公会計の動向 -153ページ目

独法会計への減損会計導入の中止

 4日付け日本経済新聞朝刊5面に「減損会計完全適用、独立行政法人見送り――財務・総務省検討、別基準を導入へ」の記事。
 記事は、財務、総務両省が2006年3月期以降の民間企業決算に義務付けられる減損会計に関し、独立行政法人への完全適用を見送る方向で検討に入ったと報じる。利益を上げるのが目的ではなく、国からの財政措置に依存している法人も多いため、企業会計とは異なる基準を設ける必要があると判断したとのこと。導入範囲や資産の評価方法などを詰めたうえで、2006年度にも新基準の適用をめざすと記事は伝える。財政制度等審議会の小委員会と総務省の研究会が月内に合同の作業部会を開き、2カ月後をメドに108ある独法への対応策をまとめるとか。独立行政法人は資産価値を適時開示する必要のある上場企業などとは事情が異なるうえ「独法移行時に時価評価し直している」(財務省)こともあり、同省などは「減損会計基準を直接適用するのは問題がある」とみていると記事は伝える。

 ポイントは、営利目的かどうかではなくて、経営効率性を測定するために企業的表示を取り入れた会計にとって債権者保護のための正味財産の時価表示は有害無益という点にあるのではないか。

福島県は制度融資預金を決済性預金へ

 3日付け日経金融新聞4面に「制度融資預託金、決済用預金に変更――福島県、ペイオフにらむ」〔福島〕の記事。
 記事は、福島県が中小企業への制度融資の原資となっている預託金約354億円(1月末時点)を、現在の普通預金から決済用預金に切り替える方針と報じる。決済用預金が4月のペイオフ全面解禁後も全額が保護されることを受けての措置。県の預託先は県内地方銀行や信用金庫、信用組合、県内に支店を持つ県外銀行など28金融機関で、いずれも決済用預金を導入あるいは導入予定とか。県は3月末までの全額切り替えに向け議論を進めているとのこと。

17年度の特別会計歳出純計額は205兆円

 読売は29日に「無駄遣い温床含む特別会計膨張、歳出205兆円」を配信。
 記事は、17年度予算案の31の特別会計の予算規模が計411兆9442億円に膨らみ、重複部分などを除いた実質の歳出総額でも205兆1610億円になることが、財務省が国会に提出した資料でわかったと報じる。財投債の発行を抑えたことで、実質歳出総額は前年度より2兆1900億円減ったが、なお一般会計歳出の2・5倍に達していると記事は評する。特会の中には、特殊法人などの無駄使いの温床になっているものもあり、財務省は予算編成作業で特会への助成金縮小や合理化を進め、3500―4000億円の予算を節約したとか。小泉首相は25日の国会答弁で「歳出の見直しは必ずしも十分でない。不要不急の事業の残存を許すことなく見直していく」と述べ、政府系金融機関の改革などを通じ、引き続き特会改革に取り組む方針を強調していると記事は伝える。

民主党が子供手当を独自予算案の目玉に

 毎日は26日に「<民主党>「子供手当」盛り込んだ予算案まとまる」〔田中成之〕を配信。
 記事は、民主党が26日、同党独自の17年度予算案の概要をまとめたと報じる。総額は約78兆円で政府案より4兆円程度削減しつつ、少子化対策のために、義務教育修了までの子供1人につき月額1万6000円を支給する「子供手当」を盛り込んだのが目玉だとのこと。子供手当は総額約3兆3500億円。財源は配偶者・扶養控除の廃止などで賄うとか。仙谷由人政調会長は「税控除は富める人ほど豊かになる。低所得層や若い方々には控除を廃止して子供手当を創設したほうが圧倒的に有利」と説明していると記事は伝える。

