捉え後の世界(捉え暦):5ヵ月8日
原始体操開始から:5ヵ月28日
検証理論:北京原人理論(重心力トレーニング)
●首の付け根の感覚の芽生え
ここでいう首の付け根とは、鎖骨の間の奥の押すと「うぇっ」てなる部分で、解剖学的にはおそらく第7頸椎と第1胸椎の間あたりだと思う。
前回の記事で頭の位置が落ち着いてきたと書いたが、これがその予兆だったようだ。芽生えて何が変わったかというと、首の付け根をある程度独立して動かせるようになったのだ。さらにその部分の深層筋が伸びる感覚も分かる。
これは胸が独立動かせるようになった時と同じような感覚で、首の付け根の奥底の筋肉をジワ―っと動かす感じである。
驚きなのは、こんなところをピンポイントで動かせるというである。もちろん、知識レベルでは、首の付け根・鳩尾(胸骨)・腰の3つは独立動かせる部分であるとは分かっていた。
しかし、例のごとく、自分はできないものは出来ないと認めて、放っておいているので、特には気にしていなかった。
鳩尾(胸骨)・腰は独立して動かせるようになっていたので、胴体開発が進んでくれば、勝手に首の付け根のできるようになるだろうと思っていた。
ついに来ました。動かせるレベルは、まだまだだが、鳩尾(胸骨)を動かすは別の感覚が違い、こんな短い距離しかないのに、別々に動くのかと感動した。
これまでの身体感覚にもう一つ新しい感覚が追加された感じである。特に「背骨連動体操」においてである。
以前は、
腰(腹圧)→鳩尾→首本体→頭蓋骨
今は、
腰(腹圧)→鳩尾→「首の付け根」→首本体→頭蓋骨
そう、背骨全体に余すことなく伸びを感じることが出来る。
つまり、腰椎が伸び、その伸びが鳩尾を伸ばし胸椎へ、そして胸椎が伸びて、その伸びが首の付け根を伸ばす。それからその伸びが頸椎を伸ばして、頭へ到達する。
で、早速色々試してみた。
◎実験1:「反る」
上記の内容と重なるが、
以前は、
腰(腹圧)→鳩尾→首本体→頭蓋骨
と、反っていたが、次のように、
腰(腹圧)→鳩尾→首の付け根→首本体→頭蓋骨
と「首の付け根」を上下に伸ばすと、その後の首本体の伸びが促され、さらに背骨全体、特に胸椎の伸びがさらに増す。
★【動画】
【反る動きの4段階】
(映像提供:本のセンセさん)
やっぱり、胴体力の「反る」は基本といってもかなり難しい。
何故なら、
「胸椎伸ばす≠胸を張る」
「首の付け根を伸ばす≠胸を張る・顎を上げる・肩を上げる」
だからである。
胸が張っているように見える、顎が上がっているように見えるだけであって、意識はこの姿勢にない。さらに肩は逆に下がるか・そのままである。
●「反る」から「姿勢を作る」
◎実験2
手順:
①実験1の最大限反った状態から、
②首の付け根の伸びを極力保ったまま、首の付け根を支点に、首本体と頭を起こす。
③そして、胸椎の伸びを感じながら、胸椎の後湾させる。
④そして胸椎の伸びやかな後湾と、首の付け根の伸び感じながら、頸椎の前湾を軽減する。⑤で、姿勢完成である。
身体がしっかり連動して完成すれば、視界は高く感じ、背が高くなった気分になるが、別に背骨を伸ばしているつもりはない。しかし、背骨全体が伸びやかになっているのが分かる。肩は落ち軽く、首は伸び軽い。もちろん肋骨も骨盤も軽い。しかし、不安定さはない。
そして、頭の重みが消滅する。あれどこいった?っと感覚を探ると、あら不思議、股関節の上にいる(笑)。そう、頭の重みが股関節の上に乗って骨盤内にしっかりと収まり、「捉え」が深くなる。そう重心が落ちる。だから安定する。
注意:この動作は、身体が固い人がやると、ほぼ間違いなく腰・首を壊すと思うので、やる人はくれぐれも注意されたい。毎回書くが自己責任でやってください。それから、身体が固い人は、ただ肩が上がって、肩・首が窮屈になるだけだと思う。重心も上がったままで、下がらず、ただただ不安定な姿勢なると予想される。
★【動画】
(映像提供:本のセンセさん)
●3点起点の重心移動
◎実験3:
以下の、3点を起点にそれぞれ1点ずつ別にきっかけを作り重心移動する。
①腰(重心ボール)
②胸(鳩尾・胸骨)
③首の付け根
③はこれ起点に鳩尾を徹って重心ボール動かすである。②と③は距離が近いが、独立して動かせれば、明らかに感覚が違う。つまり、③をやってつもりでも②になっている場合が考えられる。2つは別もである。
★【動画】
(映像提供:本のセンセさん)
●「捉え」という躾
普段から「捉え」を意識して生活をしてきて、それに伴い「捉え」がだんだん深くなってきている。おそらく、無意識の状態でも、ある程度は捉えている状態だと思う。完全には外れていないはずである。
しかし、一度「深い捉え」を味わうと、そのある程度の捉え、つまり「浅い捉え」に違和感を感じる。ふと、無意識の状態だと、やはり浅いのである。感覚的には脚が開いてる感じ?身体が開く感じ?で、何か違和感なのである。
そう、ついに、来てしまった。
「捉え」が無い状態に違和感を感じるという感覚!
