高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

 

 

はじめに

 

親の囲い込み問題に悩んでいる方の多くが、まず直面するのはコミュニケーションの遮断です。
 

特に現代では、電話よりもLINEなどのメッセージアプリが連絡手段の中心になっています。

 

ところが、送ったLINEが既読になっているのに返事がない──いわゆる「既読スルー」に遭遇することがあります。
 

その瞬間、心の中には「無視された」「敵視されているのではないか」という不安や怒りが湧き上がるものです。

しかし、そこで感情的な反応をしてしまうと、状況がさらに悪化する危険があります。
 

本記事では、「既読スルー」に冷静に対応するための考え方と実践方法を整理していきます。

 

 

 

1. 既読スルーは「敵意」とは限らない

 

まず大前提として知っていただきたいのは、既読スルー=拒絶ではないということです。
 

返事が来ない理由には、実際にはさまざまな可能性があります。

  • 仕事や介護で手が離せなかった
  • 返信内容を考えているうちに時間が経ってしまった
  • 親や第三者の目を気にしてすぐ返せなかった
  • 単純に忘れてしまった

 

私が相談を受けてきたケースでも、「返す気がなかった」よりも「返せなかった」理由の方が圧倒的に多いのです。
それを知らずに「無視された」と解釈して感情的なメッセージを送ってしまうと、かえって関係は硬直化します。

 

 

2. 心理的に揺さぶられる理由

 

それでも既読スルーに強い不安や怒りを感じるのはなぜでしょうか。
背景には、人間の心理的な「不確実性への耐性の弱さ」があります。

 

  • 誰かに無視される=自分の存在を否定されたように感じる
  • 家族との関係に不安を抱えている人ほど、反応に敏感になる
  • 囲い込み問題を抱える方は、連絡が遮断されること自体が大きな恐怖になる

 

このため、LINEの一つ一つの反応に一喜一憂し、メッセージが返ってこないだけで夜も眠れなくなる方も少なくありません。
これは決して「弱いから」ではなく、状況が人の心を過敏にさせているのです。

 

 

 

3. 感情的にならずに待つ工夫

 

既読スルーに遭ったときに大切なのは、「すぐに反応しない」ことです。

 

(1)返信期限を自分で決める

「返事は24時間待つ」とルールを作ると、心の揺れをコントロールしやすくなります。
待つ時間を区切ることで、漠然とした不安が少し和らぎます。

 

(2)メモに書き出して気持ちを外に出す

「なんで返事をくれないのか」「親のことをどうしているのか」など、頭に浮かぶ疑問や怒りをノートに書き出してみましょう。
書くことで気持ちが整理され、相手にそのままぶつけるリスクを減らせます。

 

(3)他の行動で意識を切り替える

不安な気持ちが強いと、スマホを何度も確認してしまいます。
意識的に散歩や運動、読書など「別の活動」を取り入れることで、心のバランスを保ちやすくなります。

 

 

4. 再送するときの工夫

 

もし一定時間が経っても返信がない場合、再送の仕方にも注意が必要です。

 

NGパターン

  • 「なんで返事しないの?」
  • 「無視するつもり?」
  • 「親に会わせろ!」

こうした攻撃的な表現は、相手の防衛心を強めてしまい、ますます返事が来なくなります。

 

おすすめの書き方

  • 「先ほど送った件ですが、確認していただけましたか?」
  • 「忙しいところ失礼しました。ご都合の良いときに教えてください。」

 

事務的・簡潔・相手に負担をかけない文面を意識しましょう。
「親に会いたい」という本題に入る前に、返事をしやすい小さな質問を投げかけるのも有効です。

 

 

 

 

5. どうしても返事がない場合の考え方

 

再送しても連絡が途絶えることがあります。
このときに重要なのは、「LINEだけに頼らない」という発想です。

  • 電話や手紙といった別の連絡手段を試す
  • 親本人や施設職員など、他のルートを探す
  • 必要に応じて第三者(ケアマネジャー、弁護士、家庭裁判所)に相談する

LINEは便利なツールですが、相手がブロックしたり無視したりすれば簡単に遮断されてしまいます。
「LINE=唯一の手段」ではないという認識を持っておくことが、冷静さを保つカギになります。

 

 

6. 法的・実務的な視点

 

既読スルーが続く場合、「親に会わせないための意図的な遮断」の可能性もあります。
この場合には、次のような実務的な準備が役立ちます。

  • 連絡履歴をスクリーンショットなどで記録する
  • 「いつ、どのように連絡を試みたか」をメモしておく
  • 必要に応じて、家庭裁判所の調停や審判で証拠として提出する

