公会計の動向 -25ページ目

漁業でも所得補償?

 朝日が7月6日に掲出した「新潟県が甘エビ漁に所得補償検討、漁獲枠定め資源管理 」〔古屋聡一〕は、新潟県が漁獲量が減少した甘エビ(ホッコクアカエビ)漁業について、資源管理のために漁獲枠を漁船ごとに割り当てる制度を導入し、あわせて漁業者への所得補償を行う方向で検討に入ったと報じる。実現すれば自治体としては初の取り組みとなるが、水産資源の保護が漁業経営の安定につながると判断したとの由。新潟県の甘エビ漁は、新潟、上越、佐渡を中心に行われており、20年の漁獲量は584トンで北海道、石川県に次いで全国3位だったが、過去の乱獲が影響し、ピーク時の1254トン(昭和47年)の半分の水準とか。水揚げされる甘エビの約4割がサイズが小さく、数年後には漁獲量がさらに減少する可能性があるとのこと。新潟県は今回の漁獲量の規制により、資源量を回復させ、高く売れる大きいサイズの甘エビが多くとれるようにする考えで、漁獲量が回復するまでは漁業者に所得補償や融資の実施を検討するとのこと。新潟県は平成21年度からコメ農家に独自の所得補償を実施しており、6日から始まる漁業、流通業者、専門家を集めた委員会での議論を踏まえ、制度設計を進めるとの由。早ければ23年度からモデル事業として実施する計画とか。新潟県の泉田裕彦知事は「将来的には国に取り組んで欲しいが、まず、甘エビから漁業の復活に向けて取り組んでいきたい」と話しているとのこと。


 ニシン御殿などという話が今後はない、ということなのか?

公的年金運用で方法を検討中

 東京新聞が6月30日に掲出した「厚生・国民年金の市場運用 昨年度、9兆円超黒字 」は、21年度の厚生年金と国民年金の積立金の市場運用が9兆円超の黒字となり、「年金積立金管理運用独立行政法人」が近く発表すると報じる。単年度の運用実績が黒字に転じたのは3年ぶりで、本格的に市場運用を始めた13年度以降、過去最高の黒字額とか。20年度はリーマン・ショック後の世界的な株安と円高による為替差損が影響し、過去最悪の9兆6670億円の赤字だったが、21年度は市場が緩やかに持ち直したことから、20年度の損失をほぼ取り戻した結果となったと記事は評する。積立金は長期で運用されており、単年度の黒字により年金受給額が変わるわけではないが、年金財政にとってはプラスの要因となると記事は伝える。厚生労働省によると、積立金の運用資産額(時価)は昨年末で約122兆5千億円で、構成比は、国内株式11%、国内債券69%、外国株式10%、外国債券8%、などとなっており、積立金運用をめぐっては、原口一博総務相が20年度の巨額赤字を受け、新興国への投資など積極運用を求めているが、長妻昭厚労相は「国民から『投資をしてほしい』として預かっているお金ではない」として安全運用を主張していて、総務、厚労両省は検討会を設置して積立金運用の在り方を検証しており、巨額赤字から回復したことで議論にも影響を与えそうと記事は伝える。


ビジネスクラスの利用

 東京新聞が6月30日に掲出した「ビジネスクラスでの出張 独法6割が職員にも許可 」は、財務省が29日、予算執行調査の結果を公表し、それによると、独立行政法人と国立大学法人の約6割が、海外出張規定で役員以外の幹部や一般職員にも航空機のビジネスクラス利用を認めていたと報じる。国家公務員の基準に比べて緩く、同省は各法人に対し見直しを求めるとか。調査対象は188法人のうち、規定がある183法人で、国家公務員は本省課長以上に限っているビジネスクラスの利用を、111法人が幹部や一般職員にも認めていたとか。政府の場合、原則として大臣しか利用できないファーストクラスは、60法人が理事長に認めており、役員に認めているのが13法人、2法人は役員以外の幹部と一般職員にも許可していたとか。21年度の海外出張件数に占めるビジネスクラスの幹部・一般職員の利用割合は平均13%であり、50%を超えた6法人を調査したところ、出張規定でエコノミークラスの正規運賃より、ビジネスクラスの割引運賃が安い場合はビジネス利用を認めており、財務省は可能な限りエコノミーを利用するよう求めたとの由。予算執行調査は同省が予算の使われ方を調べる仕組みで、問題点があれば各省庁に改善を求めるが、今回は83件を対象としており、調査が終わった54件のうち8件で事業の廃止や抜本的見直しを求めているとのこと。


