公会計の動向 -115ページ目

旧本四公団の職員に対する記念品代を給与と認定

 読売は1月13日に「旧本四公団が源泉徴収漏れ、手厚い福利厚生は「給与」」を配信。

 記事は、本州四国連絡高速道路会社が、民営化前の16年3月までの4年余りにわたり、非課税の福利厚生費として職員互助組織を通じ職員に支給した永年勤続の記念品代や退職餞別(せんべつ)金など約1億2800万円について、大阪、広島両国税局が、互助組織支給額の75%を旧公団が負担していたことなどを理由に「福利厚生の枠を超えて給与にあたる」と認定し、源泉所得税の徴収漏れを指摘したと報じる。徴収漏れ税額は約1070万円で、旧公団は、不納付加算税を含め約1180万円を職員から集め、納付したとのこと。記念品代などの支給は巨額の負債を抱えた旧公団で10年以上前から行われていたといい、両国税局は互助組織経由の「給与の間接給付」とみなしたとか。関係者によると、旧公団の職員互助会「本四公団厚生会」は調査対象期間中、勤続10年で1万円、20年で5万円、30年で10万円の旅行券を約200人に支給したが、原資の75%を旧公団が負担していた上、旅行での使用を示す領収書の提出も求めておらず、両国税局は「社会通念上考えられる福利厚生事業とは言えない」として約1200万円を源泉徴収対象としたとの由。

経営が成り立っていない自治体病院

 朝日は1月15日に「自治体病院、自力で黒字はわずか8% 政投銀調査」を配信。

 記事は、全国の自治体病院のうち、補助金などに頼らず実質的な営業黒字を確保しているのは、全体の8%程度しかないことが、日本政策投資銀行の分析でわかったと報じる。補助金を含めて経常黒字を確保している病院は4割近くまで増えるが、累積赤字は増加傾向とのこと。政策投資銀が15年度に1000あった自治体病院について、地方公営企業決算をもとに分析したところ、実質的に営業黒字なのは82病院しかなく、大半が診療報酬など本業の収入では、必要経費をまかなえない状況とか。15年度の地方公営企業決算によると、自治体や国からの補助金で経常黒字の病院は389と4割近くまで増えるが、6割はなお赤字で、病院事業全体の経常赤字額は合計で1400億円近くに達するとのこと。また、補助金に当たる病院事業会計への他会計からの繰入金は全体で5451億円とか。政投銀が、自治体ごとの一般財源の規模を表す「標準財政規模」に対する繰入金の比率も分析したところ、平均では3.4%になり、高い自治体では15%に達するところもあったとか。公共事業や福祉など全体の行政活動に必要な財源のうち、病院事業支援のためだけに15%を割いていることになり、財政負担が大きいことを示していると記事は伝える。

美術館建設が宙に浮いて土地と美術品が遊休している大阪市

 共同は1月16日に「絵画150億“持ち腐れ” 大阪市で美術館建設が頓挫」を配信。

 記事は、大阪市が同市北区に計画している市立近代美術館(仮称)の建設が頓挫し、約150億円をかけて購入した絵画など約3000点の大半がお蔵入りしたまま“持ち腐れ”状態になっていると報じる。建設計画は元年の大阪市制100周年記念事業の一環で、昭和60年から絵画などの収集を開始して、モディリアニの「髪をほどいた横たわる裸婦」(約19億3000万円)やダリの「幽霊と幻影」(約6億7800万円)などを購入したが、予定地で土壌汚染が発覚したことや財政の悪化などが重なり、構想から約20年たっても着工の見通しが立たない状況とか。市は年に数回、展覧会を開いて収集品の一部を展示するなど「苦肉の策」を続けているが、大部分は市内のトランクルームなどに眠っているとのこと。

課税逃れの一時的出国者を封じる動き

 朝日は1月15日に「外国人ビジネスマンの課税強化へ 所得税法改正案を提出」を配信。

 記事は、政府が18年度から、日本で働く外国人ビジネスマンらへの課税を強化すると報じる。在日外国人への所得課税を優遇する要件を厳しくし、主に日本で働く外国人には国内外のすべての所得に課税できるようにするため、所得税法改正案を通常国会に提出するとのこと。優遇措置を受け続けるために短期の海外転勤を繰り返すといった節税行為に待ったをかける狙いで、来年度からは非永住者の要件を「日本国籍を持たず、過去10年間のうち日本に住んでいるのが通算5年以下の人」と限定し、外国人でも主に日本で働いていれば、海外で得たすべての所得も申告し、所得税を納めなければならないことにするとか。日本人の「非永住者」化も認めず、所得把握のため、海外の税務当局との情報交換も行うとのこと。

土地開発公社に押し付けていたムダ地を買い戻す自治体

 1月12日付け日本経済新聞大阪朝刊16面に「「泉佐野コスモ」未利用地、府、156億円で買い取りへ、土地公社から」の記事。

 記事は、大阪府が、府土地開発公社が未利用のまま5年以上保有している塩漬け土地のうち、産業団地計画を中止した泉佐野コスモポリス用地約76ヘクタールを来年度からの2年間で約156億円で買い上げる方針を固めたと報じる。府は、買い取りの費用として18年度予算に70億―80億円程度を盛り込み、残りを19年度予算に計上する見通しで、公園として整備する計画とか。府や泉佐野市などが出資した第三セクター「泉佐野コスモポリス」は関西国際空港対岸に産業団地の整備を目指したが、10年に638億円の負債を抱えて特別清算し、民事調停の成立に伴う破綻処理で府や市は土地を買い上げることになっていたが、府は財政難と跡地利用のめどが立たないことを理由に、76ヘクタールを公社に130億円で肩代わり取得させたものの、公社の金利負担が毎年2億―3億円に上っているとのこと。


