公会計の動向 -118ページ目

開港に伴う償却資産税を市民の負担と捉える考え方

 共同は12月13日に「07年度以降市税投入示唆 神戸空港、市長が方針転換」を配信。

 記事は、神戸市の矢田立郎市長が13日、神戸空港の来年2月開港で市の歳入となる航空機の償却資産税について、「空港の維持管理費に投入できる」と答弁した同日の市議会決算特別委員会終了後、共同通信の取材に答えて、「19年度以降は状況を見て(空港維持管理費への投入を)検討する」と述べ、従来の方針を転換し、市税投入の可能性を示唆したと報じる。矢田市長はこれまで空港の建設費だけでなく、維持管理費への市税投入も再三否定しており、この日の委員会でも「18年度予算の編成段階では投入しない」としたが、開港直前に一転して将来的な投入の可能性を示したことになる。神戸市はジャンボ機など大型機の就航を前提に、開港当初の年間着陸料収入を約14億4000万円と見込んでいたが、日航など航空3社は11月末に、中小型機中心のダイヤを確定しており、着陸料収入は約7億8000万円にとどまる見通しとなったことが影響したとみられると記事は評する。他空港の例から年間の維持管理費を約10億円と算出しており、収支見通しが厳しくなっていたとか。償却資産税は就航する各航空会社が納付する航空機の固定資産税で、市の一般会計に入る市税であり、市の方針転換に、野党市議の一部は「市民に負担を掛けないと言っていたが、まさに負担を掛ける空港になった。約束違反だ」と厳しく批判しているとか。


 空港があるから償却資産税が入るということではないのか。

「特別会計整理合理化計画」の骨子について決定前報道

 朝日は12月14日に「公共事業5特会を統合 自民骨子案、行革推進法に盛る」を配信。

 記事は、自民党の行政改革推進本部(衛藤征士郎本部長)の「特別会計整理合理化計画」の骨子について、道路整備、治水、港湾整備、空港整備、都市開発資金融通の公共事業系5特会について、3年後をめどに1特会に統合することを明記していると報じる。こうした統廃合や独立行政法人化によって31ある特会全体を11~13に削減するとのこと。党行革本部は14日に総会を開き、骨子を正式決定すると記事は伝える。政府・与党の特会改革の議論は党行革本部が主導しているため、政府は今回の骨子の内容を年内に閣議決定し、来年の通常国会に提出する行政改革推進法に「特会見直しプログラム」を盛り込むとのこと。骨子では、公共事業系5特会のうち空港整備については、いったん統合させた後、独法化の可能性を探ることを検討課題とし、原子力発電所の立地や資源開発など電源開発促進対策と、石油及びエネルギー需給構造高度化対策のエネルギー系2特会も一つにまとめ、また、九つある保険・年金関係の特会についても分野ごとに分け、(1)厚生保険と国民年金、(2)船員保険と労働保険、(3)農業共済再保険と漁船再保険及び漁業共済保険、をそれぞれ統合するとのこと。また、「官ではなく民でもできる業務」として国立高度専門医療センター、森林保険特会は独立行政法人化し、特定国有財産整備、登記特会は「一般会計と分けておく理由が見あたらない」として、一般会計と統合して廃止とするとのこと。産業投資特会は「役割を終えた」として廃止とするとか。一方、特許審査など国が責任を持つべき行政事務がある特許特会や、特定の資金管理目的である外国為替資金、財政融資資金、交付税及び譲与税配付金、国債整理基金の4特会は現状維持だが、骨子の段階では、貿易再保険、地震再保険など一部で扱いの調整がついていない特会もあるとのこと。また、組織改革だけでなく、特会ごとでばらばらの会計基準を統一することも明記しているとか。党行革本部では、特会を大幅に整理して事務や人員面の経費削減につなげるほか、無駄遣いが批判される各特会の支出の厳格化を進める契機にしたい考えとか。「国民が分かりやすい予算本来の姿に戻す」(太田誠一・同本部特会改革委員長)第一歩とする狙いがあると記事は伝える。

