公会計の動向 -20ページ目

企業再生支援機構が病院再生に乗り出す

 日経電子版が12月9日に掲出した「支援機構、病院再生を強化 債務整理やM&A支援」は、企業再生支援機構が経営不振に陥った病院の再生事業を強化すると報じる。支援機構の主な設立目的は中堅・中小企業の事業再生だが、過剰債務に苦しむ病院からの支援要請が相次いでいるため、専門組織を立ち上げて再建を後押しするとの由。全国で病院関係者らを招いた説明会も開き、幅広く支援要請を受け付けると記事は伝える。支援機構は昨年10月の設立以降、日本航空などの民間企業のほか、病院の再建支援も2件引き受けており、過剰債務に苦しむ医療機関は少なくないが、私的整理などの再建手法が確立されておらず機構への支援要請が相次いでいるとのこと。機構は債務整理や経営者の派遣などを通じて支援するほか、医療法人のM&A(合併・買収)などで業界再編も促したい意向とか。支援機構内に医療機関の再建を専門に扱う特別組織「ヘルスケアチーム」を立ち上げ、病院再生に携わった経験のある経営コンサルタントら約10人を配置し、病院の資産査定や再建策づくりを専門に担うとのこと。医療法人や金融機関などを対象にした説明会も開催し、このほど第1回の会合を東京都内で開いたほか、大阪などでも順次開催する計画とか。機構はすでに医療法人から20件を超える支援相談を受けており、金融機関などと支援決定に向けた調整を進めているとのこと。


自治体不正経理問題における相互牽制

 日経電子版が12月9日に掲出した「自治体不正経理「体制に問題」 物品発注巡り検査院」は、国土交通省と農林水産省の補助事業を巡り全国の自治体で不正経理が発覚した問題で、会計検査院が、物品の発注から納品確認まで、すべて同じ部署が担当する体制に問題があるなどとする実態調査結果 を公表したと報じる。検査院によると、不正経理は全都道府県と18政令市で判明し、20年度までの8年間の総額は約53億円に上っているが、このうち物品を架空発注し業者にプールする「預け」や、契約とは異なる物品を納入させる「差し替え」などの不正経理が1千万円以上あった17自治体を調査したところ、大半の自治体で物品の発注から納品確認まですべて同じ部署が担当していた とか。検査院は職務を分担すれば相互のけん制が働いたとして、こうした体制が不正の原因になっていたと指摘したと記事は伝える。


住専債権の2次損失

 J-CASTニュースが12月6日に掲出した「旧住専の「2次損失」膨らむ  さらなる国民負担の恐れ 」は、15年前に決着したはずの旧住宅金融専門会社(住専)問題について、整理回収機構(RCC)が破綻した住専から買い取った債権の2次損失が、2010年9月末時点で1兆2124億円に膨らみ、再び公金を投入して穴埋めしなければならない可能性が高まっていると報じる。住専処理をめぐっては巨額の公的資金投入が批判を浴びただけに、さらなる国民負担となれば、反発は避けられそうにないと記事は評する。RCCは住専法に基づき、破綻した旧住専7社から1996年に約6兆円の資産を買い取っており、債権は15年かけて回収することになっていて、2011年末に業務が終了する予定だが、担保不動産の下落で回収は買い取り額を大幅に下回っており、この9月末時点の2次損失は3月末と比べて123億円増加しているとのこと。最終的な2次損失は、官民が折半で負担する取り決めになっており、このままだと政府が6000億円超を穴埋めしなければならないとか。政府分の損失には、2000億円超の債権回収益を充てたうえで、国民負担の軽減を目的に民間金融機関が設立した基金の運用益で埋める計画だが、低金利のあおりを受けて運用益は1600億円弱にとどまり、なお2000億円超の不足が生じる見通しとか。政府は来年度予算の概算要求で、不足分を手当することを検討したが、「さらなる税金投入は国民の反発を招く」(金融庁幹部)として断念し、手詰まり状態となった政府内からは「最後は民間金融機関に追加負担を要請するしかない」との声も聞こえ始めたとか。だが、金融界も別の基金などを使い、損失の半分を穴埋めしなければならない立場であり、民間に肩代わりさせようともくろむ政府に対し「国は15年前の約束をほごにするのか」(大手行幹部)と激怒しているとか。全国銀行協会の奥正之会長は「官民折半の原則を貫く方向で検討していただくほかない」とクギを刺しているとのこと。15年前の時点では、基金の運用利回りを年3%と見込み、国民負担は回避できるとの皮算用もあったが、国民と金融界のどちらに負担を求めても、政府の見通しの甘さを批判されるのは確実で、金融当局からは「15年前の問題を押しつけられた」とのぼやきも上がっているとか。落としどころを見つけるのは容易ではなく、官民両方から「波風を立てないためには、2~3年の先送りはやむなし」との雰囲気も強まっていると記事は伝える。