こうした記録は、感情の暴発を防ぐだけでなく、後の手続きで「自分は冷静に連絡を試みた」と示す根拠にもなります。

 

 

 

7. 心のケアを忘れない

 

既読スルーは小さな出来事に見えますが、囲い込み問題の文脈では大きなストレス要因となります。
孤独感や無力感が積み重なると、心身に不調をきたすこともあります。

  • 信頼できる友人や支援者に話を聞いてもらう
  • カウンセリングを受ける
  • 日記に感情を書き留める

 

「自分の気持ちを外に出す場」を持つことが、冷静さを取り戻す助けになります。

 

 

まとめ

 

LINEの既読スルーは、決して珍しいことではありません。
 

大切なのは、「すぐに敵意と決めつけない」「感情的に反応しない」「複数の手段を準備する」という姿勢です。

  • 既読スルーは必ずしも拒絶ではない
  • 心理的に不安になるのは自然なこと
  • 冷静に待ち、記録を取り、次の一手を準備する
  • LINE以外の連絡ルートや第三者の力も視野に入れる

 

このように対応することで、無駄な衝突を避けつつ、親との面会や交流を実現する可能性を高めることができます。

「親は家族みんなのもの」です。
 

たとえLINEの画面が冷たく沈黙していても、あなたの思いが途絶えてしまうわけではありません。
冷静に、着実に、一歩ずつ進んでいきましょう。

 

 

 

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私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

 

 

 

はじめに

 

高齢の親が、きょうだいの一人によって自宅や施設で囲い込まれ、他の家族が会えない──。こうした相談が近年増えています。
 

「こんな状況を警察に通報してもいいのだろうか?」
「親に会えないことは、人権侵害ではないのか?」
 

そんな疑問や不安を抱く方は少なくありません。

 

しかし現実には、「警察がすぐに介入してくれる」と考えると、期待と現実のギャップに苦しむことがあります。この記事では、警察相談のメリットと限界、通報によって起こり得るリスク、そして現実的な対応策を整理していきます。

 

 

 

1. 警察はどんなときに動くのか?

 

警察は「刑事事件」や「明らかな犯罪」に関わるときに動きます。
 

例えば、

  • 高齢者への暴力や虐待(身体的虐待)
  • 財産をだまし取る詐欺行為
  • 監禁にあたるような身体拘束

といったケースでは、警察が立ち入り、捜査に進む可能性があります。

 

一方で、「親に会わせてもらえない」「施設で面会を拒まれる」といったトラブルは、すぐに刑事事件として取り扱われにくいのが現実です。これは「家族間の民事的な問題」と位置づけられやすいからです。

 

 

2. 通報したときに期待できること

 

それでも、警察に相談することで得られるメリットもあります。

 

(1) 相談履歴が残る

警察に「生活安全課」や「地域課」で相談すると、その記録が残ります。後に裁判所へ申し立てをするときや、行政機関に支援を求めるときに、「過去に相談実績がある」と示せるのは大きな意味があります。

 

(2) 注意・指導をしてくれる場合がある

ケースによっては、警察が囲い込んでいるきょうだいに「トラブルにならないよう配慮してください」と軽い注意をしてくれることがあります。これは直接的な解決にはならなくても、一定の抑止力となる場合があります。

 

(3) 本人の安全確認

虐待やネグレクトが疑われるときには、警察が「安否確認」の名目で親の状況を確認してくれることもあります。

 

 

 

3. 通報リスクと現実の壁

 

一方で、通報にはリスクや現実的な限界も存在します。

 

(1) 家族関係のさらなる悪化

通報されたきょうだいは「なぜ警察に言ったのか」と反発し、関係が決定的に悪化するケースがあります。親に会う道がさらに閉ざされてしまうこともあるのです。

 

(2) 介入できないと言われる可能性

警察から「それは民事問題なので対応できません」とあっさり返されることも少なくありません。その場合、期待したような助けを得られず、むしろ虚しさが残る可能性があります。

 

(3) 親への心理的影響

高齢の親にとって、突然警察が訪ねてきたり、家族間の争いを耳にしたりすることは大きなストレスになります。結果的に親の体調や心に負担をかけることになりかねません。

 

 

4. 実際に相談する際のポイント

 

では、「警察に相談してみたい」と思ったとき、どんな点に注意すべきでしょうか。

 

