公会計の動向 -29ページ目

係長級の職員に課長補佐級の給与を支給

 時事ドットコムが3月26日に掲出した「「給料のわたり」福島、千葉両県でも=総務省の再調査結果 」は、総務省が26日、地方自治体の職員に実際の職務より高い格付けの給料を支払う「わたり」と呼ばれる問題について、47都道府県と18政令市を対象とした再調査結果を公表したとして、その内容について、新たに福島、千葉両県でも「わたり」が行われていることが分かり、昨年末の段階で判明していた大阪府と岡山市と合わせて4府県市で不適正運用の事実が確認されたと伝える。昨年実施した調査は、自己申告に基づくものだったため、原口一博総務相が再調査を事務方に指示していたもので、それによると、4府県市では、いずれも係長級の職員に課長補佐級の給与を支給していたとのこと。同省はこのほか、不適正運用の事実はなかったものの、北海道、埼玉県、横浜市、名古屋市、大阪市について給与格付けの説明が不十分だと指摘したとのこと。


名古屋市議会は議会改革の市長提案を大差で否決

 東京新聞が3月25日に掲出した「名古屋市予算、大修正で成立 10%減税は1年限り 」〔中日新聞〕は、名古屋市議会の2月定例会が24日、本会議を再開して22年度当初予算案を修正し可決、成立させたと報じる。4月から始まる「市民税10%減税」を1年限りとする条例改正案を賛成多数で成立させ、議員の定数と報酬を半減させる議会改革の3条例案を73対1の大差で否決したとのこと。河村たかし市長は「議会の大暴走」と述べ、4月にも臨時会を招集して23年度以降の減税継続や地域委員会のモデル実施拡充などを再提案する考えを示したとか。定例会は同日で閉会したが、市長と議会の対立が決定的となったことで、次の焦点は、市長選マニフェストの実現を掲げ、市長支持者らが5月にも始める署名集めが、市議の解散請求(リコール)に必要な36万5000人に達するかどうかになったとのこと。市長も全面的に後押しするとみられると記事は伝える。名古屋市での当初予算案の大幅修正は、故本山政雄・元市長の1期目だった昭和52年度以来で、当初より3億6000万円減額して総額1兆344億円としており、地域委のモデル実施拡大など市長の肝いり施策をカットし、廃止予定だった子育て支援策などを復活させたとの由。河村市長は、拒否権に当たる再議に付す意向だったが、年度末ギリギリで「市民生活への影響は避けたい」として見送る考えとか。今定例会では議会が活性化し、4月から政務調査費の使途を全面公開して、1日1万円の費用弁償を廃止する条例案も成立させ、議員年金の廃止を政令市で初めて議決したが、一方、市の放課後児童対策「トワイライトスクール」の運営主体選定をめぐる疑惑では、市長と元経営アドバイザーに対する百条委員会の設置を賛成多数で決めたとか。同市では、ごみ処理施設をめぐる入札妨害事件で平成6年に設置されて以来とか。


雇用環境悪化で国民年金保険料の納付率が低下

 東京新聞が3月23日に掲出した「国民年金納付率、58・9% 09年度最低更新の公算も 」〔共同〕は、厚生労働省が23日、国民年金保険料の納付率が21年4~12月の9カ月分が58・9%で、20年同期の60・9%に比べマイナス2ポイントだったと発表したと報じる。21年の4~11月の8カ月分では前年同期比1・9ポイントの低下で、マイナス幅は0・1ポイント拡大したとか。過去最低の通年納付率は20年度の62・1%で、厚労省は「16年度以降、残り3カ月で3ポイント以上上乗せした例はない」としており、過去最低を更新する公算が大きくなったと記事は伝える。雇用環境の悪化で厚生年金から国民年金に移った人の多くが、生活苦から保険料を支払えなかったことが響いており、年金記録問題への対応で、保険料徴収業務に十分な人員を割けなかったことも納付率低下の一因とみられると記事は伝える。都道府県別で最も低かったのは沖縄(36・8%)、次いで大阪(49・4%)、長崎(54・4%)。最高は島根(71・7%)で、新潟(71・3%)、福井(70・4%)の順とか。社会保険庁の業務を引き継いだ日本年金機構は2月、「80%」としていた政府目標を撤回し、22~25年度のできるだけ早い時期に21年度実績を上回ることを目指すと目標を大幅に下方修正したとの由。


支出された内閣官房報償費を国庫へ返納する発想

 東京新聞が3月10日に掲出した「官房長官、機密費残額は国庫返納 「前政権と違う」 」〔共同〕は、平野博文官房長官が10日午後の記者会見で、内閣官房報償費(機密費)の取り扱いに関し「必要でないものは国庫に戻す。前政権のように使い切るようなことはしない」と述べ、21年度末で残額があれば、国庫に返納する意向を表明したと報じる。平野氏が以前に公表した16年4月以降の機密費の支出額によると、各年度とも毎月1億~2億円を引き出し、ほぼ使い切っていたことが明らかになっており、これに関し政府高官は、「この半年間だけを見ても、明らかに『これはいらない』という支出がある」と指摘していて、22年度は内閣情報調査室の経費を含め21年度と同じ約14億6千万円を計上しているものの、23年度は22年度比で減額することになる、との考えを示したとか。平野氏は会見で、昨年9月の鳩山内閣発足以降、今年2月末までに毎月6千万円ずつ計3億6千万円を国庫から引き出したことも明らかにしたと記事は伝える。


