がんばれ ひこね | NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート

がんばれ ひこね

現在 南スーダン事業は、日本人4人とローカルスタッフ17名の体制となっています。

が、メインオフィスであるボーオフィスには、もう1名重要なメンバーがいます。

それは、南スーダンの両耳の無いネコ「ひこね」です。
彼は1年ほど前から事務所に駐在するようになり、
基本的には日本人スタッフと同じく24時間事務所敷地に滞在しています。

とても人間に馴れており、遠くから走ってきては
日本人スタッフ達の足に頭と体を擦りつけ、
ギャーギャーと喚き立てます。
ただ、食事を取った後でお腹が膨れている際には、
その限りではありません。

NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート-あっぷ
南スーダンの両耳が無いネコ「ひこね」(左耳は少しある)


食事は、スタッフが食堂から持ち帰った
チキンの骨やお肉のかけらが主です。
野生的に骨までバリバリと食べてしまいます。
生肉などを与えると、野生動物のように前足で抑えつけながら、
肉を食いちぎりつつ食べます。
南スーダンのネコは、野生なので上品な物は気に召さないようです。
一度、喜ばせようと思って日本からキャットフードなどを買ってきましたが、
全く食べようともしませんでした。

NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート-キャットフードたべません
キャットフードを無視して寝るひこね

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好物のチキンを食べて舌なめずり

こういう野生的な「ひこね」ですが、ケンカには滅法弱いようです。
我々(主にカゲ)は猫のケンカの声を聞くと、
すぐに外に様子を見に行きます。
すると、相手の猫が逃げて行ってしまってから、
スルスルと逃げていた木の上から降りてきて、
まったく気まずそうな感じもなくギャーギャーとエサをくれと足元に迫って来ます。
しかし、たまには応戦もしているようで、鼻のてっぺんを含め、体中に生傷が絶えません。

NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート-テントで寝ている
ケンカに負けて 拗ねてテントの上で寝ているひこね

彼の役目は日本人スタッフを和ませるだけではありません。
かつては事務所・住居に沢山いたネズミを追い払うことが一番の任務です。

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   任務遂行中(寝てるだけ)            任務遂行中(寝ころんであくび)

夜中に部屋の中にネズミが忍び込んできて走り回ると、
気になって寝ることができません。
電気をつけると、ネズミはどこかに隠れてしまい、
また諦めて寝ようとするとまた走り回り、キリがありません。
何度もこのネズミとの「ダルマさんが転んだ」状態のせいで
翌日に寝不足になったことがありました。

そして、仮にそのネズミ姿を見つけたとしても、
動きが素早くそう簡単に追い出したり、
やっつけたりは難しい(唯一カゲだけはやっつけることができます)のです。

しかし、「ひこね」がやってきてから、
ネズミはすっかり何処かに行ってしまいました。
そして、以前のようにキッチンに置いてあったおコメやお菓子等が、
被害に遭う事も全く無くなりました。

NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート-服の上で昼寝   NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート-大体寝ている
   スタッフの服の上で昼寝              基本的にはずっと寝ているひこね

古代エジプトでネコが飼い始められたのは、
やはりネズミによる食料被害を防ぐためでした。
現在の南スーダンでも、ネコは同じ任務を目的として飼われているのです。

毎日「ひこね」は、その任務をこなし(ただ居るだけ)ながら、
今日も日本人スタッフの足の間をうろちょろしているのです。
ということで、今回はうちの重要なメンバー「ひこね」の紹介でした。
ではではー。


え。まだ説明が足りない??え?あ、あれ?
はい了解しました!

えー。さて、皆さんがきっとすごく気にされているだろう疑問について
説明したいと思います。

「なんで、ひこねには両耳がないの??」という疑問です。

NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート-おきあがってボーっと
        耳なし「ひこね」

1年前にここに現れたときは、もう既に両耳がありませんでした。
なので、理由ははっきりしませんが、
この辺りではヤギなどの家畜の耳を切り落としたり、
特殊な傷をつけたりすることで、
その所有の証にする慣わしがあるそうです。

そういう風に、子猫の時に誰かに切られちゃったのかもしれません。
他に聞いたのは、ある人達はネコの耳を切ると、
その家に居ついて離れないようになると信じているそうで、
そういう意味もあったのかもしれません。

ただ、「ひこね」は耳が無くても頑張って任務を果たし(ただ居るだけ)、
頑張って生きて(ただ居るだけ)います。
そしてその姿(ただ居るだけ)に、
厳しい環境下で事業を行っているスタッフ一同は毎日癒され続けています。

今日も明日も明後日も
ガンバレ ヒコネ!

NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート-生肉を食べる
生肉を野生的に食べて頑張っているひこね