公表資料:独立行政法人及び国立大学法人等の海外出張旅費 [PDF 51kb]


 飛行機の中で良い仕事をさせるためにはビジネス・クラスにするべきだろう。処遇について「何を求めるのか」抜きに語るべきではない、と思う。


内部点検が不足している事例

 読売が6月24日に掲出した「収入149万に税金115万!35倍の誤請求 」は、青森市が市内の40歳代の会社員女性に、今年度の市民税・県民税を本来の約35倍の額で請求したが、市の担当職員が女性の収入を1けた多く計算したミスが原因と分かって、謝罪文とともに正しい納税通知書を送付したと報じる。市市民税課によると、女性の勤務する会社を通じて市に提出のあった給与支払い報告書には、収入が149万4341円と印字されていたのに、数字の一部が金額を記載する枠と重なっていたため職員が手書きで訂正し、その際に誤って「1449万4341円」と1けた多く記入したとのこと。これにより女性には今月中旬、本来は3万2800円であるはずの市民税・県民税が115万5500円として請求されたとか。女性の指摘で発覚し、市の調査でミスと判明したとの由。


日本原子力研究開発機構の関連会社

 産経関西が6月19日に掲出した「天下り先 公金で丸抱え OB268人、随意契約170億円 」は、高速増殖炉「もんじゅ」を運営する独立行政法人「日本原子力研究開発機構」のOB268人が、施設保守管理会社「日本アドバンストテクノロジー」(NAT)など35の関連法人に再就職し、少なくとも8法人で、売上高(平成20年度)に占める機構からの受注額の割合が8割を超えていると報じる。機構の運営費の9割は国からの支出に頼っており、OBが天下る関連法人を公金で“丸抱え”している実態が浮かび上がったと記事は評する。原子力機構の公表資料や関係者からの聞き取りなどを基にした産経新聞の調査によると、20年度時点で機構OB93人が関連法人の役員に就任し、175人が従業員や顧問などとして再就職しているが、原子力機構と関連法人との契約総数1465件、約326億円のうち競争性のない随意契約は577件、約170億円で、金額ベースで52%にのぼっており、一般競争入札が行われているケースでも「1社応札」が64%を占めているとか。原子力機構には国から運営費の9割に当たる年約1800億円が毎年支出されており、このうち1割近くがそのまま関連法人に流れている格好と記事は伝える。役員8人中5人が原子力機構OBのNAT社の場合、20年度の総売上高21億4500万円のうち、機構からの受注額は17億7900万円と83%を占めており、利益金は約2400万円、過去3年分でも、機構からの受注額は83~89%と大半を占めているとのこと。民間信用調査会社によると、NAT社は元年に設立され、本社は茨城県東海村の原子力機構の敷地内にあり、社長は歴代、原子力機構から受け入れているとのこと。NAT社側は「当社の営業は先端的・専門的知見が求められる分野で、結果的に原子力機構の仕事を多く受注している。経験豊富な機構のOBを招聘することで、社員に技術を継承している」と主張しているとか。原子力機構は「随意契約や1社応札の削減に向け、透明性、公平性を高めている」とコメントしたとのこと。


