公会計の動向 -117ページ目

日銀が保有国債を18年度に5兆5千億円売却

 12月20日付け日本経済新聞夕刊2面に「日銀の保有国債、政府に売却発表、来年度中5兆5000億円分」の記事。

 記事は、日銀が20日、保有する国債のうち5兆5千億円分を来年度中に政府に売却すると正式に発表したと報じる。今年度売却分(当初計画6千億円)も1兆4千億円追加し、合計2兆円とするとか。財務省の要請に応じるもので、政府は買い入れた国債を消却し発行残高を圧縮、利払い負担の削減につなげると記事は伝える。日銀によると、15日の政策委員会で決定したとのこと。来年度中に政府に売却するのは19―20年度に償還期限を迎える利付国債で、財務省は財政の健全化に向けて来年度中に総額12兆円の国債を償還期限前に買い入れ消却する計画で、その半分近くを日銀から買い取るのは、債券市場の需給に影響を与えず相場の安定を維持するのが狙いとのこと。

道路公団橋梁談合

 毎日は12月16日に「<橋梁談合>厚待遇見返りに 検察、天下り実態指摘 初公判」〔佐藤敬一〕を配信。

 記事は、鋼鉄製橋梁建設工事を巡る談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)などに問われた元日本道路公団副総裁(61)らの初公判が、16日午後も引き続き東京高裁(高橋省吾裁判長)で行われ、検察側は冒頭陳述で「被告は公団職員の厚待遇での再就職を業者に受け入れさせることができることから談合を行った」と指摘し、天下りを介した「官製談合」の実態を詳述したと報じる。冒頭陳述によると、公団では以前から「橋梁担当理事」が天下り先に有利になるよう工事を業者に割り当て、業者側は競って天下りを受け入れたとのこと。93年のゼネコン事件を機に業者側が工事割り当てを調整するようになったが、橋梁担当理事はこれを追認して公団側の権威を保ち、天下りを継続させたとか。被告は天下りを差配する公団企画部長を経験して事情を熟知し、天下り先には公団勤務時の待遇を維持するよう求めており、13年8月、前任者から橋梁担当理事を継承し、15年5月、調整役の横河ブリッジ元顧問(71)から「今年度最初です」と工事の配分表を見せられ、表を有料道路建設課長に保管させたとのこと。16年4月に新理事(58)に「橋のことは頼むな」と橋梁担当を引き継ぎ、同5月に配分表を持参した元顧問にも「今度代わったから新理事に持っていってください」と告げたとか。新理事は富士高架橋(静岡県)工事の分割発注を依頼し、同年5月12日の工事計画理事説明会で元副総裁は「金額が大きいな。分割できないのか」、新理事は「分割を検討してみたら」と発言し、担当課長が「1億円以上高くなる」と抵抗したのに対し、両被告は「それは分かっている」と再度分割を指示したとの由。元副総裁は昨年10月、公正取引委員会が立ち入り検査に入ると、配分表の破棄を命令し、今年6月には有料道路建設課長経験者らに「未公表の発注情報を業者に漏らしたと検事に話すな」と指示し、企画部長には天下り先での待遇などを記載した書類の破棄などを命じていたとか。逮捕直前の7月中旬、有料道路部長に「自分も理事も検察に呼ばれると思うが、談合については話さない」と、暗に同様の否認供述をするよう迫ったとの由。

財投計画は10%減

 12月18日付け日本経済新聞朝刊1面に「財投、来年度10%減、7年連続マイナス、78年度以来の水準、15兆3000億円」の記事。

 記事は、財務省が17日、18年度の財政投融資計画を今年度比で10%程度減らし、15兆3千億円程度とする方針を決めたと報じる。7年連続の削減で、残高は昭和53年度以来の低水準となり、小泉政権発足後の14年度からみると約十兆円の減額とか。郵政民営化や政府系金融機関再編など一連の改革で、政策融資などに使う資金が大幅に減ると判断したと記事は伝える。


 記事は、「財投は政府系金融機関、公社・公団、地方自治体などが政策目的に使う財源で「第二の予算」と呼ばれる。一般会計と比べて国会の監視も甘く、財投を通じて官業が肥大化してきた」と伝えるが、大昔の教科書の議論。国会の議論に基づいて長期運用法などで監視の目を厳しくしたのは大昔たしか昭和48年だ。不勉強にもほどがあるしっかり勉強してほしい。

