公会計の動向 -145ページ目

総務省が徒歩通勤への手当支給の見直しを要請

 20日付け日本経済新聞朝刊43面に「徒歩でも「通勤手当」支給、全国市町村の1割で――総務省、見直し要請」の記事。

 記事は、全国の市町村の約1割に当たる274市町村で、徒歩通勤の職員に「通勤手当」を支給していたことが19日に総務省が公表した特別調査で分かったと報じる。うち244市町村は、国家公務員の場合には対象外となる片道2キロ未満の職員に手当を出しており、総務省は運用の見直しを求めたとのこと。通勤手当の支給状況調査は1月1日現在で、47都道府県、2892市区町村を対象に実施したもので、政令指定都市では北九州市だけが支給していたとか。総務省は調査後の3月に、自治体に「新地方行革指針」を示し、不適切な手当の支給の見直しを要請しているとか。

 

総務省報道資料:徒歩通勤に係る通勤手当の支給状況の調査結果(PDF)

地方債市場でCDS取引が始まった

 20日付け日経金融新聞2面に「官製地方債市場の終焉?――信用リスク取引格差生む(ポジション)」〔大竹啓史〕の記事。

 記事は、信用リスクを取引するクレジット・デリバティブ市場で、自治体を対象にしたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引がスタートしたと報じる。国以外の公的セクターで取引が成立したのは初めてとのこと。CDS取引は個々の自治体の信用力格差をあぶり出し、国がこれまで一律に条件を決めてきた「官製市場」を終焉(しゅうえん)に導く可能性を秘めていると記事は評する。3月初めごろから始まった自治体のCDS取引は大阪府、北海道、神戸市などで成立しており、取引規模は総額2百億円前後だったもようと記事は伝える。今回のCDS取引はまず、ある自治体向け債権を保有する金融機関Aが別の金融機関Bに保証料を支払うもので、自治体がデフォルト(債務不履行)などを起こしたときに、AはBから損失保証(プロテクション)を受けることになり、保証料は債務者の信用力などに応じて変動し、一種の保険に近いと記事は解説する。あらかじめ購入したプロテクションの保証料率が上昇すれば、利益を稼ぐこともでき、保証料率は期間5年で0.06―0.165%程度とか。地方債の在庫を多く抱える証券会社数社が業者間でプロテクションを購入したようだと記事は伝える。証券会社がCDS取引に踏み切ったのは、地方債のスプレッド(国債への上乗せ金利)が今後財務懸念などから上昇し、含み損を抱えかねないためだとか。

総務省が地方自治体の財政状況をサイトで公表

 読売は19日に「総務省、全自治体の財政指標一覧をHPで公表」を配信。

 記事は、総務省が全地方自治体を網羅した「主要財政指標一覧」を初めて作成し、20日から同省のホームページに掲載すると報じる。都道府県や各市区町村が個別に情報開示していたデータを一挙に公表することで、各自治体の財政健全化を促すのが狙いとのこと。15年度決算をベースに47都道府県と当時の3155市区町村について、〈1〉経常収入のうち人件費など経常的経費の割合を示す「経常収支比率」〈2〉経常収入のうち公債費の割合の過去3年の平均値である「起債制限比率」〈3〉財政需要額のうち収入の割合の過去3年の平均値である「財政力指数」〈4〉国家公務員の月額給与を100とした場合の地方公務員の給与水準を表す「ラスパイレス指数」――の4情報を掲載するとか。

 

