こんにちは。
先月よりピースウィンズジャパン、南スーダン駐在員として赴任したさとしと申します。
簡単に自己紹介をしますと、大学を卒業後、民間企業に勤務した後、
3月末まで二年間西アフリカのカメルーンという国にいました。
今は新人としてまだまだ業務を覚えているところですが、
今後南スーダンの日々の様子から、カメルーンとの違い等アフリカの話を
時々ご紹介できればと思っています。
よろしくお願いします!
早速ですが、昨日は南スーダン独立一周年でした。
ここボーでも大々的な式典が催されました。
私も他の職員と参加してきたので、
今日は簡単にその様子をご紹介したいと思います。
会場にはボー中から人が集まってきたのではないかと思うくらい
たくさんの人が来ていました。
各人いつもよりオシャレをしたり、旗を持ってきたりしていました。
ここから先は、来賓席の後ろのほうからの写真です。
我々は元々政府より招待されていたということもありますが、
アフリカでは外国人というだけで、来賓席にいれてもらえることがよくあります。
少し見えにくいですが、ご容赦ください。
来賓席から見た演壇です。
まずは、ここで知事が向こう側を向いてご挨拶。
続いてUNMIS(国連スーダンミッション)ボー代表からの挨拶、
そして軍部代表等、お偉方のご挨拶が続きます。
アラビア語と英語が混ぜ混ぜになるため、何を言っているのかよくわかりません。
続いて、出し物が始まります。
様々な民族舞踊のようなものが紹介されます。
(このポロシャツほしい・・・)
こうした踊りがいくつか続いてくると、
黙っていられないのがアフリカンです。
見てください。
気づけば観衆が踊り場になだれ込んでいます。
そうです、勝手に参加型です。
警備の対処は苦笑いです。
そういえば、カメルーンにいた際に、
日本大使館主催で、和太鼓等日本音楽の紹介イベントがありましたが、
このときもカメルーン人は勝手に壇上に上がって踊りだしていたのを
思い出しました。
ちなみにこのおばちゃん、来賓席でもりあがっていますが、
司会でもなんでもありません。
普通にその辺に座っているおばちゃんです。
首からIDを下げているので、多分結構えらい政府関係者なのでしょう。
来賓席のきれいな格好をしたおばちゃんたちでも
気に入った踊り、地元の踊りが始まると、
肩をうならせ、人々をかきわけ、前面にでてきます。
もう誰にも彼女たちを止めることができません。
Unstoppable!
踊りがひと段落すると、
続いて軍警察関係の行進です。
勇壮ですね。
南スーダン人は顔が小さく背がすごく高いので、
強そうです。
最後にまた知事のご挨拶。
この知事、警備が厳しくて写真がとれませんでしたが、
紛争中は独立軍の司令官として活躍し、
部下に厳しい将軍として名の知られた方だそうです。
すぐにビンタをするという噂です。
・・というような式典でした。
最後に
独立に命を捧げた勇士たちの追悼と
この国の今後の繁栄を祈って。
さとし
2012年7月9日に、南スーダン共和国は独立から1周年を迎えます。
20年に渡って続いた内戦によって経済やインフラは疲弊し、未だ民族間での紛争が絶えませんが、国民は新たな独立国家のもと、不安な気持ちと同時に誇りを胸に、国の発展を願っています。
このたび、東京・広尾にてフォトグラファーの田中博崇氏による南スーダン写真展「Eyes in South Sudan」が開催されます。
田中氏は、2011年2月から2012年3月まで、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)のフィールドコーディネーターとして、南スーダンで緊急支援活動に従事していました。
本写真展では、田中氏によるモノクロ写真25枚を展示しています。
駐在生活を通して、南スーダンの光や風を肌で感じ、人びとと触れ合いながらシャッターを切ることで、様々な「その瞬間」をとらえています。
南スーダン独立の機運が高まる中での人びとの表情なども、ぜひ作品を通じて感じてみてください。
【イベント詳細】
南スーダン写真展「Eyes in South Sudan」
