地方債市場でCDS取引が始まった | 公会計の動向

地方債市場でCDS取引が始まった

 20日付け日経金融新聞2面に「官製地方債市場の終焉?――信用リスク取引格差生む(ポジション)」〔大竹啓史〕の記事。

 記事は、信用リスクを取引するクレジット・デリバティブ市場で、自治体を対象にしたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引がスタートしたと報じる。国以外の公的セクターで取引が成立したのは初めてとのこと。CDS取引は個々の自治体の信用力格差をあぶり出し、国がこれまで一律に条件を決めてきた「官製市場」を終焉(しゅうえん)に導く可能性を秘めていると記事は評する。3月初めごろから始まった自治体のCDS取引は大阪府、北海道、神戸市などで成立しており、取引規模は総額2百億円前後だったもようと記事は伝える。今回のCDS取引はまず、ある自治体向け債権を保有する金融機関Aが別の金融機関Bに保証料を支払うもので、自治体がデフォルト(債務不履行)などを起こしたときに、AはBから損失保証(プロテクション)を受けることになり、保証料は債務者の信用力などに応じて変動し、一種の保険に近いと記事は解説する。あらかじめ購入したプロテクションの保証料率が上昇すれば、利益を稼ぐこともでき、保証料率は期間5年で0.06―0.165%程度とか。地方債の在庫を多く抱える証券会社数社が業者間でプロテクションを購入したようだと記事は伝える。証券会社がCDS取引に踏み切ったのは、地方債のスプレッド(国債への上乗せ金利)が今後財務懸念などから上昇し、含み損を抱えかねないためだとか。