公会計の動向 -155ページ目

外国へ国債の売り込み

 日経は19日に「財務省、日本国債売り込みへ101年ぶりの海外説明会」〔ロンドン=佐藤大和〕を配信。
 記事は、財務省が18日にロンドンの金融街シティーで開催した機関投資家向け説明会で日本国債への信認を訴えたこと、政府が海外まで出向いて日本国債を売り込むのは1904年に当時の高橋是清日銀副総裁が、日露戦争の戦費調達のため英国を訪問して以来101年ぶりといわれていること、説明会には金融機関や年金、欧州諸国の中央銀行の運用担当者ら140人が集まったことを伝える。

2008年問題へ借換え債の前倒し発行も

 19日付け日本経済新聞朝刊1面に「財務省検討、借換債、15兆円圧縮――2008年度、国債大量償還にらむ」の記事。
 記事は、財務省が18日、20年度の国債の借換債発行額を118兆8千億円と従来見込み比で15兆6千億円圧縮する検討に入ったと報じる。償還期間の長い国債の増発や前倒し発行の積極化によって大幅に減らせるとみているとか。20年度は1990年代後半に景気対策で増発した国債が大量償還を迎え、財務省は市場での円滑な国債消化が懸念される「2008年問題」の解消に向け、国債発行の平準化を急ぐと記事は評する。

郵政公社が全国の郵便局で使用する文具用品を一括調達

 読売は12日に「郵便局2万局の事務用品、割安通販で一括購入へ」の記事
 記事は、日本郵政公社が、全国の郵便局ごとにバラバラに購入している事務用品について、通信販売業者と提携して一括購入する制度に改めると報じる。全国の普通郵便局と特定郵便局の計約2万局が対象で、17年度から実施するとのこと。全国の郵便局では年間計数十億円の事務用品を購入しているが、一括購入で大口割引も期待でき、少なくとも1、2割は調達費用を削減したい考えとか。郵政公社が進めている調達改革の一環で、19年4月からの民営化に向けて、財務体質の強化につなげる狙いとか。対象となる事務用品は、業務用のリポート用紙を中心に、ボールペン、シャープペンシル、のりなど多岐にわたり、公社は、提携する通販業者を一般競争入札で決める方針で、1月末までに業者に対し、企画案の提出を求めているとのこと。現在は、全国各地の郵便局は近くの文房具店などから購入するケースが大半だが、これを1つの通販業者のカタログから必要な事務用品を各郵便局が選び、購入する仕組みに替え、郵政公社が大量購入する前提で、業者に大幅な値引きを求め、調達費用の削減を目指すと記事は伝える。

プライマリーバランスは24年度で黒字に

 読売は14日に「基礎的財政収支の黒字化を1年前倒し…「中期展望」」を配信。
 記事は、政府が、経済財政運営の中期的見通しを示す「構造改革と経済財政運営の中期展望(改革と展望)」の16年度改定案で、国と地方を合わせたプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化の時期を、従来の25年度から24年度に1年前倒しする方針を固めたと報じる。景気回復の動きを受けて、17年度の税収が増えるなどして財政収支がこれまでの見通しよりも改善するためで、20日の経済財政諮問会議(議長・小泉首相)で、内閣府が試算を提示するとのこと。国内総生産(GDP)に対する国と地方を合わせたプライマリーバランスの赤字は、16年度の4・4%から、景気回復に伴う税収増などを受け、17年度は3%台後半程度に縮小する見通しで、18年度以降は名目2%以上の成長を実現し、24年度にGDP比で0・1%の黒字に転じると予測したとの由。

国保まで未納率が上がっている

 15日付け日本経済新聞朝刊5面に「国保収納率、最悪90.2%――2003年度、実質赤字3800億円」の記事。
 記事は、厚生労働省が14日に発表した15年度の国民健康保険の収納率が全国平均で前の年度から0.18ポイント下がり90.2%と過去最悪を更新したと報じる。実質赤字は同1.8%減ったものの、3800億円と高水準を維持しているとか。景気低迷と医療費の増加が響き、収支が赤字の市町村は全体の4分の3に及んでいるとも。医療費の抑制や保険財政の健全化が急務となってきたと記事は評する。国保は市町村が運営し、自営業者、退職者などの無職者が加入するもので、15年度の国保の加入者は4600万人、給付財源は国費と保険料でほぼ半分ずつ負担しており、保険料は市町村によって異なる。収納率の悪化は8年連続で、地区別では町村の平均が93.7%なのに比べ、市は89.2%と低く、特に大都市圏は86.9%と悪化が目立つとか。景気の低迷で保険料の負担を重く感じたり、若い世代では「病院にかからない」と考え未納を続けたりするケースが多いようだと記事は伝える。未納率は1割に迫り、4割近い国民年金とともに、公的保険制度で支え手の空洞化が深刻になりつつあるとか。

 国年に比べて国保は、病気の際に困るということで未納は大きくならないと考えられてきたが、どうもそうでもないようだ。ネット社会で悪知恵が広がり易いということだろうか。

