映画『ミセス・ハリス パリへ行く』(1)緑のドレスと赤のドレス
つづきです。
今日はネタバレ含みますので
鑑賞予定の方はご注意ください。
この映画を観ていて
パッ!と思い浮かんだ
緑と赤が基調の2枚のカード
これらのカードを引く方に多かった
色が示す特徴がこちらです。
だけど その一方で 実は
そんな
両極端のギャップがある人
ミセス・ハリスも
緑と赤を合わせ持つ人で
パリにドレスを買いに行く前
ロンドン時代は断然
緑の性質が強く出ていました。
それは画面上でも見て取れて
家政婦の時の服が緑だったり
壁が緑だったりするのね。
緑の時は
本心を言えなかったり
人からの依頼を断れなかったり
つい人の言いなりになってしまう…
なので 人に見下されたり
うまいこと利用されたり
失礼な扱いをされる
そんな状況がありました。
でも 一方で やっぱり
赤もちゃんとあってね。
ロンドン時代の彼女の服にも
ちょいちょい赤が入っていたし
遊びに行く時にかぶる帽子が赤。
夫の戦死に関して
ズバッ!とハッキリ!
怒りをぶつけるシーンもあって
湧き上がる強い思い
が彼女の中にしっかりあることを
表していると感じました。
お金を貯めて
パリ行きを決行し
ドレスが出来上がるまでの滞在中
彼女は色々な人との交流を通して
緑から → 赤へ
内面が変化していきます。
そして このカードのように
彼女の赤は周囲のにも影響し
関わる人の赤を引き出すことにもなるのです。
最終的に
彼女にとっては2番目だった
緑のドレスが完成し
彼女はロンドンに帰るのですが
極めつけの一波乱があり
結局 彼女は一度も着ないまま
緑のドレスを捨てることになります。
この描写 私は
赤の要素が強く出るようになった彼女に
もう緑のドレスは合わなくなった
と解釈しました。
だから そういう事態になったんだな と。
彼女は緑のドレスを捨てたけれど
内面的な緑まで捨てたわけではなく
ちゃんと彼女の中に残っているのだと思う。
このカードのように
緑の要素をしっかり持ちながらも
赤を思いきり出して のびのび生きる
そんな
緑と赤の両極端のギャップが
ちょうどよく融合した状態
になったんだな って。
それから
もう2番ではなく
わたしは1番を選ぶわ!
って決めたんじゃないかな。
映画はそんなミセス・ハリスを
生き生きと感じるラストシーンで終わります。
緑と赤の両極端のギャップ
わたしもあるな
と思う方にお勧めの映画ですよ。