公会計の動向 -147ページ目

財務相が外貨準備の運用方針を発表

 4日付け日本経済新聞夕刊1面に「外貨準備の運用多様化、財務省指針ドル中心は変えず」の記事。

 記事は、財務省が4日、8千4百億ドルに膨らんでいる外貨準備の運用指針をまとめたと報じる。(1)外貨準備の大半を占めるドル建て資産をユーロ建てなどに乗り換えない(2)ドル建て資産の中では運用の多様化を検討し、米国債以外にも投資対象を広げる――のが柱とか。日本の外貨準備は世界一多く、財務省は「ドル売り」を否定する一方で収益性も加味した運用方針を公表、日本の外貨準備運用が市場の動揺を招かないようにしたい考えと記事は伝える。昨年来のドル安局面では、アジア各国が保有する外貨準備をドルからユーロ建てなどに移す通貨分散の動きがじわりと進み、為替市場にも影響を与えており、その中で、巨額介入でドルを買い支えていた日本の外貨準備の運用動向に、注目が集まっていて、財務省としても運用の指針を明確にすることにしたと記事は伝える。

 5日付け日経金融新聞3面の「日本の外貨準備、運用多様化――「ドル離れ」はできない事情(プリズム)」(O)は、運用の多様化とドルへの集中継続という一件矛盾するかのような運用指針を読み解く補助線は二つあると解説する。第一は、世界各国で相次ぐドルからユーロへの外準運用シフトである。ユーロへの通貨分散は双子の赤字を抱え込んだ米ドルの為替リスクを回避する格好の手段であるが、日本の経済成長が依然として米国を最終消費地とする輸出に頼っていることから、各国のようにユーロシフトを進めるわけにはいかず、外準のドル建て資産売却が市場のドル売りを誘い円高を招くシナリオは悪夢の選択といえる。もう一つの補助線は、実は日銀の金融政策とからんでいると記事は解説する。政府は90兆円規模の外準の資金調達を、短期証券(FB)の発行で賄っており、今ならゼロ金利政策のおかげで「寝ていても米国債の運用利回りとのサヤが稼げる」が、ゼロ金利政策が解除され、日米の金利差が縮小すると安穏ともしていられなくなるとの事情。

10年もの国債の表面利率を引下げ

 5日に共同は「10年債、表面利率1・3% 財務省、2カ月ぶり下げ」を配信。

 記事は、財務省が5日、長期金利の指標となる4月発行の10年物国債の表面利率(額面に対する利息)を3月発行分より0・2%引き下げ、年1・3%にすると発表したと報じる。表面利率を前月に比べて引き下げるのは、今年2月以来2カ月ぶりとのこと。本格的な景気回復には時間がかかるとの見通しから、長期金利が低下傾向にあることを反映したと記事は伝える。発行予定額は1兆9000億円で、発行予定日は20日とか。

17年度予算執行調査のテーマ

 毎日は1日に「<予算執行調査>「モデル事業」を新たな調査対象に 財務省」〔吉田慎一〕を配信。
 記事は、財務省が1日、17年度の予算執行調査で、16年度予算に導入された「モデル事業」を新たに調査対象にすると発表したと報じる。モデル事業は15年の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針)の提起を受け導入され、事前に事業の達成目標を具体的に掲げているのが特徴で、10事業のうち4事業が調査対象になるとのこと。無駄があれば18年度予算編成で削減し、財務健全化に役立てると記事は伝える。調査対象のうち、経済産業省の特許事務の機械化事業の場合、18年度までに特許などの電子出願率を96%以上にすることなどを掲げ、16年度予算で529億円が計上されているとか。また16年度予算で導入された、各省庁横断の「政策群」(10事業)からも1事業を調査対象にするなど、全体では16年度と同じ53事業について調査するとか。

財務省サイト:予算執行調査(17年4月)