民主党が特別会計について10兆円削減案

 10日の毎日新聞に「民主党:特別会計、10兆円歳出削減案を策定へ」〔田中成之〕の記事。
 記事は、民主党が、政府予算のうち特定事業などに用いられる「特別会計」について10兆円弱の歳出削減案を策定する方針を固めたと報じるが、記事によると、同党の特別会計ワーキングチーム(野田佳彦座長)で日銀や公認会計士出身などの若手議員10人が分担して各会計を精査し、歳出削減すべき項目を抽出することにしたとのことで、どうもこれから10兆円を探すらしい。岡田克也代表が先月の党大会で提唱した「財政健全化プラン」の柱に据え、通常国会後をめどに提言をまとめるということのようだが、大丈夫なのか。腰だめの10兆円をぶち上げて、無理、無意味な提言にならなければよいのだが。まあ、真の狙いが各省庁の事務事業・人材について若手議員に勉強させておいて政権交代に備えるということであれば、それなりに有意義とは思うが。それにしても、記事が特別会計について「一般会計と違い各省庁から国会に対し使途の報告などはほとんどない」とか、「国会のチェックもほとんど機能しないことから、自民党族議員の利権の温床となりやすい」と言っているのは勉強不足。

私服捜査員のスーツ支給

 共同は8日に「捜査員へのスーツ支給凍結 滋賀県警、財政改革理由に」を配信。
 記事は、滋賀県警が約50年間続けてきた私服捜査員へのスーツの現物支給が、財政改革を理由に17年度から3年間凍結されると報じる。滋賀県警によると、「県警察官支給品および貸与品条例」にある「制服を着用しない特別勤務の者は、その期間、代料をもって支給できる」との規定に基づき、県警は刑事、生活安全、警備部門の私服捜査員に毎年、1人5万円相当を限度にスーツなどを現物支給してきており、16年度は約700人分の予算約3600万円が計上されているとのこと。県警は「制服と私服の警察官に経費負担の差が出ないようにする措置で、5万円は制服代とほぼ同額」と説明し、私服の捜査員に制服は支給していないとか。同様の条例がある京都府警は「私服支給は6年前にやめている」としているとも。

 給与所得控除の考え方にはスーツ代も入っていたんじゃなかったっけ。

17年度の再乗り換えは6兆8千億円

 共同は7日に「日銀の保有国債増加続く 国の借金先延ばしに協力」を配信。
 記事は、量的緩和政策を続ける日銀が、市場に資金供給するため長期国債を買い続けていることに加え、保有する長期国債が満期となっても短期国債への「乗り換え」に応じていることから、日銀が保有する国債残高の拡大に歯止めがかからないと報じる。乗り換えは、政府の事実上の借金返済先延ばしに協力していることにもなり、日銀が政府の財布代わりとなって国債を引き受け財政規律低下につながる懸念が指摘されていると記事は伝える。また中央銀行の資産の国債価格変動リスクが高まる警戒感もあるとも。記事によると、日銀は量的緩和のため、市場から長期国債を年間14兆4000億円購入しており、短期国債を合わせた保有残高は昨年3月には年度末要因もあり一時的に100兆円を突破し、12月末時点では95兆と量的緩和導入前の2000年末の1・7倍に膨れているとのこと。日銀は長期国債の保有には、紙幣の発行残高を上限とする歯止めを設けているが、期間1年以内の短期国債には保有上限がなく、このため短期への乗り換えが、日銀の国債保有残高を膨らませる抜け道ともなっていると記事は評する。日銀は長期国債が満期を迎えた場合、短期国債を「1回だけ」引き受け、償還延長に応じてきたが、財務省は現金償還をさらに1年延ばす再乗り換えを要請し、日銀側も「日銀の財務バランスを崩してはならないが、市場のゆがみはならした方が良い」(福井俊彦総裁)と協力する姿勢で、17年度は6兆8000億円の借金返済を再延長することで決着が図られたとか。しかし10年物国債が16年度比で2倍の大量償還となる「08年度問題」を乗り切るには、再延長の繰り返しを迫られるのは必至で、記事は、財政規律を保つためには、日銀が中期的な引き受け方針を示す必要がありそうだとしている。

NTT株の売却可能分は17年度中に完売の予定

 6日付け日本経済新聞朝刊1面に「NTT株の売却完了へ、政府、来年度最大112万株」の記事。
 記事は、政府が、保有するNTT株について来年度中に市場での売却を完了する方針を決めたと報じる。政府はNTT法でNTTの発行済み株式数の3分の1(約530万株)の保有を義務付けられており、これを超える分の112万3千株が売却対象で、4千億円強の収入を見込むとか。

岡山県は林業公社に700億円の支援

 共同は29日に「700億円支援に波紋 岡山県が林業公社に」を配信。
 記事は、約2万5000ヘクタールと全国最大の分収林を管理し、約705億円の負債を抱える岡山県林業公社に対し、岡山県が負債総額を無償で貸し付け、事実上肩代わりする予算を決めたと報じる。全国の林業公社は木材価格の低迷から負債が累積しており、公社廃止の動きも出る中、岡山県の“決断”は関係者の注目を集めそうだと記事は評する。12月の県議会では、「長期貸し付けは粉飾、知恵というより麻薬だ」との意見が、共産党県議らから出たが、結局、自民などの賛成多数で予算は可決、成立したものの、自民党県議の1人は「農林水産部長や公社の幹部は切腹するべきだ」と漏らしているとか。公社の負債は、利子の支払いだけで約240億円に上るが、経営の改善は困難な情勢で、このため県は政府系金融機関などに一括して繰り上げ返済させ、利息の解消を図る苦肉の策を考えたと記事は伝える。返済は2070年まで分割とか。