財政融資特会の準備金を国債の買入償却に充当する方針
北海道新聞は11月26日に「財投剰余金 国債償還に12兆円 財務省 特会改革に先行」を配信。
記事は、財務省が25日、財政投融資の特別会計の剰余金である金利変動準備金23兆7千億円のうち12兆円を18年度の国債買い入れ償還に充てると発表したと報じる。特別会計の積立金を使っての国債の買い入れは初めてで、政府・与党が進める特別会計改革に先んじる形で特別会計資金の有効活用に踏み切ると記事は評する。財政融資資金特別会計は、特殊法人などに長期融資の資金を供給しているが、財投改革などで同会計の資産規模はピーク時の約450兆円から約350兆円まで減少しており、これに伴って多額の準備金を備える必要が薄れ、低金利に伴う利ざやで準備金も積み上がり、残高が538兆円に上っている国債の買い入れに回す余力が生まれたとのこと。国債の買い取りは債券市場をはじめ大口の保有者などから行う計画で、時期などは今後、市場関係者の意見などを聞いて検討するが、18年度内に12兆円の買い取りを済ませる方針で、12兆円の残高が減少すれば、年間4千億円程度の国の利払い費の減少が見込まれるとのこと。全31の特別会計について統廃合を含めた改革論議が進んでいるが、中には特定財源からの歳入を使い切れず、毎年数百億円規模の剰余金が発生しているものもあり、同省は「今後も(国債買い取り財源などとして)活用できるものがあれば、やっていく」としているとか。
与党の財政改革・事業仕分けに関するプロジェクトチームが初会合
共同は11月24日に「特別会計見直しで初会合 与党プロジェクトチーム」を配信。
記事は、与党の「財政改革・事業仕分けに関するプロジェクトチーム」が24日に初会合を国会内で開き、特別会計制度の見直しを含む具体的な歳出削減策の検討に着手したと報じる。会合では、民間シンクタンク「構想日本 」の加藤秀樹代表が、地方自治体による事業の必要性について「仕分け」の検討状況を説明し、特別会計見直しに関しては「納税者の視点を大切にしながら、政党が主体的に取り組むべきだ」と強調したとのこと。プロジェクトチームは、10月下旬に発足した与党財政改革等協議会の下部組織として設置され、今後検討を重ねて、特別会計見直しの与党案づくりに反映させるとか。
18年度の固定資産税は大幅な減少
11月24日付け日本経済新聞朝刊1面に「固定資産税、都市計画税、税収4200億円減に――総務省来年度試算、地価下落響く」の記事。
記事は、土地や建物などにかかる固定資産税と都市計画税(ともに市町村税)の18年度の税収が今年度より4200億円減って約9兆5300億円に落ち込むことが、総務省の試算でわかったと報じる。過去最大の減収幅だった15年度の4600億円減に次ぐ水準で、大都市圏では地価下げ止まりもみられるが、市町村の税収増につながるまではまだ時間がかかりそうと記事は評する。18年度は、税額の算定根拠となる評価額を3年に1度見直す年に当たり、地方圏を中心に依然として地価下落が続いていることや、建築資材の価格低下で家屋の評価額が下がることが影響して、一部地域を除いて資産所有者が払う納税額、市町村に入る税収とも減少する公算が大きいとのこと。
政府資産・債務改革の方向
11月24日付け日本経済新聞朝刊3面に「政府資産圧縮骨抜きも――庁舎や未利用地の売却焦点、財務省、抵抗強く(官を開く)」の記事。
記事は、840兆円と巨額の政府資産を民間売却などを通じて整理しようという構想が、骨抜きになる恐れが出てきたと報じる。経済財政諮問会議が今月末に政府資産・債務改革の基本方針をまとめる考えだが、財務省の抵抗などを背景に「目標設定」が迷走し始めたとのこと。現在、整理の対象として挙げられているのは全体の4割強の金融資産だけで、国有地などを含む資産全体の見直しは「小さな政府」の大枠だが、看板倒れの懸念が強まっていると記事は伝える。日本の資産は15年度末で国が690兆円、地方などを合わせると840兆円(連結ベース)になり、主な内訳は国の庁舎など国有財産が67兆円、政府系金融機関分を含めた貸付金が3百兆円で、米国の政府資産の04年9月末150兆円と比べれば大きいとのこと。こうした状況を踏まえて、経済財政諮問会議が資産・債務改革を進めるべきだと提案し、9月の衆院選で与党が圧勝すると、竹中平蔵・前経済財政担当相が「政府の資産全体を国内総生産(GDP)比で半減」との目標設定を指示した経緯がある。国有財産を処理して売却益を国債の償還財源に充てるほか、将来の金利上昇による負債増大のリスクを減らす狙いがあるとのこと。ところが、内閣改造で風向きが一変し、今月14日の諮問会議で与謝野馨経財相のもとでの基本方針の素案として打ち出されたのは「金融資産残高を10年かけてGDP比で半減」というもので、国ベースの金融資産残高(375兆円)だけが対象とか。