―独立1周年を迎えて―
日時 : 7月10日(火曜)から7月22日(日曜)
会場 : JICA地球ひろば 1階 イベントホール 【地図】
主催 : JICA地球ひろば
HP : http://www.jica.go.jp/hiroba/about/experience/exhibition/hall/index.html
田中氏が撮影した南スーダンの子どもたち
また、写真展開催中の7/20(金)18:30より、同じくJICA地球ひろばにてPWJ主催イベント「アフリカの話をしよう!」が開催されます。南スーダン担当スタッフからの活動報告もございますので、ぜひお越しください。
「東アフリカ-みんなが海賊になりたい?-」
「南スーダン-独立したのにお祝いムードじゃない?-」
54もの国々からなるアフリカには、9億人を超える人々が生活しており、ひとくくりで語るのは大変難しい地域でもありますが、それでも今回はあえて、アフリカという大陸に興味を持つ皆さまと、「アフリカの今」について語り合いたいと思います。
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、これまでシエラレオネ やリベリア などで活動してきました。現在は東アフリカ や南スーダン で支援活動を展開しています。
今回のイベント前半ではアフリカ地域を担当するPWJのスタッフが、東アフリカ地域の干ばつや世界で一番新しい国南スーダンの現状を、写真や映像をまじえながら具体的にわかりやすくお伝えします。
後半は、参加者の皆さまの興味のある国やテーマについて、リラックスした雰囲気でご自由にお話しいただく時間としたいと考えています。観光、経済、政治、文化、様々な視点からアフリカについて話しましょう!
皆さまのご参加をお待ちしております!
お申込みはこちらから(要予約)
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イベント詳細
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日時:7月20日(金)18:30~20:30
参加費:500円
会場:JICA地球ひろば202号室(東京都渋谷区広尾4-2-24)
最寄駅:東京メトロ日比谷線 広尾駅から徒歩3分
行き方:3番出口の前の道路(外苑西通り)を横断し、カフェ・デ・プレの前を10メートルほど進んだ十字路を右に曲がり、少し進んだ左側にあります。
定員:50名(申込みが定員になり次第、受付を終了させていただきます。)
【プログラム】
18:30 開始(受付18:10~)
18:30 オープニングセッション
18:50 東アフリカ干ばつ-みんなが海賊になりたい?-
現在、ソマリアやケニアを中心とした東アフリカ地域では、「過去60年間で最悪」とも言われる記録的な大干ばつによる食料危機で多くの人びとの生活が脅かされています。被害は内戦が激しい南部ソマリアが特にひどく、住民の多くは隣国のケニアとエチオピアに逃れてきています。ソマリア沖では海賊も多発しています。そんな東アフリカ干ばつの問題は決して日本と無関係ではありません。
19:10 南スーダン-独立したのにお祝いムードじゃない?-
南スーダンは、昨年7月にスーダンから南部10州が独立して誕生した世界で1番新しい国家です。今年1月から自衛隊が国連PKO部隊に派遣され、日本でも注目が集まっています。しかし、独立後も石油の利権をめぐるスーダンとの争いや、部族間抗争が絶えません。また、20年以上に及ぶ内戦の影響で、基礎的なインフラ整備が立ち遅れ、多くの人が、安全な水を手に入れることが難しい状況にあります。そんな南スーダンの現状と、今後の発展についてお話しします。
19:30 みんなでアフリカの話をしよう!
「自由に交流スペース」と「アフリカについて話したい!」スペースをご用意致します。お好きなスペースでお楽しみください。お茶とお菓子もご用意しています。
20:30 終了
みんなの井戸を作った村 「KuerNor」からお手紙が届きました!
