公会計の動向 -28ページ目

財務省が融資先自治体の財政を診断

 NHKサイトが5月10日に掲出した「財務省 自治体財政に診断表 」は、財務省が、国から融資を受けている地方自治体を対象に、財政状況を把握するための「診断表」を新たに作り、改善すべき点を指摘し、アドバイスを行っていくことになったと報じる。記事によると、財務省が作成する診断表でアドバイスするのは、国債の一種で集めた資金である財政投融資を受けている地方自治体で、具体的には、財政状況の悪化が懸念される200から300程度の市町村を毎年選び出し、税収と借金の規模それに積立金の水準などを基に、債務の返済能力や資金繰りの状況などを「診断表」の形にまとめ、そのうえで、財政投融資の返済に支障が出ないよう、財務省の担当者が財政状況の改善に向けたアドバイスを行うとの由。今年度の地方財政は、企業業績の低迷などを受け税収が落ち込んで財政が悪化しており、財政投融資のうち、地方自治体向けの融資は昨年度よりも10%拡大し、4兆3000億円の融資が計画されるなど需要が高まっており、財務省では「国も厳しい財政事情を抱えるなかで、地方自治体が国からの次の融資を検討する際に、みずから財政の改善策を見直すことを期待している」と話しているとか。


JR四国は鉄道もバスも10%の減収

 毎日jp徳島ページが4月27日に掲出した「JR四国:収入、過去最大下げ率10.3% 09年度営業概況を発表 /徳島 」〔馬渕晶子〕は、JR四国(高松市)が26日に公表した2009年度の営業概況について、鉄道収入が360億5800万円と前年比41億5000万円(10・3%)減となり、87年の会社発足以来、下げ率が過去最大と報じる。景気悪化に加え、高速料金割引と新型インフルエンザ流行の影響が大きかったとか。同社によると、高速割引の影響で23億円強、新型インフルの影響で約1億5000万円の減収につながったとか。特に、瀬戸大橋線の利用客数は過去最低の約727万人に落ち込んでおり、800万人を切るのは4年ぶりとのこと。松田清宏社長は「高速料金の先行きが読めない中、今年度も減収が見込まれ、厳しい状況」と述べたとか。また、ジェイアール四国バス(同市)も営業概況を発表しており、運輸収入は36億6400万円と、前年比4億1600万円(10・0%)減で、04年の子会社化以来初めての減収とのこと。経営効率化の一環として、不採算路線のJR阿南駅-阪神地区間を1日2往復で運行している「阿南エクスプレス号」を6月末で撤退することを決めたとか。


日航の路線継続を求める地方自治体

 毎日jp山形ページが4月27日に掲出した「日本航空:路線廃止問題 16道県合同で要望書 日航・民主・国交省に /山形 」〔和田明美〕は、日本航空の路線廃止問題で、山形県が影響を受ける全国16道県合同で路線維持を求める要望書を26日、日航、国土交通省、民主党に提出したと報じる。一方、日航側は経営企画本部の経営戦略部長ら幹部が27日午前、吉村美栄子知事を訪問する予定で、路線廃止問題で、何らかの提示があるものとみられると記事は伝える。県内では、山形空港発着の札幌(新千歳)、名古屋(小牧)両便の廃止が検討されており、要望書は「経済・文化・生活などの連携や交流を遮断し、全国の活力を奪う」「路線の多くは、各地域が利用促進で日航と協力してきたもので、これまでの地域の取り組みを水の泡にする」「廃止すれば、再開しても容易に客足は戻らず、日航の将来の成長チャンスをも奪う」「東京一極集中を加速しかねず、地域主権の確立を標ぼうする現政権の姿勢に反する」などとしているとか。


特別会計の改革案は作成中

 毎日jpが4月26日に掲出した「ファイル:内政・外交・安保 「夏までに」特別会計改革案--枝野行政刷新相 」は、枝野幸男行政刷新担当相が25日のフジテレビの番組で、国の特別会計の改革について、「特別会計(改革)は去年の事業仕分けである程度方向性が見えてきており、私のもとで改革案の作成に入っている。抜本改正の提案を夏ぐらいまでにはする」と述べ、夏までに改革案をまとめる考えを示したと報じる。


自ら説明する姿勢

 毎日jpが4月22日に掲出した「臨時交付金:電線地中化などは1割 大半が従来型事業に 」〔坂井隆之〕は、内閣府が22日、21年度2次補正予算で、「電線地中化などを支援する」として計上した地方自治体向けの臨時交付金(総事業費5719億円)のうち、対象の4事業に使われたのが9.9%にとどまったと明らかにしたと報じる。大半は、道路の補修や公民館建設などの従来型の公共事業に使われており、使途を限定しなかったことが原因だが、「コンクリートから人へ」のスローガンが結果的に骨抜きに終わった格好と記事は評する。交付金は「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」で、鳩山政権は2次補正の編成にあたって「ばらまき、ハコモノの公共事業はやらない」と宣言し、交付金については、電線地中化の他、都市部の緑化、橋の補修、林道の整備に充てられるとして、「地方の活性化につながる」と説明していたが、古川元久副内閣相は会見で、自治体にも財政負担を求める仕組みだったため、4事業への交付が伸びなかったと説明し、「課題をまとめ、反省に基づいてやっていく」と述べたとか。