 朝日が3月10日に掲出した「官房機密費3億6千万円引き出し 民主政権発足後 」は、平野博文官房長官が10日の衆院内閣委員会で、内閣官房報償費(機密費)について、鳩山内閣が発足した昨年9月から今年2月までの半年間に毎月6千万円、計3億6千万円を国庫から引き出していたことを明らかにした伝えるもので、国庫から引き出した機密費を実際にいくら使ったかについては明らかにしなかったが、毎月、6千万円を引き出した理由については「必要と思ったから」。使途については「相手様のあること。情報の収集、使い道を明らかにすることで、国益を損なうことはあってはならない」と、公開に否定的な考えを示したとか。鳩山由紀夫首相は4日の参院予算委員会で、「より一層の透明化を図っていきたい」と述べ、公開に向け基本原則を策定する考えを示したものの、10日の平野氏は後ろ向きの姿勢に終始したと記事は評する。


参考:内閣官房及び外務省において、内閣官房報償費の適切な執行等を図るよう是正及び改善の処置を要求したもの


21年度の減収補てん債は45%増

 東京新聞が3月9日に掲出した「地方税収の穴埋め1兆3千億円 09年度、景気低迷で45%増 」〔共同〕は、総務省が9日、地方税収の落ち込みを穴埋めするための借金に当たる「減収補てん債」について、21年度は景気低迷を受け前年度比45%増の計1兆3395億円の発行を認めると発表したと伝える。39都道府県と17政令指定都市、226市区町村が発行する予定で、補てん債のうち建設事業以外の経費に充てる「特例分」(赤字地方債)は50%増の1兆736億円と、前年度の7149億円を上回り過去最高とか。自治体は必要な財源が確保できる半面、借金が増えることになり、財政状況が一段と悪化するのは避けられない情勢と記事は評するが、交付税措置については言及していない。発行自治体数は都道府県で1県、政令市で5市、市区町村では56増えており、発行額は都道府県が43%増の1兆1162億円、政令市が24%増の1025億円だったのに対し、市区町村は前年度の2倍近い1208億円となっていて、市区町村は都道府県に比べて法人関係税への依存度が低く税収が景気に左右されにくいとされるが、想定以上に税収が落ち込んでいる実態が浮き彫りになったと記事は伝える。


公表資料:平成21年度地方債同意等予定額の通知 中、減収補てん債


夕張市が財政再生計画を策定

 東京新聞が3月2日に掲出した「夕張市、初の再生団体に 17年で322億の赤字解消 」〔共同〕は、北海道夕張市議会が2日、38年度末までの17年で322億円の赤字を解消するとともに、新規事業も盛り込んだ市の財政再生計画を全会一致で可決、決定したと報じる。夕張市は全国初の財政再生団体として、近く総務相の同意を得て再生振替特例債を発行し、国の管理下で、あらためて再生に向けた取り組みを進めると記事は伝える。19年6月に成立した自治体財政健全化法に基づき、現行の財政再建計画を引き継ぐ形で策定したもので、赤字解消に要する期間は現計画より2年延びるとのこと。新しい再生計画は、職員の人件費など歳出削減を継続。行政のスリム化を進める一方で「再建を着実なものにするためには地域の再生が不可欠」として、市立診療所の改築や市営住宅再編、し尿処理場建設など74の新規事業を盛り込んでいるとか。市民負担については、既に引き上げている市民税や下水道使用料などは据え置くが、し尿処理場建設に合わせて処理手数料を徴収するとの由。なお、総務省は昨年10月、20年度決算を対象とした財政悪化度の初判定で、12道府県の21市町村が破綻懸念から財政健全化計画策定が義務付けられる「財政健全化団体」になるとの集計結果を発表しているとか。


