相談(30分)を受付しております(2025/7時点)。詳しくは以下のホームページをご覧ください。

 

ブログのご紹介

ブログ主宰 しらいわ は以下のブログも作成しています。併せてご覧ください。

1. 自己愛性ハラスメント対策室  ~ 感情的な人に振り回されている方向け~

2. 高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

3. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信

 

4. あなたのメンタルを守りたい (休止中)~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~

5. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ (休止中)幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ

6. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”(休止中)~感情と向き合う「心の航海術」を発信中

7. 女性起業家×アドラー心理学(準備中)

 

高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

 

 

 

37. 閉ざされた実家にどう手紙を届ける?──親に思いを伝えるための現実的な方法

 

「親に会いたいけれど、きょうだいの一人が実家を閉ざしてしまい、中に入れない」

 

──そんな状況に置かれている人が増えています。電話もつながらず、訪問しても玄関先で追い返される。親の安否が心配なのに、どうすることもできない。

 

そんなとき、多くの方が考えるのが「せめて手紙だけでも届けたい」という方法です。

 

しかし、実家が閉ざされていると、ポストに投函しても読んでもらえないのでは? きょうだいに握りつぶされてしまうのでは? という不安もあります。

 

本記事では、公認会計士・税理士として相続や親子トラブルを数多く見てきた立場から、「閉ざされた実家に手紙を届ける現実的な方法」について整理していきます。

 
 

 

 

1. なぜ「手紙」が有効なのか

 

まず、なぜ手紙が有効なのかを確認しておきましょう。

  • 物理的に残る証拠になる
     電話や口頭のやりとりは残りませんが、手紙は相手が受け取った事実や内容が形として残ります。
  • 感情的対立を避けやすい
     直接会おうとすると対立が先に立ちますが、手紙であれば冷静に思いを伝えることが可能です。
  • 親の意思を引き出すきっかけになる
     親が自ら「この手紙を読みたい」「会いたい」と意思表示できれば、囲い込みを揺るがす一歩になります。

 

ただし、問題は「親本人に確実に届くかどうか」です。ここからが具体的な方法の検討になります。

 

 

2. ポスト投函だけで終わらせない工夫

 

もっともシンプルなのは、実家のポストに投函することです。

しかし、きょうだいが先に手紙を抜き取り、親の目に触れない可能性は高いでしょう。そこで工夫が必要です。

 

  • 封筒の表に「お母さんへ 直筆の手紙です」と明記する
     差出人不明の封筒は開封されやすいため、あえて「親宛」と大きく書くことで本人に届けてほしいというメッセージを強調します。
  • 複数回にわけて送る
     一度握りつぶされても、繰り返すことで「子が連絡を取りたがっている」という事実は周囲にも伝わりやすくなります。
  • 記録を残す
     投函した日付や写真を残しておくと、万が一法的手続きに進む際に「意思疎通を試みていた」証拠になります。
 
 
 

 

3. 郵便を利用する方法

 

より確実に「送った」ことを残すには、郵便サービスの活用が有効です。

  • 簡易書留・書留郵便
     郵便局の記録に残り、相手が受け取ったかどうかを追跡できます。親が自ら署名・押印すれば、受け取った証拠になります。
  • 内容証明郵便
     「いつ、どんな内容の文書を送ったか」を公的に証明できます。法律的なニュアンスが強いため、使うときは慎重に。あくまで「面会を望む意思を伝えた」という証拠作りとして有効です。

 

ただし、受取人が「拒否」する可能性もあります。拒否された記録もまた一つの証拠になります。

 

 

4. 第三者を介して届ける

 

「家族同士だと受け取りを拒否される」ケースでは、第三者を介すのも方法の一つです。

  • ケアマネジャーや介護サービス事業者
     親が介護サービスを受けているなら、ケアマネに「本人に伝えてほしい」と依頼することができます。職務上、親の意思を大切にする立場ですから、受け取ってもらえる可能性が高まります。
  • 地域包括支援センター
     親が高齢であれば、包括支援センターの職員が介入できる場合があります。相談を通じて「手紙を本人に渡してもらえないか」とお願いすることも可能です。
  • 弁護士などの専門家
     代理人を立てて手紙を送ると、相手側の態度も変わる場合があります。ただし、家族関係がさらに硬直化するリスクもあるため、最終手段として考えましょう。
 
 

 

5. 手紙の内容で大切なこと

 