政管健保業務を独法にさせるという方向も検討

 読売は26日に「政管健保、独立行政法人に移管も…厚労省が異例の言及」を配信。
 記事は、厚生労働省が26日の社会保障審議会医療保険部会で、中小企業のサラリーマンなどが加入する政府管掌健康保険(政管健保)の業務について、将来的に社会保険庁から切り離し、独立行政法人などに移管するなどの論点を提示したと報じる。中央省庁が、所管業務を他の機関に移管することに自ら言及することは異例だが、高齢化の進行などにより、政管健保の赤字の穴埋めに使う事業運営安定資金が2008年度には枯渇する見通しとなっているなど、今後、財政面で厳しい運営が避けられないため、効率的な事業運営が必要になると判断したと見られると記事は伝える。このほか、保険料率算定や国庫補助金の配分を含め、政管健保の運営を、現在の国単位から都道府県単位で行うよう改めることなども示したという。都道府県により医療給付費に差が出ているためだ。その場合、現在は全国一律の保険料率(年収の8・2%。これを労使折半)が、都道府県によって異なる可能性があるとのこと。同省は今後、「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」(官房長官の私的懇談会)などに諮り、見直し策の検討を進めていく方針とのこと。政府は18年の通常国会に医療制度改革関連法案を提出する予定とか。

公的医療保険のすべてが14年度決算で赤字に

 朝日は26日に「公的医療保険、全分野で赤字 健保組合・政管・共済など」を配信。
 記事は、健康保険組合や共済組合など公的な医療保険のすべての類型で、14年度決算が経常赤字だったことが26日、厚生労働省の医療経済実態調査でわかったと報じる。調査はほぼ2年ごとに実施しており、全保険者が経常赤字になったのは現在の調査が始まった昭和55年度以来初めてとか。赤字幅が最大だったのは中小企業の会社員らが加入する政府管掌健康保険(政管健保)の6169億円で、大企業の会社員らが加入する健康保険組合(健保組合)の3999億円、自営業者らが加入する市町村国保が1721億円と続くとのこと。このほか、医師・建設業者など同業者でつくる国保組合や国家公務員共済組合は、12年度には黒字だったが、それぞれ45億円と104億円の赤字に転落しむ、地方公務員共済組合、私立学校の教職員らが加入する私学共済、船員保険も軒並み赤字だったとのこと。大半の保険者が赤字穴埋めのため、積立金を取り崩しているが、15年度以降はサラリーマン本人の医療費3割負担や、年収に基づき保険料を徴収する総報酬制の導入などで、一部保険者の財政は好転していると記事は伝える。

教員の研究費が結婚式場運営費に流れていた

 朝日は25日に「「教員の研究費」を結婚式場運営費に流用 大阪市教委」を配信。
 記事は、大阪市教委が市立の小中高校や幼稚園の教員の「研究費」として学校や幼稚園向けに支出した公費の一部が、教職員の福利厚生を目的とする財団法人が設けた結婚式場の運営費に流用されていたと報じる。流用額は毎年1000万~1500万円で、最近20年間で計約3億円に上るとか。市教委は「目的外に使われている実態を知りながら、見直さずにきたことを反省している。新年度から改めたい」と説明しているとのこと。市教委によると、結婚式場に流用されてきたのは一般会計の教育費として計上された「共同研究費補助金」で、もともと、教科指導や生活指導の分野で、指導力の向上を目指す教員の共同研究や研修に充てるのが目的とされ、要項で、研修会への参加費▽教材採集費▽図書や教具の購入費▽実験実習材料費――などに使途を限っているとのこと。ところが、例えば15年度は同補助金は、市立の小中高校や幼稚園に在籍する教員約1万2400人に対し、1人当たり年額4800円、計約6千万円が支出されたが、各学校や幼稚園は、このうち1人あたり1200円分、計約1500万円を教育研究に使わず、学校長や幼稚園長、職員団体代表らでつくる任意団体「大阪市立学校共同研究中央運営委員会」に納付しているとか。市教委管理課によると、この納付された資金のうち1千万円が、さらに財団法人大阪市教員会館が運営する結婚式場「ウエディングハウス パル法円坂」(中央区法円坂1丁目)の維持管理費として流用されていたとのこと。もともとパル法円坂のある場所には、大阪市教員会館があり、教育研究や研修などに利用され、20年以上前から同補助金は同会館の運営費に充てられていたという。ところが、81年に研修などの拠点として大阪市港区に大阪市教育センターがオープンし、一方の教員会館は84年に改築され、結婚式場や宴会場としての利用が中心になったとか。さらに93年にはパル法円坂と改称されたが、同補助金からの流用は続いた――という経緯。同課によると、84年の改築以降の20年間に、同補助金から毎年1500万円前後が流用され、総額は計約3億円に上るとか。

