早稲田大学が科学技術振興調整費で厳しい処分
読売は12月19日に「早大教授、文科省委託事業で不正請求」を配信。
記事は、早稲田大学が19日、文部科学省からの受託事業について理工学術院の研究室が約148万円の不正請求を行っていたとして、研究室の代表である教授(52)に今後10年間、国の研究費を申請させないと発表したと報じる。同大の調査委員会の報告書によると、当該教授の研究室では、制作していないポスターやワークショップの報告書、広報誌の費用などを大学へ請求して、16~17年度の文科省科学技術振興調整費と大学知的財産本部整備事業から支出させようとしたとのこと。教授が研究費を着服していた事実は確認されなかったが、架空請求を知りながら、文科省の査察や大学の調査に対して偽の報告書を作成して不正請求を隠そうとしたことなどを同大理事会は重く見て、理工学術院に対して厳正な懲戒処分の手続きに入るよう勧告したとか。受託事業の責任者である総長については、役職手当の3割を3か月減俸(計38万円)する処分としたとのこと。教授はまた、公的研究費の不正請求とは別に、16~18年度に開催した講座の参加者から実費として1人あたり5万円を徴収し、その余剰分を参加者に返却しないまま、残金約297万円を研究室の口座に保管していたとのこと。
長崎市不正経理問題の再調査結果
12月19日付け西日本新聞夕刊に「長崎市再調査 随意契約1万5000件不正 外部調査委「私的流用否定せず」」の記事。
記事は、長崎市の不正会計問題で、再調査を実施した同市が19日、複数の業者による見積もりが必要な随意契約で、1社だけに他社の見積書も合わせて提出させるという不正行為が13年度から本年度までに、21部局で1万5096件あったことを明らかにし、また、市の内部調査と並行して調査を実施した弁護士と税理士計4人の長崎市経理事務外部調査委員会が同日、「職員の私的流用の可能性を否定できない」などとする調査報告書を伊藤一長市長に提出したと報じる。市の再調査は11月末から実施したもので、その結果、前回調査で2部局計約670万円だった13年度以降の「預け」と呼ばれる裏金づくりが、3部局で計696万6471円あったことを確認し、少額の消耗品を購入したように装い高額の備品などを購入する「書き換え」と呼ばれる不正会計処理も、前回の6部局計約300万円から9部局で計441万8212円に増えたとのこと。調査委員長は不正な随意契約について「裏付け調査などが不十分」として業者からの聞き取りなど再調査の必要性を指摘し、協力を拒む業者に対しては指名停止なども検討すべきだと提言したとか。再発防止策として、納品・検査システムの改善や公金に対する職員の意識改革などを挙げたとのこと。伊藤市長は同日の記者会見で「市民の信頼回復に不退転の決意で臨みたい」と述べ、不正会計の再発防止に専門的に取り組む契約監察室(仮称)を来年1月1日付で新設することなどを明らかにしたとか。同市は長崎県の不正会計問題を受けて10月末から調査を実施し、11月10日に農林部などで不正会計があったと発表しており、徹底調査を求める市議会の決議に応じて、内部調査と並行して、外部調査委員会も今月7日から調査を進めていた経緯がある。
岐阜県庁の裏金問題の現状
12月18日付け日本経済新聞朝刊29面に「自治体、改革手探り――裏金発覚の岐阜県、再発防止策が難航」の記事。