(1) 感情的にならず事実を整理する

「きょうだいが親を囲い込んでいる!」と訴えるだけでは、警察は動きにくいものです。

  • いつ、どのように面会を拒まれたのか
  • 施設や自宅での対応はどうだったか
  • 親の安否や健康に懸念がある具体的理由

こうした事実をメモや記録として持参すると、相談はスムーズに進みます。

 

(2) 生活安全課を頼る

交番よりも、警察署の「生活安全課」の窓口が適切です。家庭内のトラブルや高齢者虐待の相談窓口として設けられているため、対応に慣れています。

 

(3) 「安否確認」を依頼する

親の健康状態が不明で心配なときは、「会わせてもらえないこと」よりも「安否確認」を依頼する形で伝えると、動いてもらいやすいです。

 
 

 

5. 警察以外に頼れる機関

 

警察だけに頼るのではなく、他の機関と組み合わせて動くことが大切です。

  • 地域包括支援センター:高齢者の福祉や虐待に関する総合窓口。介護サービスや行政機関につなげてもらえる。
  • 家庭裁判所:面会交流や財産管理の問題については、調停や審判の場で解決を図れる。
  • 弁護士・司法書士:法的な手続きを検討する際の相談先。
  • ケアマネジャー・介護職員:親の日常の様子を把握しており、外部機関へのつなぎ役になり得る。

複数の窓口を活用することで、孤立せずに進められます。

 

 

6. 感情面のケアも忘れずに

 

警察への通報を考える状況にある人は、多くの場合、心が疲れ切っています。
 

「どうして自分だけが会えないのか」
「親を助けたいのに、手段がない」
 

そうした無力感や怒りは、精神的な消耗を招きます。

 

心理的に追い込まれると、冷静な判断や適切な行動が難しくなります。信頼できる相談者(専門家・友人・カウンセラー)に気持ちを話し、感情の整理をしていくことも大切です。

 

 

 

まとめ

 

親の囲い込みに直面したとき、警察への通報は「万能の解決策」ではありません。

  • 警察は主に刑事事件に対応する
  • 相談履歴や注意喚起はメリットになる
  • 一方で、家族関係の悪化や「民事不介入」の壁もある
  • 事実を整理し、安否確認など具体的依頼をすることが大切
  • 警察以外の機関とも並行して動く

そして何より、自分の心を守ること。冷静さを失わずに、段階を踏んで行動することが、親と再びつながる道を開く力になります。

 

 

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33.自宅囲い込み時の訪問アプローチの注意点

 

高齢の親がきょうだいの一人に「囲い込まれ」、自宅に滞在しているにもかかわらず、他の家族が会わせてもらえない──こうした相談は年々増えています。

 

施設に入所している場合と異なり、自宅での囲い込みは「家の玄関口」で拒否されるケースが多く、訪問の仕方を誤ると、余計に関係がこじれてしまうリスクがあります。今回は、自宅囲い込みに直面した際の訪問アプローチについて、注意すべきポイントを整理します。

 

 

 

1.なぜ「自宅囲い込み」が起こるのか

 

まず理解しておきたいのは、なぜ子どもの一人が親を自宅に囲い込むのかという背景です。代表的な要因としては、

  • 親の財産や生活費を自分が管理したいという経済的動機
  • 親の判断力が落ちていることを理由に、他のきょうだいを遠ざけたい心理
  • 「自分が一番親を世話している」という優越感や支配欲
  • 家族間の過去の確執や不信感

といったものがあります。
 

つまり、親のためというよりは「自分のため」の要素が強く、訪問する側がいくら「会いたい」と訴えても、正面突破では壁に跳ね返されることが多いのです。

 

 

2.訪問前に準備すべきこと

 

自宅に直接訪ねる前に、いくつかの準備をしておくことが肝心です。

 

(1) 記録を残す

訪問した日時、対応した人、会えたかどうか、どんな会話があったかをノートに記録しておきましょう。これらは後に家庭裁判所や弁護士に相談する際の重要な証拠になります。

 

(2) 事前に連絡を入れるかどうか

突然の訪問は警戒を招きやすく、「押しかけられた」と非難されるリスクもあります。一方で、事前連絡を入れると「来るな」と言われる可能性も高い。どちらを選ぶかは状況によりますが、親に直接電話がつながるなら、まずは親の意思を確認することが優先です。

 

(3) 第三者に同行を依頼できるか

ケアマネジャーや地域包括支援センターの職員など、中立的な立場の第三者に同行を依頼できる場合があります。これにより「きょうだい同士の私闘」と見られるのを避けやすくなります。