国の金融資産には政府系金融機関や日本郵政公社への貸付金や出資金が目立ち、例えば政策金融改革に伴い、民営化の方針が固まった日本政策投資銀行向けの貸付金だけで11兆円に上っており、融資残高90兆円の八つの政府系金融機関は今後3年で統廃合が進むし、144兆円を超す有価証券の売却なども可能で、金融資産だけが対象であれば「自然減だけで簡単に達成できる」(経済官庁幹部)との見方が強いとか。これを知った竹中氏は「控えめな提言で国民が納得できるか」と激高し、小泉純一郎首相も「国有財産の管理は役所がやっても駄目。民間に売れば売れる」とげきを飛ばしたとのこと。低めの目標に一転した裏には、庁舎の売却などを回避したい財務省の意向が働いたとの見方がもっぱらで、資産のうち不動産などの国有財産が対象から外れた理由は財務省の雇用問題と記事は評する。財務省は「庁舎を売れば新たに土地をリースする必要が生じてコスト増になる」と反論するが、竹中氏は「都内一等地の超高層マンションの隣に低層の公務員宿舎がある。本来は40階になるはずで、経済的に有効利用されていない」と押し返しているとか。民間に売れば、売却益と民の工夫による都市再生も期待でき、一等地での官舎保有は「機会損失」との主張。来週29日の諮問会議で資産・債務改革の基本方針が決まるが、焦点は資産のうち何を圧縮の「目標」にするかだと記事は説く。
諮問会議の18年度予算基本方針は12月初めに
共同は11月22日に「予算方針を12月初め決定 経済財政諮問会議」を配信。
記事は、政府の経済財政諮問会議が22日、新規国債発行を30兆円程度に抑制することを柱とした18年度予算編成の基本方針を12月初めに決定することを決めたと報じる。社会保障分野を中心に歳出削減を進め、一般歳出は17年度当初予算の47兆2800億円を下回る水準に抑えるとのこと。諮問会議は11月29日の次回会合で予算基本方針の原案を示し議論するとか。この日は特別会計も議論し、民間議員が3年程度の改革工程表を示し、道路整備をはじめ一般会計繰り入れの多い特会は、一般会計への吸収を検討するよう要請したとのこと。小泉首相は「改革でどれだけの増税をしなくて済むのか具体的に示してほしい」と述べ、改革の効果を具体額で示すよう指示したとか。
郵政公社は国庫納付金が発生する見通し
11月22日付け日本経済新聞朝刊5面に「9月中間、郵政公社、純利益2.7倍――株高、多額の含み益」の記事。
記事は、日本郵政公社が21日に発表した2005年9月中間決算について、公社全体の純利益が9984億円と前年同期の約2.7倍に上ったこと、これは株価上昇で保有株式に多額の含み益が発生するなど特殊要因による部分が大きいことを伝える。郵政公社が中間決算を公表するのは今回が初めてで、固定資産への減損会計も初めて適用した結果、郵便貯金会館(メルパルク)や「かんぽの宿」、逓信病院など134施設や遊休資産を対象に計2243億円の損失を計上したとのこと。事業部門別にみると、郵便事業は赤字となったが、売上高に相当する経常収益は前年同期比でわずかながら増え、減少に歯止めがかかったとか。はがきや封書の減少分を、郵便小包「ゆうパック」やダイレクトメール便の拡大で補う作戦が功を奏し始めたともいえると記事は評する。通期では156億円の最終黒字を見込むが、生田正治総裁は「(達成を)確信している」と自信を見せているとか。郵便貯金部門の純利益は前年同期の2.5倍に膨らみ、1兆円を突破したが、信託を通じて保有する株式の含み益(5936億円)を「金銭の信託運用益」として利益に計上していることが主因で、これを除くベースでは4748億円と前年同期に比べて6.9%減ったとのこと。過去に高金利で預かった郵便貯金の流出も続いており、9月末の郵貯残高は206兆円と三月末に比べ7兆円減少したとか。簡易保険部門でも、純利益に相当する「内部留保積み増し額」が2507億円と前年同期を上回っているが、株式売却益の増加に加え、簡保契約の残高減少に合わせた責任準備金の戻し入れ(1兆9千億円)による利益を計上している要因があるとのこと。9月末の自己資本(資本金と利益剰余金の合計)は5兆8千億円で、郵政公社は自己資本充実の狙いもあって法人税などを免除されているものの、資本が一定水準を超えると、利益の5割を国庫納付金として18年度末にまとめて納める必要が出てくるが、生田総裁は21日の記者会見で「無税で積める自己資本の水準は6兆2千億円程度。来年3月期にはその限度を超える」と述べ、納付義務が発生するとの見通しを示したと記事は伝える。
EUの財政安定化協定逃れのためのギリシャの借入れ
毎日は11月21日に「赤字隠し:ギリシャが銀行融資の歳入組み込み廃止へ」〔ブリュッセル福原直樹、ロンドン藤好陽太郎〕を配信。