高速道路の値下げでJR四国は無人駅を増やす

 日経電子版が6月22日に掲出した「JR四国、29駅を無人化 経費削減で19年ぶり」は、四国旅客鉄道(JR四国)が21日、9月から10月にかけて新たに29駅を無人化すると発表したと伝える。昨年3月から始まった高速道路の値下げで収益が悪化しているためで、経費削減を加速するとの由。無人駅を増やすのは19年ぶりで、総駅数(257駅)に占める無人駅の比率は80%となり、無人駅では定期券や新幹線の切符購入ができなくなるなど、利用者への影響も出ると記事は伝える。高速道路との競合激化で鉄道運輸収入が大きく落ち込んでいるJR四国では採算性の確保が喫緊の課題となっており、今回は、契約社員のみで窓口対応をしていて、1日当たりの利用者から得られる収入が10万円未満か、もしくはそれに近い駅を無人化の対象としたとのこと。今回の29駅の無人化が完了する10月1日以降は206駅が無人となり、無人駅比率は足もとの69%から80%に増え、JR四国では年間5000万円の経費削減になるとしているとか。対象には香川県の讃岐津田駅や徳島県の大歩危駅、高知県の土佐久礼駅など特急が停車する駅も含まれており、利用者はこれまで通り在来線の切符は券売機で購入できるが、無人になると定期券や新幹線は近くの有人駅まで行かないと買えなくなるとのこと。JR四国はこうした施策についてすでに市町村などに説明をしたとしているとか。対象となった駅ごとの収益や利用人数を見ると、2008年度の1日平均ベースで最も利用者数が多かったのは愛媛県の三津浜駅(585人)で少なかったのは高知県の江川崎駅(27人)、利用金額で最も多かったのは徳島県の阿波山川駅(12万1725円)で少なかったのは高知県の豊永駅(9397円)だったとか。JR四国が最後に無人化したのは3年で、残る有人駅51駅のうち、契約社員だけで運営している駅は23あり、「高速道路の無料化実験の影響など、今後の収益動向によっては追加で無人化することも検討しなくてはならなくなる」(常務)とか。JR各社で昨年3月の高速料金引き下げ以降で無人駅を増やしたのは九州旅客鉄道(JR九州)の2駅のみだが、JR九州では新駅設立などにともなう措置としており、収益悪化を背景とした無人化はJR四国が初めてになるとか。


群馬県林業公社

 東京新聞サイト群馬ページが6月21日に掲出した「県林業公社 実質110億円超す債務超過 」〔菅原洋〕は、巨額の負債を抱える県林業公社(前橋市)が、3月末で実質的に110億円を超える債務超過に陥っている実態が明らかになったと報じる。公社が民間の森林を借入金で造林する「分収林事業」で、安価な輸入木材の影響を受けた木材価格が下落し、巨額の含み損を抱えるのが要因であり、県と公社は含み損の厳密な算定を急ぎ、年内に公社の存廃を最終的に決める際の重要な判断材料にする方針とか。16日に公表された公社の2009年度決算は累積債務が約164億円で、このうち過去の利息を含めた県からの借入金が約113億円を占めており、日本政策金融公庫(旧農林漁業金融公庫)からも約51億円を借りているとか。この借入金で造林した約5100ヘクタールに及ぶ分収林について、県が自治体財政健全化法に基づき、09年度から過去5年間を対象に立ち木の全国平均価格から時価を算定した結果、08年度時点の時価が約49億円にとどまる実態が判明したとのこと。このため、累積債務額から分収林の時価を引いた差額の約115億円が含み損となり、一方、公社は企業の資本金に当たる正味財産が約4億7千万円で、仮にこの含み損を09年度決算で赤字として計上した場合、含み損から正味財産を差し引いた110億円超が債務超過額となる計算とか。ただ、立地条件が悪い分収林も多いため、伐採や輸送などの費用が膨らむ恐れがあり、含み損も拡大する可能性が高いとも。公社は今月中にも、公認会計士や弁護士、有識者ら計11人による経営改革検討委員会を発足させ、含み損の詳細な算定などに着手し、同委員会の算定結果を11日に初会合を開いた県議会の林業公社対策特別委員会で今後精査して、9月か11、12月の県議会定例会をめどに公社の存廃を決断する見通しとか。県は公社を廃止にする場合、20人弱いる職員の雇用問題が生じる上、県が分収林事業を引き受けることになるため、存続の可能性を模索しているとか。これに対し、県議会の特別委員会では廃止を求める声が強まっており、存廃の行方は予断を許さない重大な局面を迎えていると記事は評する。公社が存続、廃止のいずれの場合でも、県は100億円規模の債権放棄が避けられない情勢で、巨額の県民負担に、県議会などで大きな議論が巻き起こるのは必至とか。関係者は「県民負担をできる限り少なくしたい、という視点から多くの意見を聞き、方向性を早急に見いだしたい」と話しているとか。