 

 

 

3.訪問時のアプローチの注意点

 

(1) 感情的にならない

玄関口で拒否されたとき、つい「親に会わせてくれ!」と声を荒らげてしまう人もいます。しかし、それは相手の思う壺です。「騒ぎを起こす人だから、会わせられない」と正当化されてしまうからです。冷静な態度を崩さないことが最も大切です。

 

(2) 事実だけを伝える

「お母さんの体調を心配しているので、顔を見たい」
「先週も電話がつながらなかったので、直接様子を確かめたい」
といった具合に、客観的でシンプルな理由を述べましょう。相手の人格を攻撃するような言葉は避けます。

 

(3) 親に直接声を届けられるか試みる

玄関先で遮られても、親が奥の部屋にいるなら声を届ける方法があります。
「お母さん、元気? ちょっと顔を見せて」
と優しい声で呼びかけるだけでも、親に「会いたい」という意思があると示せます。ただし、怒鳴り声は逆効果です。

 

(4) 滞在時間は短く

長時間の押し問答は双方のストレスを高め、関係悪化を招きます。数分で区切りをつけ、拒否が続く場合は一旦引き下がりましょう。その代わり、訪問を繰り返すことで「会いたい気持ちは継続している」と示せます。

 

 

4.法的トラブルに発展させないために

 

訪問アプローチには「境界線」があります。無理やり家に入ろうとすると、不法侵入や迷惑行為とみなされかねません。相手が警察を呼んだ場合、こちらが不利になることもあります。

 

ですから、あくまで「冷静に・短時間で・記録を残す」を徹底してください。もし拒否が続き、親の安否が本当に心配な場合には、家庭裁判所への審判申立や地域包括支援センターへの相談など、制度的な手段に進むことを検討する必要があります。

 

 

 

5.心理的なダメージに備える

 

自宅を訪ねて門前払いされる経験は、とてもつらいものです。親に会いたいだけなのに、拒絶される。しかも拒否しているのはきょうだいである。これは心に大きな傷を残します。

 

そのため、

  • 訪問後に気持ちを整理する時間を持つ
  • 信頼できる友人やカウンセラーに心情を吐き出す
  • 「自分のせいで会えない」と思い込まない

ことが大切です。囲い込みの構造自体が理不尽なのですから、自己否定につなげないでください。

 

 

6.まとめ

 

自宅での囲い込みに対して訪問する際は、

  1. 事前の準備(記録・第三者の検討)
  2. 訪問時の冷静さと事実に基づいた説明
  3. 親への直接的な声がけの工夫
  4. 無理な突破はせず、短時間で切り上げる
  5. 継続して訪問することで意思を示す
  6. 心理的なケアも忘れない

という点が重要です。

 

「親に会いたい」という思いは自然で正当なものです。しかし、アプローチを誤ると、逆に「会わせられない理由」を相手に与えてしまいかねません。冷静さと粘り強さを両立させながら、必要に応じて専門家や制度の力も借りていきましょう。

 

 

 

 

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32. ケアマネとの連携で関係を築く方法 —「親は家族みんなのもの」を実現するために—

 

高齢親の支援では、ケアマネジャー(以下、ケアマネ)との関係づくりが要です。

 

囲い込みが起きている家族ほど「味方につける/敵に回す」という発想になりがちですが、目的はただ一つ――親の意思と利益を最大化すること。

 

本稿では、公認会計士・税理士としての実務視点と、家族心理の観点から、今日から使える連携のコツを整理します。

 

 

 

 

1. まず「役割」と「ルール」を押さえる

 

ケアマネは介護保険の居宅介護支援の要で、個人情報の守秘義務があります。家族からの情報提供は歓迎されますが、情報開示は「本人の同意」または正当な権限が前提です。

 

よって、最初にやることは以下の二つ。

  • 本人の意思確認:家族との情報共有に同意しているか。
  • 形式の整備:可能なら同意書や委任状(連絡先、共有範囲、期間)を簡潔に。
    ※具体的書式は地域や事業所により異なるため、作成時は担当事業所や専門家へ相談を。

 

 

2. 初回コンタクトは「短く・礼儀正しく・目的明確」

 

電話やメールでの例(要約)

