最低制限価格未満の入札が正しかった事例
東京新聞サイト神奈川ページは2月17日に「マンホール1個2万6800円→268万円 相模原市職員、積算ミス 業者に863万円過払い 」〔松平徳裕〕を掲出。
記事は、相模原市が、同市藤野町の下水道工事の入札で、職員が1個2万6800円のマンホールのふたを百倍の単価268万円と積算ミスした、と16日に発表したと伝える。落札業者には863万1千円が余分に支払われており、市はミスした職員ら関係者を処分し、市監査委員に監査を求める方針とか。市契約課などによると、間違えたマンホールは2個で、設計した市藤野建設課の男性職員が、パソコンに金額を入力する際、二けた誤ったとか。課長らが複数回チェックしたが、見逃した。先月、工事完了の際に気付いたとのこと。昨年7月の入札予定価格は、約七千四百万円で、参加した市内の二業者のうち一社が約六千五百四十万円で落札。別の業者は約5千4百万円で応札したが、積算ミスにより入札価格基準を約二百万円下回り失格となったとか。ミスがなければ、この業者が落札するはずだったとのこと。市は先月26日、落札業者にミスの差額を返還するよう頼んだが、業者側は工事が完了しているなどとして応じなかったとか。市は「こちらのミスで落札業者に落ち度はない。住民監査請求などがあった場合は誠実に対応していく」と話している。
最低制限価格制度の弊害の側面が出た例。
大田区が産科増の施策
東京新聞が2月16日に掲出した「地域の産科 増やします 大田区 新設・転入に助成 」は、地域で分娩できる病院を増やそうと、東京都大田区が産科医不足対策の一環で、区内に産科を新設したり、区内に移転する産科のある医療機関に最大4千万円を助成すると報じる。新年度予算案に事業費4千万円を盛り込んでいるとのこと。年度内に同額の予算を超えた場合、補正予算での対応を検討し、区によると、特定の医療機関を限定せず、広く助成する制度は東京二十三区で初めてとか。病院や診療所、助産所が対象で、分娩機能の整備・拡充のための医療機器購入に助成を行うとのこと。産科の新設および再開の場合は、年間の分娩件数の8割以上が区民であることが条件で、移転・拡充の場合は、さらに年間分娩件数が3割以上増えることが条件とか。助成は22年度から5年間で、毎年度、同額予算を組んでいくとのこと。区では、18年度から21年度にかけ、分娩機能がある病院・診療所が計18機関(病院6、診療所12)から8機関(病院4、診療所4)に減少しており、区内で の分娩率も53%から43%に下がっているとか。区の担当者によると、減少の背景には「最近の産科医不足に加え、区内では医師の高齢化による廃業がある。区内で安心して産み、育てられるようにしたい」としているとの由。
20年度の自治体の累積滞納税額は2兆円超え
東京新聞が2月6日に掲出した「地方税滞納、3年ぶり2兆円超 08年度、総務省まとめ 」〔共同〕は、個人住民税など地方税の累積滞納額が、20年度決算ベースで19年度比3・6%増の2兆473億円に上ることが総務省のまとめで分かったと報じる。滞納額の増加は2年連続で、2兆円超は3年ぶりとか。総務省は「景気低迷で所得が減ったのが主因」とする一方で、厳しい地方財政を背景に積極的な徴税の取り組みを自治体に求めているとか。滞納額の内訳は、都道府県税が8・5%増の5753億円、市町村税が1・8%増の1兆4720億円となっており、主な税目別では個人住民税が13・6%増で過去最高の9374億円で、前年より所得が落ち込み、税の支払い能力が急激に低下した層が多かったとみられ、一方、景気の影響を比較的受けにくく、物件を対象に滞納整理なども行いやすい固定資産税は3・2%減の6972億円だとか。個人住民税と固定資産税で滞納額全体の80%近くを占めているとのこと。