 22日の古川副大臣記者会見要旨 では自ら発表しているわけだが。「ここにはありませんけれども、今日1点、大変、そういう視点からいい御提案といいますか、自己評価というのがありました。地域活性化のきめ細かな臨時交付金ですね。これは、具体的に電線の地中化、都市部の緑化、橋梁の補修、森林の路網整備の4事業を主にいわば例示をして、中心に予算をつけたわけです。しかし、これは公表資料としてまた皆さんにありますから、詳しくはそちらを見ていただきたいと思いますが、結果的には、全体の事業量の9.9%にとどまったということであったそうです。この辺は、地方との関係でいいますといろいろな意見があったらしいのですけれども、今回この交付金を交付するに当たっては、この担当の政務三役、特に大塚副大臣と津村政務官とが、かなり地方のほうともいろいろと意見交換を繰り返しながら、今回の交付金というものがどういう趣旨で渡されているのかということを、国としての経済対策として行っていることについての意思をお伝えをしています。そういう意味では、今までの各種交付金なんかに比べると国の意思というものが相対的によく伝わったという評価もあったと、そういうような反省といいますか、自己評価をし、なぜこういう結果になったのかということで考えると、そもそも今の制度が、例えば、要するにこういうところは100%国庫負担でできる事業ではなくて、例えば橋梁の補修なんかになると、地方負担分が入ってくる、裏負担の部分が入ってくるような形になっている。ですから、幾らこれをやれといっても、結局地方のほうがそこを負担できないと実行できないとか、ですから、そういった意味で言うと、経済対策として、特にこういうところに重点的にやるとなったら、例えば使途を明確に限定して、100%国庫負担の地方公共団体向けの補助金とするとか、そういう工夫といいますか措置も必要になったというような、こういう指摘もありまして、そういう今回の臨時交付金、今までとはちょっと違う形でやらせていただいたのですが、よかった面と、また今後の課題として残った面というものを紙として今日はまとめて出していただきました。」と。


国が20年度に廃止した支度料が残っているとして独法が叩かれている

 毎日jpが4月20日に掲出した「独立行政法人:17独法で海外出張に「支度料」支給 」〔田所柳子〕は、少なくとも17の独立行政法人が、海外出張に出かける役職員に対し、使途に制限のない「支度料」を支給していると報じる。海外渡航が珍しかった時代に国が制度化したが、国は既に原則不支給としているとのこと。子供の入学祝いなど、国にはない独自手当が存在する独法もあるとか。独法の運営には税金も投入されているが、経営効率化とは程遠い独法の存在が浮かんだと記事は評する。104独法のうち、旅費規定を公開したり、法定外の福利厚生支出で昨年12月に総務省の指摘を受けた、計約40の独法に現在の状況を聞いたところ、25法人で支度料の規定があり、うち17法人が現在も支給しており、一方で8法人は、運用で不支給と改めていたとのこと。支給内容は、▽国民生活センター=15日以上1カ月未満なら11万8600~6万5000円、▽環境再生保全機構=同11万8580~6万6030円、▽日本スポーツ振興センター=同8万6240~5万3900円(3団体とも15日未満は半額)、などで、額は役職等級に応じて異なり、理事長クラスの役員なら1カ月未満の出張で約12万円、3カ月以上の出張で約17万円が支給される例もあったとか。国は昭和25年施行の「国家公務員等の旅費に関する法律」で、「スーツケースや背広など海外で日本の品位と体裁を維持するための手当」(財務省給与共済課)として支度料を制度化しており、これに準じて制度化した独法も多いが、海外渡航が増えて必要性が薄れたため、国は平成20年度以降、各府省の旅費規則や通達で、1カ月以上の長期留学や医薬品・保険料などの実費支給の例外を除き、原則不支給に切り替えたとの由。支度料を支給する独法の担当者は「旅費法に支度料の規定が残っており、国にならっているとの認識だ」と話すが、国家公務員などで作る労組の幹部も「実費でなく一定額を支払うのはおかしい」と指摘しているとか。一方、国にはない独自手当もあり、水資源機構や空港周辺整備機構、自動車事故対策機構は、職員の子供が小中学校や高校に入学する際に「就学祝金」1万~2万円を互助会を通じて支給しており、自動車事故対策機構には、職員の結婚25周年の銀婚を祝って2万円を支給する「結婚記念祝金」が残っているとか。


首相は特別会計改革は抵抗が強いと認識

 日経電子版が4月21日に掲出した「首相、特別会計改革を指示 行刷相らに」は、鳩山由紀夫首相が20日の行政刷新会議で、特別会計の改革について「抵抗の強い分野だが、しっかりと取り組むように」と枝野幸男行政刷新相に指示したと報じる。5月の次回会議で行刷相が改革の基本方針を提示する予定とか。


 特別会計の改革は抵抗が強い分野なのか?