届け方と同じくらい重要なのが「内容」です。せっかく親に届いても、親を不安にさせたり、きょうだいとの対立をあおる内容では逆効果です。

  • 安心を与える表現
     「心配している」「会いたい」という思いを、責める口調ではなく柔らかく伝える。
  • 具体的な提案を入れる
     「○月○日に10分だけでも会いたい」「体調を聞かせてほしい」など、漠然とせず具体性を持たせる。
  • 親の意思を尊重する一文
     「もし会いたくないなら、その気持ちも尊重します。ただ、元気かどうかだけでも知りたい」──こうした一文で、親に選択肢を与えることが大切です。
 

 

6. 心理的な側面──「届かない」苦しみへのケア

 

手紙を出しても届かない、返事がない──その苦しみは想像以上です。「もしかして親が拒絶しているのか」と思い込み、自責感にとらわれる人もいます。

 

ここで大切なのは、「届かないのは自分のせいではない」と理解することです。多くの場合はきょうだいによるブロックが原因であり、親本人の意思ではありません。

 

また、手紙を送ること自体が「親を思い続けている証」になります。返事がなくても、その行動は必ず意味を持ちます。

 

 

 

7. 法的手続きとの関係

 

どうしても会えない状況が続き、安否すら確認できない場合は、家庭裁判所への手続きを検討することもあります。その際、これまでの「手紙送付の記録」は、裁判所に対して「子として努力した証拠」になります。

  • 面会交流調停や審判で「意思疎通の試み」を示せる
  • 将来的な相続や財産管理の場面で「不自然な囲い込み」を主張できる

つまり、手紙は感情の表現であると同時に、法的にも重要な意味を持つのです。

 

 

まとめ

 

閉ざされた実家に手紙を届けるのは簡単ではありません。しかし、工夫次第で「親に届く可能性」を少しでも高めることはできます。

  • ポスト投函に工夫をする
  • 郵便サービスを利用して記録を残す
  • 第三者を介して届ける
  • 手紙の内容は「安心・具体性・尊重」を意識する
  • 届かなくても「自分のせい」とは思わない

親を囲い込まれた状況は、子にとって大きなストレスです。しかし、手紙という形で思いを表すことは、親への愛情を示すと同時に、自分自身の心の支えにもなります。

 

親は家族みんなのもの。あきらめず、冷静に、そして証拠を残しながら「つながり」を模索していきましょう。

 

 

 

 

自己紹介など

1. 自己紹介

4.無料オンライン相談(30分)を受付しております(2025/7時点)。詳しくは以下のホームページをご覧ください。

 

ブログのご紹介

ブログ主宰 しらいわ は以下のブログも作成しています。併せてご覧ください。

1. 自己愛性ハラスメント対策室  ~ 感情的な人に振り回されている方向け~

2. 高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

3. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信

 

4. あなたのメンタルを守りたい (休止中)~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~

5. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ (休止中)幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ

6. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”(休止中)~感情と向き合う「心の航海術」を発信中

7. 女性起業家×アドラー心理学(準備中)

 

高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

 

 

 

36.親と電話で話したい!でも番号を知らないときどうする?

 

高齢の親と久しぶりに声を聞きたい。状況を確かめたい。あるいは施設で暮らしている親と定期的に電話で話したい――。
 

しかし、実際には「電話番号を知らない」「相手の子ども(きょうだい)に教えてもらえない」といった壁にぶつかる方が少なくありません。

 

この記事では、公認会計士・税理士として相続や家族間のトラブルに関わりながら、「高齢親の囲い込み」問題を支援してきた立場から、番号が分からないときにどう行動すべきかを解説します。

 

 

 

1. どうして電話番号を知らない事態が起きるのか

 

本来、親子なのですから電話で自由に話せるのは当然のことです。ところが、現実には次のような理由で「番号が分からない」状態が生まれます。

 

  • 親の携帯電話をきょうだいが管理している
    親がスマホを持っていても、パスコードや契約情報をきょうだいが握っているため、番号を教えてもらえない
  • 施設や病院に入所してから連絡先が変更された
    固定電話はなく、施設が親用に携帯を契約していても、外部には公開しない方針を取る場合がある。
  • 「面会や通話は不要」と一部のきょうだいが判断している
    親を囲い込む子が「親は疲れるから」と理由をつけて番号を隠す。
  • 親自身が操作できない
    認知症や身体の不自由さで、親が自分の番号を伝えられない。

つまり、多くは「情報を誰かに握られている」ために起きています。この状況をどう乗り越えるかが課題です。

 

 

2. まずは冷静に「親の意思」を確認する

 

電話番号を知ることは、あくまで手段であり、目的は「親と話すこと」です。
 

そこで重要なのは、親が電話を望んでいるのかどうか。

  • 親が「声を聞きたい」と思っているのなら、正当な希望として尊重されるべきです。
  • 逆に、親自身が「電話は控えたい」と思っている場合もあり得ます。

ただし、実際には親の意思を直接確認できない状況が多いのも事実です。そこで、親の意思を推測しすぎず、確認のチャンネルを広げることが大切です。

 

