公会計の動向 -18ページ目

神戸空港が赤字で他の企業会計から繰入れ

 毎日jpが2月2日に掲出した「<神戸空港>市の資金繰り入れへ 「独立採算」維持不可能に 」〔吉川雄策〕は、神戸市が、開港5年を迎える神戸空港の管理収支について、23年度予算案で、同市のポートアイランドや六甲アイランドなどの開発事業の収益で賄う企業会計「新都市整備事業会計(新都市会計)」から資金を繰り入れる方針を固めたと報じる。空港本体の建設に関する23年度の市債償還費が約16億円に上るのに、日本航空の撤退などで収入が不足する見通しで、初めて「独立採算」を維持できなくなると記事は伝える。同空港は開港後3年間は黒字で、財政調整基金に積み立てていたが、着陸料などの収入減で4年目から赤字となり、基金を取り崩して対応しており、22年度末で基金残高が約1億1900万円まで減る見込みであり、さらに日本航空が昨年5月末で撤退し、スカイマークが増便しているものの、小型機のため着陸料などの減収を賄えていないのが現状とか。市は、空港本体の建設関連で約267億円を起債しており、残高が21年度末で約256億円に上っていて、23年度は約16億円の償還が必要とか。新都市会計は、企業会計。


予算関連法案不成立でも6割が執行できる

 産経が2月1日に掲出した「関連法案不成立なら予算4割執行不能 」は、政府が1日、平成23年度予算案の関連法案が国会を通らなければ、予算本体が成立しても、税収や建設国債による収入の範囲内でしか予算を執行できないという答弁書を閣議で決定したと報じる。予算案は92兆超の一般会計支出を見込んでいるが、関連法が成立しなければ約4割が執行できないとのこと。また、地方交付税法改正法案が通らないと、地方交付税も増額できず「地方の財政運営に支障が生じる」とか。具体的には、まず4月の概算払いで1兆5千億円程度を減額するとみられていると記事は伝える。予算案は民主党が過半数を占める衆院の議決が優先されるが、関連法案は優先されず、赤字国債の発行などには新たな法律が必要で、参院で野党が過半数を占めるねじれ国会のもとでは、成立のめどが立っていないとの由。

住専の追加負担は回避

 東京新聞が1月30日に掲出した「住専問題、公的資金の投入回避 回収機構の剰余金活用 」〔共同〕は、金融庁が、1990年代後半に破綻した旧住宅金融専門会社(住専)の二次損失処理で焦点となっていた国の負担分6千億円超について、新たな公的資金の投入を回避する方針を固めたと報じる。不足が見込まれる約4千億円には、関連業務を担う整理回収機構の剰余金を活用するとのこと。必要な預金保険法の改正案を今国会に提出すると記事は伝える。住専問題では既に多額の公的資金がつぎ込まれており、追加の国民負担に合意は得られないと判断したとの由。回収機構が今年末で住専関連の業務を終了するのに伴い、年末時点での損失額を確定するとか。バブル崩壊の象徴だった住専問題が決着すると記事は評する。巨額の不良債権を抱えて経営が行き詰まった住専の処理をめぐっては、大手銀行などの債権放棄に加え、国が平成8年度に6850億円の公的資金を予算計上して「一次損失」を処理しており、その後も回収機構が、住専から買い取った債権の回収業務を続けてきたが、担保不動産の価格下落で、回収金額が取得価格を下回る「二次損失」が発生しているとのこと。二次損失は、8年の閣議了解で国と民間金融機関が折半して処理することが決まっており、昨年9月末で1兆2124億円に上っているとか。