  1. 名乗りと続柄/連絡先
  2. 連絡目的:「本人の意思を尊重しつつ、見守りと情報共有の連携をお願いしたい」
  3. 提供できる事実:「転倒歴」「服薬状況の変化」「家族の緊急連絡体制」など
  4. 15分の情報交換の打診(繁忙を前提に選択肢を提示:電話・メール・面談)
    書面上のポイント:出来事と日時を客観的に、評価語は避ける。
    心理面のポイント:相手の業務量への配慮を言語化(「お忙しい中、三点だけ共有します」)。
 

 

 

3. 継続連携の設計――頻度・チャネル・記録

  • 頻度:月1回の定例連絡+変化時の臨時連絡。
  • チャネル:要点はメールで、緊急は電話。家族内は共有ノート(日時・要約・宿題)。
  • 記録:合意事項は「誰が・いつまでに・何を」まで明記。
  • ケース会議:医療・介護・家族が同席する15~30分の小会議を提案。議事メモを翌日までに送付。

 

 

4. 囲い込みが疑われる場面での打ち手

 

「きょうだいの一人が連絡を遮断」「面会が不当に制限」――このときケアマネに“圧”をかけると関係が壊れます。順序で解決を。

 

  1. 事実の提示:面会拒否が続いた日付と回数、本人の発言・表情の変化。
  2. リスクの言語化:社会的交流の断絶、服薬アドヒアランス低下、虐待リスクの見逃し。
  3. 代替案:オンライン面会、同席面会、短時間からの段階的再開。
  4. 合意形成:試行期間と評価指標(頻度・時間・本人の反応)を設定。
    書面上のポイント:主張ではなく「観察」と「提案」を分ける。
    心理面のポイント:相手きょうだいの不安(負担・責任感・評価への恐れ)を想定し、否定せず受け止める。

 

 

 

5. NG行為を知っておく

  • 同意なく録音・録画、夜間の連絡、感情的クレーム、過度な贈答。
  • ケアマネを「味方/敵」で二分する発言。
  • 介護と財産管理の混同(財産は別ルートで検討:任意後見、家族信託、遺言等。制度選択は専門家へ)。

 

 

6. ミニケース(匿名加工)

 

Aさんは兄による実質的な囲い込みで面会できず。

 

Aさんは母の転倒歴と服薬副作用の情報を整理してケアマネに共有し、「本人の安全と孤立防止」を目的にオンライン面会を提案。月1のケース会議を設定し、兄の負担感と不安を可視化。まずは10分の同席面会から再開し、3か月で単独面会へ段階的に移行できた。

 

 

7. すぐ使えるチェックリスト

  • 本人の同意/委任はあるか
  • 目的は「親の利益」と言語化できているか
  • 連絡は短く、事実→提案→合意の順か
  • 記録(日時・要点・宿題)を翌日までに送ったか
  • 面会代替案(オンライン・短時間・同席)を用意したか

 

おわりに

 

ケアマネは家族の「代理人」ではなく、本人の生活を支える専門職です。

 

礼儀×記録×合意、この三点を積み重ねることで、関係は安定し、囲い込みの解消にも近づきます。

 

「親は家族みんなのもの」。その原点を共有し、同じ方向を向くことから始めましょう。

 

 

 

 

 

 

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31.施設職員への伝え方──冷静に事実だけを伝えるには?

 

親の面会が急に制限された、連絡が一方的に遮断された──そんなとき、感情が高ぶるのは当然です。

 

けれども、介護施設の職員は「安全」と「公平」を守る立場にあり、感情的な訴えよりも、整理された“事実”と“具体的な要望”に最も反応します。

 

本稿では、公認会計士・税理士であり「高齢親の囲い込み解消」を支援する立場から、わかりやすく誰でも実践できる“伝え方の型”と文例を紹介します。

法律判断は弁護士に委ねるべき事項ですが、事実の伝達は誰にでもできます。ここを押さえるだけで、話し合いの進み方は大きく変わります。

 

 

 

1. 基本姿勢:施設は“敵”ではない

  • 目的を明確にする(例:「面会の再開」「情報共有の改善」「連絡窓口の確認」)。
  • 推測や評価は分ける。「書面上の表現=事実」「内面の仮説=自分用メモ」に切り分ける。
  • 「私は…と認識しています」という一人称で述べる。他者の意図や性格づけは避ける。
  • 非難より提案へ。「問題→影響→代替案」の順に話す。

 

2. 事前準備:5W1H+証拠

 

