公会計の動向 -19ページ目

林業公社で特別調停が成立

 MSN産経ニュースが1月18日に掲出した「滋賀県公社債務330億円放棄 琵琶湖流域9団体、初の特定調停成立 」は、琵琶湖の水源保全を目的に滋賀県、大阪府、大阪市、兵庫県など9団体の出資で設立された滋賀県造林公社(理事長・嘉田由紀子滋賀県知事)の391億円の累積債務について、公社側が8割以上の債権放棄を求めていた大阪地裁の特定調停で、全出資団体が受け入れる方針を固めたと報じる。全国の林業公社で初めて債務圧縮のために申し立てた特定調停が成立し、債権放棄額の合計は330億円程度に上る見通しだが、各団体とも早期に処理することを重視したとみられると記事は評する。滋賀県造林公社に対する債務は、平成22年3月末現在で滋賀県が最大の207億円、残りの8団体が計184億円で、滋賀県は207億円の債権のうち約8割の165億円を放棄する方針を固めているとか。大阪府と大阪市はそれぞれ74億円で、9割以上の68億円を放棄する方向で最終調整しており、差額の6億円については、滋賀県が弁済する予定とか。兵庫県も11億円の債権のうち約8割、ほかの団体も9割程度の放棄で調整しているとのこと。債権放棄の回答は、今月20日が期限で、各団体とも最終協議に入っていると記事は伝える。滋賀県造林公社は、琵琶湖周辺に植林した後、一部の植林樹や周囲の成長を妨げる樹木を伐採し、売却益で団体からの借入金償還に充てる予定で、植林はすでに完了しており、当初は平成17年ごろから伐採を開始して収益を上げる予定だったが、売却益に充てるはずの植林樹で最も多いスギの価格が、木材需要の低下などで半額以下に急落し、さらに、賃金単価が高騰したほか、安価な輸入木材も増え、当初の経営計画が大きく崩れて、予定通り伐採しても借入金償還ができなくなったとの由。このため、公社は19年11月、債権放棄を求めて大阪地裁に特定調停を申し立てていたとのこと。調停は難航し、20年10月に7回目の会合が開かれてから昨年11月に8回目が開かれるまで約2年の「空白」があったが、再開された調停で公社は8割以上の債権の放棄を求めており、公社側は「木材価格の変動など予測できない要素が多かったが、見通しが甘いといわれても仕方のない部分もある」としているとか。大阪府の橋下徹知事は「わずかばかりのお金を回収するために何十年も問題を引きずるのはよくない。民間でもそうだが、損失は早く処理するのが重要だ」と述べ、兵庫県地域振興課も「債権者全体の足並みをそろえなければならず、公社の破綻を防ぐためにはやむをえない」としているとか。


国民年金納付率が過去最低

 東京新聞が12月27日に掲出した「納付率56%、過去最低水準 国民年金、10年度上半期 」〔共同〕は、厚生労働省が27日、22年4月から9月まで半年間の国民年金保険料の納付率が55・98%だったと発表したと報じる。21年同期の57・55%から1・57ポイント低下しているとのこと。22年度上半期各月の納付率は、過去最低を記録した21年度(通年で59・98%)をすべての月で下回っており、通年でも過去最低を更新する可能性が高まっているとの由。日本年金機構は納付率低下の原因について、(1)納付率の高い団塊世代が60歳を超え、保険料を納付する側から受給する側に回った、(2)年金記録問題への対応を最優先し、納付対策への取り組みが不足していた、(3)徴収を受託した業者との連携が不十分だった、と分析しているとか。


地方税の滞納額が3年連続で増加

 日経電子版が12月25日に掲出した「地方税の滞納2兆820億円、09年度末 3年連続で増加 」は、地方税の滞納が膨らんでおり、日本経済新聞が地方自治体別の税金の滞納額を集計したところ、21年度末で2兆820億円に上っていたと報じる。3年連続で増えていて、20年度末に比べ350億円多いとか。市区町村が徴収する国民健康保険料(保険税)を含めた滞納額の合計は3兆5170億円と、税収の1割近くに達しているとのこと。国税の滞納額が減少しているのとは対照的で、自治体の財政悪化の一因になっていると記事は伝える。国保料(税)を含む滞納額が最も多かったのは東京都で1411億円、大阪市が731億円、横浜市が543億円、大阪府が486億円と続いているとのこと。地方税の滞納額のピークは14年度末の2兆3468億円で、その後、自治体の徴収強化や緩やかな景気回復で18年度まで減少したものの、19年度から再び増加に転じているとの由。一方、国税の21年度末の滞納額は1兆4950億円と11年連続で減少しているとか。国は滞納すると督促状を送り、すぐに財産を差し押さえるなど取り立てが厳しいことが背景にあると記事は説く。市町村の主要な税源である住民税は前年の収入に基づくため、滞納が起きやすいという事情もあるとか。8割超の市町村が徴収している国保料(税)の滞納額は1兆4350億円で、国保は所得に比べて保険料負担が重いことも滞納が増えやすい要因となっているとか。