総務省報道資料:地方公共団体の財政情報の公開の推進について

実態と乖離した予算の積み上げが叩かれている

 読売は19日に「ずさんな予算計上、説明渋るエネ庁に批判の声」を配信。

 記事は、経済産業省資源エネルギー庁が所管する「電源開発促進対策特別会計」をめぐり、実態を伴わない予算付けが相次いで表面化していると一連のほうどうを振り返る。実態のない同庁の予算付けはこれまでに、〈1〉財団法人「電源地域振興センター」への委託事業で、実在しない四つの組織の運営費として計2億円余り〈2〉同センターの「物産展」で、実際には廃止された広告の費用などとして計約2億円〈3〉財団法人「社会経済生産性本部」への委託事業である「原子力なんでも相談室」の運営で、実績のない「出張説明旅費」や、存在しない「事務室借料」として計約1億円――をそれぞれ15~17年度の3年度にわたって、予算付けが行われていた計上していたことが判明しており、予算編成は通常、前年までの支出実績を考慮して行われ、情勢の変化に応じて、実績を上回る予算付けが行われることもあるが、今回は、前年の支出が全くないのに、予算が3年連続で計上されたり、存在しない組織の運営費なども計上されたりしていたとの由。この問題については、18日の参院決算委員会で、民主党の尾立源幸議員が、「物産展」の予算を巡り、「予算と決算に乖離(かいり)がある」「水増し請求ではないか」と追及したが、同庁の小平信因長官は、実態と見合わない予算であることを認めたものの、既に行っていないパンフレット作成や車内広告費の計上を繰り返した点については、「実際の効果を見ながら支出するので、予算額と合わないこともある」などと、はぐらかしの答弁に終始したと記事は伝える。社民党の又市征治議員も同委員会で、実在しない組織などへの予算計上について「架空の予算付けだ」と迫ったが、小平長官は「改める点は改めたい」と述べるにとどまり、不必要な運営費を計上し続けた肝心の理由は何も説明しなかったとか。読売新聞でも今月12日以降、「なんでも相談室」への予算計上の理由などを再三、質問しているが、同庁は「資料収集や担当者の聞き取りなどを進めている段階。国会対応に追われていることもあり、即答できない」(担当者)とし、回答を避けているとのこと。

社会保険庁が近年は実施していないイベントの費用を予算に継続計上

 読売は4月20日3時6分に「社会保険庁、イベント開催名目で6年間に6億円計上」を配信。

 記事は、社会保険庁が10年度以降6年間にわたり、この間に一度も行われていないか、実施が確認されていないイベントの開催費名目で、計約6億円に上る予算を計上していたと報じる。年金保険料などを財源とする「厚生保険特別会計」と「国民年金特別会計」の予算に計上されており、実態を伴わない予算付けは、経済産業省資源エネルギー庁の「電源開発促進対策特別会計」で繰り返されていたことがわかっているが、別の特別会計でも行われていたことが判明したのは初めてと記事は伝える。社保庁などの調べによると、イベント予算は3年度に、全国7か所の社会保険事務所が毎年11月の「年金週間」に合わせて実施する〈1〉記念講演とコンサート〈2〉エアロビクス大会〈3〉綱引き大会――の各種費用として初めて計上されたとのこと。その後、予算の付けられた社会保険事務所が徐々に増え、7年度からは、47都道府県すべての事務所で、三つのイベントの費用が計上されるようになり、10年度以降は毎年度、〈1〉のために約6900万円、〈2〉のために約500万~800万円、〈3〉のために約2400万円の予算が付けられていて、その内訳は、コンサートの出演料や司会者の謝金、エアロビ大会の審査員謝金や表彰状作成費、綱引き大会のゼッケン作成費や綱レンタル料などだったとか。ところが、少なくとも10年度から15年度までの6年間は、コンサートやエアロビ大会、綱引き大会は、全国どこの事務所でも全く行っていなかったことが判明し、コンサートと同じ会場で行われたことになっていた記念講演についても、実際に開かれたかどうかは確認されていないとか。記事は、実態不明のイベントのために、毎年度1億円前後の予算が計上されていたことになると評する。この問題は、20日の衆院決算行政監視委員会で、民主党の長妻昭議員が追及する方針と記事は伝える。

東京都が施設利用料のクレジットカード収納を開始

 14日付け会計検査情報第2582号3面に「独自見解でクレジット収納 東京都 自治法上の「公金」外と判断」。
 記事は東京都が1日から都立施設の一部で、クレジットカードによる利用代金収納を始めたこと、地方自治法第243条を踏まえて、料金収納をクレジットカード会社に委託したのではなく、クレジットカード会社が利用者に代わって納付するという考えに立っていること、そのクレジットカード会社と利用者の債権債務関係については、債権譲渡の考え方は、公的債権への適用を否定する判決もあるために採らず、第三者弁済の考え方に立ったこと、を伝える。

 

参考:地方自治法

第二百四十三条  普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがある場合を除くほか、公金の徴収若しくは収納又は支出の権限を私人に委任し、又は私人をして行なわせてはならない。

