公会計の動向 -23ページ目

茨城県住宅供給公社は破産の途を選択

 朝日が8月20日に掲出した「茨城県住宅供給公社、全国初の破産へ 県が議会に報告 」は、茨城県が、県住宅供給公社を破産にする方針を固めたと、県議会の特別委員会に19日に報告したと報じる。県や政令指定都市の外郭団体の住宅供給公社で解散の例はあるが、破産は全国初とか。同公社は、民間金融機関や県、住宅金融支援機構などから494億円(8月1日現在)の借入金があり、経済状況の悪化などで売れ残りの土地を多く抱えて、多額の債務超過に陥っているとのこと。200ヘクタール超の土地を保有しているが、売却して借入金を完済することはきわめて困難と県は判断し、破産を選択したとの由。債務返済のための「第三セクター等改革推進債」の議案が9月の県議会で可決されれば、破産手続きに入る見通しと記事は伝える。


 日経電子版が9月28日に掲出した「茨城県住宅供給公社が破産申請、三セク債発行へ 」は、茨城県の第三セクター、茨城県住宅供給公社が28日、水戸地方裁判所に破産を申請したと報じる。住宅供給公社の破産は全国で初めてとか。バブル期などに購入した土地の売却が進まず、地価下落で多額の債務超過に陥っていたもので、県は三セク処理のための地方債である「第三セクター等改革推進債」を381億円発行し、金融機関への借入金の返済などを肩代わりするとか。同日、公社の理事会を開いて破産申し立てを決めたとの由。公社は8月現在で494億円の借入金と200ヘクタール超の土地を抱えており、借入金のうち民間金融機関分については県が債務保証しており、地方債で調達した資金で返済するとのこと。今後、裁判所が破産手続きの開始を決めれば、公社の保有土地は破産管財人によって処分されることになるとか。


予算削減が苦手の民主党政権?

 東京新聞が8月19日に掲出した「国立大交付金を本格増額 文科省、11年度概算要求で 」〔共同〕は、文部科学省が、23年度の概算要求で、国立大学法人の運営費交付金について、22年度予算(1兆1585億円)に比べ、数%程度の本格的な増額を求める方針を固めたと報じる。要望が認められれば16年の法人化に伴う交付金制度の導入以来、削減が続いていた路線を転換するもので、初の増額とか。また私学助成費(22年度予算4390億円)も数%増を要求するとのこと。同省は、6月に政府が閣議決定した新成長戦略や民主党マニフェスト(政権公約)に、国際社会に通用する人材の育成が盛り込まれたことを重視し、大学側の強い要望も踏まえ「大学教育は人材養成の基盤。十分な運営費の確保が不可欠」(同省幹部)と判断したとの由。増額分は、授業料免除枠の拡大や国立大付属病院の支援充実、国立研究機関の新事業展開などに充てる方針とか。国立大の運営費交付金は人件費を含めた経常的経費を賄う大学の主要財源であり、16年の法人化以降、18年に閣議決定された「骨太の方針」などに基づき、毎年1%程度の減額が続いていたが、21年の政権交代に伴い、民主党中心の政権は削減方針を撤廃したとのこと。


 予算削減が嫌いな民主党?