これは、普段腕時計をしている人が、時計をし忘れると違和感を感じる感覚によく似ている。微妙な時計の重みがないと手に違和感を感じるあの感じである。
捉えによる躾ができてきたようである。
では、ふと無意識になり、捉えが浅くなる状態をどのように深い状態に戻すか。もちろん、特に急ぎでなければ、上記の姿勢を作り直して、動き出す。
しかし、毎回そうもいかない。さらに、あれ股関節の捉えの感覚は分かっていてもそれを復元できないときがある。
で、何か一発で捉えを深く戻すことはできないかと考えた。
●中心に戻る力
浅くなると、中心から開く感じがあるから、中心に戻せばいいかもしれない。
あぁ、あれだ!
である。これは、座りで行う体操で、内転筋と大腰筋を連動されるものだが、上手くできると、しっかりと下っ腹が凹む。そして、肩にも連動しているので、肩の力も抜ける。これは、身体を中心にまとめる効果がある。
この中心にまとまる連動感覚を、体操ではなく、浅くなった時に再現するのである。そうすると、内転筋―大腰筋と連動し、肩の力が抜け、下っ腹が凹むので、瞬時に「深い捉え」が復元される。
これは、別にどんな姿勢でも、この連動感覚を得られれば、捉えが深まり、身体がリラックスする。足が開いていても、この中心に戻す連動が身体内部で確立されると、捉えが深くなる。
ばらけていた身体が中心に戻る。厳密には外見はばらけて見えるが、中身はまとまっている感じかな。
また、何か捉えがしっくりこないときも、これをやると、しっくりくる。
ふと立った瞬間、皿洗い、掃除機をかける、洗顔する、歯を磨く、などなど。
トイレの小ですら、捉えて立って、用をすませる(笑)
寝るときも、これをすると、一気に身体が緩む。
座り姿勢でも、かなり役立っている。
また、日課の【骨盤と股関節の覚醒運動】前にも、この中心に戻す連動感覚を復元して、しっかりと立ち位置を中心にしてから行うと、効果がさらにあがる.。
(ちなみに、【内転筋と大腰筋の連動体操】を日課でしてはいない。すでに、これで得られる感覚を再現できるので、それをしている。もちろん、この体操をしたらなお良いだろうが)。
理想を言えば、次のニュートラルポジションを絶えず形成することである。
●現段階の連動とニュートラルポジション
【内転筋と大腰筋の連動体操】と【背骨連動体操】と【実験②】で得られる連動を全てで、確立される姿勢が現段階のニュートラルポジションである。
【現段階で感じる連動と感覚】
(ざっとランダムに列挙するが結局は全てが連動していることに注意)
・内転筋活性―下っ腹凹む―大腰筋活性―広背筋活性―肩脱力
・下っ腹凹む―鳩尾伸び―首の付け根伸び―首全体伸び―首・頭据わる―顎引かれる―頭の消失―頭の重み股関節上―骨盤に重み―深い捉え―鳩尾より上浮遊感
・深い捉え―股関節脱力―脚脱力―足ペラペラ・フワフワ―足ジワっと温かい
・肩脱力―腕脱力―手ペラペラ―手ジワっと温かい
【内転筋と大腰筋の連動体操】も【背骨連動体操】も【実験②】は、共通して【下っ腹が凹む】(【深い捉え】)ので、それが連動するようだ。
どれをしても連動するの理想的だろうが、現段階では、
【内転筋と大腰筋の連動体操】→【背骨連動体操】→【実験②】の連動が優位である。
しかしながら、芽生えたての首の付け根の伸びは、スムーズに連動しないので、意識が必要である。ただ、鳩尾の時と同じ感じなので、やがて繋がりがよくなるだろう。
●良質な教材
以下の動画は良質な教材となっている。胴体が固い人の例が挙げられており、勉強になる。スレッドの本のセンセさんでない人の動きがまさに胴体が固い人である(自分もこれぐらい固かったことを覚えている)。
(映像提供:本のセンセさん)
動画内に解説も付記されているが、せっかくなのでさらに勉強させてもらう。
観る目はまだまだだが、これまでの内部感覚の変化や経験から分析してみる。なお、「胴体が固い人=Aさん」として話を進める。
・胸椎が固い=大腰筋は活性化していない=鳩尾固い=股関節固い。逆に言えば、大腰筋が活性化すれば、この問題は解決される。
・胸椎が固いから、反ろうと思うと腰が反り返る。胸郭が前や後ろに動いているが、これは腰が前後に動いているだけで、胸椎そのもの動きによって生み出されていない。胸が動いているので、胸椎が伸びていると勘違いしている。そして、「胸椎伸ばす=胸を張る」と勘違いしている。
