公会計の動向 -22ページ目

雇用・能力開発機構の職員はいったん全員解雇

 毎日jpが10月12日に掲出した「能開機構:廃止法案を閣議決定 」〔鈴木直〕は、政府が12日、厚生労働省所管の独立行政法人「雇用・能力開発機構」(能開機構)の廃止法案を閣議決定したと報じる。廃止方針自体は自公政権当時の20年12月に決まっており、法案は今国会で成立する見通しで、豪華施設の建設などを批判された同機構は来年3月末で廃止されると記事は伝える。法案は、▽来年3月末で能開機構を廃止、▽職業訓練機能は独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」(高障機構)に移管▽各地にある能開機構の下部組織、職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)などは受け入れを希望する都道府県に移管、が柱となっており、職員約3000人は全員解雇し、高障機構が改めて採用するとのこと。いったん全員を解雇するのは旧国鉄の分割民営化と旧社会保険庁の廃止時しか例のない措置で、昨年11月に長妻昭前厚労相が決定したとか。能開機構の前身、雇用促進事業団は中野サンプラザ(東京都)やスパウザ小田原(神奈川県)などの勤労者福祉施設を、雇用保険料を使って全国2070カ所に建設し、無駄遣いと指摘されて、能開機構は17年度までに順次売却・廃止したが、売却収入は127億円で総建設費(4500億円)の2.8%。約4割の施設は1万5000円以下で売却されており、その後も「私のしごと館」(京都府)の運営などで批判を浴びたとか。「全員解雇」はこうした批判を念頭に置いた方針だが、「無駄遣い」は政府の決定によるもので、「一般職員に責めを負わせるのは酷だ」との声も強く、大半の職員は再雇用される見通しとか。


高速道路会社の子会社への再就職を疑問視する報道

 朝日が10月4日に掲出した「高速3社からの天下り125人 子会社役員の4割 」〔歌野清一郎〕は、2005年に旧日本道路公団を民営化して設立された東日本、中日本、西日本の高速道路3社が、退職者125人を子会社・関連会社の役員に「天下り」させていることが、朝日新聞の調べでわかったと報じる。天下りへの厳しい批判で05年度の旧公団出身のファミリー企業役員はいったん107人まで減ったが、民営化後、子会社・関連会社では増えていたとのこと。朝日新聞の調べでは、高速3社はこの5年間で子会社・関連会社に計339の役員ポストを用意しており、今年7月時点では、その4割近い125人を旧公団と高速3社の退職者が占め、3社からの現役出向は157人、役員総数の8割が旧公団と高速3社の出身者で、子会社・関連会社出身の役員は57人にとどまっているとか。旧公団は、道路管理などの業務をファミリー企業74社に随意契約で競争なしに受注させてきており、こうした中で旧公団からファミリー企業への天下りは頻繁に行われ、例えば01年度は324人を数えたとか。政府は旧公団にファミリー企業への天下り自粛を要請し、民営化の前後で減少しているが、一方、高速3社はこの5年でファミリー企業の統廃合を進めて新たに子会社・関連会社を計58社設立していて、05年度で107人まで減っていた旧公団退職者の役員は、再び増加に転じているとのこと。こうした状況について、高速3社は「民間のグループ経営では、親会社の退職者が子会社役員になるのは一般的なこと。個人の知識や経験などを考慮した上で、今後も登用していく」としているとか。記事は、高速3社の株は今も政府が100%保有し、「休日上限1千円」値下げや一部区間の無料化には多額の税金が投入されていて、本来は料金値下げに振り向けられるはずの高速料金収入が、今も退職者の天下りの給与に使われていることになるとしているが、高速道路3社が民営化を前提としていることを忘却した議論。記事は、旧公団をめぐっては、ファミリー企業がため込んだ約1千億円に及ぶ剰余金も問題視され、民営化当時の自公政権下で、退職金支払い分などを除いた約200億円を高速3社が回収して利用者に還元することになっているが、現時点の回収額は150億円で、利用者に還元された実績は34億円にとどまるとしている。高速3社などでつくる「高速道路関連社会貢献協議会」によると、一部のファミリー企業からの回収が滞っているとか。利用者への還元方法についても、トイレ整備などは高速3社の本来の事業と重なって難航しており、大学への研究助成やAED(自動体外式除細動器)設置なども手がけてはいるが、総額で毎年4億~16億円規模にとどまっているとか。


 「天下り」が問題なのは、「天下り」先を確保するために不要な委託を行わせているのではないか、との疑念を抱かせるためであり、その検証を抜きにして外見の類似性だけで記事にするというのは少し強引。


