財制審の18年度予算編成の建議
毎日は11月21日に「財政審:建議提出 聖域なき歳出削減、一段と厳しく」〔吉田慎一〕を配信。
記事は、財政制度等審議会が21日、18年度予算編成の基本方針になる建議(意見書)をまとめ、谷垣禎一財務相に提出したと報じる。小泉純一郎首相が18年度予算の新規国債発行額を30兆円にできるだけ近づけるよう指示したことを受け、医療制度の見直しや公務員総人件費の削減など、聖域なき歳出削減を一段と厳しく求めているのが特徴と記事は伝える。医療制度の見直しについては、70歳以上の医療費の自己負担を原則、現行の1割から2割に引き上げるよう求めたほか、医師などに技術料として支払われる診療報酬本体部分の引き下げなどを盛り込んだとのこと。公務員の総人件費についても「あらゆる手段を駆使して削減に徹底して取り組むべきだ」と指摘し、自衛官や外交官などの諸手当についても見直すよう提言したとか。また地方公務員については給与水準を各地域の民間賃金水準に是正すべきだとし、同じ業務を行う国家公務員より給与水準が高い技能労務職の給与見直しなども促したとのこと。地方財政については、国と地方の税財政を見直す三位一体の改革を「確実に実現」するよう要請し、地方の財源不足の穴埋めに使われている地方交付税のあり方について「自己責任と自助努力を基本とする自立支援型の制度に切り替えていく必要がある」と、財政健全化に向け、地方の努力を求めたとか。
公表資料:平成18年度予算の編成等に関する建議
政府税調の25日の答申内容が報じられている。
毎日は11月20日午前3時に「政府税調:答申案の全容判明 定率減税全廃を明記」〔三沢耕平〕を配信。
記事は、政府税制調査会が25日に小泉純一郎首相に提出する18年度税制改正答申案について、11年に景気対策で導入された所得税と個人住民税の定率減税を19年に廃止するよう求めるほか、法人減税も来年3月の期限で打ち切ることを提言し、また、道路特定財源を含むすべての特定財源について、「一般財源として活用」との考えを明記すると報じる。「三位一体の改革」で国税の所得税から地方税の住民税に3兆円を移す税源移譲については、「税負担の変動を極力小さくするよう十分留意」と明記し、住民税率を一本化して、所得税率はより累進的な税率構造になるよう「役割分担の明確化」を提言するとのこと。企業向けの減税措置では、IT(情報技術)関連製品を取得した場合、購入額の1割を法人税から差し引く「IT投資促進税制」を来年3月で廃止するよう要請し、製品開発などの費用の一部(最大12%)を差し引く「研究開発促進税制」の減税上乗せ措置(2%分)の廃止も併せて求め、不動産取引の活性化のため導入した不動産登録免許税と不動産取得税の軽減措置も、来年3月での打ち切りを求めるとか。酒税については、「酒類の分類の簡素化」と「酒類間の税負担格差の縮小」を改めて明記し、「現行制度は、技術革新の進展に対応していない」として、第3のビールへの課税強化を求めるとか。環境税は「関係省庁の議論を踏まえて総合的に検討」と指摘するにとどめると記事は伝える。納税環境の整備では、個人住民税の徴収率(15年度、97・8%)を向上させるため、所得税と同様に公的年金からの天引き(特別徴収)制度を導入するよう提言し、高額納税者の氏名などを公開する公示制度は「廃止」を求めるとともに、個人や法人が申告を怠った場合の無申告加算税の税率引き上げも提案するとのこと。
特別会計の通則法を作る構想
時事は11月20日に「特会の透明性向上へ新法検討=繰り入れ制限など規定-自民・中川政調会長」を配信。
記事は、自民党の中川秀直政調会長が20日に盛岡市内で開かれた会合でのあいさつで、「無駄遣いの温床」との批判が強い特別会計について、一般会計からの繰り入れ制限など統一基準を定めた新法制定を検討すべきだとの考えを明らかにしたと報じる。中川氏は「(特別会計ごとに定めている設置法は)会計基準、情報開示基準がまちまちだ。ガラス張りで国会で議論できる姿に改めるため、通則法も検討しないといけない」と語ったとのこと。
雲南市の市民外国派遣が観光旅行と批判されている
共同は11月17日に「中国研修の半分は観光 島根県雲南市が補助金」を配信。
記事は、島根県雲南市が9日から5日間、補助金を出して市民12人を中国・建徳市に派遣した研修事業で、半分近い日程に観光が組み込まれていたと報じる。雲南市は青壮年派遣研修奨励事業として、参加費用の3分の2にあたる計約111万円を負担したとか。雲南市国際交流室によると、移動日を除く3日間で、植樹や歓迎レセプションなど交流は初日だけで、残り2日は建徳市を離れ、紹興市で紹興酒工場の見学、杭州市でテーマパークの見学や西湖遊覧など、研修の趣旨とは異なる日程が組まれていたとのこと。研修日程は建徳市とつながりの深い市民団体を通じ、旅行会社が企画したもので、ほかに自費で参加した約100人のために組まれた日程と同じで、観光の要素が多いことを市が見逃したとか。国際交流室の大坂浩二室長は、観光旅行との指摘について「少々感じているが、参加者に中国の文化を幅広く理解してもらえたはず」と話していると記事は伝える。