記事は、総額17億円にのぼる裏金問題が7月に発覚し、逮捕者2人、自殺者2人が出て8人が懲戒免職される事態になった岐阜県庁では、全職員の約6割に当たる約4300人が「組織責任」を問われて、裏金への関与にかかわりなく減給や戒告、訓告など役職に応じた処分を受けたが、裏金づくりのピークは10年以上前で、関与した職員の多くは退職しており、ほとんどの現職員は無関係で、誰にどんな責任があるのか不明確なままと伝える。利息を含めた返還総額19億2千万円のうち現職負担分など約10億5千万円は返還済みだが、残りは退職者負担分で、梶原拓前知事が呼びかけ年末までの返還を目指すものの、経済産業省から岐阜県に出向していた泉田裕彦新潟県知事が「責任の所在があいまい」と岐阜県の姿勢を批判して返還に応じないなど全額返還への道のりは険しいとか。再発防止策では年140万件の公金支出情報をインターネットで公開するなど徹底した情報公開に取り組み、意識改革として半ば強制的に全職 員にボランティア活動を課したが、職員の不正を監察する「県政監視委員会」の設置案が、議会の反対で見送られるなど、まだ試行錯誤が続いていると記事は伝える。
19年度予算の基礎的財政収支はマイナス4.4兆円
12月19日付け日本経済新聞朝刊1面に「来年度予算財務省原案、一般会計82兆9000億円、赤字半減4兆4000億円」の記事。
記事は、財務省が18日、19年度予算財務省原案の概要を固め、それによると、一般会計の総額が3兆2千億円程度増えて、82兆9千億円程度とする方針と報じる。安倍晋三首相が「過去最大の減額」を指示していた新規国債発行額は18年度当初予算比で4兆5千億円程度減の25兆4千億円程度とし、国債発行を除いた歳入と国債の元利払い費を除いた歳出の差である国の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字は18年度の半分以下に減らすとか。国から地方自治体に配分する地方交付税交付金の総額は4千億円増の約14兆9千億円とのこと。首相は18日、官邸で記者団に対し「交付税特別会計の借金と合わせて6兆円以上の財政健全化になる」と強調し、新規国債発行の4兆5千億円の減額と、交付税特会の借入金返済の1兆7千億円を合わせて、財政健全化路線をアピールしたと記事は伝える。基礎的財政収支について首相は「赤字は18年度の半分になる」と指摘し、赤字は18年度に比べて6兆8千億円程度縮小して、4兆4千億円程度となる見通しで、政府公約の「23年度のプライマリーバランス黒字化」に向け大きく前進するとのこと。
東京新聞サイトは12月19日に掲出した「国・地方のPB 早くも来年度黒字化?」は、19年度予算で、国の「プライマリーバランス」(PB)の赤字が4兆円台にまで圧縮する見通しとなり、19年度の地方のPB5兆4千億円の黒字と合わせたPBは、早ければ19年度にも黒字化される可能性が出てきたと報じる。政府は7月策定の「骨太の方針2006」で、財政健全化に向け「23年度に国・地方のPBを確実に黒字化する」ことを目標に掲げたが、この目標が大幅に前倒しで達成されることが確定的になり、今後の消費税引き上げ論議に影響を与えそうと記事は伝える。ただし、国と地方の会計には重複部分もあり19年度に国と地方を合わせたPBが黒字化されるかどうかは微妙とも伝える。
地方交付税の借入金の返還を始める
12月19日付け日本経済新聞朝刊5面に「来年度、地方交付税14兆9000億円、特会借入金も返済へ」の記事。
記事は、尾身幸次財務相と菅義偉総務相が18日、地方自治体の19年度予算編成の指針となる地方財政計画について協議し、一般会計から支出する地方交付税交付金の総額を18年度当初予算比で4千億円増の14兆9千億円とすることで合意したと報じる。隠れ借金と指摘される53兆円の交付税特別会計の借入金を国と地方が分担して18年度補正予算から返済することも決めたとか。19年度の地方財政計画の総額は18年度比微減の83兆1千億円で、18年度の補正予算での増加分も加えた地財計画上の地方側の交付税受取額は7千億円減の15兆2千億円とか。地方交付税は地方の収入不足を補うため所得税や消費税など国税5税の一定割合(法定率)を地方に配分する仕組みで、19年度は法定率分が14兆6千億円と18年度と比べ2兆円超増える代わりに、これに上乗せする一般会計からの加算や特別交付金を予定より8千億円以上減らすものの、国税の伸びに連動して増える交付税額を圧縮する特例減額は見送るとのこと。