補助ダムの凍結解除を求める声
東京新聞が2月4日に掲出した「浅川ダムの補助金を要請 10年度予算で長野県知事 」〔共同〕は、長野県の村井仁知事が4日、国土交通省で三日月大造政務官と会談し、国が建設の是非の検証を求めている浅川ダム(長野市)について、22年度予算で本体工事の補助金を計上するよう要請したと報じる。村井知事が提出した要望書は、住民らと長い年月をかけた検討、議論を経てダム建設の結論に至ったことを強調し、「一日も早く流域住民の安全を確保すべきと判断している」として本体工事の早期着手を訴えているとのこと。村井知事によると、三日月氏は要望に対し「自治体の判断を尊重したい」と理解を示したが、具体的な予算措置には言及しなかったとか。国が検証を表明した全国89ダム事業のうち、浅川ダムのように国の 補助で道府県が実施するのは58事業で、21年度中の本体着工や契約を予定している浅川ダムや香川県の内海ダムなど5件は、国が凍結を要請した形とか。
減収補てん特例債は過去最高
東京新聞が2月3日に掲出した「減収補てん債が1兆円超に 28%増、都道府県と政令市 」〔共同〕は、景気低迷に伴う地方税収の減収を穴埋めするため、都道府県と政令指定都市が21年度に発行を予定している減収補てん債が、前年度比28%増の計約1兆1千億円に上ることが総務省の調査で分かったと報じる。補てん債のうち建設事業以外の経費に充てる特例債(赤字地方債)は約1兆円で、20年度の6762億円を超え過去最高の見通しであり、補てん債発行を予定しているのは41都道府県と16政令市で20年度の38都道府県、12政令市を上回っているとのこと。総務省は政令市以外の市町村も含めた発行自治体と予定額を月内に確定する方針とか。減収補てん債は、地方法人2税(住民税と事業税)など主に法人関係税の減収を補うために発行され、元利償還金の4分の3は、国が自治 体に配分する地方交付税で充当するもので、特例債は19年度から当分の間、発行が認められているとのこと。総務省によると、21年度の地方税収は、企業業績の悪化を受けた法人2税の大幅な減収で、当初の計画額より2兆6千億円少ない34兆4千億円程度にとどまる見込みとか。
市町村国保の納付率が90%を切った
東京新聞が2月2日に掲出した「国保納付率88%で最低 08年度、財政は改善 」〔共同〕は、厚生労働省が2日、自営業や無職の人が加入し市区町村が運営する国民健康保険(市町村国保)の20年度保険料(税)納付率が全国平均で88・35%となり、初めて90%台を割り込み、国民皆保険となった昭和36年以降で最も低かったと発表したと伝える。厚労省は「納付率の高い75歳以上の加入者が、2008年度創設の後期高齢者医療制度へ移行したことや景気悪化などが影響した」と分析しているとか。20年度の全国合計の実質的な赤字額は2384億円で、19年度より1236億円改善し、赤字の市町村の割合も、19年度の71・1%から45・4%に減少した が、これは、後期高齢者医療制度の創設で市町村国保の負担が軽減された効果とのこと。一方、保険料(税)を1カ月でも滞納した世帯は21年6月1日現在で、約445万4千世帯で、20年6月1日現在から約2万9千世帯減だったとも。
税務調査で不正経理が発覚