 信用力がある組織のほうが調達金利は安いはずだし、その意味で本体が所有するのが妥当だろう。

北海道が前渡金経理の業務点検

 1月12日付け日本経済新聞北海道朝刊38面に「横領事件で道、道警など371カ所を指導、前渡金制の運用調査」の記事。

 記事は、道警の元会計担当職員二人が公金を着服し逮捕された事件を受け、道が、道警の全69署や道立高校など計371カ所に対し、公金が適正に使われているか聞き取り調査と指導を始めたと報じる。前もって一定額を担当者の口座に振り込む「前渡金制度」が事件で悪用されたため、制度が適切に運用されているかを調べるもので、職員が警察署と高校を訪問して会計担当者と面談し、会計処理方法の現状を聞き取り、不備があれば適正な処理をするよう指示して、厳格な運用を指導するとのこと。

都の補正予算は借金返済に充当

 1月11日付け日本経済新聞地方経済面15面に「都の今年度補正予算案、一般会計3850億円、都議会提出へ――財政健全化に充当」の記事。

 記事は、東京都が一般会計総額が3850億円の17年度補正予算案を次の都議会に提出すると報じる。企業業績の回復で都税収入が3150億円増と大幅に伸びる見通しになったためで、補正分は主に、基金の積み増しや借金の圧縮といった財政健全化策に充てると記事は伝える。18年度当初予算案に関する10日の知事査定で、今年度の最終補正額を併せて決めたとか。補正のうち歳出では、各年度の財源のバラツキに備えて積み立てる財政調整基金を1千億円、社会資本等整備基金を5百億円それぞれ積み増し、また、鉄道の連続立体交差化や首都高速中央環状線の整備、都営地下鉄駅のバリアフリー化など、新たに国の補助を確保した事業にも予算を配分するとのこと。「隠れ借金」の削減にも取り組み、借金である都債の償還に充てる減債基金の積み立て不足6百億円を解消し、一般会計から下水道事業会計に支払うはずだった4百億円の繰り延べも一掃するとのこと。都は隠れ借金の圧縮を今後も積極的に進める方針で、18年度当初予算案では、中央卸売市場会計から借り入れていた1600億円を繰り上げて完済するなど計2千億円を減らすとか。隠れ借金の残高は15年度決算で1兆1千億円だったが、17年度補正と18年度当初予算での対応を合わせると6千億円以下に減るとのこと。一方で、自治体の貯金とも言える基金の残高は6千億円を超え、都が隠れ借金の公表を始めた13年以来、初めて基金残高が隠れ借金を上回る見込みとか。

外貨準備高が過去2番目の水準へ

 日経は1月11日に「12月末の外貨準備高8468億9700万ドル・過去2番目の水準」〔NQN〕 を配信。
 記事は、財務省が11日に朝発表した17年12月末の外貨準備高が、8468億9700万ドルとなり、前月末に比べ36億2900万ドル増加したと報じる。増加は2カ月連続とか。16年12月末との比較では23億5400万ドルの増加とか。前の月に比べ、米国の金利低下(債券価格は上昇)とユーロの対ドル相場の上昇が寄与し、17年8月末に次ぐ過去2番目の水準となったと記事は伝える。米国の10年物国債利回りは11月末時点の4.488%から12月末は4.395%に低下し、為替相場は11月末の1ユーロ=1.17875ドルから12月末には1ユーロ=1.18475ドルにユーロ高が進行していてユーロ建て資産のドル換算評価額が増加し、さらに、債券の運用収入、金利収入も押し上げ要因とか。

予算の水増し計上を「ムダ」と表現するメディアがいる

 1月11日付け日本経済新聞朝刊5面に「予算、事後点検を強化、05年度分870億円ムダ発覚、財務省、査定見直しも課題」の記事。

 記事は、18年度の予算編成で、財務省が前年度予算の執行状況を洗い直したところ、実績のない事業や過剰計上など約870億円ものムダが発覚したと報じるが、これは限りなく誤報に近い。ムダというのは不必要なものだが、ここで問題になっているのは過大な見積もりであって、いわば実体がない水増しということである。水増し部分を「ムダ」と表現するのはおかしい。

高落札率入札調査制度を岐阜市が導入

 読売新聞中部発サイトは1月6日に「高落札率工事に積算検査 東海初 岐阜市 2月試験導入」を掲出。

 記事は、岐阜市が5日、市が発注した予定価格4500万円を超える公共工事のうち、落札率が95%を超えた場合は契約を保留し、入札金額が適正に積算されたかを調べる「高落札率入札調査制度」を、2月から試験導入すると、発表したと報じる。落札業者に工事内訳書の提出を求め、入札金額をはじき出すまでのプロセスに問題がないか確認する制度とか。同市によると、市の昨年度の公共工事計約620件の平均落札率は94・4%で、このうち4500万円以上の高額発注工事59件のうち41件が95%を超える高落札率だったとのこと。同市の公共工事の平均落札率は、県内第2の都市・大垣市の92・5%に比べて2ポイントほど高く、さらに、昨年3月には、民間の公認会計士による包括外部監査の調査報告書で、「落札率が高いケースが目立つ」と指摘されていたとの由。