・胸椎が固いということは、肋骨も固く、蛇腹のように肋骨の一本一本が開かない。つまり、肋骨の一本一本が前後左右に開かない。肋骨は胸椎から生えている。肋骨が固いということは、背中も固い。肋骨は身体の背中側を徹っているため。とういうことは、広背筋は活性化は見込めず、よって肩が固い。実際、かなり肩が上がっている。まだまだ下がる。それから、肩が上がっている・胸椎が伸びないので、首が短い。まだまだ伸びる。
・肋骨が固い、大腰筋が活性化していないから、「伸ばす・縮める」はほぼ皆無。大腰筋が活性化しないと、肋骨と骨盤はなかなか離れてくれない。
・以上のことから、Aさんには、胸椎(鳩尾)・大腰筋・股関節の感覚は自覚できていないはずである。よって、重心移動や股関節に乗るという感覚は、まず無い。Aさんは重心移動に関して記事①と記事②に書かれていて、「重心移動は伸ばす・縮めるである」や「背骨が重要」と解説されているが、Aさんはまだまだ知識レベルで、実際の身体はこのようには動かないはずである。あくまで私見であるが、「スーパー基本の動き」や「スーパーシンプル」と書かれているが、そのスーパー基本のことが残念ながら出来ていないと思う。自分はスーパーシンプル故、スーパー基本故、難しいと思っている。
厳密に言えば、本やネットの情報を集めて、それを整理して「もっともらしく」書いているだけである。記事内に出てくる、可動域の図や専門用語を並べて、信憑性を高めようとしているが、あくまで知識レベル。身体が動かないので知識に頼ろうとしていることが文章全体から読み取れる。多少の知識は必要だろうが、専門用語など無くても、身体は動くようになる。実際、自分がそうである。逆に言えば、専門用語を並べただけでは身体は動かない。あくまで、用語そのものは言葉の世界の住人で、身体の世界の住人と仲良くなるには、身体の世界の住人からアプローチしなければ結ばれない。
知識を入れることは大事だが、優先されるべきは、本や他人の身体ではなく、まずは自分自身の身体。自分の身体が色々なことを教えてくれる。自分自身が良い教材なのである。
Aさんの反る動画は、Aさんの怪我しない動きの習得とは逆の方向、つまり故障する体操の動画である。Aさんのような専門家を専門家だから信じるか、ど素人の当ブログの見解を信じるかは、上記の胴体が動く人の体操とAさんの体操をよく見比べて、動画内解説と当解説をよく読んで判断されたい。
また、身体に関して言えば、
「身体が先に理解して、後になって初めて脳が理解する」
ではないかと思う。自分の身体は、このようにして進化してきたことは事実。だから、ブログでも、分からないことは分からないと書くし、現状からのあくまで推測であると書いたり、知識レベルで知っていても、身体が理解するまでは放っておいている。その最たる例が今回の「首の付け根の感覚」である。知ってはいたが、最近まで、身体が理解するまで放っておいた。
先ず身体が理解して、次に脳が理解して、そして胴体が動く人が言っている真意が分かってくる。あれは、こういうことだったのかと。一番それを感じたのは、重心移動は伸ばす・縮める肝になるということである。胴体力では「伸ばす・縮める」の向上が重心移動の向上につながると書かれいるが、身体がそのメカニズムを理解し、後になって脳が理解して初めて分かった。重心移動が気になる方は当ブログの過去記事を参照されたい。
【追記】
良い例の「捻る」だが、見本の動きはかなり胴体深部が柔らかく、股関節の捉えが正確である。
自分は、お陰様で、股関節でしっかり捉えて90度捻れるが、こんなにスムーズには捻れない。動画内解説に出てくる、30度~40度をみてはっとした。というのも、自分が捻る際は、この辺の角度で一回、ちゃんと捉えているか確認してから(正確には何かひっかかりを感じてから)、さらに捻っているからである。なぜかというと、解説にあるように、ここからがなかなか捉えたまま捻れないのである。普段からの捉えの躾が、無意識にこの角度を教えてくれたのだと思う。
「捻りの30度・40度の壁」とでも言っておこうかな。
(この角度から先に、えっ?マジで?って思うぐらい捻れなかったことを思い出した。)
今回は、本当にいい教材に出会えたし、かなり勉強になったし、良い感じに整理ができた。
以上、嘘か本当か内部感覚からの報告でした。
始まりはいつも北京原人から。