読売サイト九州発ページが1月28日に掲出した「山口大教授ら不正経理、十数人関与 1億円超か 」は、山口大医学部と工学部(いずれも山口県宇部市)の教授らが、大学と取引がある業者に物品を架空発注するなどし、国などから交付された研究費を業者に預ける不正経理を繰り返していた疑いがあることが、大学関係者への取材でわかったと報じる。山口大は調査委員会を設け、大学が国立大学法人となった16年度以降の研究費の支出状況などについて、教授らから聞き取り調査を進めており、調査に対し、複数の教授らが不正にかかわったことを認めていて、両学部で退職者を含め十数人が関与し、不正経理の総額は1億円を超える可能性もあるとか。関係者らによると、教授らは架空発注した物品の代金を研究費から支出して業者に支払い、「預け金」として保管を依頼しており、また、領収書や納品書を改ざんして実際に仕入れた品物より、高い品物が納入されたことにして、その差額を業者に預けていたとの由。1人で数千万円に上る不正を繰り返した疑いがある教授もいるとか。こうした不正は、21年10月に広島国税局が山口大を対象に行った税務調査と取引業者への調査で発覚し、指摘を受けた同大は同年12月に学内外の委員で構成する調査委を設置したとのこと。調査委は、医学部と工学部を含めた全学部の教授や准教授、講師、大学職員計約2000人と約240の取引業者を対象に調査しており、教授らについては、不正に得た金の使途や私的流用の有無を調べているとか。調査結果は文部科学省などに報告し、不正に関与した教授らの懲戒処分も検討すると記事は伝える。不正経理をした疑いが持たれている教授の一人は、読売新聞の取材に対し、「その件については何も答えられない」としているとか。大学の研究費を巡る不正が全国で相次いで発覚したため、山口大は20年8月、教職員や取引業者を対象に不正の有無に関する調査を実施したが、全員が不正を否定していたとのこと。丸本卓哉学長は「コメントは控えたい。明らかにできる段階になれば、正式に発表する」と話しているとか。
こういう調査過程の報道に報道価値はあるとは思えないが。
横浜市が退職者を雇用する会社を設立して業務を委託する
朝日が1月27日に掲出した「横浜市水道局が「天下り」会社設立へ 随契で業務委託 」〔佐藤善一〕は、横浜市水道局が今春、資本金1億円を全額出資し、水道局OBを社員にした株式会社を設立すると報じる。浄水場の運転・管理が主な仕事で、最初の4年間は事業実績を積ませるためとして、随意契約で市の浄水場の運転管理を委託するとか。26日の市議会で「天下りが目的なのか」「なぜ随契なのか。契約金額は適切か」などと批判が相次いだとの由。水道局によると、水の使用量が減り続けて料金収入が減る中、安い賃金でOBの技術力を生かそうと、会社設立の話が持ち上がったといい、収支計画によると、スタート時は社員20人態勢で、社長だけは外部から登用する可能性があるが、ほかは60歳以上の水道局OBを想定しており、2年目以降は33人、35人、51人とOB社員らを増やしていき、市の要綱に従い、原則65歳で退職するとのこと。これまで市が直接、運営管理していた二つの浄水場を年7800万~1億円で業務委託するほか、給水工事の設計審査も担うとの由。市は「外部の人も採りたい」としているが、給料は現職職員の半分以下で、黒字化には人件費の抑制が避けられないため、現役世代の働き盛りを雇うのは難しいと説明しているとか。計画では主な収入源となる浄水場の管理は丸4年で終わり、それ以降は別の民間会社への委託が決まっていて、5年目からについて水道局は「他の自治体の仕事を請け負う」としているが、仕事が見つからなければ、大半の収入源を失うことになるとか。団塊の世代の大量退職にともない、水道局でも今春120人、来春以降も100人近い退職が続くことになっており、退職者の受け皿作りではないかとの指摘について、川名薫・水道局経営企画担当部長は「高い技術力の人を使わない手はない」とし、随意契約にした理由については「委託する浄水場は古く、管理にも技術が必要。値段だけを考えて、どこに委託してもいいという訳ではない」と話しているとか。
定年延長又は給与引き下げでの退職後再任用が筋だろう。それを行わない理由こそが重要。管理職退職者対策か?