年金加入者が印影誤りを指摘

 朝日が12月4日に掲出した「「印影を間違えたから」94万人の通知再送付 年金機構 」〔勝亦邦夫〕は、国から公的年金の運営業務を委託されている日本年金機構が、間違った印影が印刷された国民年金保険料の通知を年金加入者に送っていたと報じる。千葉、新潟、長野の3県在住の約94万人分に上り、訂正版を再送付したとか。受注業者のミスのため、再送付にかかった費用は業者負担となったが、同機構は「不手際で迷惑をかけ、大変申し訳ない」としていると気じ゜は伝える。印影が間違っていたのは、国民年金保険料の控除証明書(10月1日付発行)で、所得税の確定申告などをする際に添付する書類だが、証明書は「歳入徴収官 厚生労働省年金局事業管理課長」名で出されるが、別の役職者の「支出官 厚生労働省年金局事業企画課長」と記された印影が印刷されていたとのこと。確定申告などで証明書を提出すれば、その年に支払った国民年金保険料の全額を所得控除できるが、印影が間違っていると証明書としての効力がないとの由。同機構によると、3県分を受注した業者が、別の受注業務のために保管していた印影を印刷したもので、機構は送付前に確認したが、気づかなかったとしているとか。証明書は10月下旬~11月初めに発送され、誤りに気づいた年金加入者からの連絡で判明したと記事は伝える。


政策コンテストを実施してみたが……

 毎日jpが12月1日に掲出した「政策コンテスト:AB評価6割強…かすむ政治主導 」〔谷川貴史、坂井隆之、高橋昌紀〕は、政府が1日、23年度予算で各省が政策を競い合う「政策コンテスト」の評価会議(議長・玄葉光一郎国家戦略担当相)を開き、189事業の評価結果を決定したと報じる。対象は「元気な日本復活特別枠」向けに各省が要望した事業で、A~Dの4段階評価のうち最高ランクのA判定には防衛省の「在日米軍駐留経費負担」(思いやり予算)など41事業を選定し、B判定だった78事業を含めて全体の6割強が高い評価を受けた一方、予算化が困難なD判定は27事業にとどまったとか。評価会議で玄葉氏はコンテストの意義について「(要望事業について)パブリックコメント(意見公募)や公開ヒアリングを行い、国民の前で予算編成を進めてきた。今回の評価に沿って、メリハリのきいた予算配分をしていきたい」と強調したとのこと。コンテストでA、Bの評価を受けた119事業のうち82事業は、政府が6月にまとめた「新成長戦略」や民主党マニフェスト(政権公約)の関連事業とか。コンテストの結果を受け、財務省は「特別枠」の財源を各省に配分するための本格的な査定作業に移るが、各省の要望が総額2.9兆円に達したのに対し、現在確保できている財源は1.3兆円程度に過ぎないため、コンテストでどれだけふるいにかけられるかが焦点だったところ、高評価のA、B判定だけでも要望額は計2.3兆円で、判定をどこまで予算額に反映させるかの基準も明確ではなく、絞り込み作業は難航必至と記事は伝える。特別枠は、各省庁が概算要求段階で歳出を22年度予算比で1割以上削減し、浮いた分のうち「1兆円を相当程度上回る額」を財源に充てるが、政府は、現在確保できている1.3兆円に加え、特別枠向け以外の予算要求をさらに削り込んで、特別枠の規模を2兆円に近づけたい考えとか。それでも、国債費を除く歳出を71兆円以下に抑える政府目標達成のためには、要望を1兆円前後絞り込まなければいけない計算との由。だが、「民間に任せるべきだ」「緊急性が高くない」などの理由でD判定が付いた事業の要望額はわずか312億円にとどまっており、要望額の削減・見直しが必要なB、C判定の事業についても削減幅は明記せず、要望する官庁側に交渉の余地を残していて、どの事業をどれだけ削るかの判断は、ほとんど財務省と要望側官庁の折衝に先送りされたのが実情と記事は評する。菅直人首相は1日、首相官邸で記者団に「雇用と成長を重視して(自分が最終的に)判断する」と強調したが、要望側官庁の抵抗は必至であり、求心力低下が著しい首相がどこまで指導力を発揮できるかは不透明で、財源の手当てができないまま特別枠が膨らむ恐れも否定できないと記事は説く。


