公会計の動向 -148ページ目

16年12月末の国の金銭債務は751兆円

 26日付け日本経済新聞朝刊5面に「昨年末、国の借金、最悪751兆円」の記事。
 記事は、財務省が25日、昨年12月末時点の国債、借入金などの「国の借金」が751兆円になったと発表したと報じる。昨年9月末より20兆円(2.8%)増え、過去最高を更新したとのこと。普通国債は9月末より12兆円多い489兆円で、10年債など長期国債が7兆円増えたほか、個人向け国債の発行で中期国債も4兆円増えたとか。財政投融資の財源に充てる財投債も8兆円増の111兆円になったとも。借入金は2兆円増の59兆円、為替介入の原資となる政府短期証券は1兆円減の86兆円だったとか。地方債務は約2百兆円なので、国と地方を合わせた借金は今年3月末に約千兆円になる見通しと記事は伝える。

自民党の憲法案に健全財政の規定が新設される方向

 読売は23日に「憲法に健全な財政訓示規定を新設…自民委が要綱了承」
配信。
 記事は、自民党新憲法起草委員会の財政小委員会が23日の会合で、憲法に健全財政に努めるよう求める訓示規定を新設することなどを柱とする要綱を了承したと報じる。このほか、<1>予算が成立しなかった場合に必要最小限の支出ができる規定を憲法に設ける<2>複数年度予算を採用せず、現行の単年度予算主義を維持する<3>私学助成が違憲だと疑われないように憲法の表現を変える――なども盛り込んだとのこと。

 ちなみに、自民党のサイトには16年12月21日付けの「新憲法制定本部がスタート 党本部前で看板掛け」のほかには、起草委の動きはアップされていない模様。

短期証券を含めると国と地方の負債は17年度末で計1000兆円

 23日付け日本経済新聞朝刊5面に「国・地方の借金、1000兆円超す――財務省、来年度見通し」の記事。
 記事は、財務省が22日の参院財政金融委員会で、17年度末の国と地方の借金総額が1093兆円になるとの見通しを明らかにしたと報じる。同省は長期的な政府の債務残高が計774兆円になると説明していたが、これは、一時的な資金繰りに充てる政府短期証券(FB)や原則として返済に税金を充てない財政投融資債は含んでいなかったものとのこと。

自民党財政改革研究会がアドバイザーを招聘

 22日付け日本経済新聞夕刊5面に「財政再建、あと5―7年が勝負、自民財政改革研アドバイザー佐藤氏(フォーカス)」の記事。
 記事は、自民党が2月に新設した財政改革研究会のアドバイザーに招いた佐藤ゆかり・クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券チーフエコノミストを紹介するもの。「団塊の世代の引退ラッシュが近づいているこれから5―7年が財政再建の勝負」と意欲を見せているとのこと。「定率減税縮小などの増税は避けられないが、規制緩和が進めば電話料金下落などで国民負担増を抑えられる」とし、景気との調和を考慮した中期的な財政再建計画策定なども提案しているとか。

政府税調で納税者番号制について議論する動き

 読売は18日に「政府税調が納税者番号制議論…必要だが導入困難の声も」を配信。
 記事は、政府税制調査会が18日、総会を開き、国民1人1人に番号をつけて所得をつかみやすくする納税者番号制度について議論したと報じる。年金制度の一元化に向けて納税者番号の必要性を強調する声が高まってきたためで、導入に向けた検討を進めるべきだとの認識は一致したものの、導入の難しさを指摘する声も相次いだとのこと。総会では、納税者番号について、「少子高齢化などの社会構造の変化を踏まえた議論が必要だ」との意見が出たものの、政府税調は1980年前後から何度か納税者番号の検討を進めたが、そのたびにプライバシー保護や番号管理への国民の不安感などから、議論が失速した経緯があり、委員からは「番号導入に向けてさらに問題点を整理すべきだ」との意見も相次いだとか。

 年金番号と連動させる必要があると思うが。

為替介入して取得した米国債の評価損

 毎日は15日に「為替介入:評価損11兆4300億円に」〔三沢耕平〕を配信。
 記事は、谷垣禎一財務相が15日の参院財政金融委員会で、政府・日銀の為替介入による今年度末の評価損が11兆4300億円に上る見通しを示したと報じる。日本の場合、外貨資産の多くを米国債で運用しており、円高・ドル安が進むと評価損が膨らむためで、評価損は前年度の7兆6600億円から約4兆円拡大することになる。谷垣財務相は一方で、運用益の累積額が15年度末時点で過去最高の30・2兆円に上っていることを明らかにしたうえで、「企業のビジネスマインドや消費者に及ぼすマイナス影響を緩和するという意味で(介入は)極めて効果があった」と述べ、昨年度に実施した巨額の為替介入の正当性を強調したとのこと。