次の3点をA4一枚にまとめてから連絡すると、やり取りが一気にスムーズになります。

  1. 事実の時系列(When/Where/Who/What/How):
     2025年7月10日 14時、施設受付で職員Aさんから「本日は面会不可」と言われた。
     7月12日、家族LINEで兄Bから「今後は私を通して」と連絡。
  2. 裏づけ(写真・面会記録・LINEスクショ・施設からの通知など)。
  3. 要望の優先順位(第一:定期面会、第二:主治医からの情報共有、第三:緊急時の連絡体制)。

ポイントは、「誰が見ても同じ意味に読める短文」に分解することです。

 

 

3. 伝え方の“型”(三段ロジック)

  1. 事実:確認可能な出来事だけを書く。
  2. 影響:こちらに生じた実務的な不都合に限定する(不安・怒りは書かない)。
  3. 要望:期限・方法・代替案まで具体化する。

 

電話・窓口の一言テンプレ

  • 「事実確認のお願いでお電話しました。7月10日と12日の出来事について、施設としての方針を教えてください。」
  • 「面会の可否基準と手続を文書でいただけますか。可能であれば本日中にメールでお願いします。」

 

メール(書面)テンプレ

件名:面会手続の確認と今後の連絡方法について(○○様入所)

本文:

○○介護老人福祉施設 ご担当者様

 

入所者:田中○○(生年:19XX年)について、下記2点を確認させてください。

 

【事実】

・7/10 14:00 受付にて「本日は面会不可」との案内を受けました(担当:A様)。

・7/12 家族Bより「今後の連絡はBを通じて」との連絡がありました(LINE履歴あり)。

 

【影響】

・主治医の説明および服薬状況の把握が遅れています。

・緊急時の連絡経路が不明確です。

 

【要望】

1. 施設の面会基準(可否条件・時間帯・同席要否)を文書でご提示ください。

2. 医療・介護に関する情報共有の正式な窓口(氏名・連絡先)をご指定ください。

3. 代替案として、対面が難しい場合は「オンライン面会(15分・週1回)」を提案します。

回答期限:〇月〇日(〇曜)17:00までに、可能であればメール返信をお願いいたします。

 

差し支えなければ、私の連絡先を入所者の緊急連絡先に追記してください。

――――――――

氏名/続柄/電話/メール

※添付:面会記録(PDF)、LINE履歴(画像)

 

 

 

4. 「伝えないこと」を決める

  • 推測(「兄が隠している」など)、人格評価、過去の恨みは書かない。
  • 「脅し文句」(直ちに法的手段等)の乱発は逆効果。必要なら専門家に相談し、文面は中立表現に。
  • 録音・録画の扱いは慎重に。記録はメモを基本とし、取り扱いは相手のプライバシーに十分配慮する。

 

5. 記録化と再確認で“誤解ゼロ”に

  • 連絡ログを残す(日時/相手/要点/次のアクション)。
  • 面談後は「本日の合意事項確認」メールを出す。
    例:「本日、面会は水曜15時・15分・職員同席で試行、次回8/28に再評価、で一致しました。相違があればご指摘ください。」

 

6. 返事がない・進まないときの段取り

  1. 2~3営業日後にリマインド。
  2. 施設長・相談員へエスカレーション。
  3. 運営法人、地域包括支援センター、市区町村の介護保険担当へ「事実の共有と相談」。
  4. 医療・介護・法的な判断が絡む場合は、主治医・ケアマネ・弁護士に個別相談。ここから先は専門領域です。

 

 

7. 感情のケアは“別回路”で

 

怒りや悲しみを否定しない。ただし、感情は別ノートに書き出し、施設への連絡は事実と要望だけに分離する。第三者(信頼できる友人や支援者)に下書きを見てもらうのも有効です。

 

8. 最終チェックリスト(送信前30秒)

  • 事実は日時・場所・人・行為で書かれているか。
  • 影響は“実務的”か。感情語が混ざっていないか。
  • 要望は期限・方法・代替案まであるか。
  • 名指しの非難・推測・脅し文句を入れていないか。
  • 返信先と連絡可能時間を明記したか。
  • 添付資料のタイトルが分かりやすいか。

 

まとめ

 

「冷静に事実だけを伝える」とは、感情を押し殺すことではありません。事実と感情を切り分け、相手が判断できる材料(基準・記録・代替案)を添えて差し出すことです。施設職員は、明確な情報と具体的な提案を歓迎します。

 

今日からテンプレを使い、三段ロジックで一通送ってみてください。

 

小さな一歩が、面会再開と信頼回復の大きな一歩になります

 

 

 

 

 

 

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