東京都は16年度の税収増で財政調整基金を積み増し

 共同は17日に「基金残高が13・6%減 財政難で取り崩し続く」を配信。

 記事は、総務省がまとめた、都道府県と政令指定都市の基金の残高や取り崩しの状況について報じるもので、収入減に備える財政調整基金と、地方債の返済に充てる減債基金の16年度末の残高(見込み額)は、合計で前年度末より13・6%減少していて“貯金”の取り崩しによる厳しい財政運営が続いていることを示したと伝えている。同省の調査によると、両基金の16年度末の残高は計1兆8340億円で、前年度末より2894億円減っており、財政調整基金の16年度の取り崩し額は1984億円で、東京都が税収増から約1900億円を積み立てたため、残高は前年度末より10・8%(556億円)増えたが、東京を除くと17・0%(743億円)減とのこと。茨城など6府県と大阪市は残高がゼロで、北海道など4道県と川崎市など4市は10億円以下に落ち込んだとか。減債基金の16年度末の残高は、前年度比21・5%減の1兆2623億円で、地方債の返済で取り崩しが続く一方、積み立ては進んでいないとか。17年度当初予算では4月1日に政令市になった静岡市を含めて両基金から8216億円の取り崩しを計上しており、これは前年度の実績より23・8%増で、これにより17年度末の残高は1兆1650億円になる見込みと記事は伝える。

郵政基金に国費を投入しようという馬鹿げた構想が浮上

 15日付け日本経済新聞朝刊7面に「郵政基金に国費、財務次官が反対」の記事。

 記事は、細川興一財務次官が14日の記者会見で、過疎地の郵政サービスを維持するための基金に政府が資金投入することについて「国費を使うことは国民の理解を得にくい」と語り、反対する考えを明らかにしたと報じる。郵政民営化の政府案では、1兆円規模とされる基金の原資は持ち株会社が子会社である郵便貯金銀行株の売却などで独自に調達し、政府が保有する持ち株会社株の売却益は国債の償還原資に充てることになっているが、自民党内には政府保有株の売却益も基金の原資に充当すべきだとの意見が浮上しているとのこと。財務省はこれまで郵政事業の売却益は「国民共有の負債の返済に使うべきだ」と主張してきており、次官は過疎地向け補助金である基金に振り向けるという要求には応じられないとの立場を改めて打ち出したと記事は解説する。

 

 財務省サイトに掲出されたものによれば、次官の方から言及しているのが興味深い。

貸与スーツを給与と認定

 15日付け日本経済新聞大阪朝刊16面に「職員厚遇、「スーツ貸与は給与」認定――国税局、徴収、漏れ3億円(大阪市を問う)」の記事。

 記事は、大阪市の職員厚遇問題で、大阪国税局が14日、制服として貸与したスーツや奨学貸与金などを実質的な給与と認定、市に源泉徴収漏れを指摘したと報じる。徴収漏れ額は5年間で計約3億円に上る見込みとのこと。市監査委員は同日、公費返還を求める住民監査請求について、スーツ制服は違法として約3億8千万円を職員に返還させるよう、関淳一市長に勧告したとか。同国税局は神戸市、京都市でも同種の厚遇策の税務調査を進めており、今回の判断は他の自治体にも影響が広がりそうだと記事は伝える。徴収漏れを指摘されたのは、係長以下の職員約2万3千人に貸与していた約3万7千―4万円相当のスーツ制服や、永年勤続表彰の旅行券など4項目で、国税局は、スーツ制服については「勤務場所外でも着用でき、制服と認めがたい」と指摘し、給与の現物支給にあたると断定し、永年勤続職員への金券支給については「市の公金で賄われ、換金性もある」と給与所得と見なし、ヤミ年金・退職金については、実施主体は互助組織だが「市の指示で生命保険会社に支払っている」ことから、公費で負担した分を給与所得と認定したと記事は伝える。税法上さかのぼって課税できる過去5年間分の支出総額は計24億6800万円で、市が納税するのは不納付加算税を含め、約3億円に上る見込みだが、ヤミ年金・退職金を受け取った退職者は確定申告で納税しているため新たな課税は困難であり、さらに互助組織にプールされている積立金については、市への返還を求める住民監査請求が審理中で、互助組織からの返還が実現すれば課税されない可能性が大きいとか。

政府短期証券で4ヶ月ぶりにゼロ%

 読売は13日に「政府短期証券、金利ゼロで落札…ペイオフ解禁の影響?」を配信。

 記事は、財務省が13日に行った3か月物の政府短期証券の入札で2004年12月15日以来4か月ぶりに利回り0%が付いたと報じる。4兆6850億円程度の発行予定額に対し、600倍以上の約2876兆円の応募があり、利回りゼロでも落札する金融機関が出たためとのこと。ペイオフの全面凍結解除がトラブルなくスタートし、金融機関が万一に備えて手元に置いておいた資金を運用に回したため、応札が増えたと見られると記事は伝える。