阪神大震災の被災者への貸付金の後始末

 共同は12月16日に「償還5年延長で国と県合意 未回収の災害援護資金」を配信。

 記事は、国の拠出金を基に神戸市など兵庫県内の市町が阪神大震災の被災者に貸し付けた「災害援護資金」の国への償還期限が迫っている問題で、厚生労働省と県が16日、未回収資金のうち債務者が少額返済を続けている残額などの期限を5年間延長することで合意したと報じる。県は「延長した期限後も回収できていない額をどうするかという課題は残っており、国には償還免除の条件緩和を引き続き求める」としているとか。同資金は融資総額約1300億円のうち約310億円が未回収で、18年5月から20年3月に順次、償還期限を迎えることになっているが、今回の合意で、特例で認められた月額1000円からの少額返済が続く分の残額約219億円や、自己破産などで「徴収困難」となっている残額の償還期限を5年間延長し、債務者の死亡などで「徴収不能」となった約13億円の償還は免除されるとか。「徴収困難」の約77億円のうち、返済能力がある債務者が支払いに応じていないケースは計約6億5000万円に上るとみられ、この分は延長が認められず、自治体が返済するよう説得できなければ立て替えを迫られる見通しと記事は伝える。

関空2期工事の18年度予算を300億円から170億円へ圧縮

 共同は12月14日に「関空事業費130億円圧縮 汎用品使用や工法見直し」を配信。

 記事は、国土交通省と財務省が14日、関西国際空港で建設中の2本目の滑走路を19年に使用を始めるのに必要な残事業費を、概算要求時の300億円から約130億円圧縮し約170億円にする方針を固めたと報じる。18年度予算案に盛り込むとか。2本目の滑走路を整備する2期事業で国交省と財務省は16年12月、滑走路と平行誘導路など離着陸に必要最低限の施設に限定して、施設整備費を当初予定の2100億円から765億円に減らし、17年度までに465億円を使っており、概算要求時は300億円だったが、離着陸するジェット機などを誘導する進入灯や誘導路灯に汎用品を使い、海外から購入したことに加え、滑走路や誘導路のコンクリートの厚さを現在使用中の滑走路の半分にするなど工法の見直しにより、170億円まで圧縮したとのこと。関空会社は約130億円を圧縮した代わりに、限定的な整備のため遅らせた駐機場や2本目の平行誘導路などに着手できるよう求めているが、国交省は「許される財政状況にはない」として認めない考えと記事は伝える。

メーカーのシェアなどを参考にした官製談合=発注調整

 共同は12月15日に「天下り受け入れの謝礼 成田空港談合で起訴3工事」を配信。

 記事は、成田空港の電機設備談合事件で、元新東京国際空港公団幹部2人の競売入札妨害罪の起訴事実となった3つの工事が、旧公団職員の天下りを受け入れた電機メーカーへの事実上の謝礼だったことが15日、東京地検特捜部の調べで分かったと報じる。旧公団では以前から、メーカーのシェアなどを考慮して入札前に受注企業を選んでいたことや、元幹部が作成した工事の“配分表”には5年先まで受注企業が記載されていたことも判明しており、特捜部は旧公団主導の“官製談合”が長年にわたって続いていたとみていると記事は伝える。同日、特捜部は受注側の東芝(東京)、日新電機(京都市)、富士電機システムズ(東京)の営業担当者計3人を略式起訴し、東京簡裁はいずれも罰金50万円の略式命令を出したとのこと。調べによると、3つの工事は15年7-12月に入札が実施された受変電設備で、起訴された元公団電気課長(55)=現成田国際空港会社担当部長、休職中=らは「(職員が)天下りで行くのだから配慮しなければと思った」などと供述したとか。元課長はメーカー担当者に「今度は頑張ってね」などと受注予定先に選んだことを示唆し、担当者が提示する価格に「まだ高いかな」「それぐらいでいいんじゃない」などと言って予定価格に近い額を教えたとのこと。予定価格の上3けたの数字を伝えたこともあったとか。旧公団から電機メーカーへの天下りは9年夏ごろから始まり、受注企業への工事割り付けは電気課長に代々引き継がれていたと記事は伝える。


 メーカーのシェアなどを参考に受注企業を選んでいたことと、天下り受け入れの謝礼という話を結び付けるには、メーカーのシェアによって天下りしていた、ということを説明しないとまずいのではないか。

耐震対策促進補助金を6倍以上に

 NHKは12月16日に「来年度予算編成 耐震対策促進補助金 6倍以上の130億円計上」を配信。

 記事は、政府が、マンションの耐震強度の偽装問題や、相次ぐ地震で必要性が高まっている住宅などの耐震診断や耐震工事を支援するための補助金を来年度予算案で、今年度の6倍以上に増やし、130億円を盛り込む方針を固めたと報じる。従来、政府は、住宅やビルなどの所有者が地震に備えて建物の耐震診断や耐震工事を行う場合に、一定の割合を補助しているが、来年度予算案で関連する補助金の予算額を今年度の20億円から6倍以上に増やし、130億円を盛り込むとのこと。また、政府は、災害で被害を受けた建物の解体費用などを地方自治体が支援するための交付金についても、来年度予算に今年度の3倍近い1520億円を盛り込む方針を固め、必要に応じて耐震強度が偽装されたマンションの居住者向けの支援にも充てることにしていると記事は伝える。