自ら財務会計上の違法行為を行ったと同じ程度の指揮監督義務の違反ないし怠りがある場合

 朝日が1月27日に掲出した「佐賀コピー費訴訟 前知事への賠償命令取り消す逆転判決 」は、佐賀県がコピー費を水増し支出して約6億4千万円の裏金をつくり県に損害を与えたとして「市民オンブズマン連絡会議・佐賀」のメンバーら74人が井本勇前知事を相手取った住民訴訟の差し戻し後の控訴審判決が27日、福岡高裁であり、裁判長は「前知事には(水増しの)公金支出について具体的な認識はなく、指揮監督義務の違反は認められない」として、前知事に約4400万円を県に賠償するよう命じた直前の佐賀地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却したと報じる。裁判では、(1)水増し支出の違法性、(2)前知事の責任、(3)県の損害、が争われており、組織的な不正支出への首長の責任をめぐる判断が注目されていたとのこと。佐賀県のコピー費支出については10年、県の調査で5~9年度の計約6億4千万円の水増しが判明しており、オンブズマン側は10~11年、当時の井本知事に不正支出の県への賠償を求めて提訴していた。当初の1、2審は住民側の訴えを退けたが、最高裁、続いて福岡高裁が審理を差し戻し、佐賀地裁は21年1月、「前知事は違法なコピー機使用料の支出を阻止すべき指揮監督上の義務に反した」と判断し、約4400万円の賠償を前知事に命じ、県については前知事に賠償請求しないことが違法と認めたとの由。損害額については、前知事がコピー費の水増しが行われていることを予見できるようになった9年2月以降の約8855万円と認定し、このうち5割は業者からの返還などで穴埋めされたとみて、残りについて賠償を命じたとのこと。前知事と県側、住民側の双方が控訴しており、前知事側は「不正支出の認識はなく、不正を把握することは不可能だった」と主張し、住民側は「公共事業が多い部署ほど予算が余る構造を前知事は熟知していた」と指摘していたとのこと。


 朝日が同日に掲出した「佐賀県コピー費訴訟 福岡高裁判決理由の要旨 」によると、井本勇前知事の責任についての判示は次のとおり。

-----<引用開始>-----
 前知事がコピー費の水増し支出(以下、本件支出)について損害賠償責任を負うのは、支出を認識していたとか、具体的に認識できたにもかかわらず漫然と放置していたなど、自ら財務会計上の違法行為を行ったと同じ程度の指揮監督義務の違反ないし怠りがある場合に限られる

 本件支出は県庁において慣行的に行われていた、いわゆるゼロ精算を目的とするものであり、昭和の終わりごろから全庁的に行われてきた。前知事は県庁勤務が長く、ゼロ精算の慣行も認識していたことは認められるが、コピー機使用料の最終決裁権者は各課の課長であり、課長職を超える役職の職員までを加えた組織的なものとは認められない。前知事は長期にわたる県庁勤務で、(コピー機を含む)需用費を扱う仕事や管理に携わったことはない。1998年に県の調査で明らかになるまで、県内部の指摘や社会的批判はなく、本件支出を認識していたと認めることはできない。

 前知事が、マスコミ報道や国の通達で食糧費や旅費の不正支出を認識し得た可能性があることは否定できない。しかし、食糧費とコピー費は支出方法が異なり、食糧費などの不正を認識し得たとしても、そこから本件支出について認識し得たとまではいえない。

 前知事には本件支出について、抽象的な認識可能性しか認められないから、本件支出を阻止しなかったとしても、自ら財務会計上の非違行為を行ったと同じ程度の指揮監督義務の違反ないし怠りがあったとは認められない。