 選定された事業テーマのうちには、最近の会計検査院の検査報告に載っているものもある。例えば、国土交通省で調査対象になっている「耐震強化岸壁の整備」は14年度決算検査報告の「港湾における大規模地震対策施設の整備及び管理について」で取り上げている。また、経済産業省で財務省が取り上げるテーマのうち「産業再配置促進費補助金」については昨年11月の15年度決算検査報告に「産業再配置促進費補助金について」として報告されている。ほかにもありそうだ。

16年度は4年ぶりの税収増の見込み

 読売は1日に「4年ぶりに税収増の見通し…財務省発表」を発表。

 記事は、財務省が1日に発表した16年4月~17年2月の税収実績(一般会計分)が、前年同期比3・8%増の31兆9179億円となり、例年多額の税収が入る3月期決算分を加えると、16年度の国税収入が、2年連続で予算額(44兆410億円=補正予算編成後)を上回る可能性が強まったと報じる。税収が予算額に届けば、前年度比で4年度ぶりの税収増となるとのこと。2月までの税収のうち、法人税が前年度比13・9%増の5兆7747億円と大きく伸び、所得税も同3・9%増の11兆7308億円と堅調だったとか。消費税は、同1・0%増の6兆8027億円だったとのこと。

経済同友会が今後10年間の経済シュミレーションを発表

 2日付け日本経済新聞朝刊5面に「政府債務GDPの倍、長期金利3.4%に上昇――2015年度、同友会が警告」の記事。

 記事は、経済同友会が1日、政府が掲げている財政再建に関して独自の試算を盛った報告書を発表したと報じる。政府債務残高は昨年9月末で国内総生産(GDP)の約1.4倍に相当する約731兆円に達していると指摘し、財政再建を具体的に進めなければ、27年度にGDP比で2倍を突破し、長期金利は3.4%に上昇する可能性があると警告したとのこと。同報告書は同友会が主張してきた消費税率の16%への引き上げを前提に試算したもので、公共事業費を年3%削減、社会保障に必要な経費も年1%減らし、併せて消費税率を段階的に引き上げることを想定しているとか。27年度までに税率を16%にした場合は、財政の基礎的収支は黒字に転換し、長期金利も抑えられるものの、消費税率を23年度までに16%まで上げるなど急速に進めた場合には、財政の基礎的収支の黒字化は早いが経済成長率はマイナスになるとか。

経済同友会サイト:今後10年間の日本経済のシミュレーション
            -長期金利上昇のリスクと経済政策-

給与所得控除を引き下げる方向

 共同は28日に「給与所得控除の水準下げを 財務相、経費見直しも」を配信。  記事は、谷垣禎一財務相が28日の参院財政金融委員会で、サラリーマンに経費の概算控除を認める「給与所得控除」の水準を適性な水準に引き下げるべきだとの見解を示したと報じる。確定申告すれば税金が還付される経費の対象についても、「見直しが必要だ」と語ったとのこと。民主党の尾立源幸氏が、税金に関心を持ってもらうためには、サラリーマンの源泉徴収をやめて、確定申告制度に切り替えるべきだと指摘したのに対し、谷垣財務相は「源泉徴収制度の維持は必要」としながらも、「給与所得控除は実際の経費を上回っている」と述べたとか。給与所得控除を始めとする諸控除の見直しは、政府税制調査会などで議論になる所得課税改革の一環で、今年末の18年度税制改正以降の課題となっていると記事は伝える。

東京の3セク2社が民事再生法適用を申請する方針

 毎日は28日に「<東京都>臨海三セク2社、民事再生法申請へ」〔大槻英二〕を配信。

 記事は、東京都の臨海副都心でビル賃貸業を営む都の第三セクター「東京ファッションタウン(TFT)」と「タイム二十四」(ともに本社・江東区)が経営危機に陥り、民事再生法の適用を31日に東京地裁に申請する方針を決めたと報じる。負債総額は2社で約1300億円に上るとのこと。都はTFTに資本金の約25%にあたる約42億5000万円、タイムに約16%の4億円を出資し、2社は96年に開業したが、賃貸収入が伸び悩む一方で、金利負担や減価償却費が経営を圧迫し、03年度決算で2社の累積損失額は約435億円、債務超過額は約237億円に上ったとか。再生手続き開始後に、2社は金融機関に負債の7割程度にあたる900億円前後の債権放棄を求める方針と記事は伝える。都は、2社への出資金計約46億5000万円が減資されるほか、都有地の借地料滞納分約36億円を放棄するとも。都の臨海関連三セクでは、この2社以外にも「東京テレポートセンター」など3社が債務超過になっているとの由。