17年度の国民負担率は35.9%

 読売は26日に「国民負担率05年度に35・9%、財務省が税収増試算」を配信。
 記事は、財務省が26日、国民の税負担と社会保障負担の合計が国民所得に占める割合を示す国民負担率が、17年度には35・9%になるとの試算結果を発表したと報じる。18年1月から定率減税が半減されるなどして税収が16年度実績見込み比で1・2兆円増加し、社会保障の負担も1・3兆円増えるが、景気が回復基調にあって分母となる国民所得も増加するため、増加は16年度見込み比で0・2ポイントの増にとどまるとのこと。国と地方の財政赤字分を含めた「潜在的な国民負担率」は、新規国債の発行額を前年度以下に抑えるなどする結果、0・4ポイント減の44・8%と、3年連続で低下する見通しとか。

米国ではCBOが国会に置かれている

 読売は26日に「米の財政赤字、3680億ドルの見通し…議会予算局」〔ワシントン=広瀬英治〕を配信。
 記事は、米議会予算局(CBO)が25日、2005会計年度(2004年10月―2005年9月)の財政赤字が3680億ドル(約38兆円)になるとの財政収支見通しを発表したと報じる。昨年9月時点の見通しより赤字幅が200億ドル拡大したとのこと。ただ、景気回復を背景とした税収増などで、2004年度の赤字額(約4125億ドル)よりは赤字幅が縮小すると見通しているとか。しかし、この見通しには、不確実性の高いイラク戦費の将来予測などが含まれていないほか、ブッシュ大統領が強く主張している大型減税の恒久化も実施されないことが前提となっているとのこと。このため、市場関係者などの間では「実際の2005年度赤字額は見通しを大幅に超える」との見方も多いと記事は伝える。

 個々に歳出権限を法律で付与していく米国財政の見通しの無さが、この推計という形に表れている。ちなみに、CBOは1974年のCongressional Budget and Impoundment Control Actにより1975年に設立された組織で、議会の予算編成作業のために広範な調査を行っている。論者によっては、日本の国会に必要な組織と言う人もいる。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/156/0128/15606050128004c.html

自民党で財政再建の協議機関が2月に発足

 共同は25日に「来月にも財政再建で新機関 自民、消費税上げにらみ」を配信。
 記事は、自民党が、小泉純一郎首相が将来の社会保障財源として消費税率の引き上げを検討対象にする意向を示したことを踏まえ、与謝野馨政調会長の下に2月にも設置する新たな協議機関で包括的な財政再建策の議論を始めると報じる。消費税増税に国民の理解を得るため、前提となる歳出削減に党主導で取り組む姿勢を打ち出し、環境整備を図るのが狙いと記事は伝える。公共事業のコスト削減や省庁別の事業配分見直しなど当面の施策を盛り込んだ提言を今秋にまとめ、18年度予算案への反映を目指すとのこと。政府の17年度予算案は、前年度より減少したとはいえ、歳入不足を補う国債の新規発行が34兆円を超え、国と地方の「借金」である長期債務は17年度末に774兆円に達する見込みで、小泉首相は18年秋までの自民党総裁任期中は消費税率を上げない方針を明言しており、税率アップは少なくともそれ以降になるが、財政再建策に絡めた消費税論議について「首相の改革姿勢に対し国民の支持がある今から論議を深めておく必要がある」(党幹部)と判断したとか。ただ、自民党内では消費税率引き上げについて「参院選に加えて衆院選も予想される07年の実施は難しい」(閣僚経験者)との意見も強く、また公明党内にも、低所得層の負担増につながる消費税増税に根強い反発があり、議論の行方には曲折もありそうだと記事は評する。

 しかし、日本が破産するよりはマシだということについては理解は得られるのではないか。