愛媛県警の捜査報償費訴訟は高裁で原告勝利

 愛媛新聞社サイトが4月20日に掲出した社説「捜査費返還訴訟 判決を真摯に受け止めよ 」は、愛媛県警が支出した捜査報償費は不正支出だったとして、不正分の返還を求める住民訴訟の控訴審判決で、高松高裁が「捜査報償費が適切に支出されたとするには強い疑いがあり、正当な捜査協力者に支払わなかったと推認される」と指摘し、捜査協力者への報償費としていた公金支出の違法性を認定した上で、加戸守行知事に対し、支出書類を作成した警部ら3人に17万3千円の賠償を請求するよう命じたことについてのもので、県警の主張について「説得力を欠く」、「適正に支出されたということを納得させるものではない」などと批判したものの、「不正に支出されたとまでは推認できない」として原告の請求を棄却していた一審判決からの逆転勝訴であるとし、県警の主張に疑問を呈しながらも不正支出を認めなかった一審判決には、原告ならずとも納得できないものがあり、それだけに、高裁判決は県民の目線に立った画期的な判決といえると賞賛する。不正支出は17年、県警捜査1課警部の私用パソコンからファイル交換ソフト「ウィニー」を通じてインターネット上に捜査資料が流出して発覚して、13、14年度に支出した約17万円が不正支出に当たるとして、弁護士らが訴えていたもので、支出書類では捜査協力者21人のうち13人に現金やギフト券を渡したとされるが、高裁判決では、県監査委員の調査に回答した13人は受け取っていないとみられる点などを挙げ、報償費の支出に関する事実は「いずれも虚偽と認めるほかない」としているとのこと。また、「当時は仮名の領収書が認められていた」とする県警の主張を「信用できない」と退けたとか。県警は監査委員の特別監査の際、捜査への支障を理由に協力者の実名開示を拒絶しており、そればかりか、支出自体の認否もしなかったとか。いうまでもなく捜査費は公金である。その支出に関する事実関係は、県民に十分に説明されなければならないと社説は説き、県警のかたくなな対応は、県民の不信感を増幅させるだけでなく、組織的な関与を疑われかねないと説く。


JR九州が民間借り入れへ

 日経電子版が4月7日に掲出した「JR九州、初の銀行借り入れ 360億円 新幹線に投資」は、九州旅客鉄道(JR九州)が初の銀行借り入れを実施すると報じる。2011年3月期中に複数の銀行から360億円を調達するもので、11年3月の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業に伴い、今期の設備投資は過去最大の756億円に達するが、同社の借入金の大部分を占める鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)からの無利子融資には一定の上限があるため、不足資金を銀行借り入れで賄うとのこと。今期中に2回に分けて銀行から長期借り入れを実施し、総額で360億円を調達するとか。借入先は未定で、それぞれ競争入札で決めるとの由。借入期間は10年程度で、利率は年2%弱となる見込みで、社債発行は格付けなどの手続きが煩雑で、資金調達まで時間を要することから長期借入金にしたとのこと。JR九州は今期に前期計画比36%増の756億円の設備投資を計画しており、新幹線車両(310億円)や新博多駅ビル関連(151億円)などの大型投資が相次ぐため、借入金は全額を新幹線関連の投資に充てるとか。同社には300億円超の長期借入金があるが、全額無利子の借り入れとなっており、借入先はJR九州の全株式を保有する独立行政法人の鉄道・運輸機構のほか、沿線自治体などが中心で、実質的には補助金の色合いが濃いもので、JR九州は鹿児島ルート全線開業後の株式上場を目指しており、民間金融機関からの資金調達で経営の独立性を高める考えと記事は伝える。JR九州は1997年のJR東海に続く株式上場を検討しており、北海道、四国を加えた「JR三島会社」の中では上場の実現が最も早いとみられ、最短で12年の上場を視野に入れているとの由。上場後は他の民間企業と同様に民間金融機関から資金を調達する必要性に迫られるため、それに備える狙いもあるとか。


自治体国際化協会が積立金を自治体へ返還していく方針

 東京新聞が4月6日に掲出した「国際化協会、積立金78億返還へ 都道府県と政令市に 」〔共同〕は、総務省所管の財団法人「自治体国際化協会」が、都道府県と政令指定都市の分担金を原資とする「海外事務所開設準備」名目の積立金123億円(21年度末)について、63・4%に当たる78億円を22年度から3年間かけて自治体に返還することを決めたと報じる。同協会は自治体の国際交流を支援しているが、新たに海外拠点を設ける計画はなく、「積立金が巨額すぎる」との批判が出ていたもので、21年度からは分担金を削減しており、自治体の財政難にさらに配慮する姿勢を示すことで「協会は不要」(石原慎太郎東京都知事)などと反発を強める自治体側から理解を得たい考えとか。国際化協会は22年度と23年度にそれぞれ30億円、24年度に18億円を返還する予定とか。