一般会計歳出が4年ぶりに減額の方向

 朝日12月17日に「地方交付税1兆5千億円削減、国債「30兆円」達成へ」を配信。

 記事は、18年度一般会計予算で国から地方に配分する地方交付税交付金が今年度に比べて1兆5000億円程度削減され、14兆円台半ばとなると報じる。この結果、政策的経費の一般歳出や国債費を合わせた一般会計歳出の総額は、今年度の約82兆円から80兆円程度に抑制され、一方、税収については46兆円台と今年度当初予算を2兆円以上上回るほか、その他収入も3兆円超を見込んでおり、新規国債発行額は、小泉首相が指示した「30兆円」を達成することが確実と記事は伝える。一般会計歳出の減額は4年ぶりで、80兆円程度の規模まで抑制されるのは、10年度(77.7兆円)以来とか。国の一般会計から充てられる交付税の削減は3年連続で、削減幅が大きくなるのは、地方単独公共事業や民間よりも高い地方公務員の給与見直しなどで約8000億円削減するのに加え、国と地方の税財政にからむ三位一体改革の税源移譲によって、特例交付金が6300億円削減されるためとか。ただし、実際に地方自治体に配分するベースでは特別会計での借入金や繰越金などが加算されるため、16兆円前後となる見通しで、谷垣財務相と竹中総務相が18日に折衝し、最終決定するとのこと。三位一体改革に伴う1兆円超の補助金削減もあり、一般歳出総額は2年連続減の46兆円台半ばになるのは確実と記事は伝える。

空港の電気設備工事の落札率は95%

 毎日は12月15日に「<空港工事談合>落札率95% 電機業界全体で受注調整か」を配信。

 記事は、全国97空港の施設整備などを行う国土交通省東京・大阪両航空局が、16年3月末以降に発注した電機関連工事187件の平均落札率(上限価格に占める落札額の割合)が95.3%に上ることが毎日新聞の調べで分かったと報じる。さらに、1回目と2回目の入札で、同一の業者が最低額を提示した入札が、33件中32件に達していたとのこと。談合を特徴づける「1位不動の原則」と呼ばれるもので、「成田国際空港」(旧・新東京国際空港公団)の談合事件で摘発された重電メーカーだけでなく電機業界全体で受注調整が行われている疑いが浮上したと記事は評する。187件は空港の管制施設、滑走路の航空灯火、無線施設整備などで、ほとんどは重電メーカーではない設備工事会社が受注しており、入札結果は東京局経理課や大阪局のホームページで公開されていて、東京局分は81件で落札率は94.5%。大阪局分は106件で96.3%だったとのこと。両局の平均落札率は95.3%で、事件化した国交省発注の鋼鉄製橋梁建設工事(12~16年度)の95.6%に匹敵するとか。また、1回目の入札で全業者の応札額が上限価格(予定価格)を上回ったため2回目に移行した33件のうち、最低額を提示した業者が1回目と異なったのは、大阪局の1件だけだったとか。東京局は羽田、新千歳など東日本の35空港、大阪局は中部国際、関西国際、福岡など西日本の62空港を管轄しており、東京局には過去10年間、大阪局には同5年間、電機関連工事に関する談合情報は寄せられておらず、両局は高い落札率について「資材など単価が公開されており、経験を積んだ業者なら上限価格に近接する」としているとか。また、1位不動については「すぐに談合だとは言えない。1位不動になるたびに入札を中止すると仕事にならない」(東京局経理課)と説明していると記事は伝える。

15日に与党が18年度税制改正大綱を決定

 朝日は12月15日に「家計中心、2兆円規模の増税へ 与党税制改正大綱決定」を配信。

 記事は、自民、公明両党が15日に決定した18年度の与党税制改正大綱について、所得税・個人住民税の定率減税は、既定方針の18年での半減に続き19年には全廃し、来年に予定される消費税を含む本格的な増税論議をにらみ、「地ならし増税」に踏み切ると報じる。たばこや「第3のビール」の税率も上げ、全体では国・地方合わせて2兆円規模の増税となるとか。IT(情報技術)投資を促す大型の法人税減税は、規模を約5分の1に縮小するものの事実上延長すると記事は伝える。昨年の大綱で「19年度をめどに実現す」と明記した「消費税を含む税体系の抜本的改革」については今回、「19年度をめど」を維持したものの「実現させるべく、取り組んでいく」と表現を弱めたとのこと。政府与党内に、消費税率引き上げに対する慎重論があることへ配慮したと記事は伝える。ただ、柳沢伯夫・自民党税調会長は15日、記者団に「一定の(消費税率)引き上げのめどが出ないと、財政全体の改革との関係がわからなくなる」と語り、来年6月をめどに、税率水準も視野に入れた消費税増税の選択肢を党として提示する考えを明らかにしたとか。