年金福祉施設等の売却完了 | 公会計の動向

年金福祉施設等の売却完了

 日経電子版が8月17日に掲出した「年金施設の売却、2185億円止まり 費用の回収1~2割」は、独立行政法人、年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)が17日、政府が年金と健康保険の保険料を使って整備した福祉施設を売却し、2185億円を回収したと発表したと報じる。経費などを除いた国庫への納付額は総額2023億円になる見通しで、政府が建設と維持費に充てたのは1兆1300億円で、その2割程度しか回収できなかった計算と記事は伝えるだけで、減価償却については触れずに、「保険料による施設整備について、かねて「ムダ遣い」とする批判があったが、それを裏付けたといえそうだ」と煽る。RFOは、国の指示を受け、民間企業や個人、自治体を対象に300施設の売却を進めているが、8月4日に全施設の売却契約を結んだもので、売却総額は2185億円となっていて、これらの施設の国有財産台帳価格は6562億円だが、2001億円に時価評価した形で政府から現物出資を受けていて、RFOとしては184億円の売却益を上げたと説明しているとの由。政府は1960年から2000年ごろにかけて「福祉の増進」を目的に、全国各地に福祉施設として厚生年金会館やスポーツセンター、健康保養センターなどを建設し、年金保険料などから建設費や運営・維持費を出してきたが、保険料のムダ遣い批判を受け、政府は施設を売却する方針に転換し、17年10月にRFOを設立して、300施設を承継させており、この300施設の売却が終わったことで、次の焦点は、旧社会保険庁の傘下にあった社会保険病院と厚生年金病院の扱いに移るとか。これらの施設は、20年の旧自公政権時代にRFOに移したものの、地域医療に与える影響を考慮して事実上売却を凍結しており、経営が立ちゆかなくなった社会保険浜松病院のみ厚労相の指示で36億円で売却しているが、残りの52の社保病院と10の厚年病院は宙に浮いたままとか。昨年の政権交代後、長妻昭厚労相は新たな受け皿となる独立行政法人を設立して公営を維持する考えだったが、法案は廃案となっており、与野党で協議して、国会で自民党案を丸のみする形でRFOの存続期間を2年間だけ延ばしてひとまず落ち着いた形となっているが、2年後は病院の運営母体がなくなるため、医療現場では先行きの不透明感が漂うと記事は評する。長妻厚労相は8月6日の記者会見で「今後は地元の自治体のヒアリングをしていく。どういう枠組みが適切かは検討課題にしていく」と述べるにとどめたと記事は伝える。


公表資料:年金福祉施設等の譲渡完了について


 東京新聞が8月17日に掲出した「RFO、全国の年金施設完売 理事長「疑問ある施設も」 」〔共同〕も、独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)が17日、国から売却対象として譲渡された全国の健康福祉センター(サンピア)など301施設すべての譲渡が完了したと発表したと報じるものだが、記者会見した水島藤一郎理事長が「意味のある施設は高値で売却できたが、大規模保養施設などでは簿価が数十億円でも5~10億円でしか売れないケースもあった。それだけの保険料を掛けてやるべき施設だったのか疑問がある」と述べたと報じる。譲渡先は自治体や民間企業などで、売却総額は約2221億円で、RFOが国から施設譲渡された時点の評価総額約2015億円を上回っており、水島理事長は「二次ロスを防げた」と強調したとのこと。経費などを差し引いた約2023億円が国庫に返納される見込みとか。厚生労働省によると、全施設の建設や維持に、保険料など約1兆4千億円が投入されたとみられると記事は締め括っているが、余計な誹謗はしていない。