地方税収が18年度比で実質2兆5千億円増えるため、地方の借金である地方債を減らしたうえで交付税額も抑制するとのこと。交付税の不足分を補ってきた民間金融機関などからの短期借り入れは国の負担分が19兆円、地方分が34兆円あり、国の負担分は国の借金とみなして全額を一般会計借入金に付け替えたうえで19年度は1兆7千億円を返済し、地方負担分の返済には一般会計から支出される交付税額の一部をあてるとか。18年度補正予算で5300億円、19年度予算で5900億円を返し、今後20年間、毎年返済を続けて38年度に完済する計画とか。
法人2税の分割基準見直しは見送り
12月19日付け日本経済新聞地方経済面15面に「「税源移管」見送り、都は安堵、08年度が焦点に、消費税上げ議論飛び火?」の記事。
記事は、与党の19年度税制改正大綱には、東京都から地方への税源移管について、「地方団体間で財政力に格差があることを踏まえ(中略)、地方の税財源を一体的に検討していく必要がある」と盛り込まれただけで、法人2税の税源を地方へ移す具体的言及はなく、都幹部は安堵していると報じる。与党で都の税源移管の意見が盛り上がったのは今春で、企業が相次ぎ最高益となって都の税収は大幅に増えたが、景気回復の足取りが重い地方は厳しい財政状況が続いているためで、安倍晋三官房長官(当時)も自民党総裁選中、「東京に偏在する地方税収をどうするかも課題だ」と指摘していたとのこと。見直される可能性があったのは法人事業税と法人住民税の分割基準で、現在、企業が払った法人2税は、その企業の拠点数や従業員数に応じて各自治体へ配分しているが、これでは拠点数、従業員数の多い東京への配分が多くなり、見直すべきだとの意見が出ていたとのこと。野田毅衆院議員らは10月、法人2税を国が一括徴収し、拠点の有無にかかわりなく人口に応じて各自治体に配分するよう提言したが、都の試算では同案を実施すると、都の税収は1兆2千億円減り、その分が他の自治体へ移ることになるとか。今年の自民党税調では、都内選出の国会議員が相次いで野田提言をけん制し、これが奏功してか、19年度は法人2税の基準見直しを見送ったとのこと。ただ消費税率引き上げに伴う地方への配慮として、税源移管論が税制改正の俎上に上る可能性は高く、焦点は20年度税制改正になりそうと記事は伝える。
サマワ派遣の陸自経費を防衛庁が取りまとめ中
毎日は12月16日に「サマワ派遣:陸自経費、計740億円 砂漠用装備割高に」〔小山由宇〕を配信。
記事は、イラク南部のサマワに2年半にわたって延べ5500人が駐留した陸上自衛隊の派遣経費が、総額約740億円に上る見込みであることが防衛庁の調べで分かったと報じる。内訳は公表していないが、初の「戦地」派遣だったのに加え、砂漠という特殊な風土だったこともあり、装備品の購入・修理費の割合が高いとか。陸自のサマワ派遣期間は16年1月~18年7月で、経費は、(1)隊員600人の生活費や手当、(2)装備品の購入、修理費、(3)道路整備など復旧活動に要した金額、などに大別され、17年度までに624億円が使われており、18年度の支出は確定していないが、116億円が見込まれているとのこと。「要さいのようだ」とも言われた広大な宿営施設を建設したほか、無人偵察機を飛ばしたり、装輪装甲車を初めて国外に持って行くなど、今後も予想されるさまざまな海外派遣に向けた「実験」の意味合いもあったとか。単純に比較は出来ないが、テロ特別措置法に基づき13年12月からインド洋に派遣されている海上自衛隊は、今年9月までに延べ1万300人を送り出し、経費は陸自より少ない504億円となっているとのこと。政府・与党は、130億ドルの巨費を投じ、国際社会から「金だけ出して人を出さない」と評価されなかった2年からの湾岸危機・戦争と比べ、「イラク派遣はサマワ復興に貢献したと評価された。人的貢献が重要だということだ」(自民党国防族議員)としているが、経費も含めた陸自派遣の最終評価は混迷するイラク情勢の行方次第といえそうと記事は評する。