NHKの視聴者サービスを受信料支払者に限定する方針に2割が賛成せず

 朝日は12月13日に「受信料支払者に限った公開番組観覧、NHKが拡大へ」を配信。

 記事は、NHKが12日、歌謡系の公開番組の観覧申し込みを受信料の支払者に限定する試みを、今年度は1本、来年度は10本程度に広げると発表したと報じる。NHKによると、「NHK歌謡コンサート」の観覧希望者のうち、支払者に申し込みを限定した9月27日と、限定しなかった同13日の各1500人に郵送でアンケートを実施したところ、いずれも8割前後の人が「限定」に賛成だったとか。


 2割の不賛成の理由は何なのだろう。税金で運営すべきということなのか。

ラグーナ蒲郡を巡る動き

 12月13日付け日本経済新聞地方経済面7面に「トヨタ、愛知県、ラグーナ蒲郡、債務超過195億円で駆け引き、蒲郡市、県を注視」の記事。

 記事は、海洋リゾート「ラグーナ蒲郡」を運営する第三セクター、蒲郡海洋開発(愛知県蒲郡市)の増資引き受けを巡る愛知県とトヨタ自動車の駆け引きが本格化してきたと報じる。蒲郡海洋開発は減損会計の適用で2006年3月期末に約195億円の債務超過に陥る見通しで、トヨタが出資比率に見合う増資負担を県に求めているのに対し、県は出資率の引き下げを検討しているとのこと。固定資産の価値低下分を損失計上する減損会計を蒲郡海洋開発の06年3月期に適用した場合、前期末に264億円だった固定資産が100億円に急減する見込みて゜、同社は既に05年3月期末に28億円の債務超過に陥っており、今期の赤字見込み額約3億円などを勘案した場合、今期末の債務超過額は195億円に拡大する見通しとか。これに伴い、トヨタ自動車は愛知県と蒲郡市に対して増資を要請しており、トヨタは約16%と民間最大の出資企業で、事業資金の融資などで蒲郡海洋開発向けに約350億円の融資残高があり、関係者によると、増資案は、現在の出資率に応じて負担し、債務超過の拡大分167億円を穴埋めするという内容で、26%を出資する愛知県が約43億円、25%の蒲郡市が約42億円を負担する計算とか。県によると、トヨタ側は蒲郡の開発は公共性の高い事業という理由でこれまでと同じ出資率の負担を求めているが、県側は「全国的にもレジャー施設を運営する第三セクターが苦境に立たされている。財政状況が厳しい中で、レジャー産業に多額の税金を投入することには異論もある」(幹部)としており、出資率引き下げの検討に乗り出しているとか。地元の蒲郡市は「増資要請はきたが、県の動きを見ながら検討する」という姿勢とも。仮に増資を引き受ける場合は来年度予算に計上する必要があり、「来年早々には結論を出さなければいけない」(県建設部)が、蒲郡海洋開発を巡っては銀行団の債権放棄などこれまでテコ入れ策が繰り返されてきており、増資を巡る駆け引きが今後の経営の方向を左右する可能性もあると記事は伝える。

特別会計について通則法を作る動き

 朝日は12月12日に「31特別会計は「3分の1程度に」 自民・中川政調会長」を配信。

 記事は、自民党の中川秀直政調会長が12日に大阪市で講演し、31ある特別会計の見直しについて、「おおむね3分の2ぐらいは統合や一般会計に移したり、民営化、廃止、独立行政法人化したりして、3分の1ぐらいにする方向で結果を出していただけると思う」と述べたと報じる。記事によると、これは、自民党行革本部が近くまとめる特会改革案の骨格を示したものとか。さらに、小泉首相が来年の通常国会での法案提出を指示した行政改革推進法案に盛り込む特会改革の中身について「特別会計の会計基準、開示基準を内閣全体で決め、厳しい設置基準にする法律も必要だ。国会で特別会計について議決を要する範囲の明確化、提出する報告書の弾力的な拡大、特別会計の設置見直し条項などを入れなければならない」としたとのこと。