内閣支持率回復のために機密費の使途を明らかにするという発想

 朝日が3月5日に掲出した「鳩山首相、機密費公表に意欲 「民主らしさ」で浮揚狙う 」〔村松真次〕は、鳩山由紀夫首相が4日、秘密のベールに包まれてきた内閣官房報償費(機密費)の支出内容の公表に取り組む考えを示したと報じる。「政治とカネ」の問題で内閣支持率が低下する中、情報公開の徹底で「民主党らしさ」を取り戻し、政権浮揚につなげたい考えと記事は伝える。4日の参院予算委員会で、首相は「見えない所でおかしなことをしているのではないか、と思われないようにしないといけない。より一層の透明化を図りたい」と述べたとか。同日夜も「できるだけ透明性を持つ政治、政府というものをつくることが大事だ。その中に機密費もある」と記者団に強調したとの由。民主党は野党時代の13年、国会に機密費の厳格な支出基準や公開を求める「官房機密費流用防止法案」を提出したが、当時の与党の賛成を得られず廃案になっており、首相はこの法案をもとに、機密費公開の基本原則を策定する考えとか。機密費の支出先や時期、金額などについて記録することを官房長官に義務づけ、機密費の秘匿性に応じて、10~25年後の公開を目指すもので、4月から1年間かけて支出内容の必要性を吟味し、公開時期や機密費総額の圧縮などを検討する方針と記事は伝える。機密費の公開については、平野博文官房長官が昨年11月の記者会見で「オープンにすることは考えていない」と公開を拒否しており、首相も「すべて官房長官に委ねている」と消極姿勢だったが、一転して公開に前向きになったのは首相や小沢一郎幹事長の政治資金問題で政権への「逆風」が強まってきたからだと記事は伝える。ただ、課題も少なくないわけで、機密費は「情報収集及び分析その他の調査に必要な経費」として計上されており、外交や安全保障上の情報収集などの目的で使った場合、詳細を公開しにくいケースもあるとのこと。例外規定を設ければ、公開原則の抜け穴になりかねないと記事は評するが、さほど本質的ではない。自民党政権時代は、機密費が選挙資金や国会対策費、外国を訪問する議員へのせんべつなどに使われたとの指摘もあり、政権交代が決まった昨年8月の総選挙直後には、当時の河村建夫官房長官が2億5千万円を引き出したが、使途は不明とか。歴代政権の実態を明らかにすれば、首相の情報公開にかける意欲も理解を得やすいが、実際は過去の記録は乏しく、首相も「過去のことがすべて見えてくるということでは必ずしもない」と慎重と記事は伝える。


三セク債は11自治体にとどまる

 東京新聞が2月27日に掲出した「三セク特例債、11自治体が発行 09年度、384億円 」〔共同〕は、第三セクターの破綻処理や公立病院の廃止費用などに充てるため、21年度から5年間に限り認められた地方債「第三セクター等改革推進債」について、初年度は大阪市など11自治体が計384億円の発行を予定していることが総務省のまとめで分かったと報じる。三セクや公営企業を含め、自治体の財政悪化度を判定する自治体財政健全化法が昨年4月に全面施行されたのを契機に、三セクや公営企業の整理を急ぐ自治体は多く、総務省は「10年度は推進債を発行する自治体がさらに増える」とみていると記事は伝える。11団体のうち、最多の164億円を発行する大阪市は会社更生手続き中の三セク「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC)の債務を肩代わりし、北海道稚内市もホテルを運営する三セクの処理に18億円を発行するとのこと。県立病院の地方独立行政法人化に向けて職員の退職金64億円を積み立てる長野県など、1県3市1町は病院事業の廃止に充てるとか。


年金運用はまあまあ

 時事が2月26日に掲出した「公的年金、運用益1兆7046億円=外国株が寄与-昨年10~12月期 」は、厚生労働省所管の独立行政法人「年金積立金管理運用」が26日、公的年金積立金の2009年10~12月期の市場運用実績が1兆7046億円の黒字になったと発表したと伝える。黒字は3四半期連続で、市場運用利回りは1.73%のプラスで、外国株式の上昇が寄与したとのこと。今年度4~12月期の運用実績は7兆4086億円の黒字で、利回りは7.96%のプラスだったとか。10~12月期の資産別利回りは、外国株式が海外株式市場の好調持続でプラス9.13%、外国債券が為替相場の円安により同2.91%、国内債券が同0.58%だったが、一方、国内株式はマイナス0.18%とほぼ横ばいだったとのこと。


大阪市の歳出の2割は生活保護費

 朝日が2月18日に掲出した「大阪市の法人市民税、30年ぶりに1000億円割れ 」は、大阪市が18日、1兆6905億円の22年度一般会計当初予算案を発表したと報じる。生活保護費の急増を受け、21年度当初予算より627億円(3.9%)増加しており、歳入では法人市民税が30年ぶりに1千億円を割り込んでいて、400億円超の収支不足を基金の取り崩しなどで補う内容とか。不足がこのまま続けば、1千億円余りの基金はあと3年で底をつくと記事は伝える。生活保護費は21年度比420億円増の2863億円(うち市負担716億円)で、過去最高を更新しており、全国市町村で最多となる受給者は14万人に達する勢いとか。受給者支援のケースワーカーが不足するため、6億9千万円で242人を臨時雇用し、不正受給や「貧困ビジネス」に対応するため警察OBら6人を嘱託職員に採用して、保護費の増加を抑えようとするが、それでも歳出全体の2割近くを占めるとか。市税収入は6091億円と2年連続減収で、21年度比319億円(5%)減で、中でも法人市民税は915億円で21年度の1238億円から26%減り、19年度に比べてほぼ半減するとのこと。市有地売却で21年度の約2倍の183億円を見込み、基金263億円を取り崩して収支不足分を穴埋めするとのこと。平松邦夫市長は過去最高となった生活保護費について「巨額の経費を計上しないといけないことに大きな矛盾を感じる。国に制度改革を求めていきたい」と語ったとか。