郵政株売却収入は国債償還財源へと財務次官

 1日付け日本経済新聞朝刊5面の「財務次官、郵政株売却収入、国債の償還費に」は、財務省の細川興一次官が31日の記者会見で、政府保有の郵政民営化会社株の売却収入を国債の償還費に振り向けるべきだとの見解を明らかにしたと報じる。郵政民営化は政府が持ち株会社株を市場に段階的に放出する形で実現するが、売却収入は「国民の財産なので国民共有の負債(の返済)に充てるのが妥当」と述べたとのこと。

 <a href="http://www.mof.go.jp/kaiken/jimu/jim409.htm" target="_blank">財務省のサイト</a>によれば、次官の発言は「郵政民営化の問題につきましては、いろいろ仕組みその他については、今、鋭意調整が行われておりますが、これも前にも申し上げたかもしれませんが、要するに株それ自体は国民共有の資産でありますので、基本的には国民共有というか、共通の負債、つまり国債の償還に充てるという考え方が一番大きな基本ではないかというふうに思っております」というもの。

道路4公団の会計基準が固まってきた模様

 共同は28日に「路線ごとに管理会計を コストなど明示求める」を配信。
 記事は、道路4公団の民営化に向けて資産評価・会計基準を検討していた国土交通省の検討会(委員長・黒川行治慶大教授)が28日、コスト削減のため高速道路の路線ごとに管理会計を設定することなどを民営化会社に求める会計基準案をまとめたと報じる。道路利用者が株主になることを意識し、情報の開示を強く打ち出したと記事は評する。今後、6月にまとめる4公団の16年度民間企業並み会計に反映させ、10月にスタートする民営化6社と高速道路の資産と借金を引き継ぐ機構への資産配分や財務諸表を詰める作業に入るとのこと。管理会計は45年間で借金を確実に返済するため、路線ごとに建設費や管理費の削減目標を定め毎月チェックし、その結果については毎年度公表するとしたとか。このほか(1)人件費や管理費などは勤務時間比や人員比などの指標を使って会社、本社と支社ごとに算定することで比較できるようにする(2)完成した高速道路を機構が引き取る場合、工事費や用地補償費、金利、一般管理費など掛かった費用をすべて明示する--などとしているとの由。

経財会議が社会保障費伸び率の管理システムにこだわる

 毎日は25日に「経財諮問会議:社会保障費伸び率の管理仕組み導入を提案」〔山本明彦〕を配信。
 記事は、経済財政諮問会議が25日、社会保障改革と規制緩和について議論し、本間正明・大阪大大学院教授ら民間メンバーが、名目経済成長率などを目安に社会保障費の伸び率を管理する仕組みの導入をあらためて提案し、尾辻秀久・厚生労働相は慎重な姿勢を示したものの、具体策の検討を進めることになったと報じる。厚労省からは「一律の枠をはめると、国民の健康水準の低下を招く」などと拒否反応が強く、このため民間メンバーは「給付を指標に機械的に連動させるのではない」と反論し、竹中平蔵・経済財政担当相が、どのような指標が妥当か民間メンバーなどが検討し、具体案を出すことで議論を引き取ったとのこと。また、民間メンバーは同日改定された規制改革・民間開放推進3カ年計画で、公共サービスを官民参加の競争入札にかけてコスト削減を図る「市場化テスト」の試行が盛り込まれたのを受け、本格実施に向けた17年度中の法整備を求めたとか。