年金福祉施設等の売却完了

 日経電子版が8月17日に掲出した「年金施設の売却、2185億円止まり 費用の回収1~2割」は、独立行政法人、年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)が17日、政府が年金と健康保険の保険料を使って整備した福祉施設を売却し、2185億円を回収したと発表したと報じる。経費などを除いた国庫への納付額は総額2023億円になる見通しで、政府が建設と維持費に充てたのは1兆1300億円で、その2割程度しか回収できなかった計算と記事は伝えるだけで、減価償却については触れずに、「保険料による施設整備について、かねて「ムダ遣い」とする批判があったが、それを裏付けたといえそうだ」と煽る。RFOは、国の指示を受け、民間企業や個人、自治体を対象に300施設の売却を進めているが、8月4日に全施設の売却契約を結んだもので、売却総額は2185億円となっていて、これらの施設の国有財産台帳価格は6562億円だが、2001億円に時価評価した形で政府から現物出資を受けていて、RFOとしては184億円の売却益を上げたと説明しているとの由。政府は1960年から2000年ごろにかけて「福祉の増進」を目的に、全国各地に福祉施設として厚生年金会館やスポーツセンター、健康保養センターなどを建設し、年金保険料などから建設費や運営・維持費を出してきたが、保険料のムダ遣い批判を受け、政府は施設を売却する方針に転換し、17年10月にRFOを設立して、300施設を承継させており、この300施設の売却が終わったことで、次の焦点は、旧社会保険庁の傘下にあった社会保険病院と厚生年金病院の扱いに移るとか。これらの施設は、20年の旧自公政権時代にRFOに移したものの、地域医療に与える影響を考慮して事実上売却を凍結しており、経営が立ちゆかなくなった社会保険浜松病院のみ厚労相の指示で36億円で売却しているが、残りの52の社保病院と10の厚年病院は宙に浮いたままとか。昨年の政権交代後、長妻昭厚労相は新たな受け皿となる独立行政法人を設立して公営を維持する考えだったが、法案は廃案となっており、与野党で協議して、国会で自民党案を丸のみする形でRFOの存続期間を2年間だけ延ばしてひとまず落ち着いた形となっているが、2年後は病院の運営母体がなくなるため、医療現場では先行きの不透明感が漂うと記事は評する。長妻厚労相は8月6日の記者会見で「今後は地元の自治体のヒアリングをしていく。どういう枠組みが適切かは検討課題にしていく」と述べるにとどめたと記事は伝える。


公表資料:年金福祉施設等の譲渡完了について


 東京新聞が8月17日に掲出した「RFO、全国の年金施設完売 理事長「疑問ある施設も」 」〔共同〕も、独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)が17日、国から売却対象として譲渡された全国の健康福祉センター(サンピア)など301施設すべての譲渡が完了したと発表したと報じるものだが、記者会見した水島藤一郎理事長が「意味のある施設は高値で売却できたが、大規模保養施設などでは簿価が数十億円でも5~10億円でしか売れないケースもあった。それだけの保険料を掛けてやるべき施設だったのか疑問がある」と述べたと報じる。譲渡先は自治体や民間企業などで、売却総額は約2221億円で、RFOが国から施設譲渡された時点の評価総額約2015億円を上回っており、水島理事長は「二次ロスを防げた」と強調したとのこと。経費などを差し引いた約2023億円が国庫に返納される見込みとか。厚生労働省によると、全施設の建設や維持に、保険料など約1兆4千億円が投入されたとみられると記事は締め括っているが、余計な誹謗はしていない。


文化庁の補助金で不適切受給

 朝日が8月14日に掲出した「発掘29事業で補助金不正受給 1023万円すでに返還 」は、国の補助金を受けた地方自治体の遺跡発掘調査事業で、未発行の発掘調査報告書を刊行したように装うなど、過去約10年間の29事業について補助金の不正受給があったと報じる。文化庁は2県17市町村(当時)に対して補助金(総額約1023万円)の返還を求め、いずれの自治体も不正を認めて応じているとの由。不正受給をしていたのは、愛知、三重の2県と、岩手県、長野県、静岡県、奈良県、京都府、鳥取県、熊本県、長崎県、宮崎県、沖縄県内の17市町村で、このうち最も多かった15事業が、発掘調査報告書の作成に関するもので、報告書が完成していないにもかかわらず、刊行したように装って作成費を受給していたとのこと。このほか、発掘調査や遺物の整理に従事した人の賃金をその勤務日数を水増しすることで過大に請求したり、市が負担すべき発掘調査に補助金を流用したりした事例もあったとか。また、対象外の消耗品を購入したのに調査資料を整理するための消耗品を購入したと報告したケースや、補助金の対象外の業務についての旅費を計上していたケースもあったとのこと。文化庁によれば、今のところ、これらの補助金の私的な流用は確認されていないとか。