参議院決算委員会が決算の概要調査
読売は11月18日に「参院決算委、決算の概要調査を初めて実施」を配信。
記事は、参院決算委員会(中島真人委員長)が17日、16年度決算の概要について調査を行ったと報じる。参院は昨年、「決算の通常国会前の審査」を始めたが、今年は年内に臨時国会の予定がなく、通常国会前の審査ができないため、「概要の調査」によって「前倒し審査」の体裁を維持したとのこと。決算の概要調査は初めてで、「参院無用論」に危機感を持つ参院が、存在意義を訴えるための「苦肉の策」と言えると記事は評する。委員会では、谷垣財務相が16年度決算の概要を報告した後、与野党の7議員が質疑を行ったとのこと。前年度決算の審査前倒しは、審査内容を来年度予算審議に反映する一方、参院の独自性を強調する狙いもあるとか。決算の提出時期は、従来の1月から昨年は11月19日に早まったという経緯もあり、16年度決算は来年1月の通常国会で改めて審査されるため、この日の議論は「本体の決算審査には全く影響がない」(政府関係者)との冷ややかな声もあると記事は伝える。
奈良新聞は18日に「参院の決算重視を訴え-荒井氏が財務相らに質問」を配信して、参院の決算委員会で17日に自民党の荒井正吾委員(県選挙区)が質問に立ち、平成16年度決算検査報告について政府の見解をただしたと報じる。荒井氏は冒頭、検査官の中に会計検査院の出身者が一人もおらず、人事の国会同意手続きに決算委員会が関与できなかったことを取り上げ、「検査院の独立性に懸念がある。せめて候補者への質疑を実施したかった」と遺憾を表明し、今後の国会対応のあり方について検討を要請したとのこと。
記念的資産の買い上げを国に求める自治体がまだある
時事は11月17日に「旧吉田邸の国有化要望=神奈川県知事」を配信。
記事は、松沢成文神奈川県知事が17日、首相官邸に安倍晋三官房長官を訪ね、現在は民間企業が所有する同県大磯町の故吉田茂元首相邸について「歴史的、文化的価値を有するこの邸宅を国が買い上げ、迎賓館的施設として整備、活用してほしい」と要望したと報じる。これに対し、安倍氏は「(国の財政は)国有財産の処分を検討している厳しい状況だ。地元としても何ができるか検討してほしいが、国としてもどのようなことができるか総合的に検討する」と約束したとのこと。
特別会計の再編案
朝日は11月18日に「31の特別会計「半減」 財政審が見直し案」を配信。
記事は、特別会計について、財政制度等審議会が18日に決める見直し案について、類似の特会の統合を検討し、国が行う必要のない事業は独立行政法人化や民営化を進めることなどが柱で、31ある特会をほぼ半減させる内容で、不要な剰余金や積立金は、財政再建のため一般会計に繰り入れることも求めていると報じる。17年度の特会の純歳出(一般会計や特会相互間の重複を除いた歳出)は205.2兆円で、一般会計の純歳出の6倍となっており、財政審特別会計小委員会は、各特会の事業や一般会計との区分経理の必要性、特定財源の弊害などについて検討して見直し案をまとめたとのこと。同小委の富田俊基委員長(中央大教授)が18日に報告するとか。統合対象に想定する特会は、内容が似ている道路整備、治水、港湾整備、空港整備など公共事業系や、社会保険系(厚生保険と国民年金)、融資事業系(財政融資資金と産業投資)などで、自治体などに土地取得・都市整備資金を貸す都市開発資金融通特会も、公共事業系か融資事業系への統合を検討する方向とか。森林保険や自動車検査登録など4特会は、国が行う必要性がないとして将来の独法化・民営化を促したと記事は伝える。特定財源の見直しでは、道路、空港整備各特会について使途を特定しない一般財源化を主張しており、原子力発電などの立地を進める電源開発促進対策特会では、一般会計に入れてから必要額を特会に移すよう提言したとのこと。特会の統廃合を進めれば、業務のむだが省け歳出削減につながり、剰余金や積立金の有効活用は危機的な財政の健全化にも寄与するほか、一般会計や特会間の複雑な資金の流れが減ればチェックも効きやすくなると期待されると記事は好意的に伝える。財政審は見直し案を踏まえ、各特会の所管省庁が5年程度の改革工程表を策定・公表することも求めているとか。
記事によると、31特別会計に関する財政制度等審議会見直し案は次のとおり。