四国地方整備局で多額の特命随契

 共同は12月9日に「OB再就職先と随意契約 353億、四国地方整備局」を配信。

 記事は、国土交通省四国地方整備局が12年度からことし11月15日までの5年半で、同局OBが理事長や常務理事を務める社団法人「四国建設弘済会」(高松市)に対し、競争入札をせず任意に契約する随意契約で、計797件、総額約353億円の業務を発注していたと報じる。発注した業務は道路の管理パトロールや河川の巡視、保存文書のマイクロフィルム化などで、契約の性質や目的が競争入札に適さない場合などに制限されている随意契約を、同局契約課は特定の経験や専門性、公平性、機密保持などの観点から非営利の同会に発注したとしているとか。同会の16年度の総事業収入は約62億6600万円で、うち1社だけから見積もりを取る「特命随意契約」による受注額は約61億円(契約課公表分)に上るとのこと。四国地方整備局の横田好博契約課長は「法律に基づき、適正に契約手続きを行っている」と話しているとか。特命随意契約をめぐっては、近畿地方整備局がOBの再就職先の社団法人に大量発注していたケースが判明し、国交省が全国の地方整備局に対し、見直しに向けた調査を指示しているとのこと。

大学院移転阻止のために公金を投入しようとしている堺市

 共同は12月9日に「大学院移転に待った 大阪府「札束で顔」と反発」を配信。

 記事は、大阪府立大大学院(同府堺市)の生命環境科学研究科を関西空港対岸に移転させる大阪府の計画について、堺市が研究施設建て替え費用として今後30年間に80億円を負担する代わりに、計画の撤回を要請していると報じる。近く正式に文書で申し入れる方針とのこと。府によると、同研究科には近畿地方で唯一の獣医学専攻があり、看板研究科として知られているとのこと。堺市は来年4月から政令指定都市への移行が決まっており、格を維持するため看板の研究科を抱えておきたいとの思惑があると記事は伝える。移転計画は、利用者獲得に苦しむ関空や、3割以上の空き地を抱える関空対岸のりんくうタウン救済が狙いで、14年に浮上し、府は大学側にタウン内の土地約2・7ヘクタール(地価約87億円)を無償貸与し、3年後に大型バイオ研究施設を誕生させたいとしているとのこと。来年の2月議会に、約135億円の移転費用を盛り込んだ予算案を提出する予定だが、議会サイドには「財政難の折、多額の費用をかけて移転する必要はない」との声も強く、曲折が予想され、一方の堺市は「研究科は地元のバイオ産業発展のため欠かせない」と反発し、府に計画の撤回と30億円の補助を申し出たが拒否され、今年夏ごろ、再び「建て替え費用160億円を府と折半し、30年かけて補助する」と打診してきたとか。現在の研究施設は1965年に建設されたが、府は「少なくとも20年間は建て替えの必要がない」としているとのこと。

固定資産税課税標準額の70%ルールは維持

 共同は12月10日に「評価額の70%据え置きへ 商業地の固定資産税=差替」を配信。

 記事は、自民党税制調査会が、18年度税制改正で商業地の固定資産税(市町村税)の課税標準額について、上限を現行通り評価額の70%に据え置く方向で検討に入ったと報じる。固定資産税は、公示地価の70%を評価額とし、その70%を上限に課税標準額を算出した上で、税率を掛けて税額を求めるが、経済界などは「負担が重い」として、課税標準額の引き下げを求めていたとのこと。来年度の固定資産税収は、3年に一度の評価替えに伴い地方圏の地価下落を反映して本年度に比べ約3600億円減の約8兆3600億円に落ち込む見通しで、市町村税収全体の半分近くを占めるため、課税標準額の引き下げは地方財政への影響が大きいとの見方が強いと記事は伝える。市町村が独自の判断で課税標準額の上限を60%まで引き下げることができる条例減額制度は、本年度末で期限切れとなるが、3年程度延長する方向とか。