記事は、欧州連合(EU、25カ国)の一部加盟国が未回収の税金を担保にした銀行融資を歳入に組み込み、事実上の「赤字隠し」を行っている問題で、ギリシャが過去数年にわたり、この手法を使っていたと報じる。同国は今年度予算でも15億ユーロ(約2100億円)を歳入に組み込んでおり、EUの指導を受けて来年からは廃止する方針と記事は伝える。EUには単年度の財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以内に収める「財政安定化協定」があり、ギリシャ政府高官によると、基準達成などのため今年度、大手米銀に依頼して未回収の税金を担保に15億ユーロの融資を受けて、歳入に組み込む方針とのこと。この結果、05年度のGDP比の財政赤字の見通しは4.4%から3.6%となるとか。しかし、税回収の見込みは難しいため、EUの欧州委員会はギリシャに対して「財政が不健全になる」と来年度からの廃止を要求したとの由 。ギリシャ政府高官は同委要求に従う意向を示したとのこと。EUはポルトガルなど、他の加盟国もこの手法を使っていた可能性があると見て、各国の実態を調査していると記事は伝える。
規制は規制逃れを生む、という典型みたいな話だ。
道警の捜査用報償費の増額要求は認められず
共同は11月18日に「捜査用報償費の増額認めず 道警の要求に北海道」を配信。
記事は、北海道が18日、11月末開会予定の定例道議会に提出する補正予算案を公表し、道警が要請していた捜査用報償費(道費)約3800万円増額を見送ったと報じる。道の原田淳志総務部長は記者会見で「捜査用報償費(の執行)については改善されており、その必要性は理解している」としたものの「厳しい行財政を踏まえ、当初予算の範囲内で努力してほしい」と説明したとのこと。捜査用報償費は15年度予算では約1億1800万円だったが、裏金問題発覚後の17年度は当初予算で約6400万円にまで削減されており、ことし4-9月の上半期で約4500万円がすでに執行されていて、道警は「このままでは大幅な不足が生じる恐れがある」として補正予算案での増額を要求していた とか。
米国が税率の簡素化に動いている
11月21日付け日本経済新聞朝刊7面に個人所得税、税率区分を簡素化――米財務省、年内にも改革案」〔ワシントン=小竹洋之〕の記事。
記事は、米財務省が年内にも、連邦所得税の見直しを柱とする抜本税制改革案をブッシュ大統領に提出すると報じる。連邦政府が徴収する個人所得税の税率区分(現行税率は10―35%の6段階)を簡素化し、3―4段階に圧縮する見通しと記事は伝える。ブッシュ政権2期目の重要課題である抜本税制改革を巡っては、大統領の諮問委員会が今月1日にスノー財務長官に報告書を提出しており、そこでは、個人所得税の税率区分を15―33%の4段階に減らす案と、15―30%の3段階に減らす案を提示し、また、8段階に分かれる法人所得税の税率を31.5%か30%に一本化する案も盛り込んでいるとのこと。財務省はこの報告書に基づき、実現可能な単一の改革案を大統領に提出する予定で、個人所得税と法人所得税の税率を簡素化する一方、各種の控除制度などを圧縮して増減税の規模が同じ 「歳入中立型」の内容にすると記事は伝える。ただ、諮問委が提案した住宅ローン控除の縮小などに議会が強く反発しており、スノー長官は議会の論争を避けたいとしていて、諮問委の報告書を修正して小幅な改革案にとどめる可能性があるとも記事は伝える。
税体系の簡素化はどこの国でも議会の抵抗に会う。
小牧市が別途経理金の自主的廃止に成功
中日新聞は11月20日に「愛知・小牧市に帳簿外公金 50年前から企業誘致で使用か」を配信。
記事は、愛知県小牧市で「保管金」という名目の帳簿外の公金が存在していたと報じる。最後の残額は5563万円余だが、50年前の市制施行時には年間予算の5分の1に相当する額がプールされ、高度成長期に企業誘致のための“裏金”として使われたとみられるとのこと。市は「不明朗な会計との批判を受けてもやむを得ない」としているが、半世紀にわたり、多額の公金が何にどう使われたかは、闇に包まれたままと記事は伝える。残額は「二〇〇五年の市制五十周年前にあしき慣習を断とう」(市幹部)と、16年度一般会計予算の総務費雑入に繰り入れられ昨年末、予算外の運用は解消されたとのこと。関係者によると、昭和30年1月1日、小牧町、味岡村、篠岡村の三町村が合併して小牧市が誕生した当時の合併事務の引き継ぎ書にも保管金の記述があったとか。この時の保管金の総額は、2千万円前後とみられ、合併初年度の市の一般会計予算、約1億円の5分の1とのこと。保管金には「工場誘致等保管金」と「診療所建設資金」の2種類あり、いずれも収入役名義の通帳で金融機関に預けられ、歴代の収入役の引き継ぎ書などにも記され、預金の出し入れは、工場誘致等保管金が1970年代末ごろ、数百万円の出し入れが数回あったとか。使途を確認できる資料はないが、古い職員は「当時は企業誘致に躍起になっており、進出してくれた企業への謝礼や接待に充てたり、国や県への官官接待をしたりするのが、まかり通っていた時代。おそらく、そういう裏金として使ったと推測できる」と話しているとか。最近十年間は全く手を付けておらず、もっぱら利息分が加算されていたとか。