群馬県林業公社 | 公会計の動向

群馬県林業公社

 東京新聞サイト群馬ページが6月21日に掲出した「県林業公社 実質110億円超す債務超過 」〔菅原洋〕は、巨額の負債を抱える県林業公社(前橋市)が、3月末で実質的に110億円を超える債務超過に陥っている実態が明らかになったと報じる。公社が民間の森林を借入金で造林する「分収林事業」で、安価な輸入木材の影響を受けた木材価格が下落し、巨額の含み損を抱えるのが要因であり、県と公社は含み損の厳密な算定を急ぎ、年内に公社の存廃を最終的に決める際の重要な判断材料にする方針とか。16日に公表された公社の2009年度決算は累積債務が約164億円で、このうち過去の利息を含めた県からの借入金が約113億円を占めており、日本政策金融公庫(旧農林漁業金融公庫)からも約51億円を借りているとか。この借入金で造林した約5100ヘクタールに及ぶ分収林について、県が自治体財政健全化法に基づき、09年度から過去5年間を対象に立ち木の全国平均価格から時価を算定した結果、08年度時点の時価が約49億円にとどまる実態が判明したとのこと。このため、累積債務額から分収林の時価を引いた差額の約115億円が含み損となり、一方、公社は企業の資本金に当たる正味財産が約4億7千万円で、仮にこの含み損を09年度決算で赤字として計上した場合、含み損から正味財産を差し引いた110億円超が債務超過額となる計算とか。ただ、立地条件が悪い分収林も多いため、伐採や輸送などの費用が膨らむ恐れがあり、含み損も拡大する可能性が高いとも。公社は今月中にも、公認会計士や弁護士、有識者ら計11人による経営改革検討委員会を発足させ、含み損の詳細な算定などに着手し、同委員会の算定結果を11日に初会合を開いた県議会の林業公社対策特別委員会で今後精査して、9月か11、12月の県議会定例会をめどに公社の存廃を決断する見通しとか。県は公社を廃止にする場合、20人弱いる職員の雇用問題が生じる上、県が分収林事業を引き受けることになるため、存続の可能性を模索しているとか。これに対し、県議会の特別委員会では廃止を求める声が強まっており、存廃の行方は予断を許さない重大な局面を迎えていると記事は評する。公社が存続、廃止のいずれの場合でも、県は100億円規模の債権放棄が避けられない情勢で、巨額の県民負担に、県議会などで大きな議論が巻き起こるのは必至とか。関係者は「県民負担をできる限り少なくしたい、という視点から多くの意見を聞き、方向性を早急に見いだしたい」と話しているとか。