岐阜市の不正経理

 朝日が12月20日に掲出した「岐阜市の不正経理 ルール無視「慣行」横行 」〔広島敦史〕は、岐阜市の一連の不正経理の背景について報じる。市の内部調査委員会は10月、出張費不正問題の背景を「市長の日当と宿泊料を調整(減額)しないことが慣例になっていた」と結論づけたとか。市長のスケジュールは流動的で事前調整が難しく、職員が事後の確認も怠ったため、出張費が本来よりも多く支給されていたとのこと。岐阜市にも、ほかの自治体と同じように出張費を正しく支給するための条例や施行規則があるが、調査委の言う「慣例」に従えば、過払いは見逃されることになるが、秘書課職員は、会計課の審査を通すために公文書を改ざんしており、犯罪になりかねない行為が、「慣例」だからといって許されるはずがないと記事は説く。会費で夕食代を払った細江市長の出張で、書類の文言が削除されていたが、市の宿泊料には夕食代が含まれ、夕食相当額を減らさなければ、「二重取り」にあたるケースだったとか。別の同じような出張では宿泊料を減額し、会計課もそうした運用であるのに、市行政部は改ざんを認める一方で、支給額は「適正だった」と突っぱねたとか。問題の出張は、内部調査の対象外であり、行政部が二重取りを認めれば、細江市長は余分に受け取った分を新たに返さないといけなくなり、市が従来の運用を否定し、条例と施行規則の趣旨にも反する対応をしたのは、返還を免れるためとしか思えないと記事は伝える。市が運営する岐阜競輪場の不祥事も深刻であり、一部の職員によってルールを無視した不正がまかり通っていたとか。イベント用のステージ、噴水、喫煙室など、予算に計上されず、計画にもない工事の大半を、特定の幹部職員が部下に命じており、部下が業者への支払いに困ると、工事の分割発注を意味する「ちわる(割る)」という方言を用い、「昔はちわってたもんや」と不適正な処理を指示したとのこと。競輪事業課の幹部らは不正が明らかになるたび、取材に対して「来場客の減少に歯止めをかけようと思った」と繰り返したが、ルールをないがしろにしたファンサービスなどありえないと記事は説く。不正の発覚を防ぐため、公文書の請求があると架空工事をひそかに取り消し、適正な手続きを装い、取材と記者会見では虚偽の説明を繰り返し、うそをうそで上塗りし続けたとのこと。「裏金や業者との癒着はなかった」という言葉に、すぐには納得できないと記事は評する。


23年度の国債発行総額は170兆円前後

 日経電子版が12月21日に掲出した「超長期国債を増発 来年度計画、生保など需要見込む 」は、財務省が20日、23年度の国債発行計画で金融機関などに入札で引き受けてもらう市中発行分のうち、超長期債を増発する方針を決めたと報じる。30年債の発行額を8000億円、40年債を4000億円の合計1兆2000億円を増額するとのこと。超長期債は生命保険会社など機関投資家の需要が強く、増発しても安定消化を見込めると判断したとか。同日開いた国債投資家懇談会などで市場関係者から30年債と40年債ならば増発に対応できるとの声が相次いだもので、来年度は入札1回あたりの発行額を1000億円ずつ増やす方針とか。2年債と5年債の増発については最近の金利上昇を受け、慎重な意見が出されていて、金利低迷で販売が低調な個人向け国債は今年度当初計画と同額の2兆円程度にする方向で検討するとのこと。来年度の国債発行総額は今年度当初計画の162兆円から170兆円程度に膨らむ見通しで、財政投融資の財源に発行する財投債は今年度の15兆5000億円を下回りそうだが、過去の発行分の借換債が膨らむとのこと。財務省は借換債の一部を今年度中に前倒し発行できる仕組みを使い、金融機関などが入札で引き受ける分の急増を避ける考えとか。


捜査費の私的流用事件

 東京新聞が12月17日に掲出した「捜査費詐取容疑で書類送検 警視庁公安2課巡査部長 」〔共同〕は、捜査協力者との飲食や謝礼のための捜査費計74万円を19年9月から約2年間にわたり、交際女性との飲食代に流用したなどとして、警視庁が17日、詐欺と業務上横領の疑いで、公安2課の巡査部長(48)を書類送検したと報じる。同庁は同日付で、懲戒免職処分としたとのこと。書類送検容疑は19年9月下旬から昨年11月中旬まで21回にわたり、捜査協力者との接触や謝礼のためと偽り、捜査費計約74万円を受け取り、交際女性との飲食などに流用、詐取した疑いで、人事1課によると、巡査部長は既婚者で女性とは不倫関係にあり、「飲食代を捻出したかった」と話しているとか。74万円のうち、33万円は「接触費」名目で、41万円は「謝礼費」名目で受領していたとの由。