りそなはあと6年で公的資金1兆3千億円を完済

 朝日が11月19日に掲出した「りそな会長、公的資金「十分に返済可」 当面の続投表明 」〔大日向寛文〕は、りそなホールディングスの細谷英二会長が朝日新聞のインタビューに答え、2016年度をめどに公的資金を事実上完済する計画について「最低水準の収益をもとに計画を立てており、十分返済できる」と語ったと報じる。りそなは5日、03年の実質国有化時に政府が買い上げた優先株の残り約1兆3千億円を今後6年間で返す計画を打ち出しており、ほぼ半分の6千億円は新たに普通株を発行する公募増資で集め、残りを積み上げた利益から返す方針とか。細谷氏は完済計画をまとめた理由について「金融規制が強化される流れがあり、手が打てる時に打っておかないといけない」と述べたとか。りそなは中核的自己資本の大半を公的資金が占めているが、今後の規制強化で公的資金が認められなくなる可能性があることに備えたものと記事は伝える。返済資金を利益の積み上げだけでなく、公募増資でも調達する理由については、米リーマン・ショック後に企業の借りようという意欲が低下して利益を上げにくくなったことを挙げ、公募増資を実行する時期は「今のところは白紙」と述べるにとどめたとか。細谷氏は03年の実質国有化時に会長に就き、公的資金完済にめどをつけることを退任の条件にしてきており、今回、事実上の完済計画を示したわけだが、進退については「半年、1年では計画が軌道に乗ったという評価はできない。2、3年という時間はどうしても必要だ」と話したとか。将来の後継は「今のメンバーの構成を軸に考えれば、良いトップチームを作れる」として、内部昇格を中心に検討する意向を示し、自らは「次はどの組織のトップも引き受けるつもりはない」と語ったとか。


三菱UFJが11年ぶりに納税

 毎日jpが11月15日に掲出した「三菱UFJ:11年ぶり法人税納税を再開へ 」は、三菱UFJFGの永易克典社長が15日の会見で、2011年度分から法人税納税を再開する見通しを明らかにしたと報じる。再開すれば旧東京三菱銀行が2000年度分を納付して以来11年ぶりとか。大手行は90年代以降の不良債権処理に伴い赤字決算を重ねたため、多額の繰越欠損金が発生しており、その後の黒字で欠損金が埋まるまでは法人税が発生していになったが、三菱UFJは計画以上の利益が上がれば、今年度分から納税する可能性もあるとか。大手行では住友信託銀行が今年度分の納税を予定しているとも。


 どうせ納税するなら、税率が低い方がよいと考えているわけではないんだろうな。


神戸市の市経理適正化外部検証委員会

 毎日jp兵庫ページが11月13日に掲出した「神戸市不適正経理:「市民の怒りは当然」 検証委が初会合 /兵庫 」〔吉川雄策〕は、神戸市の不適正経理問題で市が再発防止のために設けた「市経理適正化外部検証委員会」の初会合が12日に同市中央区の神戸国際会館であり、委員から、市職員へのアンケートや取引業者への意見聴取、他の自治体での取り組みの研究などを求める声が出たと報じる。委員会では、委員長の伊東武是弁護士が「生活を切り詰めてもきちんと納税している市民の怒りは当然。市民目線を忘れず任務を果たしたい」とあいさつし、市側が再発防止策の実施状況などの説明して、委員からは「市で一括購入するなど調達の効率化を検討すべき」「具体的な取引の流れをまず見たい」などの意見が出たとのこと。