コンビニ納税は試行錯誤の段階

 16日付け日本経済新聞朝刊5面に「コンビニ納税――胸張る官、利便向上滞納防ぐ、民は困惑、手続き複雑店混乱」の記事。
 記事は、今年度から始まったコンビニエンスストアでの地方税の収納代行業務で官民の対立があらわになってきたと報じる。仕事を委託する地方自治体は「順調な滑り出し」を強調するが、受けるコンビニ業界は、複雑な納付業務に対応しきれず、店頭での混乱が増えていて困惑気味とのこと。地方税は役所もしくは金融機関の窓口で納めるか、口座振替で引き落とすかの二つのやり方があり、口座振替の手続きをしていないと、窓口などに出向かねばならず、そこで構造改革特区の設置を機に一部の自治体が見直しを求め、総務省も15年にコンビニで受け付けられるよう法律を改めたが、実際にやってみると戸惑いの声が相次いでおり、電気や電話など公共料金の納付書の場合は形式がほぼ同じだが、地方税は税額を分割で納められるよう複数枚になっていたり、受領印を押す場所が左右逆だったりするため、加盟店からは「アルバイトが間違えやすい」との不満があがっているとか。

物価連動国債を増発する方向

 15日付け日経金融新聞3面に「財務省、物価連動国債来月から――外国法人保有解禁、発行2兆円、上積みも」の記事。
 記事は、財務省が外国法人に対して、物価連動国債の保有を4月1日から解禁するための告示改正を週内に実施すると報じる。物価連動国債は日本で昨年3月に発行が始まったが、欧米諸国ではすでに普及しており、外国法人の購入意欲も強く、保有者のすそ野を広げて円滑な消化につなげたい考えと記事は伝える。物価連動国債を組み込んだ投資信託商品の組成が活発になる可能性もあると記事は評する。物価連動国債は消費者物価指数の上昇率などに連動して元本が増減するもので、英国が1981年に先進国で初めて発行し、米仏なども投入しており、ドイツも17年度中に発行に踏み切るとか。物価下落が続けば元本割れのリスクがある半面、物価上昇による資産価値の目減りを回避できるため、将来のインフレリスクをヘッジしたい投資家の人気を集めているとのこと。これまでの発行額は累計で約9千億円で、応札倍率が3.5―7.5倍で推移しており、財務省は発行額を増やし、17年度には6、9、12月と18年3月の4回にわたって、それぞれ5千億円ずつ発行する方針で、「外国人の需要次第ではさらに上積みも考えたい」(理財局)としているとか。今回の告示改正では、国内事業法人や個人への譲渡解禁は見送られたため、個人投資家は物価連動国債を組み込んだ投信を購入することはできるものの、国債そのものは買えないままで、これは、利息収入の捕捉など税務上の課題が残っているためで、財務省は「金融一体課税の実現と合わせて対応する」(理財局)としているとのこと。

特特会計の売却収入は予算の3倍

 15日付け日本経済新聞朝刊5面に「庁舎売却、予算の3倍」の記事。
 記事は、財務省が14日、16年度の公務員宿舎や庁舎跡地の売却収入が、当初予算の約3倍の1839億円になることを明らかにしたと報じる。15年度より8割増える数字とか。都心部の地価が底入れして売却が好調だったほか、大手町の合同庁舎跡地が約1300億円で売れるなど大型案件もあったと記事は伝える。売却収入は宿舎や庁舎の整備費にあてるほか、財政投融資からの借入金を返済すると記事は締め括っている。

 最後の部分は、庁舎跡地の売却が特定国有財産整備特別会計で経理されていることを知らないと意味が良く分からないだろう。

自民党新憲法委の意見集約状況

 共同は14日の配信「意見集約の要旨 自民党新憲法起草委小委員長=差替」で、自民党新憲法起草委員会が14日の小委員長会議で行った意見集約の要旨を伝えるが、「財政」に関しては次のとおり。

 【財政】健全財政に関する訓示的規定明記▽予算不成立時に対応する最低限度の規定設置を検討▽予算の単年度主義の原則は維持。一部の弾力的運用を検討▽私学助成は違憲の疑念を抱かれないよう表現を見直し▽会計検査院の位置付けは現行通り▽決算に関する規定は現行通りとし、参院の決算先議などを法律上明記することを検討。

 予算の単年度主義の原則維持は卓見。予算使い切り志向は複数年度でも同じということが分かっている。