カラ出張で浮かせた金で送別会

 毎日は12月9日に「<公金送別会>当時の新潟地検次席らを注意処分 東京高検」〔前谷宏〕を配信。

 記事は、新潟公安調査事務所の首席調査官(59)らが出張旅費名目で浮かせた公金約23万円を職員の送別会などに充てた問題にからみ、東京高検が9日、この金を使った別の会合に出席したとして、当時の新潟地検次席検事と同事務局長を注意処分としたと報じる。新潟地検などによると、会合は15年12月に開かれ、地検から当時の検事正ら3人が参加し、飲食費は約6万円で、首席調査官が「空出張」で浮かせた金から支払ったとのこと。地検は「会合は会費制だったが、首席調査官が会費を受け取ろうとしなかった」と説明したと記事は伝える。会費は、会計検査が入った後の昨年5~6月に支払ったとか。検事正だけはすでに退官し、処分されなかったとのこと。首席調査官は昨年8月、関東公安調査局から業務上横領の疑いで刑事告発されたが、新潟地検は9日、「横領は予算を全額使い切るためで、私利私欲のためではない」などとし、起訴猶予処分としていたとのこと。23万円は全額国庫に返納されているとか。

成田の価格交渉方式は予定価格を上回る契約を容認

 毎日は12月8日に「<成田官製談合>民営化後も落札率96.5% コスト減らず」を配信。

 記事は、「成田国際空港」(旧・新東京国際空港公団)発注の電機関連工事を巡る官製談合事件で、民営化された昨年4月以降の工事の平均受注額が、予定価格(契約制限価格)の約96.5%に達していることが、同社の内部資料で分かったと報じる。国土交通省発注の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)建設工事を巡る談合事件の落札率(予定価格に占める落札額の割合)より約1ポイント高く、民営化後も談合が繰り返されていた疑いが浮上したと記事は評する。予定価格を上回る金額で契約を締結したケースもあり「成田方式」の特異性が浮かび上がったと記事は伝える。東京地検特捜部は、施設保全部長(57)=競売入札妨害容疑で逮捕=らを追及し、旧公団時代から続く談合の実態解明を進めている模様とか。内部資料は、昨年度以降の発注工事に関するもので、高圧電流を使用可能な電圧まで落とす受変電設備や、滑走路の照明灯など計27件あり、落札率は平均で約96.5%となっており、国土交通省発注の橋梁談合事件で12~16年度の平均落札率約95.6%と比べて成田の方が高かったと記事は伝えるが、見積もりに基づく電気工事と積上げによる建設工事とを単純に比べ゛るのは間違い。通常の指名競争入札は、1回目の入札で全社の応札額が予定価格を上回った場合、2回目の入札に移行し、旧公団もこの方式だったが、民営化後の入札は「価格交渉方式」と呼ばれるもので、入札を1回だけ行い、最低額だった会社が交渉権を獲得し、空港側と交渉を行い、最終的な受注額を決めるというもので、予定価格を上回っても最低額なら交渉権を得られ、27件のうち14件がこのケースとか。昨年9月27日の入札では、予定価格が3293万円余だったのに、ほぼ倍額の6420万円で応札したメーカーが交渉権を獲得し、結局、応札額の半値以下の3200万円(上限の約97.1%)で受注したしたとか。また、予定価格は絶対条件ではなく、昨年8月20日の入札では、予定価格(2170万円余)の約115.1%に当たる2500万円で契約が交わされたとも。同様の入札方式は、2月に開港した中部国際空港でも採用され、導入効果などで事業費が約1200億円削減されたというが、成田は結果を検証していないと記事は伝える。