日本学生支援機構の不手際

 毎日jpが11月12日に掲出した「日本学生支援機構:奨学金支給ミス相次ぐ 書類審査に不備 」〔藤田剛〕は、独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)の奨学金が、支給予定日の11日に入金されなかったケースが全国で相次いると報じる。書類を審査する手続きなどに不備があったため、振り込みが誤って停止されたとの由。同機構によると、対象は全国約400の国公立・私立大学などに通う約1050人で、未支給の総額は少なくとも約5000万円に上るとか。同機構は22日に改めて入金するよう準備を進めており、担当者は「大変申し訳ない。再発防止を図りたい」としていると記事は伝える。同機構の説明によると、誤って入金が停止されたのは、今年4月から奨学金を受け始めた学生の一部で、機構は今年度から、奨学金の貸与を始める際、連帯保証人や返済方法などを記した「返還誓約書」の提出を学生に義務付け、提出されなかった場合は貸与を停止するようにしたが、この誓約書の審査に不備があったとか。誓約書の提出期限は6月で、記載漏れなどがあった場合、8月にいったん学生に送り返し、9月上旬までに再提出するよう求めることになるが、その後、学生が期限内に誓約書を再提出したのに、機構側の審査やデータ処理が間に合わず、奨学金を管理するコンピューターシステムが誤って入金を停止してしまったとか。機構の担当者は「制度が変わり、事務量が膨大になった。スケジュールに無理があった」と説明しているとのこと。同機構の奨学金は、全国の大学・大学院生の3分の1以上にあたる約118万人が利用しており、無利子と有利子(上限3%)の2種類があり、月額3万円から20数万円の貸与を受けられるとか。


地方議員年金は廃止の方向

 毎日jpが11月12日に掲出した「地方議員年金制度:来年6月廃止で調整 公費負担、1兆円超 」〔笈田直樹〕は、政府が「平成の大合併」による市町村議員の激減で破綻が懸念される地方議員年金制度について、来年6月にも廃止する方向で最終調整に入ったと報じる。廃止後の保障などの条件を詰め、来年の通常国会に関連法案を提出する方針だが、廃止に伴う公費負担は1兆円を超える見通しで、抜本改革を先送りしてきたことに批判の声も上がりそうと記事は伝える。議員年金の掛け金を支払う現職議員は合併に伴い、21年度末までの5年間で3分の2の約3万6300人に激減する一方、受給者はほぼ横ばいの約9万3500人のままであり、現役世代の掛け金だけでは賄えず、既に公費を投入しているとのこと。計700億~780億円の年間支給額の約4割を都道府県や市町村が負担し、国が交付税で補てんしていて、計約350億円の積立金は市町村議員分が23年度、都道府県議分は33年度に枯渇する見通しとか。受給資格は在職12年以上と公的年金の25年と比べ短く、他の公的年金と重複加入できるため「特権的」との批判もあるとの由。10日の民主党地方議員年金プロジェクトチーム(PT)の会合では「存続は難しい」との意見が大勢を占め、党所属の地方議員2590人を対象としたアンケートでも、回答があった1249人(回答率48%)の72%が「廃止」を支持しているとのこと。ただ、廃止で生じる1兆円超の公費負担がネックであり、総務省の検討会が昨年末に示した案では、既に受給している元議員は現行通りとし、在職12年以上の現職議員は退職時に掛け金総額の64%の一時金を受けるか、現行通りの年金を選択できるとしているとか。公費負担は今後約60年間で1・12兆~1・35兆円となるとのこと。全国市議会議長会は一時金の割り増しを条件に廃止容認を総務省に伝えたが、都道府県、町村議会議長会は存続を要望しており、片山善博総務相は10月の記者会見で「当事者(地方議員)がどう考えるかが一つのポイント。国民にとってどうか、を一番最重要の視点として考えてもらいたい」と注文を付けているとか。