ジョングレイ州、最近の治安動向 | NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート

ジョングレイ州、最近の治安動向

こんにちは。


治安状況が非常に不安定な南スーダン、

非常に残念なことに、毎年乾季になると部族間紛争が起きてしまうジョングレイ州ですが、

乾季の到来(11月末くらい)を前に、最近治安動向の悪化が懸念されています。


先日の記事にて「ヤウヤウ軍団」という反政府組織についてご紹介しましたが、

ヤウヤウ軍団は着々と勢力を増し、支配地域では緊張状態が続いています。


例年乾季になり、道が乾いてから始まるといわれる、

牛強奪事件も最近徐々に増えています。

毎日のように国連が共有するセキュリティ情報では、連日ジョングレイ州での事件が挙げられています。


先日は我々の滞在地ボータウンから一時間以内のところでも牛強奪事件が起こり、

強奪側、守備側の双方に一名ずつ死者がでています。


今年の雨季の始まり位に、ジョングレイ州では州知事の指示の元

大規模な武装解除、軍による半強制的な武器回収が実施されました。

結果民間に存在する武器は大分減ったとされていましたが、

こうした牛強奪事件は今もあとを絶ちません。


ヤウヤウ軍団の背景も非常に複雑です。

ヤウヤウ軍団が本拠地を構えるピボールは、ムルレ族という部族が中心の地ですが、

こちらは南スーダンの主要部族の一つであるディンカ族との関係が非常に悪く、

毎年のように牛強奪や抗争を繰り返しています。


一部報道機関や援助機関の報告では、上述した軍による武装解除も、

ピボールでは軍の暴力や襲撃を伴った形で行われたという話もあり、

地域の若者や人々の軍や、政府への抵抗感は日に日に高まっているという話です。


部族間の抗争に関していえることは、「どの部族が悪い」

ということでなく、代々歴史的に牛の奪い合いや抗争が続いてるため、

非常に複雑です。


さらに治安の悪化と共に、その地域から逃げようとしている人々が

旅路の途中で洪水につかまり移動が出来ない状態になっているという

話も聞きます。


国連PKOはこうした紛争地域に平和維持部隊を派遣し、

パトロール等を行っておりますが、

残念ながら我々や多くの援助機関にこうした部族間紛争を止める力はありません。


治安動向が悪いところですと、

我々NGOも入っていくことが出来ません。


治安の問題や、物資調達の問題、デリケートな部族間の問題、

諸々問題は積み重なりますが、我々は我々の出来ることを模索していきたいと思います。


PWJは日々備えを続けていきたいと思います。