公共事業予算は7兆円割れ
Sankeiwebは12月17日に「公共事業予算、20年ぶり7兆円割れ 地方には配慮も」を掲出。
記事は、平成19年度予算の公共事業関係費が前年度比3.5%減の約6兆9500億円となることが確実になったと報じる。公共事業関係費の削減は6年連続で、概算要求基準(シーリング)の3%削減を上回る削減幅になるとのこと。当初予算ベースで7兆円を下回るのは20年ぶりとか。財務省原案では、道路整備費を3.1%減の約2兆810億円としたほか、下水道(5.5%減)や治水(4.4%減)、港湾(3.3%減)、農業農村(7.3%減)も軒並み大幅削減となったと記事は伝える。一方、地域活性化を重視する骨太の方針を受けて地方に配慮しており、市街地整備費は前年度比10.9%増の約3500億円、地域再生交付金は3.0%増の約1400億円といずれも増額となったとか。
合併補助金の将来交付分を補正予算に計上
12月17日付け日本経済新聞朝刊3面に「財務省方針、合併補助金984億円、今年度補正、「10年分」の6割超計上」の記事。
記事は、財務省が16日、18年度の補正予算で地方自治体の合併に対する補助金を984億円計上する方針を固めたと報じる。今後10年間で約1500億円の交付が必要な同補助金を巡っては、総務省が当初予算の概算要求基準(シーリング)のような歳出の上限がない補正予算で1200億円を要求しており、要求より低く決着したものの、来夏の参院選を控えて「地方の声」を代弁する総務省に押し切られた格好と記事は評する。同補助金は市町村合併の推進が目的で、自治体の業務の統一などの名目で6千万―3億円を交付しており、合併の優遇措置を締め切った今年3月末までに合併した市町村に対し、期限を定めない形で「今後10年の間」に交付する約束だったとか。総務省の試算では10年で581団体に1500億円が必要で、補正予算でそのうちの1200億円を要求していたが、10年分の6割以上を認めたかたちとか。優遇措置の終了で駆け込み合併の急増が確実にもかかわらず、今年度当初予算では40億円、来年度の概算要求では77億円、財務省原案では50億円を計上しただけで、シーリングがかかる当初予算で計上すると、他の予算がその分減ることから「シーリング逃れ」との声もあったと記事は伝える。財政法では補正予算については「緊急で必要性が高い支出」という規定があり、補正予算の決定時には「住民生活に支障を生じさせないため緊急に対応する必要がある事業」と説明する方針だが、歳出削減路線に逆行するとの批判も出そうと記事は解説する。
財政統制上は嘆かわしい話だ。せめて国庫債務負担行為にすればいいのだが。
大阪府の裏金は10年の是正が十分でなかったため
12月15日付け日本経済新聞大阪朝刊16面に「大阪府裏金、産技研で新たに400万円――また自主申告、信頼回復遠く」の記事。
記事は、10年に、府の返還指示にもかかわらず裏金を温存した当時の担当者らは、「返還の指示が無かった」「現金があると聞いたが、通帳を確認しなかった」と釈明していると伝える。今回、府は匿名の投書を端緒に調査を実施したが、その方法は裏金が発覚した9年当時と同じ自主申告で、代々「表に出せない金」を引き継いできた担当者らが、どこまで事実を“告白”したのかは不明と記事は評する。太田房江知事は「徹底的に調査する」と強調、外部識者の調査委設置を表明しているが、公金を扱う公務員の資質が問われる事態だけに、府民の信頼を回復するため、正確な調査が必要と記事は主張する。