早期健全化団体数が減少

 NHKが9月28日に掲出した「早期健全化団体は13市町村 」は、総務省によると、平成21年度の決算で早期に財政の健全化を求められる基準に達している地方自治体が13の市町村で、前の年度より8団体減ったと報じる。地方公共団体財政健全化法は、一般会計などに占める赤字の割合や、地方債の返済額の割合などに基準を設け、財政が悪化している自治体に早期に健全化する取り組みを促しているが、この法律に基づいて、総務省が、平成21年度の全国の自治体の決算を調査したところ、自主的に財政健全化を図ることが困難とされる基準を超えている「財政再生団体」は、前の年度と同様、北海道夕張市だけであり、また、早期に財政の健全化を求められる基準に達している「早期健全化団体」は、沖縄県伊是名村や北海道洞爺湖町など13の市町村で、前の年度より8団体減ったとのこと。「早期健全化団体」を脱した自治体では、公共事業を中心に新規の事業を抑制したほか、職員の給与を減らしたうえに定員をおよそ25%削減するなどして、債務を償還するための財源を生み出したところもあったとか。今回の調査では、早期健全化団体の数が減り、地方財政の健全化に一定の前進がみられるが、地方債を発行するために総務大臣や知事の許可が必要となる基準に達している自治体は約300に上っており、地方自治体の財政は依然として厳しい状況が続いていると記事は伝える。


メーカーのF15契約期間延長要請を拒否

 東京新聞が10月1日に掲出した「F15偵察機化で東芝契約解除へ 防衛省 」〔共同〕は、防衛省が1日、F15戦闘機1機に偵察機能を備える改修事業を受注した東芝が、9~10月の予定だった納期を24年春まで猶予するよう求めたのに対し、これを承認しないと発表したと報じる。東芝が必要な部品を外国から調達できず、納期を猶予しても同省が要求する飛行や撮影の性能を満たすことができないためで、今後契約を解除する見通しとか。防衛省が納期猶予の申請を認めないのは異例だが、新たな改修事業は早くても24年度以降になり、当面は現行のRF4E偵察機を活用するとのこと。防衛省によると、改修は機体下に偵察用の光学カメラや赤外線カメラなどを収納するタンクを取り付け、地上の受信システムを設置するもので、東芝が19~20年度の随意契約で計約100億円で受注したとの由。東芝への支払いはまだ行われていないとか。


公表資料:F-15偵察機化試改修事業に係る契約の納期猶予不承認について


大分県が美術館を作ろうとしている

 朝日サイト大分ページが9月29日に掲出した「検討委、新美術館建設求める素案「芸術会館は機能不足」 」は、老朽化した県立芸術会館に代わる新しい美術館の建設の是非を検討している大分県美術館構想検討委員会(委員長、澄川喜一・東京芸大名誉教授)が、現在の芸術会館では機能が不足しているとして、新美術館の建設が必要だとする素案をまとめ、11月に広瀬勝貞知事に答申すると報じる。委員会は知事の諮問を受けて開かれており、新美術館の機能について、他県の美術館を参考にした上で1万1千平方メートル以上の延べ床面積と、3千平方メートル程度の展示スペースを持つ建物が必要とし、新たに別の場所に建てるべきだとしているとか。県文化スポーツ振興課によると、同程度の延べ床面積の美術館は、長崎県美術館が63億円程度、島根県立美術館が110億円程度の建設費がかかったとの由。また、委員会は新美術館のコンセプトについて「大分らしい美術館」とし、県民が「自分たちの応接間」だと思える美術館としていくなどとしていて、管理運営方法や館長やスタッフに求められる人物像なども示しているとのこと。新美術館の建設を巡っては、別府市が誘致活動に乗り出しているほか、由布市議会が28日、誘致活動に取り組むことを決議しているとか。


中部空港の9月半期決算は黒字

 MSN産経ニュースが9月17日に掲出した「中部空港3年ぶり黒字へ JAL撤退…LCC誘致に注力 」は、中部国際空港会社(愛知県常滑市)の川上博社長が16日の会見で、平成22年4~9月期の最終損益が黒字を確保できる見通しになったことを明らかにしたと報じる。黒字になれば3年ぶりとか。黒字幅は明らかにしていないが、数億円を確保したとみられると記事は伝える。昨年12月に週255便にまで落ち込んだ中部発着国際線便数が週292便(貨物便除く)まで回復して着陸料収入が増えており、今年4~8月の国際線旅客数も前年同期比15%増で、免税店の売上高も同19%伸びたとのこと。23年3月期業績見通しは、経営再建中の日本航空による路線撤退などで「大きなマイナス影響が想定される」として、格安航空会社(LCC)を中心にした近距離国際線の新規路線誘致に力をいれるとか。


週3日の勤務では常勤と言えない、との最高裁判決

 東京新聞が9月10日に掲出した「茨木市、臨時職員のボーナス違法 最高裁「常勤は支給可」 」〔共同〕は、大阪府茨木市で条例の定めなく臨時職員に支給したボーナスの違法性が争われた住民訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷が10日、支給を違法と認めたものの、「実務上、解釈が定着していなかった」などとして野村宣一市長の過失を否定し、市長に約6600万円の賠償を求めるよう市に命じた一、二審判決を破棄して住民の請求を棄却したと報じる。裁判長は条例の定めのない支給を違法としたほか、「勤務時間が正規職員に準じ、『常勤』と評価できる場合にのみボーナスを支給できる」との初判断を示した上で「今回は週3日の勤務で、常勤といえず違法」と指摘したとか。茨木市は17年に臨時職員にもボーナスを支給できるよう条例を改正したが、判決はこの条例についても「金額や支給方法が決まっておらず、違法」と述べたとのこと。ある裁判官は補足意見で「茨木市だけでなく、今後は各自治体が条例の適法性を速やかに調べ、違法状態を解消しなければ市長が損害賠償責任に問われることになる」と警告したとか。