三セク債の活用が始まった

 日経電子版が8月7日に掲出した「北関東の不振3セク、処理始動 住宅・森林開発の公社対象に」〔水戸支局 大林卓〕は、北関東で経営の悪化した第三セクターの処理が進み始めたと伝える。解散などで発生する資金負担を地方債で賄う「第三セクター等改革推進債」を国が創設したことで、自治体が決断しやすくなったと記事は伝える。茨城県高萩市は市住宅公社の解散を決め、栃木、群馬両県も森林開発にかかわる公社の整理を検討しているとか。ただ、三セク債は25年度までの時限措置であり、経営が厳しい三セクはまだ多く、各自治体は迅速な判断を迫られると記事は評する。記事は、高萩市の三セク、市住宅公社が開発した「グリーンタウンてつな住宅団地」について、バブル崩壊後に事業化したが分譲が思うように進まず、分譲済みは当初計画の2割程度であり、13万7000平方メートルが未造成のままとなっていて、地価下落も響き債務超過に陥ったとし、有識者による検討委員会は1月に市に早期の解散処理を提言しており、公社理事長でもある草間吉夫市長は「過去の責任を問うのではなく、負債をどう処理するかが重要」と、6月に破産処理に踏み切ったと伝える。解散にあたり市は住宅公社が金融機関から借り入れた47億円を損失補償する必要があるが、市の財政力で一括返済は実質的に不可能なため、検討委は三セク債活用を打ち出したとのこと。市長も「三セク債は早期処理に欠かせない制度だった」と強調しており、市は今秋にも47億円の地方債を発行し、利子を含めて18年間をめどに償還するとのこと。それでも年間の負担は約3億円に達し、「市全体で痛みを分かち合うしかない」としているとか。茨城県の住宅供給公社も同様に債務超過が膨らみ、県は三セク債を使って解散させる方針を決めていて、関連議案を9月議会に出す予定で、発行額は380億円に達する見通しとか。


新潟県信用組合が県OBに退職金を支給

 毎日jp新潟ページが8月4日に掲出した「県信用保証協会:県OB職員に退職金 県、不支給要請 /新潟 」〔小川直樹〕は、新潟県が、県出資法人に対して県OB職員への退職金を支給しないよう要請していたにもかかわらず、新潟県信用保証協会(新潟市)が退職金を支給していたと発表したと報じる。再度、退職金不支給を同協会に要請したとのこと。県人事課によると、天下り批判を受け、16年12月に出資法人27団体に対し県OB職員に退職金を支給しないよう要請していたが、現時点でOBがいる25団体に県が改めて確認したところ、県部長級だったOB1人に同協会が21年度末に退職金を支給したことが判明したとの由。県は金額についてはプライバシーを理由に明らかにしていないとか。同協会は「在任中の功績があった場合に、慰労金として(OBに)支給していた。自動的に支払う退職手当とは一線を画していた」としながらも、「今後は県の意向に沿って運用を改めたい」とコメントしたと記事は伝える。ほかの24団体に支給実態はなかったとのこと。


返済機構が頑張っている

 東京新聞が8月4日に掲出した「高速道路負債は30・4兆円 09年度末、返済進む 」〔共同〕は、日本高速道路保有・債務返済機構が4日、21年度決算を国土交通省の独立行政法人評価委員会分科会に報告したと伝える。21年度末の有利子負債残高は30兆4452億円で、当初計画より5661億円少なかったとか。同機構は返済が進んだ理由について「債務の借り換えにより金利コストが抑えられたことが大きい」と説明しているとのこと。21年3月に始まった「休日上限千円」などの料金割引で高速道路6社の料金収入が減ったことを受け、21年度から高速道路の貸付料を大幅に減額しているため、経常収益は前年度比3611億円減の1兆4315億円となったとか。高速道路機構は17年、旧日本道路公団などの民営化に伴い、道路資産と債務を引き継ぐ形で発足し、高速道路各社からの貸付料収入により、約40兆円(当時)を45年かけて完済することになっている。


