内閣支持率回復のために機密費の使途を明らかにするという発想 | 公会計の動向

内閣支持率回復のために機密費の使途を明らかにするという発想

 朝日が3月5日に掲出した「鳩山首相、機密費公表に意欲 「民主らしさ」で浮揚狙う 」〔村松真次〕は、鳩山由紀夫首相が4日、秘密のベールに包まれてきた内閣官房報償費(機密費)の支出内容の公表に取り組む考えを示したと報じる。「政治とカネ」の問題で内閣支持率が低下する中、情報公開の徹底で「民主党らしさ」を取り戻し、政権浮揚につなげたい考えと記事は伝える。4日の参院予算委員会で、首相は「見えない所でおかしなことをしているのではないか、と思われないようにしないといけない。より一層の透明化を図りたい」と述べたとか。同日夜も「できるだけ透明性を持つ政治、政府というものをつくることが大事だ。その中に機密費もある」と記者団に強調したとの由。民主党は野党時代の13年、国会に機密費の厳格な支出基準や公開を求める「官房機密費流用防止法案」を提出したが、当時の与党の賛成を得られず廃案になっており、首相はこの法案をもとに、機密費公開の基本原則を策定する考えとか。機密費の支出先や時期、金額などについて記録することを官房長官に義務づけ、機密費の秘匿性に応じて、10~25年後の公開を目指すもので、4月から1年間かけて支出内容の必要性を吟味し、公開時期や機密費総額の圧縮などを検討する方針と記事は伝える。機密費の公開については、平野博文官房長官が昨年11月の記者会見で「オープンにすることは考えていない」と公開を拒否しており、首相も「すべて官房長官に委ねている」と消極姿勢だったが、一転して公開に前向きになったのは首相や小沢一郎幹事長の政治資金問題で政権への「逆風」が強まってきたからだと記事は伝える。ただ、課題も少なくないわけで、機密費は「情報収集及び分析その他の調査に必要な経費」として計上されており、外交や安全保障上の情報収集などの目的で使った場合、詳細を公開しにくいケースもあるとのこと。例外規定を設ければ、公開原則の抜け穴になりかねないと記事は評するが、さほど本質的ではない。自民党政権時代は、機密費が選挙資金や国会対策費、外国を訪問する議員へのせんべつなどに使われたとの指摘もあり、政権交代が決まった昨年8月の総選挙直後には、当時の河村建夫官房長官が2億5千万円を引き出したが、使途は不明とか。歴代政権の実態を明らかにすれば、首相の情報公開にかける意欲も理解を得やすいが、実際は過去の記録は乏しく、首相も「過去のことがすべて見えてくるということでは必ずしもない」と慎重と記事は伝える。