●類似する特別会計同士の統合を検討(対象特会数17)
道路整備+治水+港湾整備+空港整備(+都市開発資金融通)
電源開発促進対策+石油及びエネルギー需給構造高度化対策
財政融資資金+産業投資(+都市開発資金融通)
食糧管理+農業経営基盤強化措置
厚生保険+国民年金
農業共済再保険+漁船再保険及び漁業共済保険
船員保険の一部+労働保険
●独立行政法人化・民営化を検討(4)
森林保険 国立高度専門医療センター 自動車検査登録 自動車損害賠償保障事業
●一般会計に統合して廃止(1)
登記
●基本的に現状維持(8)
地震再保険 貿易再保険 国営土地改良事業 外国為替資金 交付税及び譲与税配付
金 国債整理基金 特定国有財産整備 特許
●その他(1)
国有林野事業(勘定を統合)
11月18日付け日本経済新聞夕刊1面の「民営化明示ゼロ、財制審案17特会、7つに集約、特別会計」は、財政制度等審議会が18日午前に、特別会計小委員会がまとめた特会の合理化案を了承したと報じる。31ある特会のうち公共事業関係など17特会を統合して七つに集約することなどにより特会をほぼ半減させるとしているが、民営化を明確に打ち出したものはなく、力不足の内容にとどまったと記事は評する。財務省は22日開く経済財政諮問会議に報告するとのこと。財制審の合理化案は、政府・与党が年内に策定する今後5年間程度の「整理合理化計画」のたたき台となるとか。合理化案は、国が担う必要があるか、一般会計と経理を分ける必要があるか、類似特会は統廃合できないか、の3基準に基づき整理したものとか。
中部国際空港は開港初年度で黒字の勢い
共同は11月16日に「開港初年度で単年度黒字へ 中部空港06年3月見込み」を配信。
記事は、中部国際空港会社が16日発表した2005年9月中間連結決算が、愛知万博の開催に伴う旅客増などで18億3200万円の純利益を計上していると報じる。開港後初の年間決算となる06年3月期連結決算は売上高が525億円、純利益が9億円と見込み、開港から5年前後を目標にした単年度黒字を初年度に達成しそうと記事は伝える。同社は5月の段階では06年3月期に11億円の純損失を見込んでいたが、万博や開港に伴う増収が11億円あったことなどで黒字に転換したとのこと。平野幸久社長は「06年度は固定資産税などが大きく増えるので、単年度黒字が今後も定着するかどうかは下期の動向を見極める必要がある」と説明し、今後もコスト削減や売り上げ増で黒字を定着させる考えを示したとか。
北海道警が捜査用報償費について増額を要請
共同は11月17日に「報償費の増額補正求める 北海道警が約3800万円」を配信。
記事は、裏金問題の発覚後に減少していた捜査用報償費について、北海道警が約3800万円の増額補正予算案を11月末開会予定の定例道議会に提案するよう、道側に求めていると報じる。捜査用報償費は道費で、裏金問題が発覚する前の15年度予算では約1億1800万円だったが、16年度は約8300万円に
減少しており、17年度には執行率が低いとして当初予算で約6400万円にまで削減された経緯があるとのこと。道警の説明では、17年度の捜査用報償費の執行額は、4-9月の上半期で約4500万円に上っており「このままでは大幅な不足が生じる恐れがある」としていると記事は伝える。16年度の執行率の低さについて道警は「(裏金問題を受け)現場の捜査員に報償費を執行することに戸惑いがあったのではないか」と話しているとか。
道警の会計職員が不正行為
11月17日付け毎日新聞北海道朝刊に「横領:北海道警2職員を逮捕 横領と詐欺容疑、管理に甘さ」〔内藤陽、佐野優〕の記事。
記事は、倶知安署と函館中央署に勤務していた会計担当の事務吏員2人が公金などを着服した問題で、道警が16日、道警本部総務課勤務の容疑者(55)を業務上横領容疑で、江差署会計給与係長(51)を詐欺容疑で逮捕したと報じる。近く2人を厳正に処分するとのこと。道警監察官室長は「警察職員としてあるまじき行為で誠に遺憾」と陳謝する一方、発覚の遅れにつながった幹部の管理態勢の甘さを認めたとのこと。調べでは、総務課勤務の容疑者は倶知安署の会計給与係長だった14年4月~今年1月、事務用品購入の際に同署の銀行口座から現金を支払額以上に引き出し、計約210万円を自分名義の口座に入金して着服した疑いで、支給する日額旅費を本来より少なく支給するなど、着服額は約2千数百万円に上るとみられ、また、江差署会計給与係長は函館中央署会計課係長だった16年6月~同11月、函館市内の業者から、同署の物品購入と装って図書券約50万円相当をだまし取った疑いで、着服総額は計約900万円に上るとみられると記事は伝える。