-----<引用終了>-----
 首肯できる判決だ。

紋別市で公金横領問題に関する百条委員会が活動している

 北海民友新聞が1月27日に掲出した「百条委、3月8日に開催~市監査のOBら4人を喚問 」は、元市教委係長の公金横領問題を調査する紋別市議会の百条委員会(柴田央委員長)が25日、市議会委員会室で昨年12月に続く2回目の証人喚問を行い、次回の証人喚問を3月8日午前10時から同委員会室で開催することを決めたと報じる。喚問するのは4人で、当初25日に喚問する予定だったが、本人の出張が入っていたため欠席した元産業部次長(部長職)と、市監査や監査事務局の職員だったOB3人とのこと。25日の証人喚問では、平成19年4月に問題の係長から空港対策担当の業務を引き継いだ後任係長が、外郭団体の通帳の異常に気づいたが当時の上司(課長職)の指示で、通帳を再発行してもらったことを証言しており、一方、この上司は「(再発行の指示は)記憶にない」としていて、証言が対立しているとのこと。また、これまでの証人喚問では、空港対策担当時代の係長の仕事ぶりについて周囲の職員や上司から「よくやっていたと思う」など肯定的な評価がある一方、「ずさん」「書類の管理がなっていなかった」など否定的な証言も数多くあり、市役所内の管理・監督体制がどうであったかに注目が集まっているとか。さらに元係長が関係していた団体の決算が遅れることも目立っていて、当時の市監査からどのような指導がなされていたか、その実態解明も待たれていると記事は伝える。


協会けんぽが頑張っている

 東京新聞が1月26日に掲出した「扶養無資格の8万7千人が加入 協会けんぽ、全員を脱退 」〔共同〕は、中小企業の会社員や家族ら約3500万人が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)への加入は、年収130万円未満などの条件を満たせば扶養家族も可能だが、就職や起業により条件を外れた場合は資格を失い、勤務先などを通じて手続きする必要があるのに、協会けんぽで昨年夏ごろまで、扶養家族としての資格を失った約8万7千人が加入し続けていたことが協会が昨年5~7月に調査して判明し、同9月末までに全員を脱退させたと報じる。正規加入者である会社員の子や配偶者が就職などの後、脱退手続きをしていなかったもので、協会けんぽは高齢者医療向け拠出金を加入者数に応じ負担しており、こうした無資格者を除外すれば年約40億円削減できるとか。「就職先で保険証をもらったから脱退手続きは不要と思っていた」と答えた人が多く、協会は手続きの徹底を企業側に呼び掛けるとか。本来は就職先の健康保険組合などの加入者なのに、無資格と気付かずに協会の保険証を使用した事例もあるとみられるが、協会は実態を把握していないとか。


地方競輪はチキンレース化している

 日刊工業新聞が1月27日に掲出した「経産省、産構審小委に競輪場半減を提案 」は、経済産業省が26日に開いた産業構造審議会(経産相の諮問機関)の小委員会に、既存の競輪場を半減する案を提示したと報じる。車券の売上高減少傾向が止まらず、経費削減しても大半の競輪場が赤字に転落する見込みのため、検討の材料として試算したとの由。自治体などの主催者側代表は強く反発しているが、競輪事業の厳しい状況が浮き彫りになった形と記事は評する。全国46の競輪場(埼玉県の2場は一つに計算)のうち、21年度の時点で赤字は12場だが、22年度には34場に急拡大する見込みであり、この傾向が続いた場合、28年度にはすべての競輪場が赤字に転落するとのこと。仮に競技会の運営費や選手に支払う章典費を5割カットする大幅な経費削減を実施しても、32年度時点の黒字は6場にとどまる見通しで、これに対して、5年程度をかけて競輪場の数を25場まで減らして人件費や光熱費をカットすれば、23場は黒字を維持できるとか。


地方税の滞納額が3年連続で上昇

 東京新聞が1月26日に掲出した「09年度の地方税滞納2兆円超 景気低迷で3年連続増 」〔共同〕は、個人住民税など地方税の累積滞納額が、21年度決算ベースで20年度比1・7%増の2兆816億円に上ることが26日、総務省のまとめで分かったと報じる。滞納額の増加は3年連続であり、景気低迷による個人住民税の滞納増が主因で、総務省は同日の全国税務担当者会議で徴税の一層の強化を呼び掛けたとか。滞納額の内訳は、都道府県税が3・6%増の5958億円、市町村税が0・9%増の1兆4859億円となっており、税目別では、個人住民税が9・5%増の1兆262億円で、初の1兆円超となっていて、20年のリーマン・ショックなどで所得が急激に落ち込んだためとみられると記事は評する。景気の影響を比較的受けにくく、滞納分の回収などが比較的容易な固定資産税は2・6%減の6794億円で、両税で滞納額全体の8割以上を占めているとのこと。このほか、納税者が生活困窮に陥るなどして自治体が21年度に徴収を断念し、損金処理した地方税額も1618億円に上ったとか。近年の滞納額は、14年度の2兆3468億円をピークに、景気回復や自治体の徴税強化などで減少し、18年度には1兆9245億円まで改善したものの、19年度から再び増加に転じているとのこと。