公表資料:【記者発表】高速道路機構平成21事業年度決算承認、及び決算に合わせて開示する高速道路事業関連情報について


 ここのトップはまとも。


 日経電子版が8月17日に掲出した「旧道路公団の債務返済、計画を上回る 残高31兆円に減少」は、旧日本道路公団などから債務を引き継いだ日本高速道路保有・債務返済機構の22年度4月1日時点の債務残高が31兆935億円となり、前年度と比べて2313億円減ったと報じる。残高は計画に比べて5878億円低い水準であり、これは、高速道路会社が機構に支払うリース料は想定を下回ったものの、低金利による調達コストの低下などで債務返済が計画を上回るペースで進んでいるためと記事は伝える。同機構は旧道路公団の資産と債務約38兆円を引き継ぎ17年10月に発足しており、高速道路各社に資産を貸し付ける代わりにリース料を徴収し、45年で債務を完済する仕組みだが、債務残高のうち有利子借入金の残高は30兆4452億円で、計画を5662億円下回っているとのこと。高速道路会社から機構が新規に引き受けた債務が想定を下回る一方、低金利により支払利息が計画比1166億円減ったため、計画以上に返済が進んだとの由。17年10月に債務を引き継いでから4年半で債務残高は約7兆円減っており、高速道路料金の引き下げ(休日上限1000円)などに伴い国が補てんした2.9兆円を除いても、4兆円程度返済した計算とか。民主党がめざす高速道路無料化は、国が税金を投入して債務返済に必要なリース料を肩代わりする仕組みで、現行制度では順調に債務返済が進んでいるだけに、慎重な制度設計が必要との声が出ていると記事は話を広げている。


特会にゆとり無し

 日経電子版が7月31日に掲出した「特会積立金11.4兆円減 昨年度決算 埋蔵金活用、余地少なく」は、財務省が30日、21年度の国の特別会計決算の概要を発表したと報じる。「霞が関埋蔵金」と言われる積立金は約182.4兆円で、20年度と比べて11.4兆円減少したが、年金支払いへの備えなど保険事業が8割を占めるとのこと。特会の歳入から歳出を差し引いた剰余金も実質的に減少しており、埋蔵金活用の余地は徐々に狭まっていると記事は伝える。積立金は保険事業の特会で144.3兆円、国債償還に充てる国債整理基金特会は12.5兆円に上るが、一般的に取り崩しは難しいとされ、財政投融資特会は4.9兆円の積立金のうち、22年度の一般会計予算の財源として4.8兆円の活用が決定済みであり、外国為替資金特会が有する積立金は20.6兆円だが、保有する外貨資産の為替評価損が21年度末に過去最大の26.3兆円に膨らみ、積立金を上回ったとか。フローベースの剰余金は29.8兆円と20年度と比べて1.3兆円増えたものの、国債整理基金特会の剰余金を除くベースでは3兆円減っており、外為特会の剰余金は2.9兆円だったとか。


国税の滞納が減少

 MSN産経ニュースが7月27日に掲出した「国税滞納残高、19年ぶり1兆5千億円下回る 」は、平成21年度の法人税や消費税など国税の滞納残高は、前年度比3・8%減の1兆4955億円となり、11年連続で減少したことが国税庁のまとめで分かったと報じる。滞納残高が1兆5千億円を下回ったのは平成2年以来、19年ぶりで、同庁は「景気低迷で税収が減った分、滞納も減ったのではないか」とみているとか。滞納の新規発生分も前年度比16・8%減の7478億円となり、特に法人税分が前年度比41・4%減の1074億円と大幅に減ったのが目立ったとのこと。一方、滞納者への債権取立などの訴訟提起件数は、前年度比40件増の226件に上り、納税資金があるのに払わない悪質な滞納への対応を強化させている状況をうかがわせたと記事は伝える。


非常勤の会長に謝金として1300万円/年

 朝日が7月26日に掲出した「経産省が公益法人の報酬実態調査 謝金1300万円問題 」は、経済産業省所管の財団法人「石油開発情報センター」が官僚OBの非常勤の会長に約1300万円の「謝金」を支払っていた問題で、同省の政務三役会議が26日、「社会常識として通用しない」として、所管の公益法人で同様の事例がないか早急に実態調査することを決め、そのうえで、関係団体の処分などを決めると報じる。会議後に会見した近藤洋介政務官は「謝金が違法とは言えないが、週3日の勤務で年1300万円の(会長への)謝金は非常識。他の(法人の)状況も調べて、どういう対応を取るかを考えたい」と述べたとか。同省によると、所管の公益法人は738あるとのこと。石油開発情報センターは、財団法人の根本規則で、非常勤の理事10人は「無報酬」と公表する一方、旧通商産業省OBの非常勤の会長に、役員報酬でない謝金として年約1300万円を支払っていたとか。