この井戸プロジェクトに賛同してくれた皆様に対する、副村長さんからの感謝の手紙です。内容は彼らの部族語であるヌエル語で書かれています。モノが無い場所ですので、ノート紙に全て手書きで書かれた素朴な手紙ですが、内容は感謝の気持ちでいっぱいです。
日本語訳が以下にありますので、ぜひお読みください。
余りに暑いお昼は避けましたが、それでも南スーダンの太陽は強烈です。ジリジリと首元を焼く日光と、村人たちの熱い視線を浴びながら、流れる汗をぬぐいつつ、スパナを使って最後のボルトを力一杯締めました。後は、井戸ポンプのカバーを閉じれば、再び水が出るはずです。
はぁ、これで完了。
寄付に御賛同いただいた方々の名前とメッセージ入りのプレート(写真)を、井戸のポンプの部分に貼りつけるという企画「みんなの井戸」が完成した瞬間です。
場所は、自衛隊が駐屯している首都のジュバから10時間以上も奥地に入ったところにあり、相当な僻地です。ということで、井戸を建設するのもかなりの金額が必要なのですが、今回は皆さまのご協力のおかげで一本分の寄付が集まり、アユッドタウンの郊外の村「KuerNor」に村の人々待望の井戸が完成しました。
ここの村人たちは、この井戸ができるまでは、片道30分以上もかけて他の場所にある井戸に水を汲みに行っていました。30分と言えど、毎日20Kgのタンクを運ぶのはかなりの重労働です。さらに井戸に辿り着いても多くの人達が待っていて、時には数時間もそこで待つこともあったそうです。副村長さんからは感謝の手紙も頂き、「みんなの井戸」企画は成功に終わりました。
20Kgの水を運ぶのは重労働です プレートを付けた井戸を使う女の子
さて、ここではこのプレートをどうやって貼りつけるのかについて説明したいと思います。井戸ポンプはサビ対策の為、亜鉛めっきが施されてた鉄でできています。長い使用に耐えるため、かなり頑丈な作りとなっています。そこに金属用のドリル刃を付けたハンドドリルを使って、ガリガリと根気よく穴を開けていきます(写真)。
硬い金属に穴をあけます
けっこう力の要る作業です。1人は固定役、1人はドリルをまわす役と、数人で共同作業を行いました。前回は、途中でドリル刃が折れてしまい、全てのプレートの貼りつけができませんでしたが、今回は、全ての貼り付けに成功しました。
穴が開いたら、その直径に合ったリベットビットというものを取りつけます。このリベットビットとリベットマシンを使えば、外側からプレートをしっかりと固定することができるのです。リベットマシンにビットを付け、それを穴に差し込みます。そしてその状態のままリベットマシンをぐっと握りしめると、あら不思議、バチンと音が鳴って、ビットが内側と外側の両方からきれいに固定されました。いくら引っ張っても、ビットは抜けません。この仕組みについては、ちょっと説明しづらいのですが、要は片側からの処理で、もう片方もビットが抜けてしまわないように固定されるのです。
リベットマシンを使って取り付け作業
この穴あけ・リベット取り付けも、暑い暑い南スーダンの炎天下の中では、かなり辛い作業です。さらに、常に休みなく使われている水汲みをストップするのは、村人たちに申し訳ないこともあり、予め予備の井戸のポンプヘッド部分とカバーの部分にプレートを全て貼りつけて、それを村に持って行き、ヘッドごと交換することにしました。これによって、村での作業時間は減りましたが、それでもそこそこ時間がかかってしまい、集まってきた村人たちの視線が集まる中、皆で汗だくになりながらもなんとか作業を終えました。
本当に休みなく使用されている「みんなの井戸」。いつも村人たちが集まる「みんなの井戸」。貼りつけられた30枚のプレートは、いつも村人たちの視線の先にあります。村人たちに触れられています。寄付していただいた皆様の記念となり、少し寄付者と受益者が近い
援助の形になったのかな、と思っています。
余談ですが、井戸の引き渡しの際に「みんなのいどいど♪」と連呼するフレーズを子供たちと歌ったところ、それ以来何度行っても、村の子供たちが日本語で「みんなのいどいど♪」と口ずさんでくれます。嬉しいですねぇ。