地域分割した高速道路会社が海外展開のための合同子会社を設立

 朝日が1月25日に掲出した「高速道路4社、海外事業統合し新会社設立へ 」は、東日本、中日本、西日本、首都の高速道路会社4社が海外事業を統合すると24日に発表したと報じる。年内をめどに共同出資の新会社を設けるというもので、海外事業の組織と名称を一本化し、市場での認知度を高める狙いとか。各社の得意分野を集め、新興国などでの高速道路建設や運営事業の受注を目指すと記事は伝える。2月1日付で中日本高速道路の東京支社に新会社の準備室を設立し、各社から2人ずつ人を集めて、利益の配分方法など詳細を詰めるとのこと。4社は17年秋に旧日本道路公団(JH)から分かれて民営化されており、JHも各国に展開していたが、支援目的の技術者派遣などに限られており、現在は各社が個別に展開していて、中日本はベトナムの橋の設計と維持管理、西日本は米国の橋の点検、東日本はインドのETC設置計画業務、首都高速はタイの橋の点検などに進出しているとのこと。収益基盤の拡大を狙っているが、大規模な道路建設や運営の受注はまだないとか。民主党政権はインフラ輸出を成長戦略の柱にしており、新会社設立で各社が狙うのは「日本の高速道路会社」としての競争力の向上で、かつてJHに研修に来ていた各国の関係者が、相手国側の交渉相手になるケースもあり、「看板」を統一する方が効果的と判断したとのこと。


公表資料:外事業を統合・強化


横領が生じた公益法人の再発防止策

 朝日サイト群馬ページが1月20日に掲出した「県教委が検査・指導 県サッカー協会不明金 」〔遠藤隆史〕は、群馬県サッカー協会(谷津義男会長)の会計監査で約4400万円の使途不明金が見つかった問題で、県教育委員会が協会に立ち入り検査を実施し、再発防止策の徹底を求める指導をしていたと報じる。協会側は対策について2月14日までに文書で回答するとのこと。使途不明金を巡っては、協会の内部調査によって、6年間事務局長を務めた男性が、使い込みをしたことを認めているとされ、協会名義の通帳や印鑑は男性が1人で管理していて、現金支出を役員らが事前承認する体制もなかったとか。県教委は昨年12月、協会に対し立ち入り検査を実施し、1月12日付で指導した。協会の預金残高などについて全体で把握できる体制を作ることや、現金支出について役員が事前に承認すること、会計監査を強化することなど、会計事務について改善を求めたとの由。協会は公益を担う社団法人で、小中学生らから集めた登録料のほか、日本サッカー協会や県中学校体育連盟などからの補助金などで収入を得ており、協会内に多額の余剰金があったことが私的流用を生む一因と考えられることから、収支の均衡を図る措置を採ることが望ましいと指摘したとのこと。協会側は朝日新聞の取材に対し「指導の内容を理事会などで検討し、具体的な回答の取りまとめを進めている」としているとか。昨年10月の総会で、協会独自の再発防止策について提案しており、協会が管理する通帳の一元化や、新役員に税理士を迎えるなど、すでに取り組んでいる対策もあるとのこと。県教委は協会側の回答を待って今後の対応を考える方針で、「対策が不十分と判断されれば、追加の指導も検討する」と話していると記事は伝える。