23年度予算の焦点は基礎年金国庫負担の財源と子ども手当増額の財源

 毎日jpが12月18日に掲出した「11年度予算:閣僚折衝 圧縮へ厳しい調整 鉄建剰余金、決着先送り 」〔坂井隆之、植田憲尚〕は、税制改正大綱がまとまったことを受け、23年度予算編成は24日の政府案決定に向け、ラストスパートに入ったと報じる。17日は野田佳彦財務相と玄葉光一郎国家戦略担当相の2人が、各省庁の大臣との間で主要案件についての閣僚折衝を始め、文部科学省の「小学校の少人数学級化」などが決着したとのこと。ただ、基礎年金国庫負担の財源探しや、子ども手当の地方負担の扱いなど、なお難題も残されており、ぎりぎりの調整が続いていると記事は伝える。馬淵澄夫国交相との折衝は、国交省所管の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の剰余金(最大1・5兆円)が焦点となっており、基礎年金の国庫負担割合を50%に維持する財源(2・5兆円)に回すため、これまでに1兆円超の国庫返納が固まったが、財務省は全額返納を要求しており、これに対し、国交省は「鉄道支援に充てるのが筋」と一部を残すべきだと反発しているとか。馬淵氏は16日に財務省に乗り込み、野田氏に直談判し、想定外の強硬姿勢に、財務省は目標としていた週内決着を断念したとの由。さらに週明けから厳しい交渉が予想されるのが、子ども手当財源の地方負担を巡る総務省との折衝であり、23年度から3歳未満の子ども手当を7000円上積みするために必要な約2400億円の財源のうち、財務省は約400億円の負担を地方側に求めているが、地方の反発は強く、16日に開かれた政府と全国知事会との会合では「(上積みは)国が一方的に決めたもので負担を求めるのはおかしい」との不満が噴出しており、総務省も地方の声を受け、後には引けない状況になっているとのこと。地方交付税を巡っても、財務省が「景気持ち直しで地方税収が増えている」として減額を迫っているのに対し、総務省は22年度とほぼ同額の17・6兆円を要求していて、来春に統一地方選が控える中、政府・与党内から地方への配慮を求める声が強まるのは確実とか。23年度予算編成では、国債費を除く歳出を71兆円以下に抑えるとともに、新規国債の発行を44兆円に抑制する目標が定められており、目標達成に向けた厳しい要求圧縮が進められているが、一方で歳出膨張圧力も強まっていて、予算編成の最終盤に向け、閣僚間のつばぜり合いは激しさを増しそうと記事は評する。


20年度決算が1年経っても議決に至らない

 読売が12月13日に掲出した「08年度決算たなざらし、「参院無用論」懸念も 」は、20年度決算が、与野党対立による国会の混乱で、国会提出から1年以上たっても議決されていないことについて、執行した予算への影響はないものの、決算審査を重視してきた参院では憂慮する声が少なくないと伝える。毎年度の決算は、衆参両院にそれぞれ提出されて、両院で審査・議決され、最近では次の年度の秋に開かれる臨時国会に提出され、その翌年の通常国会で議決されるケースが多いが、20年度決算は21年11月に両院に提出されたものの、今年の通常国会は鳩山前首相の退陣、秋の臨時国会は仙谷官房長官らの問責決議などのあおりを受け、それぞれ議決に至らなかったとか。参院は、決算審議への取り組みを強めてきただけに、「議決の見通しすら立たないのでは、参院無用論につながりかねない」(参院自民党幹部)との懸念が広まっていると記事は伝える。


財源は実務レベルの合意を積み上げている最中

 東京新聞が12月13日に掲出した「子ども手当上積み財源に2千億円 所得控除を縮小 」〔共同〕は、財務省と厚生労働省が、3歳未満への子ども手当を月額7千円上積みする財源に、所得税の給与所得控除と成年扶養控除の縮小による増収分の計約2千億円を充てることで合意したと報じる。来年4月から24年1月までの10カ月の支給分として、23年度予算案に計上するとのこと。地方負担については総務省との詰めを急ぐが、子ども手当拡大の財源問題に大筋でめどが付き、税制改正は難航している法人税減税の協議が最大の焦点となると記事は伝える。政府は23年度税制改正大綱を16日に閣議決定する方向で調整中で、野田佳彦財務相ら関係4閣僚が13日午後に協議するとか。政府税制調査会は13日、相続税の非課税枠である基礎控除の定額分を縮小し、2千億円規模の増収を確保して、これを法人税減税の財源の一部とする方針を固めたとも。


裁量的な特別交付税の割合を下げる方向

 時事が12月14日に掲出した「特別交付税引き下げへ=総額の4%軸に検討-総務省方針 」は、総務省が、地方交付税総額の6%と定めている特別交付税の割合を23年度から引き下げる方針を固めたと報じる。災害復旧など特殊な財政需要に充てる本来の目的に交付対象をできるだけ限定するためで、4%への引き下げを軸に検討しているとのこと。総務省は、来年の通常国会に地方交付税法改正案を提出する方針で、引き下げが実現すれば、8%から6%となった昭和33年度以来53年ぶりとか。特別交付税の割合引き下げのため、地方自治体への配分額を算定する項目が減らされる見通しで、その代わり、現在は交付税総額の94%を占める普通交付税の割合を引き上げることで、交付税の総額に影響が出ないようにすると記事は伝えるが、特別交付税の性格を分かっているのか、疑問。