関空にLCCが登場しそう

 毎日jpが6月20日に掲出した「格安航空会社:関空が空港使用料割引へ 」〔清水直樹〕は、関西国際空港会社が、格安航空会社(LCC)誘致を目的に、空港使用料の割引制度を導入する方針を固めたと報じる。旅客機をターミナルビルから離れた場所に駐機しボーディングブリッジ(搭乗橋)を使わないことで、通常料金より約1割安くするもので、乗客はバスでターミナルビルと往復することになり、利便性は低下するが、コスト削減に敏感なLCCの関空便増加を図るとのこと。関空の搭乗橋使用料は離着陸1回につき1万4600円で、空港使用料に含まれており、新規就航の場合、関空の空港使用料は10万円台だが、搭乗橋を使わなければ、空港使用料が約1割安くなる計算とか。海外でも、搭乗橋のない空港がLCCの拠点となっており、安い空港使用料を実現すればLCCの新規就航につながるとみているとの由。また、国土交通省の成長戦略会議が5月17日にまとめた最終報告で、関空活性化策として、LCC専用ターミナルの設置などを求めており、ローコストの専用ターミナルが整備されれば、料金の割引幅をさらに拡大でき、就航便数の大幅増が見込めると記事は伝える。


 共同ニュースが6月21日に掲出した「全日空、格安航空参入へ 関空拠点、11年度にも運航 」は、全日本空輸が格安航空会社を設立し、早ければ2011年度中に関西空港を拠点に国内線と国際線を運航する方向で、関西国際空港会社と協議に入ったと報じる。関空会社は今後の経営戦略の柱に格安航空の誘致拡大を挙げており、専用ターミナルの建設も検討していて、全日空は関空会社が利用料金を引き下げれば、格安航空の事業化で採算が取れる可能性が高いと判断したと記事は伝える。


国保の広域化

 東京新聞が6月19日に掲出した「19府県、国保を広域運営へ 財政安定化が目的 」〔共同〕は、自営業や無職の人たちが加入する市町村の国民健康保険(国保)で、47都道府県のうち19府県が、各府県内の全市町村による共同運営を進める「広域化支援方針」を策定する予定であることが厚生労働省のまとめで分かったと報じる。高齢化が進む小規模町村を中心に、医療費増や現役世代の減少で国保財政は悪化しており、広域化支援方針は、都道府県単位の運営にして財政の安定化を図ろうと、厚労省が本年度から導入した仕組みとのこと。都道府県単位での運営になれば、「同じ県内でも市町村間で保険料に大きな格差がある」という現在の不公平な状態は改善に向かうが、市町村によっては将来、保険料の増減が生じるため、加入者への丁寧な説明が必要になりそうと記事は伝える。方針策定の意向は、5月下旬から6月上旬にかけて厚労省が都道府県にアンケートしたもので、策定は義務ではないが、「策定しない」との回答はゼロであり、残りの28都道府県は「検討中」と答えたとか。策定時期については、厚労省が「12月までに」と求めており、「9月」とした鳥取以外の18府県は12月を予定しているとのこと。


査察活動の結果

 毎日jpが6月18日に掲出した「脱税:摘発290億円--09年度 」〔加藤隆寛〕は、全国の国税局が査察(強制調査)を実施し、21年度に刑事告発や課税処分をした脱税事件が210件(前年度比2件増)で、脱税額は290億円(同60億円減)だったことが国税庁のまとめで分かったと報じる。脱税額は2年連続の減少とか。このうち悪質だとして検察庁に告発したのは149件(同4件減)で、脱税額は255億円(同6億円増)となっており、税目別では、相続税が過去5年間で最多の6件(同2件増)で、前年度告発がなかった源泉所得税も5件に上ったとか。業種別では不動産業(15件)や建設業(9件)などが多く、都市部での地価高騰の影響とみられると記事は伝える。脱税手法では、タックスヘイブンに設立した会社に架空経費を計上していた関西地方の機械工具卸売会社や、税務署に虚偽の国外在留証明書を提出していた関東地方の個人事業者など、海外に関連したものが目立っており、脱税した金を海外で預金や有価証券として所持するケースも増えているとか。特異な隠匿例では、自宅の庭や親族の所有地に計7億5800万円分の金の延べ板などを埋めていたケースがあったとも。