 

 

3. 電話番号を知るためのアプローチ

 

番号が不明なとき、現実的に取れる行動にはいくつかの段階があります。

 

(1) 施設や病院に問い合わせる

  • 親が入っている施設や病院に「親と電話で話したい」と伝える。
  • 個人情報の関係で番号を直接教えてもらえないことが多いですが、代わりに「電話を取り次いでもらえる」可能性があります。

ポイントは、感情的にならずに事実だけを伝えること
「娘として母と話したい」「父の様子を知りたい」という気持ちを丁寧に説明すると、施設側も配慮してくれることがあります。

 

(2) ケアマネジャーに相談する

 

介護保険を利用している場合、ケアマネジャーは親の生活全体を把握しています。
直接番号を教えてくれることは難しくても、「ご本人の希望として電話ができるようにしたい」という要望を伝えると、調整してくれることがあります。

 

(3) 法的な代理手段を検討する

 

もしも親の判断能力が低下していて、きょうだいが一方的に情報を独占しているなら、家庭裁判所に申し立てをして「成年後見」や「保佐・補助」といった仕組みを利用できる場合があります。
これは時間も手間もかかりますが、親の権利を守るための正式な手段です。

 

(4) 第三者を介して伝えてもらう

 

共通の知人や親戚を通じて「電話で話したい」という希望を伝えるのも一つの方法です。
ただし、巻き込まれることを嫌がる人もいるため、相手の負担にならないよう配慮が必要です。

 

 

 

4. 注意すべき「やってはいけない行動」

 

焦るあまり、次のような行動に出るのは避けてください。

  • 無断で施設や携帯会社に問い合わせて番号を引き出そうとする
    個人情報保護の観点から、ほとんど不可能であり、逆にトラブルの火種になります。
  • 親の家に押しかけて探す
    不法侵入や迷惑行為とみなされかねません。親にとっても負担になります。
  • きょうだいに強い口調で詰め寄る
    感情的な対立を深めるだけで、親との距離はますます遠くなります。

大切なのは「親のために冷静に行動する」という姿勢です。

 

 

5. 番号を知らなくてもできる工夫

 

もし番号が手に入らない場合でも、親とのつながりを作る方法は残されています。

  • 手紙を書く
    番号がなくても住所は分かる場合が多い。自筆の手紙は親に安心感を与えます。
  • 施設に差し入れと一緒にメッセージを託す
    「電話で声を聞きたい」とメモを添えて渡すと、施設職員が動いてくれることがあります。
  • 録音メッセージを届ける
    親にスマホを操作させるのが難しい場合、音声メッセージを施設に渡し、親に再生してもらう方法もあります。

電話にこだわらず、「声を届ける・聞く」手段を柔軟に考えることが大切です。

 

 

 

6. 心のケアも忘れずに

 

「親に会えない」「電話もできない」状況は、子どもにとって深い無力感や孤独感をもたらします。
 

私のもとにも、「自分だけ置き去りにされたようでつらい」「親が自分を忘れてしまうのでは」と不安を訴える方が多くいます。

 

大切なのは、自分の気持ちを否定せず、信頼できる人に話すことです。カウンセリングや専門家との相談を活用するのも有効です。

 

あなたが抱える苦しみは、「わがまま」でも「過剰反応」でもありません。親を思う自然な気持ちです。

 

 

まとめ

 

親と電話で話したいのに番号が分からない――。
そんなときは、

  1. 施設やケアマネに冷静に問い合わせる
  2. 第三者を介して伝えてもらう
  3. 法的な手段も視野に入れる
  4. 無理な行動は避ける
  5. 電話以外の手段でも声を届ける

この5つを基本に行動してください。

 

最終的なゴールは「番号を知ること」ではなく、親と安心してつながり続けることです。冷静さと柔軟さを持ちながら、一歩ずつ道を探していきましょう。

 

 

 

自己紹介など

1. 自己紹介

4.無料オンライン相談(30分)を受付しております(2025/7時点)。詳しくは以下のホームページをご覧ください。

 

ブログのご紹介

ブログ主宰 しらいわ は以下のブログも作成しています。併せてご覧ください。

1. 自己愛性ハラスメント対策室  ~ 感情的な人に振り回されている方向け~

2. 高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

3. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信

 

4. あなたのメンタルを守りたい (休止中)~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~

5. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ (休止中)幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ

6. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”(休止中)~感情と向き合う「心の航海術」を発信中

7. 女性起業家×アドラー心理学(準備中)