公共財のはずの街路灯が外部不経済を生じることもある
東京新聞が1月20日に掲出した「広島、街路灯の光で「コメ不作」 庄原市が農家に賠償 」〔共同〕は、広島県庄原市が設置した街路灯の光でコメが不作となったとして、市が農家5軒に計14万円の賠償金を支払ったと報じる。夜間も光が当たり、稲の生育バランスが崩れたとみられると記事は伝える。市建設課によると、被害があったのは庄原市西本町と新庄町の水田計約1300平方メートルで、地元住民の要請で20年8月~21年5月に設置した街路灯5基のうち、水田付近の3基の光を浴びた稲は、夏ごろになっても実らなかったとか。21年8月、農家側の苦情を受け市が実態調査し、街路灯を消した後、穂はついたが収穫量が例年より大幅に減り、農協の買い取り価格などを参考に賠償額を決めたとのこと。市建設課は「賠償は異例だが、やむを得ない。水田を直接照らさないようカバーを付けるなど、工夫したい」としているとか。
公有地上の宗教的施設で憲法解釈に新基準
東京新聞が1月21日に掲出した「市有地に神社 違憲 砂川・政教分離訴訟 『一般人の評価』新基準 」〔加藤文〕は、北海道砂川市が神社の敷地として市有地を無償で使用させていることが、憲法の政教分離原則に反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷が20日、「特定の宗教を援助していると評価されてもやむを得ない」として違憲との判断を示し、その上で違憲状態を解消する方法について「撤去以外に現実的な手法があり得る」として、この点を審理するよう札幌高裁に差し戻したと報じる。政教分離をめぐり最高裁は11件の憲法判断を示しているが、違憲判断は愛媛玉ぐし料訴訟判決(9年)以来、2件目で、神社や寺院の関連施設には同様のケースも多いとみられ、国や自治体は対応を迫られそうと記事は伝える。これまで政教分離訴訟の判決では、行為の目的や効果が社会通念上、認められる範囲にあるかどうかを判断する「目的効果基準」(津地鎮祭訴訟・大法廷判決=昭和52年)が踏襲されてきたが、今回の判決は、市有地の無償提供が、宗教団体への公金支出などを禁じた憲法89条に違反するかについて「宗教施設の性格や無償提供の経緯、一般人の認識などの諸般の事情を考慮し、総合的に判断すべきだ」とする新たな基準を示したとか。違憲判断が示されたのは、砂川市の「空知太(そらちぶと)神社」をめぐる訴訟、原告は地元住民の二人で、神社の建物は町内会館と一体化しているが、判決は「建物は神道の神社の施設にあたり、行われている祭事なども宗教的な行事だ」と指摘し、「一般の人の目から見て特定の宗教に特別の便宜を供与し、援助していると評価されてもやむを得ない」として、政教分離原則を定めた憲法20条や89条に違反すると結論づけたとか。さらに神社の多くが戦後、国から土地の払い下げを受けたものの、国や地方自治体の土地に立つ神社も多数ある点を踏まえ、「撤去以外に違憲状態を解消する方法を検討すべきだ」としたとの由。判決は14裁判官中8人の多数意見であり、反対意見二人のうち一人は違憲としたものの「二審判決は正当で、市側の上告を棄却すべきだ」とし、いま一人は合憲と判断したとのこと。また5人が「二審の認定事実では判断できない」として憲法判断を示さなかったとか。大法廷は同日、砂川市内の別の市有地にあった「富平神社」をめぐって、市が市有地を町内会に無償譲渡した行為の是非が争われた訴訟の上告審では、「無償譲渡は違法状態の解消が目的であり、手段も相当」として全員一致で合憲とする判決を出したとか。記事の解説によると、この違憲判決には、二つのポイントがあり、一つは、訴訟対象となる宗教行為の目的と効果を「社会的・文化的諸条件」に照らして判断する「目的効果基準」を使わず、「一般人の評価も考慮し、総合的に判断するべきだ」とする新基準を示して、目的効果基準でカバーできない宗教行為に対する判断基準を設けたこと、いま一つは、「神社を撤去するのは現実的ではなく、ほかの手段があり得る」として、違憲状態を解消する手段を検討するよう高裁に審理を差し戻したこと。公有地上の宗教施設としては、関東大震災の犠牲者を慰霊する仏式の東京都慰霊堂(墨田区)や、伊達政宗の家臣をまつったキリスト教式の後藤寿庵廟(岩手県奥州市)などがあり、原告側は「全国で二千カ所以上」と主張しており、神社本庁(渋谷区)によると、法人格を持つ神社は約八万社あり、「公有地にある施設の数は把握していない」というが、公有地に存在することが違憲であるとすれば、全国で訴訟が相次ぐ可能性があり、判決は、こうした現状を考慮し国や自治体の混乱を避けるため、最大限の配慮を示したといえると記事は説く。