国管理の空港の損益を公表

 東京新聞が9月10日に掲出した「国管理の20空港が営業赤字 07年度収支試算 」〔共同〕は、国土交通省が10日、羽田など国が管理する26空港の19年度個別収支の試算を発表したと報じる。着陸料などの自前の収入で空港整備経費などを賄えない営業赤字が福岡、那覇など20空港に上っており、黒字は新千歳、大阪(伊丹)、熊本、鹿児島と18年度の赤字から黒字に転じた羽田と小松の計6空港だったとか。国管理空港の収支を企業会計に準じた方法で計算して公表するのは、空港運営の透明化を図ることで、効率的な経営を進めるのが狙いで、18年度に続いて2回目とか。26空港全体の営業損益は約98億円の赤字で、18年度に比べ約137億円赤字が縮小しているとのこと。空港別の赤字トップは福岡の約58億円、次が那覇の約53億円でいずれも空港内の民有地の借り上げ費用がかさむのが主因であり、黒字の最高は着陸料収入が多い羽田が約91億円で、これに大阪の約37億円、新千歳の約23億円が続いているとか。


公表資料:平成19年度空港別収支試算結果の公表について


土地改良団体連合会の政治性

 東京新聞が9月5日に掲出した「土地改良事業団体連合会 32議員が役員兼職 」は、政治的中立性を確保するため、議員の兼職自粛が求められている都道府県の土地改良事業団体連合会(土連)の役員を、国会議員や都道府県議計32人が8月時点で務めていることが、同紙の調べで分かったと報じる。農林水産省が兼職自粛を求める通知を出した1月以降に選任された議員も11人おり、改良区側が通知に従っていない実態が浮かんだと記事は伝える。同紙の調べでは、21府県で国会議員5人、県議27人が土連の役員に就任しており、全員が保守系会派に所属していて、うち30人は自民系とか。議員が会長を務めているのは茨城、新潟、福井、岐阜、兵庫、和歌山の6県で、岐阜県会長の渡辺信行県議は、全国土地改良事業団体連合会(全土連)の代表監事を兼任しているとのこと。多くの議員は地元の土地改良区の理事長を務め、推薦を受けて土連の役員に就いているが、福井県会長の山崎正昭参院議員や和歌山県会長の二階俊博衆院議員は、学識経験者扱いになっているとか。役員の任期は3~4年で、今年1月以降に選任・再任された議員は茨城、群馬、埼玉、千葉、神奈川、長野、和歌山、山口、福岡の9県で11人いたとのこと。年間報酬は数十万円台が中心であり、多くの土連では、規定で退任慰労金が支払われるとのこと。年間報酬は、新潟県会長の三富佳一県議の百万円が最高で、二階氏や兵庫県会長の西村康稔衆院議員、徳島県理事の山口俊一衆院議員ら4人の国会議員は報酬を辞退しており、宮城と茨城、千葉県の土連は、取材に対し具体的な報酬額の公表を拒んだとか。農水省は1月、全土連に対し、土地改良区の政治的中立を求める会長あての通知を出し、特定政党の影響を避けるため、改良区の役員を議員が兼職しないよう求めていたとか。同省農村振興局土地改良企画課の担当者は「通知に強制力はないが、徐々に趣旨が理解されていくよう期待している」とコメントしており、全土連企画研究部の担当者は「全国の土連に通知を配布した。指導を踏まえ、特定の組織や政党に影響されることなく業務を行っている」と話しているとか。


定款で定めることになっていて役員報酬算定規則が存在せず

 東京新聞が8月20日に掲出した「役員報酬の算定方法不明 大阪府民共済 」〔共同〕は、法律で義務付けられた手続きを取らず前理事長に退職金を支払ったことが発覚した大阪府民共済生活協同組合(大阪市)で、一般の給与に当たる報酬について算定方法を規則で定めていなかったことが府民共済への取材で分かったと報じる。どのように金額を決定したかは、府民共済も「分からない」としているとか。府民共済によると、役員報酬の年総額は、加入者の代表で構成する「総代会」に諮られていたものの、配分は松本一鶯前理事長が決定しており、各役員にそれぞれの報酬金額を提示するだけだったとか。府民共済の定款では、役員報酬の算定方法は規則で定めるとしているが、規則は存在せず、松本前理事長が5月に退任し、新執行部となってから「不透明との批判は免れない」などとして、規則を定めようとしていたとの由。2009年度の役員報酬は、14人分(非常勤役員を含む)で総額約1億5千万円だったとか。