郵政公社は国庫納付金が発生する見通し
11月22日付け日本経済新聞朝刊5面に「9月中間、郵政公社、純利益2.7倍――株高、多額の含み益」の記事。
記事は、日本郵政公社が21日に発表した2005年9月中間決算について、公社全体の純利益が9984億円と前年同期の約2.7倍に上ったこと、これは株価上昇で保有株式に多額の含み益が発生するなど特殊要因による部分が大きいことを伝える。郵政公社が中間決算を公表するのは今回が初めてで、固定資産への減損会計も初めて適用した結果、郵便貯金会館(メルパルク)や「かんぽの宿」、逓信病院など134施設や遊休資産を対象に計2243億円の損失を計上したとのこと。事業部門別にみると、郵便事業は赤字となったが、売上高に相当する経常収益は前年同期比でわずかながら増え、減少に歯止めがかかったとか。はがきや封書の減少分を、郵便小包「ゆうパック」やダイレクトメール便の拡大で補う作戦が功を奏し始めたともいえると記事は評する。通期では156億円の最終黒字を見込むが、生田正治総裁は「(達成を)確信している」と自信を見せているとか。郵便貯金部門の純利益は前年同期の2.5倍に膨らみ、1兆円を突破したが、信託を通じて保有する株式の含み益(5936億円)を「金銭の信託運用益」として利益に計上していることが主因で、これを除くベースでは4748億円と前年同期に比べて6.9%減ったとのこと。過去に高金利で預かった郵便貯金の流出も続いており、9月末の郵貯残高は206兆円と三月末に比べ7兆円減少したとか。簡易保険部門でも、純利益に相当する「内部留保積み増し額」が2507億円と前年同期を上回っているが、株式売却益の増加に加え、簡保契約の残高減少に合わせた責任準備金の戻し入れ(1兆9千億円)による利益を計上している要因があるとのこと。9月末の自己資本(資本金と利益剰余金の合計)は5兆8千億円で、郵政公社は自己資本充実の狙いもあって法人税などを免除されているものの、資本が一定水準を超えると、利益の5割を国庫納付金として18年度末にまとめて納める必要が出てくるが、生田総裁は21日の記者会見で「無税で積める自己資本の水準は6兆2千億円程度。来年3月期にはその限度を超える」と述べ、納付義務が発生するとの見通しを示したと記事は伝える。